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第十章 マーマレード元皇太子の反撃
閑話 エステラの夢の始まり
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エステラ・ハイドは今日も雑用係として劇場で働いていた。
クリスらと一緒の演劇は大成功だったが、演劇の最後のクリス誘拐事件で演劇どころの話では無くなった。卒業したあともエステラの働き先はなかなか無く、やっと演劇部の繋がりでとある劇場で雑用係として働き口があったのだった。演劇部の先輩たちに雑用としてこき使われている日々だった。
「エステラ!また照明のタイミングがずれたわ。カイルが手を下ろした時だって言ったでしょう」
「でも、アンネ様。あの照明のタイミングはオットー様があの位置に立たれた時では」
「あたな、演出家の私に逆らうの!」
アンネは怒って言った。
「いえ、滅相もありません」
慌ててエステラは謝った。
「本当に愚図で逆らうことしか出来ないなんて、首にするわよ」
「申し訳ありません。何卒お許しを」
ここで首になると借りていた奨学金が返せなくなる。エステラは必死に謝った。
「ふんっ。本当に口だけで何も出来ないんだから」
アンネは捨て台詞を残して去っていった。
「またエステラなの」
「本当にどうしようもなく無いわね」
周りの皆の冷たい視線にエステラは下唇を噛んで耐えた。
残業を終えて家に帰ったのは深夜零時を回っていた。下っ端なので朝も朝一番で出るので今は殆ど新たな脚本を書く暇も無かった。
「はあああっ」
エステラは大きくため息を付いた。
そこにスティーブから留守番電話が入っていることに気付いた。
懐かしくて慌てて開く。
「エステラ元気でやっている?実はクリス様らと今このマーマレードに帰っていて、急遽同窓会をやることになったんだ。誘拐事件でクリス様も皆に挨拶出来なかったし、是非ともお会いしたいと仰っていて。エステラも忙しいとは思うけど万難排して参加してもらえると有難いんだけど」
そのあと会場の時間と地図が載っていてスティーブのメッセージは終わっていた。
エステラも久しぶりに皆に会いたかった。
でもその日は演劇のある日でエステラは抜けられそうに無かった。
「わざわざ誘ってくれたのにごめんなさい。その日は仕事が忙しくて出られそうに無いわ。皆様に宜しくお伝え下さい」
メッセージを送ってエステラは電話を閉じた。
「あの頃は楽しかったな」
身分差も何も関係無く皆エステラの好きにさせてくれた。大国の王族方とあんな風に過ごせるなんてもう絶対に無い。それも大好きな演劇で思う存分自由に演出できたのだ。もうエステラには思い残す事も無かったはずだった。全部学園卒業と同時に楽しい事は終わったのだ。
その日も疲れていたはずなのにエステラはなかなか寝れなかった。
同窓会当日もエステラは劇場にいた。
そしてまた、終わったあとにアンネに怒られていた。
「エステラ、どういう事。またタイミングがずれたじゃない。オットーが位置に付いた時に照明するって話だったわよね」
「はい?カイル様が手を下ろした時だと言われたと」
「そんなわけ無いでしょ。それじゃタイミングがずれるじゃない。本当に役立たずね。いつまでも出来ないなら辞めてもらうしかないわ」
アンネが言った。もともとアンネがそうしろと言ったのに。言いがかりも甚だしかった。でもここで首になるわけには行かない。
エステラが謝ろうとした時だ。
「じゃあ要らないなら、私がもらうぞ!」
「えっ」
第三者の声にアンネは驚いた。
「ジャンヌ殿下!」
驚いてエステラは声を上げた。
そこにはジャンヌらがいつの間にか入り込んでいたのだ。
「あの強気のエステラはどこに行ったんだ。散々私にダメ出ししてくれたのに」
「えっ殿下そのようなこと」
憧れのジャンヌに声をかけられてエステラは感激していた。
「あの皇太子殿下。バーネット伯爵家のアンネと申します」
「いやあ、取り込み中失礼したな。エステラが演出しているのかと思って楽しみに来てみれば雑用係として働いているんだろう。人財の無駄だから我が国にもらっていっても良いよな」
「本当ですわ。エステラ、あなたは私を世界的な悪役令嬢として有名にしたのに、何でこんな所でくすぶっているんですの。おかげで私嫁の行き手が無いんですけど。何故か悪役令嬢その一のメーソンが恋人が出来たって喜んでいるんだけど、あなたもボフミエに来て私にも見目麗しい殿方を紹介しなさいよ」
イザベラが横から出てきて言う。
「イザベラ様」
「エステラさん。演劇の時は本当に良くやって頂けたわ。その後全然お礼も言えずに御免なさいね」
その後ろにクリスが優しく微笑んでいた。
「く、クリス様」
「後の事も全然聞いていなくて、ボフミエは全てまだ始まったところなの。劇場も殆ど無いわ。でも皆で一から国造りしているんだけれど、エステラさんも出来れば手伝って頂けると有難いんだけど」
「判りました。私でよろしければ」
どんな所でも良かった。演劇が出来るなら。それも筆頭魔導師様がわざわざ呼んでくれるのだ。こんな好待遇は絶対に今後もないだろう。
「ちょっと待って下さい。エステラはうちの従業員で」
アンネは慌てて口出してきた。学園祭ではアンネの演劇が皆の注目を集めるはずが、エステラの演劇が全世界放送されて、いきなり注目を浴びて演劇部の演劇は散々だった。優秀な人材を雑用係にしていたとか、無能なやつが演出して、有能なエステラを雑用で使っていたとか散々言われたのだ。その悔しさをやっとぶつけて解消していたのに、その相手をかっさらわれたらまたなんて言われるか堪ったものではなかった。
「今要らないようなこと言ってたけど」
ジャンヌがもう一度突っ込む。
「いえ、それは言葉の綾で・・・・」
アンネは必死に言い張ろうとしたが、
「お前のところの父親に聞いたら使用人の一人や二人好きなだけお連れくださいと言われたぞ」
「・・・・・」
ジャンヌの一言でアンネは何一つ言えなくなった。
世界的なボフミエの演出家エステラ・ハイドの誕生した瞬間だった。
そして、アンネはいつまでもマーマレードで言われ続けることになる。自分よりも能力ある演出家を雑用として使い潰そうとした、指導者としてあるまじき反面教師だと。
ボフミエの演劇界はこのエステラの活躍で有名になり、次々と世界各地から有能な人材が集まって、後に、大きく発展して、一大産業になっていくのだが、それはまた別の話である。
**********************************
ここまで読んで頂いて有り難うございます。
本編は取り敢えず完結です。
次は新大陸の話になります。
新大陸のインディオの危機にクリスが立ち上がります
是非ともご期待ください
クリスらと一緒の演劇は大成功だったが、演劇の最後のクリス誘拐事件で演劇どころの話では無くなった。卒業したあともエステラの働き先はなかなか無く、やっと演劇部の繋がりでとある劇場で雑用係として働き口があったのだった。演劇部の先輩たちに雑用としてこき使われている日々だった。
「エステラ!また照明のタイミングがずれたわ。カイルが手を下ろした時だって言ったでしょう」
「でも、アンネ様。あの照明のタイミングはオットー様があの位置に立たれた時では」
「あたな、演出家の私に逆らうの!」
アンネは怒って言った。
「いえ、滅相もありません」
慌ててエステラは謝った。
「本当に愚図で逆らうことしか出来ないなんて、首にするわよ」
「申し訳ありません。何卒お許しを」
ここで首になると借りていた奨学金が返せなくなる。エステラは必死に謝った。
「ふんっ。本当に口だけで何も出来ないんだから」
アンネは捨て台詞を残して去っていった。
「またエステラなの」
「本当にどうしようもなく無いわね」
周りの皆の冷たい視線にエステラは下唇を噛んで耐えた。
残業を終えて家に帰ったのは深夜零時を回っていた。下っ端なので朝も朝一番で出るので今は殆ど新たな脚本を書く暇も無かった。
「はあああっ」
エステラは大きくため息を付いた。
そこにスティーブから留守番電話が入っていることに気付いた。
懐かしくて慌てて開く。
「エステラ元気でやっている?実はクリス様らと今このマーマレードに帰っていて、急遽同窓会をやることになったんだ。誘拐事件でクリス様も皆に挨拶出来なかったし、是非ともお会いしたいと仰っていて。エステラも忙しいとは思うけど万難排して参加してもらえると有難いんだけど」
そのあと会場の時間と地図が載っていてスティーブのメッセージは終わっていた。
エステラも久しぶりに皆に会いたかった。
でもその日は演劇のある日でエステラは抜けられそうに無かった。
「わざわざ誘ってくれたのにごめんなさい。その日は仕事が忙しくて出られそうに無いわ。皆様に宜しくお伝え下さい」
メッセージを送ってエステラは電話を閉じた。
「あの頃は楽しかったな」
身分差も何も関係無く皆エステラの好きにさせてくれた。大国の王族方とあんな風に過ごせるなんてもう絶対に無い。それも大好きな演劇で思う存分自由に演出できたのだ。もうエステラには思い残す事も無かったはずだった。全部学園卒業と同時に楽しい事は終わったのだ。
その日も疲れていたはずなのにエステラはなかなか寝れなかった。
同窓会当日もエステラは劇場にいた。
そしてまた、終わったあとにアンネに怒られていた。
「エステラ、どういう事。またタイミングがずれたじゃない。オットーが位置に付いた時に照明するって話だったわよね」
「はい?カイル様が手を下ろした時だと言われたと」
「そんなわけ無いでしょ。それじゃタイミングがずれるじゃない。本当に役立たずね。いつまでも出来ないなら辞めてもらうしかないわ」
アンネが言った。もともとアンネがそうしろと言ったのに。言いがかりも甚だしかった。でもここで首になるわけには行かない。
エステラが謝ろうとした時だ。
「じゃあ要らないなら、私がもらうぞ!」
「えっ」
第三者の声にアンネは驚いた。
「ジャンヌ殿下!」
驚いてエステラは声を上げた。
そこにはジャンヌらがいつの間にか入り込んでいたのだ。
「あの強気のエステラはどこに行ったんだ。散々私にダメ出ししてくれたのに」
「えっ殿下そのようなこと」
憧れのジャンヌに声をかけられてエステラは感激していた。
「あの皇太子殿下。バーネット伯爵家のアンネと申します」
「いやあ、取り込み中失礼したな。エステラが演出しているのかと思って楽しみに来てみれば雑用係として働いているんだろう。人財の無駄だから我が国にもらっていっても良いよな」
「本当ですわ。エステラ、あなたは私を世界的な悪役令嬢として有名にしたのに、何でこんな所でくすぶっているんですの。おかげで私嫁の行き手が無いんですけど。何故か悪役令嬢その一のメーソンが恋人が出来たって喜んでいるんだけど、あなたもボフミエに来て私にも見目麗しい殿方を紹介しなさいよ」
イザベラが横から出てきて言う。
「イザベラ様」
「エステラさん。演劇の時は本当に良くやって頂けたわ。その後全然お礼も言えずに御免なさいね」
その後ろにクリスが優しく微笑んでいた。
「く、クリス様」
「後の事も全然聞いていなくて、ボフミエは全てまだ始まったところなの。劇場も殆ど無いわ。でも皆で一から国造りしているんだけれど、エステラさんも出来れば手伝って頂けると有難いんだけど」
「判りました。私でよろしければ」
どんな所でも良かった。演劇が出来るなら。それも筆頭魔導師様がわざわざ呼んでくれるのだ。こんな好待遇は絶対に今後もないだろう。
「ちょっと待って下さい。エステラはうちの従業員で」
アンネは慌てて口出してきた。学園祭ではアンネの演劇が皆の注目を集めるはずが、エステラの演劇が全世界放送されて、いきなり注目を浴びて演劇部の演劇は散々だった。優秀な人材を雑用係にしていたとか、無能なやつが演出して、有能なエステラを雑用で使っていたとか散々言われたのだ。その悔しさをやっとぶつけて解消していたのに、その相手をかっさらわれたらまたなんて言われるか堪ったものではなかった。
「今要らないようなこと言ってたけど」
ジャンヌがもう一度突っ込む。
「いえ、それは言葉の綾で・・・・」
アンネは必死に言い張ろうとしたが、
「お前のところの父親に聞いたら使用人の一人や二人好きなだけお連れくださいと言われたぞ」
「・・・・・」
ジャンヌの一言でアンネは何一つ言えなくなった。
世界的なボフミエの演出家エステラ・ハイドの誕生した瞬間だった。
そして、アンネはいつまでもマーマレードで言われ続けることになる。自分よりも能力ある演出家を雑用として使い潰そうとした、指導者としてあるまじき反面教師だと。
ボフミエの演劇界はこのエステラの活躍で有名になり、次々と世界各地から有能な人材が集まって、後に、大きく発展して、一大産業になっていくのだが、それはまた別の話である。
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ここまで読んで頂いて有り難うございます。
本編は取り敢えず完結です。
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