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第十三章 全能神の逆襲
欲求不満のシャラザールの前に北の大国の大軍が現れました
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戦い足りない、シャラザールを転移させた強制帰還装置、「逆転移」はジャルカはじめ魔法省とマーマレードの技術人が開発した最新魔道具だった。
マーマレードの学園の物理の教授であるパウル・ヒルシュが、長年温めていた考えを実現させたものだった。ただ、まだ試作段階で起動には莫大な魔力量が必要で、おそらく全世界で起動できるのは10人もいないのが現実だった。ボフミエには多くが集まっていたが、その殆どが今回戦場に出たので、アメリアに無理言ってテレーゼに運んでもらい、オリビアの協力してもらったのだった。
そして、強制的に帰ってきたシャラザールは無理やり帰らされて怒り心頭していた。
その怒りを爆発させようにも、ジャンヌは傷だらけのアレクを病院に搬送、アルバート、ウィル、ナタリー、メイは重症。
のほほんとしたジャルカにあたっても
「まあまあ、シャラザール様。シャラザール様のお力があればこそ、無事に撤退できたというものです。あのまま、シャラザール様が来臨されねば、邪神ゼウスに我らも殺されておったところですわ」
そう言うとジャルカが頭を下げる。
いや、絶対にこやつはそうは思っておらんとシャラザールは判っていたが、こう言われると何も返せない。
怒りまみれのシャラザールの姿を見た瞬間、逃げようとしたトリポリ国王が目についた。
「トリポリ国王よ」
「はいっ」
トリポリ国王は慌てて返事をした。
「どこに行こうというのだ」
シャラザールが不機嫌に聞く。
「いえ、仕事が立て込んでいるものでして」
下手な言い訳をトリポリ国王がする。
「余の相手よりもか」
「いえいえ、そのような滅相もございません。シャラザール様のお側にいることが最優先でございます」
「うん、そうであろう」
シャラザールは少し機嫌をなおした。
「今回の征伐戦では、その方の騎士たちは何名参加してくれたのだ?」
「はいっ?。今回はゼロですが」
トリポリ国王はあたふたとした。
「余の配下のトリポリからゼロだと」
途端にシャラザールの機嫌が悪くなる。
「何故じゃ」
「も、申し訳ありません」
「その方ら、余をないがしろにするのか」
「いえ、滅相もございません。我々としては1名でも参加さたかったのですが、お声掛け頂けなく」
「どういう事だジャスティン」
シャラザールは矛先をジャスティンに向けた。
トリポリ国王はほっとする。
「今回は戦力的に少数精鋭を心がけました。各国から選りすぐったのです。トリポリ国軍からは選ばれなかっただけです」
「何故じゃ。トリポリ郡は5千人はおろう」
「まだまだ力不足でございますな」
「そうか、余が少し鍛えてやるしかないか」
「えっ」
トリポリ国王は絶句した。配下の兵士たちも唖然としている。
そんな事されたらボフミエの精鋭に比べて軟弱なトリポリ兵など少しの間も持たない可能性が・・・・・
「た、大変でございます。北から大軍が迫ってきているとの報告がありました」
そこへ兵士が飛び込んできた。
「な、何じゃと」
シャラザールとトリポリ国王は嬉々として言った。
普通ならば絶望するところだ。
しかし、今回はこちらに無敵の戦神、それも戦いたくてウズウズしている戦神がいるのだ。戦神が敵を一掃してくれれば言うことはない。
「おそらくノルデイン帝国の大軍ではないかと思われます」
ジャスティンが言う。
ノルデインの大軍は一気にトリポリから南下しようとしていた。
地獄から脱獄してきた兵士たちを中心に総勢5個師団、ボフミエの主力を帝都にて相手している間に占拠する方針だったのだ。
シャラザールらの帰還がこれほど早いとはノルディン帝国軍の誤算だった。
「将軍、トリポリ国が見えてきました」
「そうか、敵主力は帝都でゼウス様が引き付けていただいているはずだ。一気に行くぞ」
タネリ・マキラ元教皇騎士団長は叫んでいた。
シャラザールによって成敗されて無限地獄で苦しんでいたところを、ゼウスによって助けられたのだ。そして、その恨み満載の憎きボフミエの奴らに仕返しができる時が来たのだ。
マキラにとっては、まず、ボフミエの腰巾着のトリポリを制圧、そのまま南下しようとしていた。トリポリ軍などこの大軍の前にはひとたまりもなかろう。ニタリとマキラは笑った。
そう、マキラはそこにシャラザールがいるのを知らなかった。
「シャラザール様。敵主力が見えました」
「ふんっ、地獄から脱獄してきた奴らか。やむを得まい。余が成敗してくれるわ」
嬉々としてシャラザールは宝剣を構えた。
「前方に小集団見えます。100名もいないかと」
「ふんっ、愚かな。この5万の大軍なれば一瞬で殲滅出来るわ」
マキラは全軍をそちらに向けた。
その先頭に立つ人物が剣を振り上げるのをマキラは見た。
「えっ」
遠くからもその剣が光っているのがよく見えた。少し不吉なものを感じながら
「きゃ、彼奴らは馬鹿なのか。一気に踏み潰せ」
マキラは全軍に命令した。
「脱獄囚共よ。喰らえ!、ライトニングブラスター」
その瞬間、欲求不満だったシャラザールの全ての力を集結した必殺技が宝剣から炸裂した。
凄まじい、光の奔流がシャラザールから放たれていた。
「ま、まさか」
マキラはほとんど考える時間もなかった。
全軍があっという間に光の奔流に巻き込まれる。
凄まじい爆発と粉塵が起こる。
そして、その粉塵の消えた後には何も残っていなかった。
ここにノルディン帝国の主力は消滅したのだった。
マーマレードの学園の物理の教授であるパウル・ヒルシュが、長年温めていた考えを実現させたものだった。ただ、まだ試作段階で起動には莫大な魔力量が必要で、おそらく全世界で起動できるのは10人もいないのが現実だった。ボフミエには多くが集まっていたが、その殆どが今回戦場に出たので、アメリアに無理言ってテレーゼに運んでもらい、オリビアの協力してもらったのだった。
そして、強制的に帰ってきたシャラザールは無理やり帰らされて怒り心頭していた。
その怒りを爆発させようにも、ジャンヌは傷だらけのアレクを病院に搬送、アルバート、ウィル、ナタリー、メイは重症。
のほほんとしたジャルカにあたっても
「まあまあ、シャラザール様。シャラザール様のお力があればこそ、無事に撤退できたというものです。あのまま、シャラザール様が来臨されねば、邪神ゼウスに我らも殺されておったところですわ」
そう言うとジャルカが頭を下げる。
いや、絶対にこやつはそうは思っておらんとシャラザールは判っていたが、こう言われると何も返せない。
怒りまみれのシャラザールの姿を見た瞬間、逃げようとしたトリポリ国王が目についた。
「トリポリ国王よ」
「はいっ」
トリポリ国王は慌てて返事をした。
「どこに行こうというのだ」
シャラザールが不機嫌に聞く。
「いえ、仕事が立て込んでいるものでして」
下手な言い訳をトリポリ国王がする。
「余の相手よりもか」
「いえいえ、そのような滅相もございません。シャラザール様のお側にいることが最優先でございます」
「うん、そうであろう」
シャラザールは少し機嫌をなおした。
「今回の征伐戦では、その方の騎士たちは何名参加してくれたのだ?」
「はいっ?。今回はゼロですが」
トリポリ国王はあたふたとした。
「余の配下のトリポリからゼロだと」
途端にシャラザールの機嫌が悪くなる。
「何故じゃ」
「も、申し訳ありません」
「その方ら、余をないがしろにするのか」
「いえ、滅相もございません。我々としては1名でも参加さたかったのですが、お声掛け頂けなく」
「どういう事だジャスティン」
シャラザールは矛先をジャスティンに向けた。
トリポリ国王はほっとする。
「今回は戦力的に少数精鋭を心がけました。各国から選りすぐったのです。トリポリ国軍からは選ばれなかっただけです」
「何故じゃ。トリポリ郡は5千人はおろう」
「まだまだ力不足でございますな」
「そうか、余が少し鍛えてやるしかないか」
「えっ」
トリポリ国王は絶句した。配下の兵士たちも唖然としている。
そんな事されたらボフミエの精鋭に比べて軟弱なトリポリ兵など少しの間も持たない可能性が・・・・・
「た、大変でございます。北から大軍が迫ってきているとの報告がありました」
そこへ兵士が飛び込んできた。
「な、何じゃと」
シャラザールとトリポリ国王は嬉々として言った。
普通ならば絶望するところだ。
しかし、今回はこちらに無敵の戦神、それも戦いたくてウズウズしている戦神がいるのだ。戦神が敵を一掃してくれれば言うことはない。
「おそらくノルデイン帝国の大軍ではないかと思われます」
ジャスティンが言う。
ノルデインの大軍は一気にトリポリから南下しようとしていた。
地獄から脱獄してきた兵士たちを中心に総勢5個師団、ボフミエの主力を帝都にて相手している間に占拠する方針だったのだ。
シャラザールらの帰還がこれほど早いとはノルディン帝国軍の誤算だった。
「将軍、トリポリ国が見えてきました」
「そうか、敵主力は帝都でゼウス様が引き付けていただいているはずだ。一気に行くぞ」
タネリ・マキラ元教皇騎士団長は叫んでいた。
シャラザールによって成敗されて無限地獄で苦しんでいたところを、ゼウスによって助けられたのだ。そして、その恨み満載の憎きボフミエの奴らに仕返しができる時が来たのだ。
マキラにとっては、まず、ボフミエの腰巾着のトリポリを制圧、そのまま南下しようとしていた。トリポリ軍などこの大軍の前にはひとたまりもなかろう。ニタリとマキラは笑った。
そう、マキラはそこにシャラザールがいるのを知らなかった。
「シャラザール様。敵主力が見えました」
「ふんっ、地獄から脱獄してきた奴らか。やむを得まい。余が成敗してくれるわ」
嬉々としてシャラザールは宝剣を構えた。
「前方に小集団見えます。100名もいないかと」
「ふんっ、愚かな。この5万の大軍なれば一瞬で殲滅出来るわ」
マキラは全軍をそちらに向けた。
その先頭に立つ人物が剣を振り上げるのをマキラは見た。
「えっ」
遠くからもその剣が光っているのがよく見えた。少し不吉なものを感じながら
「きゃ、彼奴らは馬鹿なのか。一気に踏み潰せ」
マキラは全軍に命令した。
「脱獄囚共よ。喰らえ!、ライトニングブラスター」
その瞬間、欲求不満だったシャラザールの全ての力を集結した必殺技が宝剣から炸裂した。
凄まじい、光の奔流がシャラザールから放たれていた。
「ま、まさか」
マキラはほとんど考える時間もなかった。
全軍があっという間に光の奔流に巻き込まれる。
凄まじい爆発と粉塵が起こる。
そして、その粉塵の消えた後には何も残っていなかった。
ここにノルディン帝国の主力は消滅したのだった。
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