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第五章 ボフミエ皇帝誘拐する
魔導帝国建国の3大魔導師が現れました
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一方ジャンヌらを送り出したジャルカは地下に戻ろうとした。
そのジャルカの前に突如3人の老魔導師が現れた。
「貴様よくも我らの塔を破壊してくれたな」
「魔力も男女(おとこおんな)のシャラザールの足元にも及ばないくせに」
「小僧の見栄の為に魔導師の心のよりどころの塔を破壊するとは何たる狼藉」
3人は次々にジャルカを非難する。
「小僧と言われるか」
驚いてジャルカが聞く。
「ふんっ100歳にもなっていない魔導師など小僧っ子じゃよ」
真ん中の翁が言う。
よく見ると3人ともそこまでの年はいっていないようにも見えるが魔導師の年が良く読めないのは事実だった。
「あなた様方は?」
不吉な予感がしてジャルカは聞く。
「我はボーガン」
「余はフミン」
「儂はミエールじゃ」
その3人の名前、どこかで聞いたことがあるような。
しかし、そもそも名のある魔導師の姿形は全て記憶しているはずだ。
それがうろ覚えという事は大したことのない魔導師だというるが、目の前の魔導士はただものならぬ気配がした。しかも、その名はどこかで聞いたことがある。
それも、
「えっボフミエ帝国建国の3魔導師?」
がそんな名前だったと記憶していた。
「ほう、小僧にしては博学じゃな」
ジャルカは眩暈がした。
1000年前、戦神シャラザールの頃の3大魔導師の名前がそうだった。
ボフミエはこの3人の名前を取ってつけられたはずだった。
何もない砂漠のまっただ中に魔導師の国を作り出したのだった。
しかし、その彼らが1000年もさすがに生きられるはずがないとは思えた。
いかな魔法の塔と言えどもだ。
もっとも戦神シャラザールは現れたから、3大魔導師が現れても不思議では無かったが。
「幻でも見ているのですかな」
笑ってジャルカが言うと、
「ま、そのようなものかの」
「わしらはゲーリングのボケ皇帝に魔法の塔に幽閉されていての」
「その塔を小僧が壊してくれたからこうやって出て来れたのじゃが」
「とすると、儂は恩人という事になりますかの」
笑ってジャルカが言う。
「図に乗るでないわ」
「若い奴らにカッコつけるためだけに壊したくせに」
「それも我ら魔導師らが全精力を傾けて作り上げた叡智の塔だったのじゃぞ」
3人が怒りに任せて言う。
「その建国の3大魔導師がおいでになられた理由は何なのですかな。
この老体に鞭打つためではありますまい」
ジャルカが聞く。
「そうであった」
「このような小僧の相手をしている暇はないぞ」
「次の指導者を導かねば」
3人はそう言うとこつ然と姿を消した。
「なんとも忙しい年寄り共じゃったの」
消えた跡を見ながらジャルカは独り言を言った。
「しかし、次の指導者とはどなたの事かの?」
ジャルカは少し不吉な予感がした。
「オラオラ次」
シャラザールは絶好調だった。
「アレク、何だそのなまくらな剣筋は。そんなので通用すると思うな」
言うや、叩っ切る。
アレクは弾き飛ばされて地面に叩きつけられていた。
「ジャンヌ、もう息が上がっているぞ。そんな事で一国の皇太子が務まるのか」
アーベルにムカつくものを押し付けられて切れた気持ちも、みんなを扱くことで癒されているという、なんとも残念な戦神である。
そのシャラザールの作り出した閉鎖空間が
バリバリバリ
と外部から破られていた。
「何奴!」
「久しぶりだな。男女」
激怒したシャラザールの前に平然と3人の老人が現れた。
「貴様ら。ボフミエのよぼよぼ魔導師どもか。
また余に成敗されに黄泉の国から出て来たのか?」
シャラザールが言い切る。
「ふんっ貴様には用は無いわ」
「いつまでも男のような女じゃな」
「さっさと消えろ」
3人はシャラザールの前でも平然とそれも悪口まで平気で言っていた。
そして、最後の魔導士が杖を一閃するとシャラザールが光に包まれる。
「おのれ。へぼ魔導師のくせに。何をする」
シャラザールは抵抗しようとするが、
「おいぼれはさっさと消えよ」
「もっとしおらしくしろ」
「お前の主人に用だ」
3人が言うと抵抗する間もなく、消えてしまった。
そして、そこにはきょとんとしたクリスがいた。
そのジャルカの前に突如3人の老魔導師が現れた。
「貴様よくも我らの塔を破壊してくれたな」
「魔力も男女(おとこおんな)のシャラザールの足元にも及ばないくせに」
「小僧の見栄の為に魔導師の心のよりどころの塔を破壊するとは何たる狼藉」
3人は次々にジャルカを非難する。
「小僧と言われるか」
驚いてジャルカが聞く。
「ふんっ100歳にもなっていない魔導師など小僧っ子じゃよ」
真ん中の翁が言う。
よく見ると3人ともそこまでの年はいっていないようにも見えるが魔導師の年が良く読めないのは事実だった。
「あなた様方は?」
不吉な予感がしてジャルカは聞く。
「我はボーガン」
「余はフミン」
「儂はミエールじゃ」
その3人の名前、どこかで聞いたことがあるような。
しかし、そもそも名のある魔導師の姿形は全て記憶しているはずだ。
それがうろ覚えという事は大したことのない魔導師だというるが、目の前の魔導士はただものならぬ気配がした。しかも、その名はどこかで聞いたことがある。
それも、
「えっボフミエ帝国建国の3魔導師?」
がそんな名前だったと記憶していた。
「ほう、小僧にしては博学じゃな」
ジャルカは眩暈がした。
1000年前、戦神シャラザールの頃の3大魔導師の名前がそうだった。
ボフミエはこの3人の名前を取ってつけられたはずだった。
何もない砂漠のまっただ中に魔導師の国を作り出したのだった。
しかし、その彼らが1000年もさすがに生きられるはずがないとは思えた。
いかな魔法の塔と言えどもだ。
もっとも戦神シャラザールは現れたから、3大魔導師が現れても不思議では無かったが。
「幻でも見ているのですかな」
笑ってジャルカが言うと、
「ま、そのようなものかの」
「わしらはゲーリングのボケ皇帝に魔法の塔に幽閉されていての」
「その塔を小僧が壊してくれたからこうやって出て来れたのじゃが」
「とすると、儂は恩人という事になりますかの」
笑ってジャルカが言う。
「図に乗るでないわ」
「若い奴らにカッコつけるためだけに壊したくせに」
「それも我ら魔導師らが全精力を傾けて作り上げた叡智の塔だったのじゃぞ」
3人が怒りに任せて言う。
「その建国の3大魔導師がおいでになられた理由は何なのですかな。
この老体に鞭打つためではありますまい」
ジャルカが聞く。
「そうであった」
「このような小僧の相手をしている暇はないぞ」
「次の指導者を導かねば」
3人はそう言うとこつ然と姿を消した。
「なんとも忙しい年寄り共じゃったの」
消えた跡を見ながらジャルカは独り言を言った。
「しかし、次の指導者とはどなたの事かの?」
ジャルカは少し不吉な予感がした。
「オラオラ次」
シャラザールは絶好調だった。
「アレク、何だそのなまくらな剣筋は。そんなので通用すると思うな」
言うや、叩っ切る。
アレクは弾き飛ばされて地面に叩きつけられていた。
「ジャンヌ、もう息が上がっているぞ。そんな事で一国の皇太子が務まるのか」
アーベルにムカつくものを押し付けられて切れた気持ちも、みんなを扱くことで癒されているという、なんとも残念な戦神である。
そのシャラザールの作り出した閉鎖空間が
バリバリバリ
と外部から破られていた。
「何奴!」
「久しぶりだな。男女」
激怒したシャラザールの前に平然と3人の老人が現れた。
「貴様ら。ボフミエのよぼよぼ魔導師どもか。
また余に成敗されに黄泉の国から出て来たのか?」
シャラザールが言い切る。
「ふんっ貴様には用は無いわ」
「いつまでも男のような女じゃな」
「さっさと消えろ」
3人はシャラザールの前でも平然とそれも悪口まで平気で言っていた。
そして、最後の魔導士が杖を一閃するとシャラザールが光に包まれる。
「おのれ。へぼ魔導師のくせに。何をする」
シャラザールは抵抗しようとするが、
「おいぼれはさっさと消えよ」
「もっとしおらしくしろ」
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