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第十三章 全能神の逆襲
皇女を庇って外務次官が化け物女に襤褸切のように吹っ飛ばされました
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「ぎゃっ」
兵士たちは落ちてきたペトロたちの下敷きになった。
「な、何だ貴様ら」
「ええい、控えおろう。こちらにおわす方をどなたと心得る。皇女エカテリーナ様であらせられるぞ」
ボリスがとっさに叫ぶ。
「ふんっ、何言っているんだ。エカテリーナ皇女殿下、ボリス皇子殿下の両名は見つけ次第拘束、地下牢にいるように言われているぞ」
兵士の一人が剣を抜いて叫んだ。
「ほううう、良いのか。エカテリーナ様は名前のとおり、シャラザール様が言われたシャラザール様の娘、始祖のお名前をとっているのだぞ」
「それがどうしたのだ」
「当然シャラザール様の覚えもめでたいのだぞ」
「ちょっとボリス、私よく・・・・」
「ウフォン、ウフォン」
ペトロが横から変な咳をしてエカテリーナを突く。
「あ、そう、そうよ。シャラザール様に言ってあんたらを燃やしてもらおうかしら」
態度をいきなり変えてニタリとエカテリーナが笑った。
「えっ、いや、それは」
「おい、良いのか」
「だってお前、絶対に恐ろしいのはあの化け物、いやいや、シャラザール様だって」
兵士は慌てて言い直した。
「そうだろう。今すぐ、皇太子殿下のところに案内するのだ」
ボリスが笠に着て言う。
「えっ、皇太子殿下がどこに幽閉されているかは我々も知らされていないんですが」
戸惑って兵士が言う。
「じゃあ、アフロディア様似の女がいるところに案内してくれ」
「えっ、でも、それは」
「シャラザール様に燃やしてもらうわよ」
「ヒィィィ、それだけは勘弁を」
「じゃあすぐに案内しなさい」
「はい、こちらです」
兵士たちはペトロらの前を歩き出した。
一方、アレクは拘束されて部屋真ん中に傷だらけになって倒れていた。
そのアレクの頭から水がぶっかけられる
「うっ、」
そう唸ってアレクは目を覚ました。
「やっとお目覚めかい、アレク、お前よくも私を地獄へ落としてくれたね。生んであげた私を地獄に落とすなぞ、なんて恩知らずの息子なんだか」
そう言うやアフロディアの鞭がアレクに飛ぶ。
「うっ」
鞭の痛みにアレクは思わず呻いた。痛みを魔術で100倍にする特製の鞭だ。流石の赤い死神にも堪えた。その鞭は何度もアレクに振り下ろされた。
今まで何度もアフロディアに鞭打たれて、気を失うと水をぶっかけられるの繰り返しだったのだ。
「貴様こそ、イネッサに酷いことをしやがったくせに。何で脱獄してきやがった」
「ふん、あいつの泣き顔は本当に貴様に見せてやりたかったぞ」
「おのれ」
アレクは攻撃しようとしたが、魔術は拘束具で妨害されて腕も縛られているのでどうしようもなかった。
「ふん、これでも喰らえ」
力任せにアフロディアは鞭を振り下ろした。
「ギャッ」
渾身の鞭にアレクは悲鳴をあげる。
そこへノックの音がした。
「誰よ」
「言われたものをお持ちしました」
兵士の声がした。
「よし、開けてお入り」
兵士たちが入ってくる。ボリスら3人は兵士の格好に着替えていた。
「さっさと置いて出て行くのよ」
「お兄様」
そのアフロディアの声に逆らって傷だらけのアレクを見つけて悲鳴を上げたエカテリーナがアレクに駆け寄った。
「貴様ら何奴だ」
「お母様。どういう事ですか。お兄様をここまで痛めつけるなんて」
きっとしてエカテリーナはアフロデイアを睨みつけた。
「おやあ、お前はエカテリーナじゃないかい。私に意見するなんて偉くなったもんだね」
「お母様も水商売女が板について。何ですか、そのくすんだ肌は」
「何じゃと良くもそのようなことを」
怒り狂ったアフロディアは鞭をアフロディアに振り下ろした。
「キャッ」
エカテリーナは思わず、目をつぶる。
「ぐっ」
男の悲鳴が聞こえた。
エカテリーナが恐る恐る目を開けるとそこにはペトロが背にエカテリーナを庇って立っていた。
「ペトロ!」
エカテリーナは驚いてペトロを見た。
「大丈夫だ」
ペトロが空元気で笑って言った。しかし、実は痛みで立っていられなかったほどだ。アレクはこれを何回もやられたのかと呆れたペトロは、早くも死にそうになっていた。
「ふんっ、面白くないものを見せてくれるね。そこのガキ、ドキな」
アフロディアはペトロ目掛けて一瞬で爆裂魔術を放っていた。
エカテリーナの目の前でそれがペトロを直撃してペトロが血だらけになって弾き飛ばされていくのがみえた。
兵士たちは落ちてきたペトロたちの下敷きになった。
「な、何だ貴様ら」
「ええい、控えおろう。こちらにおわす方をどなたと心得る。皇女エカテリーナ様であらせられるぞ」
ボリスがとっさに叫ぶ。
「ふんっ、何言っているんだ。エカテリーナ皇女殿下、ボリス皇子殿下の両名は見つけ次第拘束、地下牢にいるように言われているぞ」
兵士の一人が剣を抜いて叫んだ。
「ほううう、良いのか。エカテリーナ様は名前のとおり、シャラザール様が言われたシャラザール様の娘、始祖のお名前をとっているのだぞ」
「それがどうしたのだ」
「当然シャラザール様の覚えもめでたいのだぞ」
「ちょっとボリス、私よく・・・・」
「ウフォン、ウフォン」
ペトロが横から変な咳をしてエカテリーナを突く。
「あ、そう、そうよ。シャラザール様に言ってあんたらを燃やしてもらおうかしら」
態度をいきなり変えてニタリとエカテリーナが笑った。
「えっ、いや、それは」
「おい、良いのか」
「だってお前、絶対に恐ろしいのはあの化け物、いやいや、シャラザール様だって」
兵士は慌てて言い直した。
「そうだろう。今すぐ、皇太子殿下のところに案内するのだ」
ボリスが笠に着て言う。
「えっ、皇太子殿下がどこに幽閉されているかは我々も知らされていないんですが」
戸惑って兵士が言う。
「じゃあ、アフロディア様似の女がいるところに案内してくれ」
「えっ、でも、それは」
「シャラザール様に燃やしてもらうわよ」
「ヒィィィ、それだけは勘弁を」
「じゃあすぐに案内しなさい」
「はい、こちらです」
兵士たちはペトロらの前を歩き出した。
一方、アレクは拘束されて部屋真ん中に傷だらけになって倒れていた。
そのアレクの頭から水がぶっかけられる
「うっ、」
そう唸ってアレクは目を覚ました。
「やっとお目覚めかい、アレク、お前よくも私を地獄へ落としてくれたね。生んであげた私を地獄に落とすなぞ、なんて恩知らずの息子なんだか」
そう言うやアフロディアの鞭がアレクに飛ぶ。
「うっ」
鞭の痛みにアレクは思わず呻いた。痛みを魔術で100倍にする特製の鞭だ。流石の赤い死神にも堪えた。その鞭は何度もアレクに振り下ろされた。
今まで何度もアフロディアに鞭打たれて、気を失うと水をぶっかけられるの繰り返しだったのだ。
「貴様こそ、イネッサに酷いことをしやがったくせに。何で脱獄してきやがった」
「ふん、あいつの泣き顔は本当に貴様に見せてやりたかったぞ」
「おのれ」
アレクは攻撃しようとしたが、魔術は拘束具で妨害されて腕も縛られているのでどうしようもなかった。
「ふん、これでも喰らえ」
力任せにアフロディアは鞭を振り下ろした。
「ギャッ」
渾身の鞭にアレクは悲鳴をあげる。
そこへノックの音がした。
「誰よ」
「言われたものをお持ちしました」
兵士の声がした。
「よし、開けてお入り」
兵士たちが入ってくる。ボリスら3人は兵士の格好に着替えていた。
「さっさと置いて出て行くのよ」
「お兄様」
そのアフロディアの声に逆らって傷だらけのアレクを見つけて悲鳴を上げたエカテリーナがアレクに駆け寄った。
「貴様ら何奴だ」
「お母様。どういう事ですか。お兄様をここまで痛めつけるなんて」
きっとしてエカテリーナはアフロデイアを睨みつけた。
「おやあ、お前はエカテリーナじゃないかい。私に意見するなんて偉くなったもんだね」
「お母様も水商売女が板について。何ですか、そのくすんだ肌は」
「何じゃと良くもそのようなことを」
怒り狂ったアフロディアは鞭をアフロディアに振り下ろした。
「キャッ」
エカテリーナは思わず、目をつぶる。
「ぐっ」
男の悲鳴が聞こえた。
エカテリーナが恐る恐る目を開けるとそこにはペトロが背にエカテリーナを庇って立っていた。
「ペトロ!」
エカテリーナは驚いてペトロを見た。
「大丈夫だ」
ペトロが空元気で笑って言った。しかし、実は痛みで立っていられなかったほどだ。アレクはこれを何回もやられたのかと呆れたペトロは、早くも死にそうになっていた。
「ふんっ、面白くないものを見せてくれるね。そこのガキ、ドキな」
アフロディアはペトロ目掛けて一瞬で爆裂魔術を放っていた。
エカテリーナの目の前でそれがペトロを直撃してペトロが血だらけになって弾き飛ばされていくのがみえた。
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