281 / 444
第九章 ザール教騒乱
暴風王女は巡回中に麻薬中毒患者の起こした事件に遭遇しました
しおりを挟む
ボフミエ国都ナッツァはクリスが筆頭魔道士についた頃は寂れていたが、クリスが筆頭魔道士について4ヶ月、飢饉も魔王の侵攻も叩き潰して、順調に発展し始めていた。
何しろノルディン帝国、ドラフォード王国の2大国の皇太子を筆頭にマーマレード王国、テレーゼ王国、ジパグ国の皇太子をはじめ、陳国の王女、トリポリ王国の皇太子等、世界各地の主要国の次期国王を始め王族、貴族等が集まって、国際色豊かな都になっていた。更にマーマレードとの共同開発のスカイバードが上記各国に定期便を飛ばしだしており、一大商業都市の片鱗さえ漂い出した。
国都内は建物の建設ラッシュで、国都はうるおいだしていた。
当然それに伴って人の入りも激しくなるのは良かったが、治安も少し悪化してはいた。
ドカーン
今日も下町を警戒巡ら中のジャンヌに盛大な爆発音が聞こえた。
「行くぞ」
慌ててジャンヌらは駆け出す。
次々に爆発音がする。
ジャンヌが現場に到着すると、真ん中の目を怒らせた男が爆裂魔術を無差別に放出していた。
「どうした」
「怪しげな男が居たので、尋問しようとしたのですが、いきなり、攻撃を仕掛けてきたのです」
兵士が答える。
幸いなことに魔力の大きさは小さいようで、周りの民家の壁が削られているだけのようだった。
「寄るな、寄るとこの女を殺すぞ」
男は中年の女性を人質に取ったようだった。
「どうしますか。姫様」
ライラがジャンヌに聞く。
「私が転移してあの男からナイフを奪ってのしてくるさ」
ジャンヌはやれやれという顔で言った。
「お気をつけられて」
「ああ」
ライラの言葉にジャンヌは頷くと同時に転移した。
手を震わせて叫ぶ男の真後ろに転移する。
「な、」
男が驚く前にナイフをもつ手を逆手に捻り上げる。
「ぎゃっ」
男は思わず悲鳴を上げた。そして、ナイフを取り落とす。
ジャンヌはそのみぞおちに肘鉄を食らわす。
「グウェッ」
男は叫ぶと地面に倒れ伏した。
周りで伏せていた兵士たちが飛び出して男を拘束する。
「大丈夫か」
ジャンヌは助けた女に声をかける。
「有難うございます」
女は頭を下げてお礼を言った。
「姫様。2番地でまた事件が起こったそうです。男が人質を取って訳の判んないことを叫んでいるようです」
「判ったすぐに行く」
ジャンヌはやれやれという顔をして転移した。
「どうした」
ジャンヌは建物を囲んでいる兵士たちに声をかける。
「これは、魔導師団長。よくわからないんですが、貴族御用達の衣服店で女店主を人質に男が立てこもっているみたいです」
「何言っているのかよくわからないんですが」
「またか、また、パラウェイ中毒か」
「可能性は十分にあります」
「判った。中が見えるところはあるか」
「あの建物の屋根からなら中が見えるのではないですか」
「そうだな、じゃあ登ってくるよ」
ジャンヌは道を挟んだ向かい側の家によじ登る。
上から見ると窓の中が見える。男が女を捕まえて首筋にナイフを突き立てて叫んでいた。
女が恐怖で顔をひきつらせている。
その首につけられているナイフからは血が流れ始めていた。
「やばい」
慌ててジャンヌは転移する。
しかし、その時、男は叫ぶと女店主の首にナイフを突き立てていた。
ジャンヌは転移すると、思いっきり男の顔面にケリを入れていた。
男は即座に昏倒する。
女店主は首から血を吹き出して倒れる。
「まずい。ジャルカ!」
ジャンヌはその店主を抱えると慌ててジャルカのもとに転移していった。
何しろノルディン帝国、ドラフォード王国の2大国の皇太子を筆頭にマーマレード王国、テレーゼ王国、ジパグ国の皇太子をはじめ、陳国の王女、トリポリ王国の皇太子等、世界各地の主要国の次期国王を始め王族、貴族等が集まって、国際色豊かな都になっていた。更にマーマレードとの共同開発のスカイバードが上記各国に定期便を飛ばしだしており、一大商業都市の片鱗さえ漂い出した。
国都内は建物の建設ラッシュで、国都はうるおいだしていた。
当然それに伴って人の入りも激しくなるのは良かったが、治安も少し悪化してはいた。
ドカーン
今日も下町を警戒巡ら中のジャンヌに盛大な爆発音が聞こえた。
「行くぞ」
慌ててジャンヌらは駆け出す。
次々に爆発音がする。
ジャンヌが現場に到着すると、真ん中の目を怒らせた男が爆裂魔術を無差別に放出していた。
「どうした」
「怪しげな男が居たので、尋問しようとしたのですが、いきなり、攻撃を仕掛けてきたのです」
兵士が答える。
幸いなことに魔力の大きさは小さいようで、周りの民家の壁が削られているだけのようだった。
「寄るな、寄るとこの女を殺すぞ」
男は中年の女性を人質に取ったようだった。
「どうしますか。姫様」
ライラがジャンヌに聞く。
「私が転移してあの男からナイフを奪ってのしてくるさ」
ジャンヌはやれやれという顔で言った。
「お気をつけられて」
「ああ」
ライラの言葉にジャンヌは頷くと同時に転移した。
手を震わせて叫ぶ男の真後ろに転移する。
「な、」
男が驚く前にナイフをもつ手を逆手に捻り上げる。
「ぎゃっ」
男は思わず悲鳴を上げた。そして、ナイフを取り落とす。
ジャンヌはそのみぞおちに肘鉄を食らわす。
「グウェッ」
男は叫ぶと地面に倒れ伏した。
周りで伏せていた兵士たちが飛び出して男を拘束する。
「大丈夫か」
ジャンヌは助けた女に声をかける。
「有難うございます」
女は頭を下げてお礼を言った。
「姫様。2番地でまた事件が起こったそうです。男が人質を取って訳の判んないことを叫んでいるようです」
「判ったすぐに行く」
ジャンヌはやれやれという顔をして転移した。
「どうした」
ジャンヌは建物を囲んでいる兵士たちに声をかける。
「これは、魔導師団長。よくわからないんですが、貴族御用達の衣服店で女店主を人質に男が立てこもっているみたいです」
「何言っているのかよくわからないんですが」
「またか、また、パラウェイ中毒か」
「可能性は十分にあります」
「判った。中が見えるところはあるか」
「あの建物の屋根からなら中が見えるのではないですか」
「そうだな、じゃあ登ってくるよ」
ジャンヌは道を挟んだ向かい側の家によじ登る。
上から見ると窓の中が見える。男が女を捕まえて首筋にナイフを突き立てて叫んでいた。
女が恐怖で顔をひきつらせている。
その首につけられているナイフからは血が流れ始めていた。
「やばい」
慌ててジャンヌは転移する。
しかし、その時、男は叫ぶと女店主の首にナイフを突き立てていた。
ジャンヌは転移すると、思いっきり男の顔面にケリを入れていた。
男は即座に昏倒する。
女店主は首から血を吹き出して倒れる。
「まずい。ジャルカ!」
ジャンヌはその店主を抱えると慌ててジャルカのもとに転移していった。
0
お気に入りに追加
2,450
あなたにおすすめの小説
生まれたときから今日まで無かったことにしてください。
はゆりか
恋愛
産まれた時からこの国の王太子の婚約者でした。
物心がついた頃から毎日自宅での王妃教育。
週に一回王城にいき社交を学び人脈作り。
当たり前のように生活してしていき気づいた時には私は1人だった。
家族からも婚約者である王太子からも愛されていないわけではない。
でも、わたしがいなくてもなんら変わりのない。
家族の中心は姉だから。
決して虐げられているわけではないけどパーティーに着て行くドレスがなくても誰も気づかれないそんな境遇のわたしが本当の愛を知り溺愛されて行くストーリー。
…………
処女作品の為、色々問題があるかとおもいますが、温かく見守っていただけたらとおもいます。
本編完結。
番外編数話続きます。
続編(2章)
『婚約破棄されましたが、婚約解消された隣国王太子に恋しました』連載スタートしました。
そちらもよろしくお願いします。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
今更何の御用でしょう? ウザいので止めて下さいませんか?
ノアにゃん
恋愛
私は3年前に幼馴染の王子に告白して「馬鹿じゃないの?」と最低な一瞬で振られた侯爵令嬢
その3年前に私を振った王子がいきなりベタベタし始めた
はっきり言ってウザい、しつこい、キモい、、、
王子には言いませんよ?不敬罪になりますもの。
そして私は知りませんでした。これが1,000年前の再来だという事を…………。
※ 8/ 9 HOTランキング 2位 ありがとう御座います‼
※ 8/ 9 HOTランキング 1位 ありがとう御座います‼
※過去最高 154,000ポイント ありがとう御座います‼
全てを諦めた令嬢の幸福
セン
恋愛
公爵令嬢シルヴィア・クロヴァンスはその奇異な外見のせいで、家族からも幼い頃からの婚約者からも嫌われていた。そして学園卒業間近、彼女は突然婚約破棄を言い渡された。
諦めてばかりいたシルヴィアが周りに支えられ成長していく物語。
※途中シリアスな話もあります。
侯爵令嬢として婚約破棄を言い渡されたけど、実は私、他国の第2皇女ですよ!
みこと
恋愛
「オリヴィア!貴様はエマ・オルソン子爵令嬢に悪質な虐めをしていたな。そのような者は俺様の妃として相応しくない。よって貴様との婚約の破棄をここに宣言する!!」
王立貴族学園の創立記念パーティーの最中、壇上から声高らかに宣言したのは、エリアス・セデール。ここ、セデール王国の王太子殿下。
王太子の婚約者である私はカールソン侯爵家の長女である。今のところ
はあ、これからどうなることやら。
ゆるゆる設定ですどうかご容赦くださいm(_ _)m
わたしを追い出した人達が、今更何の御用ですか?
柚木ゆず
恋愛
ランファーズ子爵令嬢、エミリー。彼女は我が儘な妹マリオンとマリオンを溺愛する両親の理不尽な怒りを買い、お屋敷から追い出されてしまいました。
自分の思い通りになってマリオンは喜び、両親はそんなマリオンを見て嬉しそうにしていましたが――。
マリオン達は、まだ知りません。
それから僅か1か月後に、エミリーの追放を激しく後悔する羽目になることを。お屋敷に戻って来て欲しいと、エミリーに懇願しないといけなくなってしまうことを――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる