77 / 444
第四章 王立高等学園
クリスは数学をクラスメイトに教える約束をしました
しおりを挟む
2時間目の数学は何とか最後まで何もなく終わった。
というか、問題児のアレクとジャンヌが全く分からなかったというのがあるが。
二人は爆睡していた。
留学組も結構難しかったはずだ。
クリスはアルバートが青い顔をしているのが気になった。
そう言えば1か月もあったのに、アルバートの数学等の勉強は見ていなかった。
ミハイル家からの推薦とドラフォード王家からの推薦で無試験留学だったが、マーマレードの理系科目は科学立国なだけに結構難しいのだ。他国と比べても。
落第させるわけにはいかないから早速勉強を見なければいけないかなとクリスは思った。
そして、お昼になった。
イザベラはチャイムが鳴ると同時にオーウェンを捕まえてクリスの前に連れて行って一緒に食事をしようとした。
「オーウェン様」
教室を出ようとしたオーウェンを捕まえようとしたが、
「ごめん予定があって。」
慌ててオーウェンは逃げ出す。
オーウェンはいつもの条件反射で逃げ出したのだ。
「何逃げてんのよ。人がくっつけてやろうとしているのに」
イザベラは文句を言ったが、もうオーウェンは行った後だった。
「イザベラ様。食事に行きますか」
クリスと一緒に出てきたナタリーが言った。
「ええ、オーウェン様を捕まえようとして失敗しました」
イザベラがナタリーに結果を報告する。
朝何とかしようとガーネットと3人で確認したのに。
「イザベラ様。追うと殿方は逃げ出しますよ」
クリスが他人ごと宜しく言う。
「何言っているんですか。クリス様。
そんな悠長なこと言っているとノルディンのけばけば王女に取られてしまいますよ」
少し怒ってイザベラが言う。
えっイザベラが狙っているんじゃないの?
クリスはまだ状況の変化についていけなかったが、どうやらイザベラはオーウェン狙いを止めたらしい。
「そんなこと言われても、オーウェン様は皇太子殿下ですし、大国ノルディンの王女様の方が釣り合いますよ」
クリスは当然という顔で言う。
心の中は少し風が吹いていたが、実際に二人は釣り合っていると思っていた。
イザベラとナタリーは二人で見つめ合うとため息をついていた。
食堂ではオーウェンは相変わらず、エカテリーナに捕まっていた。
エカテリーナはべたべたくっついてくる。
並んでいるうち、オーウェンはクリスとイザベラらが一緒にいるのに気付いた。
イザヘラがオーウェンに向けて舌を出している。
イザベラには留学の事は黙っていたのに、気付いて追ってきたのかと思っていたのだが、何か違う。
そう言えばガーネットとも仲良くなったみたいだし、あいつらの目的はクリスの取り込み?
「あれ、あいつ俺の事考えてくれている?」
「何か言われました」
エカテリーナが聞く。
「いやなんでも無いです」
オーウェンは一度話してみようと思った。
結局クリスらは朝の流れで、主がオーウェンと二人になったので、うろうろしていたアリサ・リュークスらと3人と合流して一緒に食事することになった。
「でも、さすがマーマレードですわ。数学とか難しいです」
アリサが言う。
「そうさっぱりわかりませんでした」
ソフィア・サハロフ伯爵令嬢もお手上げと手を挙げる。
「イザベラ様たちは判りました?」
もう一人のアンナ・ゴトゥーノフ伯爵令嬢がドラフォードの二人に聞く。
「判るわけないでしょ」
イザベラも同調する。
確かに科学立国のマーマレードの数学とは他国とは一味も二味も違った。
「私なんか脳筋だからもっと判んなかったわ」
ナタリーも諦め顔で言う。
「何でしたら放課後、委員会の後で図書館で一緒に勉強しましょうか」
クリスが提案した。
「本当ですか。クリス様」
喜んでイザベラが言う。
「是非ともお願いします」
「このままでは落第してしまいます」
アリサたちが頼む。
「すいません。俺もお願いしたいんですけど」
後ろからアルバートが申し出た。
そしてその横には喜んだジャンヌとアレクもいた。
というか、問題児のアレクとジャンヌが全く分からなかったというのがあるが。
二人は爆睡していた。
留学組も結構難しかったはずだ。
クリスはアルバートが青い顔をしているのが気になった。
そう言えば1か月もあったのに、アルバートの数学等の勉強は見ていなかった。
ミハイル家からの推薦とドラフォード王家からの推薦で無試験留学だったが、マーマレードの理系科目は科学立国なだけに結構難しいのだ。他国と比べても。
落第させるわけにはいかないから早速勉強を見なければいけないかなとクリスは思った。
そして、お昼になった。
イザベラはチャイムが鳴ると同時にオーウェンを捕まえてクリスの前に連れて行って一緒に食事をしようとした。
「オーウェン様」
教室を出ようとしたオーウェンを捕まえようとしたが、
「ごめん予定があって。」
慌ててオーウェンは逃げ出す。
オーウェンはいつもの条件反射で逃げ出したのだ。
「何逃げてんのよ。人がくっつけてやろうとしているのに」
イザベラは文句を言ったが、もうオーウェンは行った後だった。
「イザベラ様。食事に行きますか」
クリスと一緒に出てきたナタリーが言った。
「ええ、オーウェン様を捕まえようとして失敗しました」
イザベラがナタリーに結果を報告する。
朝何とかしようとガーネットと3人で確認したのに。
「イザベラ様。追うと殿方は逃げ出しますよ」
クリスが他人ごと宜しく言う。
「何言っているんですか。クリス様。
そんな悠長なこと言っているとノルディンのけばけば王女に取られてしまいますよ」
少し怒ってイザベラが言う。
えっイザベラが狙っているんじゃないの?
クリスはまだ状況の変化についていけなかったが、どうやらイザベラはオーウェン狙いを止めたらしい。
「そんなこと言われても、オーウェン様は皇太子殿下ですし、大国ノルディンの王女様の方が釣り合いますよ」
クリスは当然という顔で言う。
心の中は少し風が吹いていたが、実際に二人は釣り合っていると思っていた。
イザベラとナタリーは二人で見つめ合うとため息をついていた。
食堂ではオーウェンは相変わらず、エカテリーナに捕まっていた。
エカテリーナはべたべたくっついてくる。
並んでいるうち、オーウェンはクリスとイザベラらが一緒にいるのに気付いた。
イザヘラがオーウェンに向けて舌を出している。
イザベラには留学の事は黙っていたのに、気付いて追ってきたのかと思っていたのだが、何か違う。
そう言えばガーネットとも仲良くなったみたいだし、あいつらの目的はクリスの取り込み?
「あれ、あいつ俺の事考えてくれている?」
「何か言われました」
エカテリーナが聞く。
「いやなんでも無いです」
オーウェンは一度話してみようと思った。
結局クリスらは朝の流れで、主がオーウェンと二人になったので、うろうろしていたアリサ・リュークスらと3人と合流して一緒に食事することになった。
「でも、さすがマーマレードですわ。数学とか難しいです」
アリサが言う。
「そうさっぱりわかりませんでした」
ソフィア・サハロフ伯爵令嬢もお手上げと手を挙げる。
「イザベラ様たちは判りました?」
もう一人のアンナ・ゴトゥーノフ伯爵令嬢がドラフォードの二人に聞く。
「判るわけないでしょ」
イザベラも同調する。
確かに科学立国のマーマレードの数学とは他国とは一味も二味も違った。
「私なんか脳筋だからもっと判んなかったわ」
ナタリーも諦め顔で言う。
「何でしたら放課後、委員会の後で図書館で一緒に勉強しましょうか」
クリスが提案した。
「本当ですか。クリス様」
喜んでイザベラが言う。
「是非ともお願いします」
「このままでは落第してしまいます」
アリサたちが頼む。
「すいません。俺もお願いしたいんですけど」
後ろからアルバートが申し出た。
そしてその横には喜んだジャンヌとアレクもいた。
0
お気に入りに追加
2,450
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
忘れられた妻
毛蟹葵葉
恋愛
結婚初夜、チネロは夫になったセインに抱かれることはなかった。
セインは彼女に積もり積もった怒りをぶつけた。
「浅ましいお前の母のわがままで、私は愛する者を伴侶にできなかった。それを止めなかったお前は罪人だ。顔を見るだけで吐き気がする」
セインは婚約者だった時とは別人のような冷たい目で、チネロを睨みつけて吐き捨てた。
「3年間、白い結婚が認められたらお前を自由にしてやる。私の妻になったのだから飢えない程度には生活の面倒は見てやるが、それ以上は求めるな」
セインはそれだけ言い残してチネロの前からいなくなった。
そして、チネロは、誰もいない別邸へと連れて行かれた。
三人称の練習で書いています。違和感があるかもしれません
【完結】今夜さよならをします
たろ
恋愛
愛していた。でも愛されることはなかった。
あなたが好きなのは、守るのはリーリエ様。
だったら婚約解消いたしましょう。
シエルに頬を叩かれた時、わたしの恋心は消えた。
よくある婚約解消の話です。
そして新しい恋を見つける話。
なんだけど……あなたには最後しっかりとざまあくらわせてやります!!
★すみません。
長編へと変更させていただきます。
書いているとつい面白くて……長くなってしまいました。
いつも読んでいただきありがとうございます!
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
【完結】王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは要らないですか?
曽根原ツタ
恋愛
「クラウス様、あなたのことがお嫌いなんですって」
エルヴィアナと婚約者クラウスの仲はうまくいっていない。
最近、王女が一緒にいるのをよく見かけるようになったと思えば、とあるパーティーで王女から婚約者の本音を告げ口され、別れを決意する。更に、彼女とクラウスは想い合っているとか。
(王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは身を引くとしましょう。クラウス様)
しかし。破局寸前で想定外の事件が起き、エルヴィアナのことが嫌いなはずの彼の態度が豹変して……?
小説家になろう様でも更新中
その眼差しは凍てつく刃*冷たい婚約者にウンザリしてます*
音爽(ネソウ)
恋愛
義妹に優しく、婚約者の令嬢には極寒対応。
塩対応より下があるなんて……。
この婚約は間違っている?
*2021年7月完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる