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第十一章 パレルモ王国の陰謀
プロローグ パレルモ王国の陰謀
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皆さんおまたせしました。
クリスとオウの恋物語の続きです。
今章で二人は結ばれるはずです。
*******************************************
薄暗いとある城の地下の1室で二人の男が密談していた。
「シッランパー、バラウェイの販売量が半分に減っているではないか」
「ボフミエ魔導国にザール教国を占拠されたことが響きましたな」
男の叱責に平然とシッランパーは応えた。
「またボフミエか。ボフミエ、ボフミエ、ボフミエ。いつもそうではないか」
男は忌々しそうに言った。
「確かに。彼の国の筆頭魔導師共に大量の買い手であったボフミエ魔導帝国を破滅させられて、更に大きな販売先でもあったGAFAを潰され、魔王によって新たな販売先となったモルロイも潰されました。新大陸のホワイテアとの交易路も制圧され、このところ本当にジリ貧です」
シッランパーは現状を淡々と報告する。
「他人事宜しく言っておらんで、なんとかせい」
「そうおっしゃられても、筆頭魔導師に手を出そうとしたボフミエ魔導帝国、GAFA、魔王、ザール教国とことごとく制圧されております」
男の叱責にシッランパーは現実を突きつけた。
「ボフミエの小娘か」
「それ以外にも赤い死神に暴風王女に正義の騎士、はては陰険皇太子までおりまして、手を出すのはなかなか厳しいかと」
「所詮はボフミエの小娘を中心としたおままごと王朝であろうが。小娘を殺せば自然と瓦解しようが」
「閣下、その小娘が世界最強の魔導師なのです。直接戦った魔王すら勝てませんでした。更にその発する電撃は脅威の遠距離攻撃が可能で、何千キロと離れたところから宮殿一つ一瞬で壊滅させております」
「何千なキロも離れていてか」
「何しろあの軍事大国のノルディン帝国の宮殿までも一瞬で破壊しましたから」
シッランパーは報告する。
「人間爆弾はどうじゃ」
「無理でございます。今まで魔王を始めザールもノルディンもホワイテアも失敗しております。そ阻止された瞬間に雷撃攻撃で首謀者を直撃しております」
シッランパーは首を振った。
「正面から戦っても駄目、テロも駄目か」
「ボフミエの小娘に手を出したものはことごとく逆襲されております」
「手はないと申すか」
忌々しそうに男が言った。
「しかし、このまま黙視していても、いずれこちらがバラウェイの製造元だと知られましょう。連合軍で攻め込まれても事でございます」
シッランパーが待つのも愚策と言い切る。
「では一体どうするのじゃ」
「絡めてから攻めようと思います」
男の質問にシッランパーは答えた。
「一体全体、どうするのじゃ」
男には手があるようには思えなかったが、
「ボフミエの小娘本人が駄目なら、その周りの弱いものを攻撃します」
シッランパーはにたりと薄気味悪い笑みを浮かべて言った。
「しかし、小娘が無事では意味がなかろう」
男が懸念事項を言う。小娘が生きていれば周りを殺してもなんとでもなるのだ。
「精神的ショックを与えて暴君にでもなってもらえればまだ隙も生まれましょう」
その質問にシッランパーは応えた。
「なんとも迂遠なことじゃな」
「千里の道も1歩からと申します」
「しかし、それでこちらのことがバレれば即座に雷撃がこちらに来よう」
「それは判らぬように、ボフミエ帝国、ザール教国、モルロイ、クロチアの残党を掴んでおります。うまく誘導すれば彼らが勝手にやってくれましょう」
男の懸念事項にシッランパーは答える。
「なるほど、たしかにそうじゃな」
男は納得した。
「で、いつから始めるのじゃ」
「準備ができ次第始めようと思っております。既に手は打ってございます」
「そうか。泣き叫ぶ小娘が見れるということか」
シッランパーの答えに男は薄笑いをした。
「左様でございます。小娘の精神をじわりじわりと削ってまいります」
「相変わらず陰険じゃの」
「閣下にはかないませぬが」
二人は笑いあった。
クリスとオウの恋物語の続きです。
今章で二人は結ばれるはずです。
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薄暗いとある城の地下の1室で二人の男が密談していた。
「シッランパー、バラウェイの販売量が半分に減っているではないか」
「ボフミエ魔導国にザール教国を占拠されたことが響きましたな」
男の叱責に平然とシッランパーは応えた。
「またボフミエか。ボフミエ、ボフミエ、ボフミエ。いつもそうではないか」
男は忌々しそうに言った。
「確かに。彼の国の筆頭魔導師共に大量の買い手であったボフミエ魔導帝国を破滅させられて、更に大きな販売先でもあったGAFAを潰され、魔王によって新たな販売先となったモルロイも潰されました。新大陸のホワイテアとの交易路も制圧され、このところ本当にジリ貧です」
シッランパーは現状を淡々と報告する。
「他人事宜しく言っておらんで、なんとかせい」
「そうおっしゃられても、筆頭魔導師に手を出そうとしたボフミエ魔導帝国、GAFA、魔王、ザール教国とことごとく制圧されております」
男の叱責にシッランパーは現実を突きつけた。
「ボフミエの小娘か」
「それ以外にも赤い死神に暴風王女に正義の騎士、はては陰険皇太子までおりまして、手を出すのはなかなか厳しいかと」
「所詮はボフミエの小娘を中心としたおままごと王朝であろうが。小娘を殺せば自然と瓦解しようが」
「閣下、その小娘が世界最強の魔導師なのです。直接戦った魔王すら勝てませんでした。更にその発する電撃は脅威の遠距離攻撃が可能で、何千キロと離れたところから宮殿一つ一瞬で壊滅させております」
「何千なキロも離れていてか」
「何しろあの軍事大国のノルディン帝国の宮殿までも一瞬で破壊しましたから」
シッランパーは報告する。
「人間爆弾はどうじゃ」
「無理でございます。今まで魔王を始めザールもノルディンもホワイテアも失敗しております。そ阻止された瞬間に雷撃攻撃で首謀者を直撃しております」
シッランパーは首を振った。
「正面から戦っても駄目、テロも駄目か」
「ボフミエの小娘に手を出したものはことごとく逆襲されております」
「手はないと申すか」
忌々しそうに男が言った。
「しかし、このまま黙視していても、いずれこちらがバラウェイの製造元だと知られましょう。連合軍で攻め込まれても事でございます」
シッランパーが待つのも愚策と言い切る。
「では一体どうするのじゃ」
「絡めてから攻めようと思います」
男の質問にシッランパーは答えた。
「一体全体、どうするのじゃ」
男には手があるようには思えなかったが、
「ボフミエの小娘本人が駄目なら、その周りの弱いものを攻撃します」
シッランパーはにたりと薄気味悪い笑みを浮かべて言った。
「しかし、小娘が無事では意味がなかろう」
男が懸念事項を言う。小娘が生きていれば周りを殺してもなんとでもなるのだ。
「精神的ショックを与えて暴君にでもなってもらえればまだ隙も生まれましょう」
その質問にシッランパーは応えた。
「なんとも迂遠なことじゃな」
「千里の道も1歩からと申します」
「しかし、それでこちらのことがバレれば即座に雷撃がこちらに来よう」
「それは判らぬように、ボフミエ帝国、ザール教国、モルロイ、クロチアの残党を掴んでおります。うまく誘導すれば彼らが勝手にやってくれましょう」
男の懸念事項にシッランパーは答える。
「なるほど、たしかにそうじゃな」
男は納得した。
「で、いつから始めるのじゃ」
「準備ができ次第始めようと思っております。既に手は打ってございます」
「そうか。泣き叫ぶ小娘が見れるということか」
シッランパーの答えに男は薄笑いをした。
「左様でございます。小娘の精神をじわりじわりと削ってまいります」
「相変わらず陰険じゃの」
「閣下にはかないませぬが」
二人は笑いあった。
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