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第三章 王弟反逆
戦いの後
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執務室を覆った金の光が引いた後には壁面に突き刺さった王弟がぴくぴく震えていた。
しかし、その体には黒い魔の力は感じられなかった。
そして、中央に立っていたクリスは・・・あれクリスは
「あれ姉様」
ウィルは姉の姿を探した。
「クリス様がいない」
アルバートが慌てて周りを見回す。
「クリス」
オーウェンも慌てて周りを見る。
倒れ込んで泣いている反乱軍の兵士たち。
それを制圧しようとしていた棒立ちの兵士たち。
ジャンヌら魔導第一師団の面々、何故かジャルカといる国王と王妃、
各師団長、閣議メンバーは皆いるのだがクリスだけがいなかった。
「ああ、そうか、シャラザール様は仕事を終えられて天に帰られたのだ。」
判ったという顔でアレクが言った。
「ふざけたことを言っているんじゃねえ――」
そのアレクをジャンヌが張り飛ばしていた。
「ジャルカ、これはどういう事かの」
国王がジャルカに聞く。
「まあ、クリス様はやるべきことを終えられたので家にでも帰られたのでしょう。
それよりもここからは国王陛下のお仕事では無いかと思うのですが」
「そうだな、ここからはわしの仕事だ。」
国王は皆の前に出て話し始めた。
「今回の件はそもそも、わしと王弟の間の話だ。
それにもかかわらず、皆を巻き込んだことをわしは反省する。
クリスの言っていた通り、我々の仕事は罪を作る事では無くていかに罪を作らないかだ」
今回の反乱は基本的には無罪。
ただし、反乱した側はボランティアとして、先のノルディン戦の子供らの面倒を見ることが課せられた。
将軍や王族、貴族らには今回の反乱に加担して死んでいった者たちの遺族の弔問及び面倒を見ることが義務と課せられた。
ジャンヌには皇太子として、国政を学ぶために王立学園に入ることも決まった。
「クリス様のなさることを間近に見ていろいろお考えになられるのですな」
ジャルカの嫌味と共に通学するのが決定してしまった。
しかし、大規模の反逆が起きたのに、それによる処刑が0と言うのは
文明始まって以来の事であった。
そうした原因のクリスはその頃転移して母の胸で泣いていた。
「お母様。もう私終わりよ。またやってしまったの。」
シャーロットの服を涙まみれにしながらクリスは言った。
「クリス。大丈夫よ。何をやってしまったの?」
クリスは王族に対して不敬な事をいやほど言った事とか
最後は王族である王弟を殴り飛ばしてしまったことなどを話した。
「もう不敬罪で捕まってしまうわ」
「でもクリス、今回は父親が戦死していじめられる子供たちの数を減らしたんでしょう。
子供たちはまだ判らないかもしれないけど、お父さんである兵士たちは助かって喜んでいるはずよ。
あなたにありがとうって。
あの大隊の人らだってあなたが1名も殺さずに味方にしたから反逆者にならずに済んだんじゃない。
1000名もの兵士を救ったのよ。あなたはそれだけでも本当に頑張ったのよ」
諭すようにシャーロットは言う。
「でも、本当にひどいことやってしまったし」
クリスはなおも言い募るが、
「まあ、王族に対する不敬罪なんて、あなたがしてあげたことに比べたら全然大したことは無いわよ。
国王陛下も何も言えないと思うわ。
それだけすごいことやったんだから、少しゆっくりとお休みしなさい。」
シャーロットはいとおしむようにクリスの背を撫でる。
「そうかな?」
クリスが顔を上げてシャーロットを見る。
「そうよ。だからゆっくりと休みなさい」
シャーロットは胸の中のクリスの頭を撫でた。
「うん」
母の前では小さい子供になってしまうクリスだった。
************************************************
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
次からは学園生活編です。
学園には一癖も二癖もある各国の王族がわんさか留学してきてさあ大変。
クリスとオーウェンの愛は深まるのか
この章では今度こそ絶対にシャラザールも降臨します。
しかし、その体には黒い魔の力は感じられなかった。
そして、中央に立っていたクリスは・・・あれクリスは
「あれ姉様」
ウィルは姉の姿を探した。
「クリス様がいない」
アルバートが慌てて周りを見回す。
「クリス」
オーウェンも慌てて周りを見る。
倒れ込んで泣いている反乱軍の兵士たち。
それを制圧しようとしていた棒立ちの兵士たち。
ジャンヌら魔導第一師団の面々、何故かジャルカといる国王と王妃、
各師団長、閣議メンバーは皆いるのだがクリスだけがいなかった。
「ああ、そうか、シャラザール様は仕事を終えられて天に帰られたのだ。」
判ったという顔でアレクが言った。
「ふざけたことを言っているんじゃねえ――」
そのアレクをジャンヌが張り飛ばしていた。
「ジャルカ、これはどういう事かの」
国王がジャルカに聞く。
「まあ、クリス様はやるべきことを終えられたので家にでも帰られたのでしょう。
それよりもここからは国王陛下のお仕事では無いかと思うのですが」
「そうだな、ここからはわしの仕事だ。」
国王は皆の前に出て話し始めた。
「今回の件はそもそも、わしと王弟の間の話だ。
それにもかかわらず、皆を巻き込んだことをわしは反省する。
クリスの言っていた通り、我々の仕事は罪を作る事では無くていかに罪を作らないかだ」
今回の反乱は基本的には無罪。
ただし、反乱した側はボランティアとして、先のノルディン戦の子供らの面倒を見ることが課せられた。
将軍や王族、貴族らには今回の反乱に加担して死んでいった者たちの遺族の弔問及び面倒を見ることが義務と課せられた。
ジャンヌには皇太子として、国政を学ぶために王立学園に入ることも決まった。
「クリス様のなさることを間近に見ていろいろお考えになられるのですな」
ジャルカの嫌味と共に通学するのが決定してしまった。
しかし、大規模の反逆が起きたのに、それによる処刑が0と言うのは
文明始まって以来の事であった。
そうした原因のクリスはその頃転移して母の胸で泣いていた。
「お母様。もう私終わりよ。またやってしまったの。」
シャーロットの服を涙まみれにしながらクリスは言った。
「クリス。大丈夫よ。何をやってしまったの?」
クリスは王族に対して不敬な事をいやほど言った事とか
最後は王族である王弟を殴り飛ばしてしまったことなどを話した。
「もう不敬罪で捕まってしまうわ」
「でもクリス、今回は父親が戦死していじめられる子供たちの数を減らしたんでしょう。
子供たちはまだ判らないかもしれないけど、お父さんである兵士たちは助かって喜んでいるはずよ。
あなたにありがとうって。
あの大隊の人らだってあなたが1名も殺さずに味方にしたから反逆者にならずに済んだんじゃない。
1000名もの兵士を救ったのよ。あなたはそれだけでも本当に頑張ったのよ」
諭すようにシャーロットは言う。
「でも、本当にひどいことやってしまったし」
クリスはなおも言い募るが、
「まあ、王族に対する不敬罪なんて、あなたがしてあげたことに比べたら全然大したことは無いわよ。
国王陛下も何も言えないと思うわ。
それだけすごいことやったんだから、少しゆっくりとお休みしなさい。」
シャーロットはいとおしむようにクリスの背を撫でる。
「そうかな?」
クリスが顔を上げてシャーロットを見る。
「そうよ。だからゆっくりと休みなさい」
シャーロットは胸の中のクリスの頭を撫でた。
「うん」
母の前では小さい子供になってしまうクリスだった。
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ここまで読んでいただいてありがとうございました。
次からは学園生活編です。
学園には一癖も二癖もある各国の王族がわんさか留学してきてさあ大変。
クリスとオーウェンの愛は深まるのか
この章では今度こそ絶対にシャラザールも降臨します。
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