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第十三章 全能神の逆襲
【閑話】隣のベットのバカップルに辟易したウィルの所に大国王女が襲来しました
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ウィルは忸怩たる物があった。
賢明に訓練していたにも関わらず、また、魔王に全く相手にもされなかったのだ。
一太刀さえ浴びせられなかった。
何も出来ないうちに闇の一撃を食らってやられていたのだ。
前回はあのメイが魔王に一撃を浴びせたのだ。そして、今回はなんと全然役に立たないと思われた見習いのビアンカが魔王を消滅させたのだ。
ジャスティンも暴風王女も魔物たちを倒したと聞くし、姉にいたっては後少しで元全能神のゼウスを倒せるところまでいったと聞く。
なのに、自分は…… 全然だ。
やるせなさはどうしようもなかった。
そんなウィルが忸怩たる思いでいる理由の一つは大部屋の端に寝ているアルバートにもあった。
「はい、あーーーーん」
アルバートの横では甲斐甲斐しく世話するソニアの姿があったのだ。
アルバートも嬉しそうに口を開けて食べている。
何なのだこれは!
あの女に氷のように冷たい対応をしていたアルバートはどこに行ったのだ?
いつの間にか姉のクラスメートを捕まえて良い仲になっているなんて信じられなかった。
トリポリの野戦病院では部屋は無く、どでかいテントで対応していたのだが、傷ついた戦士たちは殆ど一人で寝ていたのに、アルバートだけが、甲斐甲斐しく世話をされているのだけれど……
ソニアは他の皆にも優しい。でも、絶対にアルバートにするみたいに食べさせなんてしてくれなかった。
少しでも他のものに優しくするとアルバートがガンを飛ばしてくるのだ。
「ああ、何か早く恋人が欲しくなってきた」
「もうやってられないよな」
それを見て兵士たちがぼやいているのにウィルも頷きたくなった。
「ウィル! 大丈夫だった」
心配したクリスが飛んできたときにはウィルも嬉しかった。
病院食が出てきた時は若干期待したのだ。姉に!
「姉上」
ウィルは期待を持った上で姉を見たのだ。
「えっ、何かウィルの嫌いなものでもあった?」
クリスは全く意味が通じていないみたいだった。
「両手は使えるから自分で食べられるわよね」
クリスがいった言葉にウィルはがっかりした。
「でも、姉上、アルバートも」
「アルバートとソニアは恋人同士でしょ」
姉は当然というふうに言ってきた。
「ウィルもああいうことがして欲しかったらさっさと恋人でも作りなさい」
姉の一言にウィルはショックを受けたのだが。
「いや、俺は姉上さえ隣りにいてくれたら……」
「何言っているのよ。私がいつまでもあなたの隣に入れるわけないでしょ」
「そうだぞ。さっさと恋人を作れ」
姉の横にはいなくていいのに、オーウェンまでいた。
「ええい、うるさい。オーウェンこそ姉上の傍から離れろ」
ウィルとオーウェンは睨み合ったのだったが……
そんな翌日だ。
あいも変わらず、仲の良いアルバートとソニアを見てウジウジ言っていた騎士たちが目を瞠ることになるのは。
「ウィル!」
いきなり叫ぶなり女の子が飛び込んできたのだ。
そして、体をベッドに起こしていたウィルに抱きついたのだ。
「ガーネット?」
驚いてウィルは叫んでいた。なぜ、マーマレードに留学しているはずのガーネットがここにいるのだ。
「ガーネット、お前どうしたのだ?」
そんな後ろから、怒った表情のオーウェンが入ってきた。
「何よ、お兄様。ウィルが戦いで重症を負ったと聞いたけれど、大丈夫なの?」
邪険にオーウェンに答えたガーネットはウィルを心配そうに見た。
「騎士だからな、怪我するのはよくあることだ。ウィルは魔王にやられただけだ」
オーウェンがなんでも無いように言ってくれるが
「魔王にやられたら、大丈夫なわけないじゃない!」
ガーネットはオーウェンに怒ってそう言うとウィルを心配して見てきた。
というかとても近づいてきて、思わずウィルは身を引いていた。
「ちょっと、ガーネット近すぎるんじゃないか」
思わずオーウェンが文句を言ったが、いつも反対するウィルも珍しく同意見だった。
「何言っているのよ。私の騎士を心配して何がおかしいのよ」
「えっ、俺はガーネットの騎士になった覚えは無いぞ」
ウィルは慌てて否定したが、
「何言っているのよ。これを見なさい」
ポーチからガーネットが取り出した紙にははっきりと書かれていた。
『私ウィルはガーネットの騎士になるのを誓います』
「えっ、こんなの書いたっけ?」
「何言っているのよ。これはどう見てもウィルの文字でしょ」
ウィルの疑問にガーネットが答えた。
「確かにそうだが」
それを見ていたオーウェンも不承不承ながら頷いていた。
「だから、私は自分の騎士の看病するためにしばらくこの地に滞在します」
「えっ、いや、しかし、ガーネット、勉強は?」
そう文句を言うオーウェンをガーネットは部屋の端に引っ張っていった。
「何言っているのよ。お兄様。私がウィルの相手していたほうが、クリスお姉様を独占できるのよ」
「いや、それはそうだが……」
そう言われるとオーウェンも弱い。
「だからお父様にうまい具合に言い訳しておいてね!」
「えっ、俺が言うのか」
ぎょっとしてオーウェンはガーネットを見たが、
「それはそうでしょ。じゃあ、お願いね」
ガーネットはそう言うと文句を言いたそうなオーウェンを置いてウィルのところに戻って行ったのだ。
それから毎日ガーネットはウィルの側にやって来て甲斐甲斐しく世話をしだしたのだ。
それを他の兵士たちは唖然としてみていた。
「裏切り者だ」
「ウィルはアルバート様と違うと思っていたのに!」
騎士たちはブツブツ文句を言っていたが……
何しろ、ソニアがアルバートに食べさすのを見ていたガーネットはそれを真似しだしたのだ。
「はい、あーーーーン」
「いや、俺は自分で食べるから」
「遠慮しなくてもいいのよ」
「いや、でも」
「いやもクソもないわ。騎士は主の言うことを聞くものなのよ」
とガーネットは命令口調で言い切ったのだ。
そして、熱々のシチューをろくに冷まさないでそのままウイルの口元に持っていったのだ。
「はい、あーーーーん」
ウィルは仕方無しに口を開けたが、ガーネットがスプーンを口の中に入れた途端に
「あ、熱い!」
と叫んだのだ。
「えっ、ごめん」
慌ててガーネットは水を差し出すがウィルはそれどころではなかった。
熱さに悶えるウィルの姿を見て、
ざまーみろ!
と恋人のいない騎士達は心の中で叫んで溜飲を下げたのだった……
***************************************************
新作はじめました
『聖女として召喚されたのに王宮を追放されて我儘貴公子の奴隷にされました。でも、いつの間にか溺愛されるシンデレラ物語』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/770841398
今回もハッピーエンドはお約束。面白いと思いますので是非ともお読み下さい。
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ジャスティンも暴風王女も魔物たちを倒したと聞くし、姉にいたっては後少しで元全能神のゼウスを倒せるところまでいったと聞く。
なのに、自分は…… 全然だ。
やるせなさはどうしようもなかった。
そんなウィルが忸怩たる思いでいる理由の一つは大部屋の端に寝ているアルバートにもあった。
「はい、あーーーーん」
アルバートの横では甲斐甲斐しく世話するソニアの姿があったのだ。
アルバートも嬉しそうに口を開けて食べている。
何なのだこれは!
あの女に氷のように冷たい対応をしていたアルバートはどこに行ったのだ?
いつの間にか姉のクラスメートを捕まえて良い仲になっているなんて信じられなかった。
トリポリの野戦病院では部屋は無く、どでかいテントで対応していたのだが、傷ついた戦士たちは殆ど一人で寝ていたのに、アルバートだけが、甲斐甲斐しく世話をされているのだけれど……
ソニアは他の皆にも優しい。でも、絶対にアルバートにするみたいに食べさせなんてしてくれなかった。
少しでも他のものに優しくするとアルバートがガンを飛ばしてくるのだ。
「ああ、何か早く恋人が欲しくなってきた」
「もうやってられないよな」
それを見て兵士たちがぼやいているのにウィルも頷きたくなった。
「ウィル! 大丈夫だった」
心配したクリスが飛んできたときにはウィルも嬉しかった。
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「姉上」
ウィルは期待を持った上で姉を見たのだ。
「えっ、何かウィルの嫌いなものでもあった?」
クリスは全く意味が通じていないみたいだった。
「両手は使えるから自分で食べられるわよね」
クリスがいった言葉にウィルはがっかりした。
「でも、姉上、アルバートも」
「アルバートとソニアは恋人同士でしょ」
姉は当然というふうに言ってきた。
「ウィルもああいうことがして欲しかったらさっさと恋人でも作りなさい」
姉の一言にウィルはショックを受けたのだが。
「いや、俺は姉上さえ隣りにいてくれたら……」
「何言っているのよ。私がいつまでもあなたの隣に入れるわけないでしょ」
「そうだぞ。さっさと恋人を作れ」
姉の横にはいなくていいのに、オーウェンまでいた。
「ええい、うるさい。オーウェンこそ姉上の傍から離れろ」
ウィルとオーウェンは睨み合ったのだったが……
そんな翌日だ。
あいも変わらず、仲の良いアルバートとソニアを見てウジウジ言っていた騎士たちが目を瞠ることになるのは。
「ウィル!」
いきなり叫ぶなり女の子が飛び込んできたのだ。
そして、体をベッドに起こしていたウィルに抱きついたのだ。
「ガーネット?」
驚いてウィルは叫んでいた。なぜ、マーマレードに留学しているはずのガーネットがここにいるのだ。
「ガーネット、お前どうしたのだ?」
そんな後ろから、怒った表情のオーウェンが入ってきた。
「何よ、お兄様。ウィルが戦いで重症を負ったと聞いたけれど、大丈夫なの?」
邪険にオーウェンに答えたガーネットはウィルを心配そうに見た。
「騎士だからな、怪我するのはよくあることだ。ウィルは魔王にやられただけだ」
オーウェンがなんでも無いように言ってくれるが
「魔王にやられたら、大丈夫なわけないじゃない!」
ガーネットはオーウェンに怒ってそう言うとウィルを心配して見てきた。
というかとても近づいてきて、思わずウィルは身を引いていた。
「ちょっと、ガーネット近すぎるんじゃないか」
思わずオーウェンが文句を言ったが、いつも反対するウィルも珍しく同意見だった。
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「えっ、俺はガーネットの騎士になった覚えは無いぞ」
ウィルは慌てて否定したが、
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ポーチからガーネットが取り出した紙にははっきりと書かれていた。
『私ウィルはガーネットの騎士になるのを誓います』
「えっ、こんなの書いたっけ?」
「何言っているのよ。これはどう見てもウィルの文字でしょ」
ウィルの疑問にガーネットが答えた。
「確かにそうだが」
それを見ていたオーウェンも不承不承ながら頷いていた。
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それから毎日ガーネットはウィルの側にやって来て甲斐甲斐しく世話をしだしたのだ。
それを他の兵士たちは唖然としてみていた。
「裏切り者だ」
「ウィルはアルバート様と違うと思っていたのに!」
騎士たちはブツブツ文句を言っていたが……
何しろ、ソニアがアルバートに食べさすのを見ていたガーネットはそれを真似しだしたのだ。
「はい、あーーーーン」
「いや、俺は自分で食べるから」
「遠慮しなくてもいいのよ」
「いや、でも」
「いやもクソもないわ。騎士は主の言うことを聞くものなのよ」
とガーネットは命令口調で言い切ったのだ。
そして、熱々のシチューをろくに冷まさないでそのままウイルの口元に持っていったのだ。
「はい、あーーーーん」
ウィルは仕方無しに口を開けたが、ガーネットがスプーンを口の中に入れた途端に
「あ、熱い!」
と叫んだのだ。
「えっ、ごめん」
慌ててガーネットは水を差し出すがウィルはそれどころではなかった。
熱さに悶えるウィルの姿を見て、
ざまーみろ!
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乾燥ありがとうございます。
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