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第十二章 婚活と雪女

戦神が来臨しサウス国の歴史の教科書の表紙を強引に自らの勇姿に付け替えました・・・・

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オモンディはクリスの雷柱の衝撃で弾き飛ばされていた。

何回も回転しながら地面を転がる。

止まったと思ってやっと立ち上がるとクリスの周りには雪女の姿形も全く無かった。

そして、雪もどこにもなくなっていた。

雪女の恐怖が消え去ったのだ。

オモンディはホッとした。



アレクは光が消えると立ち上がった。

その中央に立っているのはクリスだった。まだシャラザールではない。

アレクはホッとした。敵キャラの雪女はシャラザールの来臨する前にまたクリスが退治してしまった。

ここで、シャラザールが来臨するとまたとんでもないことをやりかねない。

出てきていないことにアレクはホッとした時だ。

「クリス様」
メイの悲鳴が聞こえた。

さすがのクリスも南の山脈を消滅させて、天まで届く巨大な雷柱を出現させたのだ。魔力切れも止むを得ないだろう・・・

「えっ」
アレクは冷や汗が出た。クリスが魔力切れで意識を失うと・・・・


ダンッ


凄まじい威圧を発する人物が来臨してしまった。

アレクはガビーーーンと泣きたくなった。

やはりただでは済まなかった・・・・

今日は何をやらされるのだろう。

アレクは呆然とした。


「アレク、ジャンヌ。何だこの体たらくは。雪女などという邪神をクリスに近づけるなど言語道断じゃ」
シャラザールの怒りが炸裂した。

凄まじい威圧感が全員を制圧する。

「申し訳ありません」
アレクは即座に平伏した。

「そうはおっしゃられてもシャラザール様。今一番強いのはクリスではないですか」
ジャンヌが反発する。

「何を申す。魔力がいくら多くとも、クリスは戦闘についてはまだまだひよっこではないか。貴様らがちゃんとおもりをせんでいかがする」
シャラザールがジャンヌを見下ろす。

「申し訳ありません。シャラザール様。お叱りはそもそもクリス様に近づけさせた、我ら近衛の2人にお言いつけくださいませ」
ナタリーとメイが跪く。

「貴様ら2人がまだまだなのは当然知っておるわ」
険しい顔でシャラザールは言った。

「余が申したいのは、アレクとジャンヌの力があれば、いい加減にクリスや余を頼りにせずに邪神くらい自分らで退治せよということじゃ。二人いれば、クリスに近接する前に退治できたであろう」


「その件については確かに左様でございます」
ジャンヌはその点については頭を下げた。確かにアレクと2人いれば退治できたはずだった。いきなり、クリスの力に恐れをなして逃げ出すとは思ってもいなかったのだ。そのクリスに雪女が抱きついたのは笑えたが・・・


「シャラザールだと、あの小娘には邪神シャラザールが憑いておったのたか」
見ていたオモンディはやっと理解できると声に出していた。シャラザールの力があれば南の山脈を消失させたのも納得が出来た。しかし、何故また邪神なのだ。

「そこの男。こちらに来よ」
言うや、シャラザールは魔力で引き寄せた。

「ヒィィィぃ」
オモンディは胸ぐらをシャラザールに掴まれて悲鳴を上げていた。

「その方、今、余のことを邪神と申したか」
「いえ、そのような滅相もない」
顔を引きつらせてオモンディは否定した。

「その方もひょっとして真実を知らないのか」
「真実でございますか?」
オモンディには何のことか判らなかった。

「その方に余の血が流れておるかどうかじゃ」
「そのようなとんでもございません。私の躰の中には恐れ多くも貴方様の血など一滴も流れはおり・・・」
「愚か者」
シャラザールの鉄拳がオモンディに直撃した。

遥か彼方までオモンディは弾き飛ばされて地面に叩きつけられた。

「どいつもこいつも、何故真実を知らん」
シャラザールは仁王立ちになって怒り狂っていた。

「ええい、国王を呼べ」
シャラザールは叫んでいた。

みんな国王がどこにいるか判らず呆然とする。

「判りました。直ちに探しに参ります」
アレクはこれを逃げるチャンスと捕らえて即座に叫んでいた。

「さすがアレクよ。で、国王はどこにおるのじゃ」
「さあ、おそらく王宮かと」
「王宮の場所はわかっておるのか」
「おそらく」
「甘い!」
シャラザールはそう叫ぶとアレクをも張り倒していた。

「そんなツメの甘いことでどうするのじゃ。ええい、どいつもこいつも使えぬやつじゃ。良い。余が呼ぶ」
シャラザールは指を鳴らした。

シャラザールの目の前に、王宮に閉じ込められていた国王とその側近たちが転移させられてきていた。

「これでは少ないの。兵士たちも呼ぶか」
そう叫ぶとシャラザールは手を叩く。

生き残っていたサウス王国の兵士達1万余が周りに満ちた。

そんな事ができるなら、この前もそうしろよ。あの奴隷の家族を集めるのにどれだけ苦労したか・・・・・アレクは思わず言いそうになった。


呆然とした国王に、シャラザールか聞いた。

「余のことは存じておるか」
「貴様はもしや、邪神シャラザールか」
その瞬間国王はシャラザールの鉄拳制裁を受けたのは言うまでもなかった。

兵士たちも含めて皆がシャラザールがサウス国民の先祖である事。歴史の教科書の表紙にシャラザールの姿を載せることを納得させるまで、延々とシャラザールの鉄拳制裁という名の特訓が続いたのであった。

その後、全員で夜が明けるまでみんな揃って訓練させられたのはいつもの事だった。

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ここまで読んで頂いてありがとうございました。
今夕、少し付け足しますが本章は基本これで終わりです。
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