79 / 103
王妃様から天使な息子のために王子との結婚を勧められました
第二王子を鍛えるために山を一つ吹き飛ばしました
しおりを挟む
そして、翌日、私は天使な息子のシャルルちゃんをメリーとアリス、それに急遽呼び出した弟に任せて、ダグラスを伴って少し離れた平原に行ったのだ。
ここは、過去に大戦のあった場所で、見渡す限り、荒野が広がっていた。
ダグラスは少し緊張した面持ちをしていた。
「さあ、ダグラス、今日からあなたは私の息子よ。私の事は母親だと思ってくれて良いわ」
私は言いきったのだ。
「何と言うことを言われるのです。ダグラス様は畏れ多くもこの王国の第二王子殿下ですぞ。侯爵家の未亡人風情が、息子など……」
そう言う騎士の目の前に爆裂魔術をお見舞いした。
ズカーーーーン!
騎士の目の前を通過した炎が、遠くで凄まじい爆発を起こす。
騎士や侍女達は固まってしまった。
「お黙り、これは王妃様にも言って了解を取ってあることよ」
私は騎士達を睨め付けた。
「どのみちエドが王位を継いだら、ダグラスは臣籍降下するのだから。今は形だけだけど、私の庇護の下に入るのはダグラスに取っても良いことよ」
私はニタリと笑ってやったのだ。
昔ならその生意気な騎士を張り倒していたけれど、私も本当に丸くなったものだ。
「ダグラスは魔術使ったことはあって?」
「少しはある」
私の問いにダグラスが自信なさげに言った。
と言うことはほとんど使えないということだろう。
まあ、王族なんだから、大切に温室の中で育てられていたんだろう。エドみたいに。
まあ、エドは徹底的に鍛え上げたので、少しは通用できるようにしたけれど……
「じゃあ、やってみて」
私が促すと、
「こんなところでか」
目を見開いて、ダグラスが聞いてくるんだけど……
「こんなところだからいいんでしょ。周りに何もないから思いっきり出来るわよ」
私は笑って言ってやった。
「わかった」
ダグラスは頷くと、横を向いて、足を肩幅に開いて、手を突き出す。
「ああ、神よ、我が願いを聞き届け賜え!」
なんかダグラスが手を上に揚げて祈り出したんだけど……
「神の導きによって、我がダグラスが命ずる。炎を出でよ」
散々祈った後でダグラスが出したファイアーバールはとても小さかった。
それもすぐに消えてしまった。
私は盛大にため息をついた。
「ダグラス、お祈りは教会でやりなさい」
私は首を振った。
「貴様、神を冒涜するのか! 魔術は神の許しを得て使うのだ」
さっきの騎士が、突っかかってきたが、戦場で悠長に祈っていたら、敵に斬り込まれて終わりだ。
こいつらは実戦を知らないのか?
私はつくづく嫌になった。
まあ、仕方が無い。ここは見本を見せよう。
「ダグラス、よく見ているのよ」
なおも叫んでいる騎士を無視して、私はダグラスを見た。
ダグラスがこちらを見たのを、見て、
「いっけー!」
私は大声で叫んだのだ。
私のてから巨大な火球が出きると、凄まじいスピードで、先にある山にぶち当たった。
ピカッ
ドガーン
凄まじい、爆発が起こった。
爆風で、吹き飛ばされそうになり、騎士達は慌てて伏せた。
爆炎が、風邪で消え去った跡に山は影形なく消えていた。
「「「えっ!」」」
男達は口を開けて私と山のあった跡を見比べていた。
「判った? こうするのよ」
私の言葉にダグラスはただ頷くしか出来なかった。
ここは、過去に大戦のあった場所で、見渡す限り、荒野が広がっていた。
ダグラスは少し緊張した面持ちをしていた。
「さあ、ダグラス、今日からあなたは私の息子よ。私の事は母親だと思ってくれて良いわ」
私は言いきったのだ。
「何と言うことを言われるのです。ダグラス様は畏れ多くもこの王国の第二王子殿下ですぞ。侯爵家の未亡人風情が、息子など……」
そう言う騎士の目の前に爆裂魔術をお見舞いした。
ズカーーーーン!
騎士の目の前を通過した炎が、遠くで凄まじい爆発を起こす。
騎士や侍女達は固まってしまった。
「お黙り、これは王妃様にも言って了解を取ってあることよ」
私は騎士達を睨め付けた。
「どのみちエドが王位を継いだら、ダグラスは臣籍降下するのだから。今は形だけだけど、私の庇護の下に入るのはダグラスに取っても良いことよ」
私はニタリと笑ってやったのだ。
昔ならその生意気な騎士を張り倒していたけれど、私も本当に丸くなったものだ。
「ダグラスは魔術使ったことはあって?」
「少しはある」
私の問いにダグラスが自信なさげに言った。
と言うことはほとんど使えないということだろう。
まあ、王族なんだから、大切に温室の中で育てられていたんだろう。エドみたいに。
まあ、エドは徹底的に鍛え上げたので、少しは通用できるようにしたけれど……
「じゃあ、やってみて」
私が促すと、
「こんなところでか」
目を見開いて、ダグラスが聞いてくるんだけど……
「こんなところだからいいんでしょ。周りに何もないから思いっきり出来るわよ」
私は笑って言ってやった。
「わかった」
ダグラスは頷くと、横を向いて、足を肩幅に開いて、手を突き出す。
「ああ、神よ、我が願いを聞き届け賜え!」
なんかダグラスが手を上に揚げて祈り出したんだけど……
「神の導きによって、我がダグラスが命ずる。炎を出でよ」
散々祈った後でダグラスが出したファイアーバールはとても小さかった。
それもすぐに消えてしまった。
私は盛大にため息をついた。
「ダグラス、お祈りは教会でやりなさい」
私は首を振った。
「貴様、神を冒涜するのか! 魔術は神の許しを得て使うのだ」
さっきの騎士が、突っかかってきたが、戦場で悠長に祈っていたら、敵に斬り込まれて終わりだ。
こいつらは実戦を知らないのか?
私はつくづく嫌になった。
まあ、仕方が無い。ここは見本を見せよう。
「ダグラス、よく見ているのよ」
なおも叫んでいる騎士を無視して、私はダグラスを見た。
ダグラスがこちらを見たのを、見て、
「いっけー!」
私は大声で叫んだのだ。
私のてから巨大な火球が出きると、凄まじいスピードで、先にある山にぶち当たった。
ピカッ
ドガーン
凄まじい、爆発が起こった。
爆風で、吹き飛ばされそうになり、騎士達は慌てて伏せた。
爆炎が、風邪で消え去った跡に山は影形なく消えていた。
「「「えっ!」」」
男達は口を開けて私と山のあった跡を見比べていた。
「判った? こうするのよ」
私の言葉にダグラスはただ頷くしか出来なかった。
20
お気に入りに追加
891
あなたにおすすめの小説
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
亡国の大聖女 追い出されたので辺境伯領で農業を始めます
夜桜
恋愛
共和国の大聖女フィセルは、国を安定させる為に魔力を使い続け支えていた。だが、婚約を交わしていたウィリアム将軍が一方的に婚約破棄。しかも大聖女を『大魔女』認定し、両親を目の前で殺された。フィセルだけは国から追い出され、孤独の身となる。そんな絶望の雨天の中――ヒューズ辺境伯が現れ、フィセルを救う。
一週間後、大聖女を失った共和国はモンスターの大規模襲来で甚大な被害を受け……滅びの道を辿っていた。フィセルの力は“本物”だったのだ。戻って下さいと土下座され懇願されるが、もう全てが遅かった。フィセルは辺境伯と共に農業を始めていた。
婚約破棄された悪役令嬢。そして国は滅んだ❗私のせい?知らんがな
朋 美緒(とも みお)
ファンタジー
婚約破棄されて国外追放の公爵令嬢、しかし地獄に落ちたのは彼女ではなかった。
!逆転チートな婚約破棄劇場!
!王宮、そして誰も居なくなった!
!国が滅んだ?私のせい?しらんがな!
18話で完結
【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」
お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。
賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。
誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。
そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。
諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。
王女の夢見た世界への旅路
ライ
ファンタジー
侍女を助けるために幼い王女は、己が全てをかけて回復魔術を使用した。
無茶な魔術の使用による代償で魔力の成長が阻害されるが、代わりに前世の記憶を思い出す。
王族でありながら貴族の中でも少ない魔力しか持てず、王族の中で孤立した王女は、理想と夢をかなえるために行動を起こしていく。
これは、彼女が夢と理想を求めて自由に生きる旅路の物語。
※小説家になろう様にも投稿しています。
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる