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第十二章 婚活と雪女
閑話 雪女の叫び
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ついにここまで来てしまったわ。
妾は雪のように白い肌で天界では雪の女王と呼ばれていたのに・・・
男女のシャラザールに地上に叩き落されて数百年。
やっとぼろぼろになった躰を治して動き出したと思ったら、闇女と呼ばれてしまった。
男どもから散々きれいな白い肌と呼ばれていのに、なんと真っ黒になっていたのだ・・・・
力を回復するために黒人共を取り込みすぎたらしい・・・・
妾の痛恨の失敗じゃ・・・・
極めつけは華奢な女に一撃で浄化されてしまった事じゃ。
判らん
あの弱そうな女のどこにあそこまでのパワーがあったのじゃ。
次に気づいた時はこの審判の列に並ばされておった。
「妾は雪の女神ぞ」
そう鬼共に抗議したが、全く相手にされず、審判を待つ列の最後尾に並ばされたのじゃ。
これもそれも全てはあの男女のシャラザールとあの不細工な弱そうな女のせいじゃ。
どうやって恨み殺してやろうか。
いや、待て、ブサイクな女はいざしらず、あの男女は呪ったくらいでは絶対に死なん。下手に知られて逆襲を食うと二度と立てなくなるかもしれん。
あのブサイクにはいずれ目にもの見せてやるとして男女には絶対に近寄らないでおこうと妾は決心した。
ここは我慢のしどころじゃ。
それよりも閻魔にはいかに誤魔化そうかの。
ここは妾の美しい姿で上目遣いにキラキラした目で下から見上げてお願いしてやれば一発で天に返してくれようて。
妾はそう決意した。
しかし、可怪しい!?
妾が必死に微笑みかけて両手を組んで下から見上げてやったのに、閻魔の奴は喜ばん。それどころか汚いものを見るように見下しおって
「そこの闇女、気持ちの悪いことはやめろ」
な、なんと雪の女神の妾にとんだ暴言を吐きよった。
「ええい、何を言う。雪の女神の妾に何という暴言を言うのじゃ」
妾は頭に血が登ってつい叫んでしまったのじゃ。
「はっ???」
閻魔は驚いた顔で妾をまじまじと見おった。
妾は胸を張ってやった。
どこぞやの王子を一発で虜にしたこの胸じゃ。閻魔も一発であろう。
「き、貴様、ゆ、雪女か」
驚きのあまり噛みながら閻魔が言いよった。
「違う、雪の女神じゃ」
「お、思い出したぞ」
妾の言葉に閻魔の奴はやっと思い出してくれたらしい。
いや、待て、何か不吉なオーラが漂っておるぞ。
何だこのオーラは。
「貴様、天界で余をこっぴどくふってくれた雪女じゃな」
閻魔は怒りに震えて言いよった。
ガーン
そうじゃった。妾はその時はモテモテで閻魔のようなブ男になど目に入れるわけもなく、あっさりふったのじゃった。
しまった。
余計なことを思い出させてしまったわ。
「貴様には1万人の殺害容疑がかかっておる」
「はんっ、殺害?」
閻魔の言葉に妾は声を上げた。
「妾のエネルギー源に愚かな男どもを取り込んでやっただけじゃ。どの男も妾の胸の中で喜んでいきおったぞ」
「何を申しておる。貴様に殺された者共の証言はきっちりと上がっておるわ」
閻魔はそう言うとその時の映像を出しおった。
「私は吹雪の中で光を見つけて、思わず近寄ると意識が朦朧といたしまして」
「女の化け物がニコリと笑って私の自由を奪ったのです」
「あの恐ろしい目に睨まれると動く事ができずに」
「無念でございます」
男たちは皆口々にいかに恐ろしいかったかと映像では言っておった。
「嘘をつけ。どいつもこいつも妾が胸を押し付けると喜んでおったわ」
妾は叫んでいた。
「妾に抱かれて死ねるれば本望であろうが」
妾はつい言ってしまった。
「殺したことは認めるのじゃな」
閻魔は微笑むと鬼の首を取ったように言いよった。
しまった・・・・妾はさすがに青くなった。
「雪女。貴様は殺した1万人分の罪を償うために無限地獄いきじゃ」
「何を申す。妾は雪の女神じゃ。天界に戻してくれるのが基本であろう」
「愚か者。何が女神じゃ。邪神であろうが」
「邪神じゃと。邪神と申すのは男女のシャラザールのことであろうが。閻魔ともあろうものがなぜあの邪神を捕まえずに放っておるのじゃ。貴様が放っておるせいで妾があの邪神によって地界に叩き落されたのじゃ。元々その方のせいであろうが・・・・」
妾は叫んでいた。
そう叫んだ瞬間、周りはシーーーンとしていた。
周りの鬼どもは真っ青な顔をしており、閻魔は怒りに震えていた。
妾は何かとんでもないことを言ってしまったらしい。
そう言うことは前もって注意しておいてもらわないと・・・・
「雪女。そうかそんなにシャラザールのことが気になるか」
「いや、そんな事は」
「最近、シャラザールの罪がまた増えておっての。それを誰に償わせるか考えておったのじゃ」
閻魔の笑みは地獄の王もかくやという恐ろしそうな笑みじゃった。まあ地獄の王は閻魔じゃったが・・・・
妾は決定的に閻魔を怒らせてしまったらしい。
「雪女。貴様にはそのシャラザールの殺した1万人分の罪も償ってもらうぞ」
閻魔が言うとともに妾の足元に穴が開いた。
「えっ、うそ、止めて、誰か助けて・・・・・・・・」
無限地獄に落とされる妾は必死に叫んだのじゃ。
しかし、誰も助けてくれなんだ。
妾は叫び声とともに暗闇の中を永遠に無限地獄に堕ちていったのじゃ。
***************************************************************
この話読んで頂いてありがとうございます。
新しい話始めました
「大国に乗っ取られそうな王女の侍女は後ろ盾を探すために異国に留学しますが、気付かぬうちに超大国の方々と仲良くなっていました」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/520576250
新主人公です。
でも、なぜかまたクリスらが出て来ます
主人公が乗っ取られないようにがんばります。
妾は雪のように白い肌で天界では雪の女王と呼ばれていたのに・・・
男女のシャラザールに地上に叩き落されて数百年。
やっとぼろぼろになった躰を治して動き出したと思ったら、闇女と呼ばれてしまった。
男どもから散々きれいな白い肌と呼ばれていのに、なんと真っ黒になっていたのだ・・・・
力を回復するために黒人共を取り込みすぎたらしい・・・・
妾の痛恨の失敗じゃ・・・・
極めつけは華奢な女に一撃で浄化されてしまった事じゃ。
判らん
あの弱そうな女のどこにあそこまでのパワーがあったのじゃ。
次に気づいた時はこの審判の列に並ばされておった。
「妾は雪の女神ぞ」
そう鬼共に抗議したが、全く相手にされず、審判を待つ列の最後尾に並ばされたのじゃ。
これもそれも全てはあの男女のシャラザールとあの不細工な弱そうな女のせいじゃ。
どうやって恨み殺してやろうか。
いや、待て、ブサイクな女はいざしらず、あの男女は呪ったくらいでは絶対に死なん。下手に知られて逆襲を食うと二度と立てなくなるかもしれん。
あのブサイクにはいずれ目にもの見せてやるとして男女には絶対に近寄らないでおこうと妾は決心した。
ここは我慢のしどころじゃ。
それよりも閻魔にはいかに誤魔化そうかの。
ここは妾の美しい姿で上目遣いにキラキラした目で下から見上げてお願いしてやれば一発で天に返してくれようて。
妾はそう決意した。
しかし、可怪しい!?
妾が必死に微笑みかけて両手を組んで下から見上げてやったのに、閻魔の奴は喜ばん。それどころか汚いものを見るように見下しおって
「そこの闇女、気持ちの悪いことはやめろ」
な、なんと雪の女神の妾にとんだ暴言を吐きよった。
「ええい、何を言う。雪の女神の妾に何という暴言を言うのじゃ」
妾は頭に血が登ってつい叫んでしまったのじゃ。
「はっ???」
閻魔は驚いた顔で妾をまじまじと見おった。
妾は胸を張ってやった。
どこぞやの王子を一発で虜にしたこの胸じゃ。閻魔も一発であろう。
「き、貴様、ゆ、雪女か」
驚きのあまり噛みながら閻魔が言いよった。
「違う、雪の女神じゃ」
「お、思い出したぞ」
妾の言葉に閻魔の奴はやっと思い出してくれたらしい。
いや、待て、何か不吉なオーラが漂っておるぞ。
何だこのオーラは。
「貴様、天界で余をこっぴどくふってくれた雪女じゃな」
閻魔は怒りに震えて言いよった。
ガーン
そうじゃった。妾はその時はモテモテで閻魔のようなブ男になど目に入れるわけもなく、あっさりふったのじゃった。
しまった。
余計なことを思い出させてしまったわ。
「貴様には1万人の殺害容疑がかかっておる」
「はんっ、殺害?」
閻魔の言葉に妾は声を上げた。
「妾のエネルギー源に愚かな男どもを取り込んでやっただけじゃ。どの男も妾の胸の中で喜んでいきおったぞ」
「何を申しておる。貴様に殺された者共の証言はきっちりと上がっておるわ」
閻魔はそう言うとその時の映像を出しおった。
「私は吹雪の中で光を見つけて、思わず近寄ると意識が朦朧といたしまして」
「女の化け物がニコリと笑って私の自由を奪ったのです」
「あの恐ろしい目に睨まれると動く事ができずに」
「無念でございます」
男たちは皆口々にいかに恐ろしいかったかと映像では言っておった。
「嘘をつけ。どいつもこいつも妾が胸を押し付けると喜んでおったわ」
妾は叫んでいた。
「妾に抱かれて死ねるれば本望であろうが」
妾はつい言ってしまった。
「殺したことは認めるのじゃな」
閻魔は微笑むと鬼の首を取ったように言いよった。
しまった・・・・妾はさすがに青くなった。
「雪女。貴様は殺した1万人分の罪を償うために無限地獄いきじゃ」
「何を申す。妾は雪の女神じゃ。天界に戻してくれるのが基本であろう」
「愚か者。何が女神じゃ。邪神であろうが」
「邪神じゃと。邪神と申すのは男女のシャラザールのことであろうが。閻魔ともあろうものがなぜあの邪神を捕まえずに放っておるのじゃ。貴様が放っておるせいで妾があの邪神によって地界に叩き落されたのじゃ。元々その方のせいであろうが・・・・」
妾は叫んでいた。
そう叫んだ瞬間、周りはシーーーンとしていた。
周りの鬼どもは真っ青な顔をしており、閻魔は怒りに震えていた。
妾は何かとんでもないことを言ってしまったらしい。
そう言うことは前もって注意しておいてもらわないと・・・・
「雪女。そうかそんなにシャラザールのことが気になるか」
「いや、そんな事は」
「最近、シャラザールの罪がまた増えておっての。それを誰に償わせるか考えておったのじゃ」
閻魔の笑みは地獄の王もかくやという恐ろしそうな笑みじゃった。まあ地獄の王は閻魔じゃったが・・・・
妾は決定的に閻魔を怒らせてしまったらしい。
「雪女。貴様にはそのシャラザールの殺した1万人分の罪も償ってもらうぞ」
閻魔が言うとともに妾の足元に穴が開いた。
「えっ、うそ、止めて、誰か助けて・・・・・・・・」
無限地獄に落とされる妾は必死に叫んだのじゃ。
しかし、誰も助けてくれなんだ。
妾は叫び声とともに暗闇の中を永遠に無限地獄に堕ちていったのじゃ。
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