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せっかく帝国の学園に迎えに来てくれたのに、父親が反対して行けなくなりました2
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応接に入ると私は継母と義妹に凄まじい眼光で睨みつけられたのだ。
これは絶対にまずいやつだ。
私は青くなった。
「お前がクラウディアで間違いないな」
いきなり私はルードに確認された。
「滅相もございません。クラウディアはこちらの娘です。そちらはメイドのクラウで」
必死の形相で継母が叫んでいた。私を睨みつけて何も喋るなって言ってくるんだけど……
私は全く理由が判らなかった。
何故義妹のカミラが私になっているんだろう?
「平民の分際でクラウディアを呼び捨てにするな。クラウの愛称もな」
ルードが怒って叫んでいた。
なんでルードが怒っているのかよく判らなかったが……
「ルード様。男爵家の私の家内を平民とは酷いではないですか?」
父が言った。
「外務卿。俺を謀って別の娘をクラウディアだと偽装するのはどういう事だ? これは国際問題だぞ」
でも、ルードはそれを無視して外務卿に食って掛かったのだ。
「いえ、ルード様。お待ち下さい。こちらの銀髪の娘がクラウディア嬢だと言われるのですか?」
慌てて外務卿が私を見た。
「そうだ。大叔母様の銀髪を受け継いでいるからそうに間違いない」
たしかに私はおばあさまの銀髪を受け継いでいたけれど、なんでルードがそんな事を知っているんだろう。というよりもどちらにせよ属国の男爵家の娘の私が誰だろうが帝国との間に国際問題になるのはおかしいと思うんだけど……
「確かにエデルガルト様は銀髪でしたが」
「その娘のエレオノーラは栗色の髪でしたよ。孫のクラウディアが銀髪だという証拠にはなりますまい」
「何を言っているアロイス。お前はクラウディアの父だろうが。父が何故嘘をつくんだ?」
ルードが不思議そうに聞いてくれた。そうだ。全く持ってそのとおりだ。
私は大きく頷いてしまった。
「そもそも俺は5歳の時にそこにいるクラウと一緒に遊んでいるぞ」
私はそう言われて、初めて気づいたのだ。
思い出した。
「ええええ! あなたあの太っちょルードなの?」
「前の変なあだ名は余計だが、ルードはあっている」
ムッとしてルードは答えてくれた。
私は、昔、この男が私に地味顔とかちびとか散々いじめてくれた男の子だったということに気づいたのだ。
そうか、あの太っちょのルードがこんなイケメンになったんだ。
私は驚いてルードをまじまじと見た。
「今回は俺はそのクラウディアの親族からクラウディアを連れて帝国の学園に通わせる世話をするように言われている」
「そ、そんな」
継母等は青くなった。
どのみち、ルード等が帰った後に私を鞭打っていじめようと思っていたんだと思う。
どうやら、私はルードについて帝国に行けるみたいだ。
やった。このまま、おさらばできたらどんなに嬉しいだろう。
私は有頂天になった。
「お待ち下さい。ルード様。クラウディアは私の娘でもあります。勝手に連れて行かれては困ります。このカッセル王国では父親が賛成しない限りは勝手なことは出来ないはずですよ」
父がいきなり言いだしたのだ。
今まで何も世話していないくせに何を言い出すのよ!
私は大声で叫びたかった。
でも、父の言う通り、このカッセル王国は父親の親権は絶対だった。
父が認めない限り帝国に行けない。
私のバラ色の学園生活が……また毎日の雑用生活、いや、奴隷と変わらないむち打ち生活に戻ってしまうのだ。
私は真っ青になってしまった。
これは絶対にまずいやつだ。
私は青くなった。
「お前がクラウディアで間違いないな」
いきなり私はルードに確認された。
「滅相もございません。クラウディアはこちらの娘です。そちらはメイドのクラウで」
必死の形相で継母が叫んでいた。私を睨みつけて何も喋るなって言ってくるんだけど……
私は全く理由が判らなかった。
何故義妹のカミラが私になっているんだろう?
「平民の分際でクラウディアを呼び捨てにするな。クラウの愛称もな」
ルードが怒って叫んでいた。
なんでルードが怒っているのかよく判らなかったが……
「ルード様。男爵家の私の家内を平民とは酷いではないですか?」
父が言った。
「外務卿。俺を謀って別の娘をクラウディアだと偽装するのはどういう事だ? これは国際問題だぞ」
でも、ルードはそれを無視して外務卿に食って掛かったのだ。
「いえ、ルード様。お待ち下さい。こちらの銀髪の娘がクラウディア嬢だと言われるのですか?」
慌てて外務卿が私を見た。
「そうだ。大叔母様の銀髪を受け継いでいるからそうに間違いない」
たしかに私はおばあさまの銀髪を受け継いでいたけれど、なんでルードがそんな事を知っているんだろう。というよりもどちらにせよ属国の男爵家の娘の私が誰だろうが帝国との間に国際問題になるのはおかしいと思うんだけど……
「確かにエデルガルト様は銀髪でしたが」
「その娘のエレオノーラは栗色の髪でしたよ。孫のクラウディアが銀髪だという証拠にはなりますまい」
「何を言っているアロイス。お前はクラウディアの父だろうが。父が何故嘘をつくんだ?」
ルードが不思議そうに聞いてくれた。そうだ。全く持ってそのとおりだ。
私は大きく頷いてしまった。
「そもそも俺は5歳の時にそこにいるクラウと一緒に遊んでいるぞ」
私はそう言われて、初めて気づいたのだ。
思い出した。
「ええええ! あなたあの太っちょルードなの?」
「前の変なあだ名は余計だが、ルードはあっている」
ムッとしてルードは答えてくれた。
私は、昔、この男が私に地味顔とかちびとか散々いじめてくれた男の子だったということに気づいたのだ。
そうか、あの太っちょのルードがこんなイケメンになったんだ。
私は驚いてルードをまじまじと見た。
「今回は俺はそのクラウディアの親族からクラウディアを連れて帝国の学園に通わせる世話をするように言われている」
「そ、そんな」
継母等は青くなった。
どのみち、ルード等が帰った後に私を鞭打っていじめようと思っていたんだと思う。
どうやら、私はルードについて帝国に行けるみたいだ。
やった。このまま、おさらばできたらどんなに嬉しいだろう。
私は有頂天になった。
「お待ち下さい。ルード様。クラウディアは私の娘でもあります。勝手に連れて行かれては困ります。このカッセル王国では父親が賛成しない限りは勝手なことは出来ないはずですよ」
父がいきなり言いだしたのだ。
今まで何も世話していないくせに何を言い出すのよ!
私は大声で叫びたかった。
でも、父の言う通り、このカッセル王国は父親の親権は絶対だった。
父が認めない限り帝国に行けない。
私のバラ色の学園生活が……また毎日の雑用生活、いや、奴隷と変わらないむち打ち生活に戻ってしまうのだ。
私は真っ青になってしまった。
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