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第十二章 婚活と雪女
プロローグ 雪女
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皆さん。今日からよろしくお願いします。
******************************************************
サウス王国に伝わる伝説である。
昔、男がいた。
男は吹雪の中、村への帰路を急いでいた。
山道は険しく、ワカンをつけた靴はよく滑った。
風はきつく男にあたり、男は何度も吹き飛ばされそうになった。
何回か男は転けていた。
体中が雪まみれになって、頭を振って立ち上がる。
何故か無性に眠くなった。
それが寒さによる低体温症のせいだとは男は知らなかった。
何度か立ち上がった時に、男は遠くに光を見た。
なんだろうこんな所に。こんな所に民家などあるはずはないのだが。
しかし、眠気と戦っていた男は藁にもすがりつく思いでその光を目指した。
そして、光が徐々に大きくなって来る。
そこには灯火を持った女が立っていた。
女の肌は雪のように白く、整った顔立ちで、風に銀髪をたなびかせていた。
そのあまりの美しさに男は思わず我を失った。
女が手招きした。
男はゆっくりと女に向かって歩いて行った。
そして、女がにこっと笑った。
男はその美しい笑顔が見られて天にも登る気分だった。
男は女に抱きしめられた。その体が異常なほど冷たい思ったときには、もう正常な判断が下せるほど男に正気は残っていなかった。
男は幸せな気分で眠りについた。
そして、その後の男の足取りを知っている者は誰ひとりといなかった。・・・・
今、騎士たちはそのサウス王国の山岳地帯を吹雪の中、歩いていた。
ここ2、3年、山岳地帯に降る雪の量が半端なく増えており、雪解け等も遅くなりつつあるのだ。
彼らは早急にその状況を調べる必要があると王都から派遣されてきたのだ。
ドラフォードの南方にはボンゴル王国とサウス王国という2国が位置していた。ボンゴル王国はドラフォードとサウス王国の2国と国境を接していたが、サウス王国は3方を海に囲まれており、西の山でボンゴル王国とだけ国境を接していた。
今彼らがいる山岳地帯はその西の山ではなくて南に聳える南の山々だった。
「おい、なんか雪女が出そうな天気だぞ」
「まさか、この現代に雪女なんて出てくるかよ」
騎士たちはワイワイ言いながら歩いていた。
まだ、日が暮れたばかりだ。
この先に今日の宿となる村があるはずだ。想定外に多い雪のために遅れたスケジュールをなんとか、こなそうと急いで歩いている騎士たちだった。
風が更にきつくなってきた。
騎士たちの足取りが重くなる。
風がビュービュー吹いてきて歩くのも大変だった。
急激に寒くなってくる。
騎士たちに眠気が襲ってきた。
騎士たちは歩きながらうつらうつらしているものもいる。
「おいっ、光が見えたぞ」
先頭の男が声を上げた。
「おお、やっと着いたか」
騎士たちはほっとした。
少し早すぎるような気がしたが。
しかし、その先の光は小さかった。
徐々に大きくなってくる光を見て、騎士たちは目を見張った。
そこには白い衣装を纏った、彼らとは違い肌の白い女が立っていたのだ。
しかし、どこかから生暖かい風が吹いてきて騎士たちの目がトロンとしてきた。
女がニコっと笑った。
先頭を歩いていた騎士が、ガクリと膝をついて倒れた。
後ろを歩いていた男たちはなんとか立ったままいようとしたが、
「眠りなさい。いい子ね」
女の声に、次々と目を閉じて眠りについた。
調査にでかけた1個小隊が消息をたったのを王宮が知ったのはそれから1週間後だった。
************************************************************
次から本番です。
子供たちの婚活に心配な貴族の母親たちが次々に登場してきます。
最初はサウス王国皇太子殿下口先男、ナンパ男の登場です。
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サウス王国に伝わる伝説である。
昔、男がいた。
男は吹雪の中、村への帰路を急いでいた。
山道は険しく、ワカンをつけた靴はよく滑った。
風はきつく男にあたり、男は何度も吹き飛ばされそうになった。
何回か男は転けていた。
体中が雪まみれになって、頭を振って立ち上がる。
何故か無性に眠くなった。
それが寒さによる低体温症のせいだとは男は知らなかった。
何度か立ち上がった時に、男は遠くに光を見た。
なんだろうこんな所に。こんな所に民家などあるはずはないのだが。
しかし、眠気と戦っていた男は藁にもすがりつく思いでその光を目指した。
そして、光が徐々に大きくなって来る。
そこには灯火を持った女が立っていた。
女の肌は雪のように白く、整った顔立ちで、風に銀髪をたなびかせていた。
そのあまりの美しさに男は思わず我を失った。
女が手招きした。
男はゆっくりと女に向かって歩いて行った。
そして、女がにこっと笑った。
男はその美しい笑顔が見られて天にも登る気分だった。
男は女に抱きしめられた。その体が異常なほど冷たい思ったときには、もう正常な判断が下せるほど男に正気は残っていなかった。
男は幸せな気分で眠りについた。
そして、その後の男の足取りを知っている者は誰ひとりといなかった。・・・・
今、騎士たちはそのサウス王国の山岳地帯を吹雪の中、歩いていた。
ここ2、3年、山岳地帯に降る雪の量が半端なく増えており、雪解け等も遅くなりつつあるのだ。
彼らは早急にその状況を調べる必要があると王都から派遣されてきたのだ。
ドラフォードの南方にはボンゴル王国とサウス王国という2国が位置していた。ボンゴル王国はドラフォードとサウス王国の2国と国境を接していたが、サウス王国は3方を海に囲まれており、西の山でボンゴル王国とだけ国境を接していた。
今彼らがいる山岳地帯はその西の山ではなくて南に聳える南の山々だった。
「おい、なんか雪女が出そうな天気だぞ」
「まさか、この現代に雪女なんて出てくるかよ」
騎士たちはワイワイ言いながら歩いていた。
まだ、日が暮れたばかりだ。
この先に今日の宿となる村があるはずだ。想定外に多い雪のために遅れたスケジュールをなんとか、こなそうと急いで歩いている騎士たちだった。
風が更にきつくなってきた。
騎士たちの足取りが重くなる。
風がビュービュー吹いてきて歩くのも大変だった。
急激に寒くなってくる。
騎士たちに眠気が襲ってきた。
騎士たちは歩きながらうつらうつらしているものもいる。
「おいっ、光が見えたぞ」
先頭の男が声を上げた。
「おお、やっと着いたか」
騎士たちはほっとした。
少し早すぎるような気がしたが。
しかし、その先の光は小さかった。
徐々に大きくなってくる光を見て、騎士たちは目を見張った。
そこには白い衣装を纏った、彼らとは違い肌の白い女が立っていたのだ。
しかし、どこかから生暖かい風が吹いてきて騎士たちの目がトロンとしてきた。
女がニコっと笑った。
先頭を歩いていた騎士が、ガクリと膝をついて倒れた。
後ろを歩いていた男たちはなんとか立ったままいようとしたが、
「眠りなさい。いい子ね」
女の声に、次々と目を閉じて眠りについた。
調査にでかけた1個小隊が消息をたったのを王宮が知ったのはそれから1週間後だった。
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次から本番です。
子供たちの婚活に心配な貴族の母親たちが次々に登場してきます。
最初はサウス王国皇太子殿下口先男、ナンパ男の登場です。
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