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伯母視線4 甥の嫁を始末すると心に決めました

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そんな私は館に帰って驚いた。

「なんですって、ジャンヌが帰って来たですって!」
「はい。シャルル様と一緒に」
騎士団長のコルビルが馬車付き場で話してくれた。

私は慌てて歓談室に向かった。

歓談室では夫と息子に囲まれてジャンヌが私の席に座ってくつろいでいたのだ。

私はピキッと切れた。

「ジャンヌ、どうだったの?」
私が鋭く問い詰めると

「あら、伯母様、お帰りなさいませ。どちらに行かれていたのですか?」
何とジャンヌは私を迎えるために立ち上がりもせずに、鷹揚に質問してきたのだ。
この侯爵夫人になる私に対して……

私はちょっとむっとしたが、
「ちょっと買い物に行っていたのよ」
「ダーリントンにですか? ならば私もご一緒しましたのに」
「ダーリントンではないわ。カリストンよ」
「まあ、カリストンなんて遠くに行っておられたのですか?」
ジャンヌは驚いた顔をして私を見てきた。その目は何をしてきたんだと楽しそうに見てきた。
「バーバラ、カリストンなんて遠くに買い物など何を買って来たのだ」
夫が不審がって聞いて来た。
ジャンヌの奴、何を余計な事を聞いてくれたのだ。
私は更にむっとしたが、

「新しいブランドの店が出来たのよ。だから、見に行ってきたのよ」
笑って誤魔化した。

「あんな遠くまでか」
訝しげに夫が言うが、
「どうしても欲しいものがあったのよ。それよりも、エイミスの所はどうだったの?」
「それがだな。ジャンヌが交渉してくれて借金を帳消しにしてくれたそうなのだ」
夫が喜んで言ってくれたのだ。この夫は何を喜んでいるのだ?

「そう、じゃあ、あなたが、エイミスさんの後妻になることになったのね」
私は喜んで言ってやった。結局ジャンヌはエイミスに抱かれて帰って来たのだ。

「何をおっしゃっていらっしゃるのですか?」
不思議そうにジャンヌが聞いて来た。

「エイミスさんは新侯爵の就任祝いに借金を帳消しにしてくれるそうですわ」
「はい?」
私はジャンヌの言ったことが理解できなかった。
あの金に汚いエイミスがボランティアでそんな事をするわけは無いではないか。
この女は何をしたのだ?

「そうか、新侯爵の就任祝いにか」
愚かな夫は笑って聞いていたが、こいつは本当に馬鹿だ。私は呆れて見ていた。

「はい、私の息子シャルルの為にそうしてくれるそうです」
「「「えっ!」」」
その瞬間私達は絶句したのだ。

「ジャンヌさん。ゼロ歳児の爵位継承はなかなか難しいのではないのか」
驚いて夫が言った。
「継承するにしてもしかるべき後見人が後ろにつくと思うよ」
息子も話していた。

まあ、まさかゼロ歳児が継ぐことは無いと思うが、もしあったとしても夫が後見人にはなるはずだ。

「まあ、そうでしょうね。その時はよろしくお願いします」
ジャンヌは媚びを含んだ目で夫を見てくれたのだ。
おのれジャンヌめ!
何をしてくれるのだ。

あのくそ豚は何をしてくれたのだ! せっかくジャンヌをくれてやったのにそれを返してくるとはどういう事だ? 私は明日問い詰めてやろうと思ったのだ。

まあ、どのみち、ジャンヌがどうあがこうが、継承権はわが夫ブランドンが継ぐことになっている。
そうなった暁にはジャンヌを絶対に始末してやる。
私は心に決めたのだ。

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ここまで読んで頂いて有難うございました。
次回からざまー回です。
お楽しみに。

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