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第五章 ボフミエ皇帝誘拐する
クリスはボフミエ国の主に指名される
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クリスの周りには3人の老魔導師達とその後ろには息も絶え絶えに這いつくばった兵士たちがいた。
確か皇帝に拘束されて気持ちの悪い石を押し付けられて…
(それでどうなったのだろう?目の前には見知らぬ老魔導師たちがいるが)
「すいません。あなた方はどなたですか?」
とまず3人が誰かを聞こうとした。
「これはこれは申し遅れた。我はボーガンと」
「余はフミン」
「儂はミエールじゃ」
3人はそれぞれ名乗る。
クリスは3人の名前を聞いたことがあった。
「ボフミエ建国の3大魔導師様と同じ名前ですね」
クリスはにこっとして言った。
「さよう」
「まさにその通りじゃ」
「よく判ったな」
3人はそれぞれ話す。
でも1千年も昔の魔導士が生きている訳は無いし、なんか不吉な事を言った人が中にいたように感じたがとりあえずそこは置いておいて
「後ろの兵士たちが倒れていますが、それはあなた方のせいですか?」
聞かなければいけないことを聞こうとした。
「まさか」
「何を言われる」
「貴様がした事だ」
3人が返事するが、
「?」
クリスは憑依された自分がしたことだとは夢にも思っていなかった。
「さようじゃな」
「意識が無いと判らんか」
「まあシャラザールのしでかした事じゃし」
3人が更に言う。
「ジャラザールと言うと戦神シャラザールですか」
更に不審がつてクリスは聞く。
シャラザールなども1000年も前の戦神だ。
クリスは自分がシャラザールに憑依されているなど全く気付いてもいなかった。
この兵士たちの惨状はそのシャラザールがしでかした事なのだが、当然自分がしたことだとは思いもしなかった。
「それよりも」
「我らはお主に」
「頼みたいことがあってきた」
3人はクリスの前に整列した。
「頼みたいこととは何でしょうか?」
クリスが首をかしげる。
「我が祖国ボフミエは元々シャラザールに迫害された魔導師たちが立てた国じゃ」
ボーガンが言う。
「はい。それは歴史で習いました」
クリスが頷く。
「元々、ボフミエの国主は世界で一番魔力の強いものがなってきた」
「昔の話ですよね」
「そうそこに転がっておるゲーリングの先祖がその仕組みを破りおったからの」
「我らこ奴の祖先はボフミエ魔導国に対して反逆しおった」
「世襲制など無能者のすることじゃ」
「だからこのようにシャラザールなどと言う男女に負けるのじゃ」
「我ら3人は負けたことは無いぞ」
3魔導師は好き勝手に言い放つ。
何故か心の隅でクリスは焦燥感が湧いていた。
何とも言えない顔をする。
それを見ていたジャンヌは絶対にシャラザールは文句を言いたくてたまらないだろうと想像した。
しかし、シャラザールが3魔導師によってクリスの中に再び封印されたのは事実だった。
ボフミエの3大魔導師の方がシャラザールよりも強かったのだろうか?
ジャンヌには判らなかった。
「そう、ボフミエのトップは基本的には世界最強の魔導士以外がなるべきではないのだ」
「このような豚が皇帝など片腹痛いわ」
「特にここ最近は本当に恥ずかしかった」
ボフミエの皇帝が聞けばいきり立つだろう内容だが、皇帝自体はシャラザールによって肉の塊と化せられていた。
「そう、このような恥ずかしい状態は良くない」
「世界一の魔導士に継いでもらわないと」
「古の状態に戻したいのじゃ」
3人はクリスに詰め寄った。
「クリスティーナ・ミハイルよ」
「その優しき心に問いたい」
「我ら年寄りの今生の願いを聞いてはもらえまいか」
「どのような事でしょうか?」
クリスが聞く。
「我ら生い先短い魔導師の願い」
「全ての魔導士に成り代わって」
「是非とも聞いてもらいたい」
3人は更にお願いする。
「どういった事ですか」
困ってクリスは聞く。
「聞いたからいやだと言われたら立ち直れない」
「そんな大したことではないが」
「年寄りを助けると思って頷いてはくれまいか」
「私で出来る事ならば」
クリスが思わず口に出してしまった。
「そうかやってくれるか」
「さすが、聖女様じゃ」
「この豚が壊したボフミエを何としても元に戻したいのじゃ」
3人は喜んで言った。
「ちょっとまだやるとは言っておりません」
クリスが慌てて否定するが3人は喜んで聞いていない。
「これでボフミエも良くなる」
「傷んだ国土も元に戻るじゃろう」
「心配して出てきたかいがあったわ」
「あの、私は何をすれば宜しいのでしょうか?」
クリスは3人にはっきりと聞いていた。
「我らボフミエの建国3魔導師の残像」
「ボフミエ全ての魔導士、いや世界全ての魔導士を代表してそこもとを任命する」
「ボフミエ魔導国の筆頭魔導師の地位を」
「筆頭魔導師って」
確か筆頭魔導師はボフミエに皇帝が現れる前のボフミエ魔導国のトップ、すなわち国王のようなものだった。
そんなの出来る訳ない。
クリスは断ろうとした。
「ちょっと待って」
「この地位は世界最強魔導師の称号」
「我らが出でし時は断れん」
「世界最強魔導師クリスティーナ・ミハイルよ。その方をボフミエ筆頭魔導師に任命する」
3人の杖から強力な光が放たれクリスを光で包んだ。
そして、その光が収まった時にクリスの額には金の輪っかが光っていた。
****************************************************
今章は後一話です。
今夜更新予定です。
確か皇帝に拘束されて気持ちの悪い石を押し付けられて…
(それでどうなったのだろう?目の前には見知らぬ老魔導師たちがいるが)
「すいません。あなた方はどなたですか?」
とまず3人が誰かを聞こうとした。
「これはこれは申し遅れた。我はボーガンと」
「余はフミン」
「儂はミエールじゃ」
3人はそれぞれ名乗る。
クリスは3人の名前を聞いたことがあった。
「ボフミエ建国の3大魔導師様と同じ名前ですね」
クリスはにこっとして言った。
「さよう」
「まさにその通りじゃ」
「よく判ったな」
3人はそれぞれ話す。
でも1千年も昔の魔導士が生きている訳は無いし、なんか不吉な事を言った人が中にいたように感じたがとりあえずそこは置いておいて
「後ろの兵士たちが倒れていますが、それはあなた方のせいですか?」
聞かなければいけないことを聞こうとした。
「まさか」
「何を言われる」
「貴様がした事だ」
3人が返事するが、
「?」
クリスは憑依された自分がしたことだとは夢にも思っていなかった。
「さようじゃな」
「意識が無いと判らんか」
「まあシャラザールのしでかした事じゃし」
3人が更に言う。
「ジャラザールと言うと戦神シャラザールですか」
更に不審がつてクリスは聞く。
シャラザールなども1000年も前の戦神だ。
クリスは自分がシャラザールに憑依されているなど全く気付いてもいなかった。
この兵士たちの惨状はそのシャラザールがしでかした事なのだが、当然自分がしたことだとは思いもしなかった。
「それよりも」
「我らはお主に」
「頼みたいことがあってきた」
3人はクリスの前に整列した。
「頼みたいこととは何でしょうか?」
クリスが首をかしげる。
「我が祖国ボフミエは元々シャラザールに迫害された魔導師たちが立てた国じゃ」
ボーガンが言う。
「はい。それは歴史で習いました」
クリスが頷く。
「元々、ボフミエの国主は世界で一番魔力の強いものがなってきた」
「昔の話ですよね」
「そうそこに転がっておるゲーリングの先祖がその仕組みを破りおったからの」
「我らこ奴の祖先はボフミエ魔導国に対して反逆しおった」
「世襲制など無能者のすることじゃ」
「だからこのようにシャラザールなどと言う男女に負けるのじゃ」
「我ら3人は負けたことは無いぞ」
3魔導師は好き勝手に言い放つ。
何故か心の隅でクリスは焦燥感が湧いていた。
何とも言えない顔をする。
それを見ていたジャンヌは絶対にシャラザールは文句を言いたくてたまらないだろうと想像した。
しかし、シャラザールが3魔導師によってクリスの中に再び封印されたのは事実だった。
ボフミエの3大魔導師の方がシャラザールよりも強かったのだろうか?
ジャンヌには判らなかった。
「そう、ボフミエのトップは基本的には世界最強の魔導士以外がなるべきではないのだ」
「このような豚が皇帝など片腹痛いわ」
「特にここ最近は本当に恥ずかしかった」
ボフミエの皇帝が聞けばいきり立つだろう内容だが、皇帝自体はシャラザールによって肉の塊と化せられていた。
「そう、このような恥ずかしい状態は良くない」
「世界一の魔導士に継いでもらわないと」
「古の状態に戻したいのじゃ」
3人はクリスに詰め寄った。
「クリスティーナ・ミハイルよ」
「その優しき心に問いたい」
「我ら年寄りの今生の願いを聞いてはもらえまいか」
「どのような事でしょうか?」
クリスが聞く。
「我ら生い先短い魔導師の願い」
「全ての魔導士に成り代わって」
「是非とも聞いてもらいたい」
3人は更にお願いする。
「どういった事ですか」
困ってクリスは聞く。
「聞いたからいやだと言われたら立ち直れない」
「そんな大したことではないが」
「年寄りを助けると思って頷いてはくれまいか」
「私で出来る事ならば」
クリスが思わず口に出してしまった。
「そうかやってくれるか」
「さすが、聖女様じゃ」
「この豚が壊したボフミエを何としても元に戻したいのじゃ」
3人は喜んで言った。
「ちょっとまだやるとは言っておりません」
クリスが慌てて否定するが3人は喜んで聞いていない。
「これでボフミエも良くなる」
「傷んだ国土も元に戻るじゃろう」
「心配して出てきたかいがあったわ」
「あの、私は何をすれば宜しいのでしょうか?」
クリスは3人にはっきりと聞いていた。
「我らボフミエの建国3魔導師の残像」
「ボフミエ全ての魔導士、いや世界全ての魔導士を代表してそこもとを任命する」
「ボフミエ魔導国の筆頭魔導師の地位を」
「筆頭魔導師って」
確か筆頭魔導師はボフミエに皇帝が現れる前のボフミエ魔導国のトップ、すなわち国王のようなものだった。
そんなの出来る訳ない。
クリスは断ろうとした。
「ちょっと待って」
「この地位は世界最強魔導師の称号」
「我らが出でし時は断れん」
「世界最強魔導師クリスティーナ・ミハイルよ。その方をボフミエ筆頭魔導師に任命する」
3人の杖から強力な光が放たれクリスを光で包んだ。
そして、その光が収まった時にクリスの額には金の輪っかが光っていた。
****************************************************
今章は後一話です。
今夜更新予定です。
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