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第二章 大国での失恋
大国皇太子はクリスにパーティーのエスコートを申し込む
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「オーウェン様!」
貴族ご用達の店の傍をを歩いていると突然店からイザベル・ナーヴァル侯爵令嬢が店から出てきた。
げっ嫌な奴にあった。
オーウェンは学園のころから苦手だった。
この付きまとわり方が
「このようなところでお会いするなんて!
それもこんな平民風情とお歩きになるなんてボランティアか何かですか?」
他の5人を見下して言う。
「私がいくらお誘いしてもお付き合いしていただけないのに、ボランティアの方々とはお歩きになるなんて酷いですわ!」
クリスを貶められたなら即座に注意したが、
後ろの特に赤い死神と暴風王女を見てボランティアか。
それは後で馬鹿にしたいし、
どうリアクションしていいか判らず、オーウェンはワンテンポ遅れた。
そこへ仕方がないとガーネットが前に出る。
「イザベラ様。お言葉が過ぎますわ」
「え、えええ!ガーネット様がいらっしゃるとは存じず、申し訳ありません」
イザベラは慌てた。王女に平民と言ってしまった。完全な不敬だ。
下手したら投獄もありうる。
ガーネットは慌てるイザベラを端に連れて行く。
そこで2、3ガーネットが言うと慌ててこくこくと頷いて頭を下げて慌てて去っていった。
「ガー、どうでもいいけど、俺を人身売買組織の一員だって言って脅しただろ!」
アレクがブスっとして言う。
「流石アレク。よく判ったわね」
「おいおい、それは失礼だろ」
オーウェンが嗜める。
「だって、本当のこと言うわけにはいかないしこれくらいでちょうどいいかなって」
「うーん、俺は他国ではこう思われているのか」
赤い死神が何故か少し落ち込む。
「そうなんじゃない」
ジャンヌが容赦なく笑う。
おかしい、顔のレベルでいっても剣術のレベルでいっても当代ベスト10には入るはずだ。
何処でも女の子に囲まれて人気者のはずなのに。
もっとも、シャラザールの手前、女ったらしだと思われると命にかかるかもしれないし。
見た目はおしとやかなんだけど、いつ本性を現すか。
アレクはクリスを見て気を張り詰めていた。
そこへクリスの魔導電話が鳴る。
「お母様!」
その電話にはシャーロットが出てきた。
「今、オーウェン様とご一緒?」
「はい、代わります」
そう言えば電話の電源を切っていたなとオーウェンは悪い予感がする。
「オーウェン!お前まだ赤い死神のところに行っていないそうじゃないか」
いきなり国王のドアップがうつる。
「父上。ノルディンの皇太子殿下に赤い死神など失礼ではありませんか?」
日頃口の悪い自分を差し置いて注意する。
「何を誤魔化しいてる。今もノルディンの大使が・・・・」
オーウェンは画面を横に向ける。
「これはこれは国王陛下。赤い死神です」
ぼそっとアレクが言う。
どいつもこいつも死神扱いかよ。とアレクは少し不機嫌だった。
「殿下何故そちらに。今もうちの皇太子がまだ来ないと貴国の大使殿から怒りの連絡があったのですが」
そう言えば何も言わずに出てきたことをアレクは思い出した。
元々皇太子が来るまでは連絡し続けるように命じていたような気がする。
「いやいや、いらっしゃらないのでこちらから出向いたら、偶々出会ったので、同行させていただいただけです。
うちの大使には連絡がいっていなかったようで、ご迷惑をおかけして申し訳ない」
うーん、これでは謝るしかないか。と諦めてアレクは言う。
「いやいや、こちらこそ、失礼なことを言って申し訳ありません。
皇太子殿下は我が息子とは結構親しくして頂いているみたいですな。
感謝の言葉もありません。
もし、明日もいらっしゃるのであればよければ明日の王宮のパーティに御出席いただけるとありがたいのですが」
「私がそのような場に出させていただいて宜しのですか?」
「貴国の大使殿もお呼びしておりますからな。
まあ、国内の集まりですが、ノルディンの皇太子殿がご参加いただければこれに勝る喜びはございませんな」
「承りました。万難排して参加させていただきます。」
「その後ろにいる私の姪も是非ともお連れ頂くとありがたい」
逃げようとしたジャンヌがびくっとした。
「善処いたしましょう」
「オーウェン。後はうまくやってくれ」
というとあっさりと国王は画面から消えた。
「明日は、何があるの?」
ウィルが聞く。
「夏の始まりのお祝いで、王宮でパーティをやるの。
クリスとかウィルも参加するって聞いているけど」
「えっそうなの。」とたんに嫌そうにウィルが言う。
「えええ、何で私がそんな堅苦しいパーティーに出ないといけないの」
その横でジャンヌが叫ぶ。
「仕方がないんじゃない。ついでに君の母上から逃げてきたこと適当に誤魔化してもらうように、おば上に頼んでみたら。」
アレクが言う。
「えっジャンはまた逃げてきたんですか?」
「ウイル何他人ごと宜しく言っているのよ。
帰ったら第一魔導師団勤務よ」
「えっ今でもそうですよ」
不思議そうにウィルは言う。
「王都勤務になるのよ」
「別に僕は姉上の側にいられるなら問題ないですけど」
「あなた、今もシスコンなんだ。」
ガーネットが突っ込む。
「ガーはそういうけどね。今回のとばっちりが姉上に来ないとも限らないからね。
それは防がないと」
当然だという感じでウィルが言う。
「まあ、ウィル、何かあればそれが王弟でも私が黙っていない」
胸を張ってジャンヌが言う。
「流石お姉さま。すごいです」
ガーネットは恍惚と化してジャンヌを眺める。
「うーん、絶対にクリスには必要ないと思うんだけどな」
ただ一人アレクだけが納得していなかったが。
その一方オーウェンは3ヶ月の短期留学が終わった後で、もうクリスの横に立てない。
父との約束は3カ月だけだった。
それ以上は許さないと本気で言われていた。
「どうかしたの。オウ?」
唇をかむオーウェンを見てクリスが言う。
「いや、僕も君を守りたいと思っただけだ」
「オウにはあの場で助けてもらった。
私の代わりに言いたいこと言ってもらえた。
本当に感謝しているの。」
瞳をのぞき込まれて、言われる。
「オホン」
その後ろでアレクが咳をする。
「我々の前でイチャイチャするのはやめてもらいたいですな」
「もうアレク、せっかく良いところだったのに」
ガーネットが残念そうに言う。
「えっイチャイチャなんて。お礼を言っただけです」
クリスは赤くなった。
「そう、紳士として行動しただけだ」
ガーネットがそのオーウェンの側による。小さい声で
「お兄様。そんな控えめで知りませんわよ。他の男に取られても」
「はん!お前らが邪魔してくれたんだろ」
4人は明後日の方を見る。
「それより、オーウェン。明日のドレス何とかして」
「はんっそんなのマーマレードに取りに帰れよ」
「そんな体力無いでしょ」
「ウィル、お願いがあるんだけど」
ガーネットが言う。
「嫌だ」
ウイルが瞬殺した。
「聞いてくれてもいいでしょ!」
怒ってガーネットがウィルをぶつ。
「そもそもあなた昔私と約束したから断る選択肢は無いのよ」
ガーネットは言い切る。
「えっなんか約束したっけ?」
ウィルは昔の事をそんなに覚えていなかった。
「デビュタントのエスコートしてくれるって約束してくれたじゃない。」
「えっそんなこと言ったっけ?」
「ウイル、確かにそれは約束してたぞ」
ジャンヌが横でいう。
「後でそれって食えるの。って聞いてきたから食えないって答えたら泣いていたけどな」
ジャンヌが笑って言う。
「でも、姉様が。」
「本当にウィルはシスコンね。
クリスなら大丈夫。お兄様がエスコートするから」
「えっオウが。でも、いろいろあるんじゃないのか?
皇太子だし、皇太子がエスコートするといろいろ大変なんじゃ」
ウィルは躊躇する。
「あなたね。私もいろいろあるのよ。
それをウイルにって言っているんだからいいでしょ!」
むっとしてガーネットは言う。
私も王女なんだから人気はあるのよ。
と独り思う。
「それに、アレクはジャンをエスコートするし無理でしょう。
そうしたらお兄様しか残らないじゃない。」
なんか余り者みたいだが、よく言ったガーネットとオーウェンは妹のアシストに感謝した。
「えっそんなオウにエスコートしてもらうなんて」
クリスは慌てた。
流石に大国のパーティーでその皇太子にエスコートしてもらうのはクリスも躊躇した。
そこにオーウェンが跪く。
「クリス姫。是非とも私にエスコートさせてください!」
真摯に声をあげる。
周りの人通りがあるのでみんな見て行く。
クリスは真っ赤になりながら。
「あなたのお父様が認めて頂けるなら」
「やった!」
思わず、らしくなくオーウェンはガッツポーズした。
国王にはもともと話しているし、反対はされないはずだ。
「いいぞ兄ちゃん」
「ヒューヒュー」
周りのみんなが声援を挙げる。
ガーネットらもキャーキャー言う中。
それを呆然とアレクは見ていた。
貴族ご用達の店の傍をを歩いていると突然店からイザベル・ナーヴァル侯爵令嬢が店から出てきた。
げっ嫌な奴にあった。
オーウェンは学園のころから苦手だった。
この付きまとわり方が
「このようなところでお会いするなんて!
それもこんな平民風情とお歩きになるなんてボランティアか何かですか?」
他の5人を見下して言う。
「私がいくらお誘いしてもお付き合いしていただけないのに、ボランティアの方々とはお歩きになるなんて酷いですわ!」
クリスを貶められたなら即座に注意したが、
後ろの特に赤い死神と暴風王女を見てボランティアか。
それは後で馬鹿にしたいし、
どうリアクションしていいか判らず、オーウェンはワンテンポ遅れた。
そこへ仕方がないとガーネットが前に出る。
「イザベラ様。お言葉が過ぎますわ」
「え、えええ!ガーネット様がいらっしゃるとは存じず、申し訳ありません」
イザベラは慌てた。王女に平民と言ってしまった。完全な不敬だ。
下手したら投獄もありうる。
ガーネットは慌てるイザベラを端に連れて行く。
そこで2、3ガーネットが言うと慌ててこくこくと頷いて頭を下げて慌てて去っていった。
「ガー、どうでもいいけど、俺を人身売買組織の一員だって言って脅しただろ!」
アレクがブスっとして言う。
「流石アレク。よく判ったわね」
「おいおい、それは失礼だろ」
オーウェンが嗜める。
「だって、本当のこと言うわけにはいかないしこれくらいでちょうどいいかなって」
「うーん、俺は他国ではこう思われているのか」
赤い死神が何故か少し落ち込む。
「そうなんじゃない」
ジャンヌが容赦なく笑う。
おかしい、顔のレベルでいっても剣術のレベルでいっても当代ベスト10には入るはずだ。
何処でも女の子に囲まれて人気者のはずなのに。
もっとも、シャラザールの手前、女ったらしだと思われると命にかかるかもしれないし。
見た目はおしとやかなんだけど、いつ本性を現すか。
アレクはクリスを見て気を張り詰めていた。
そこへクリスの魔導電話が鳴る。
「お母様!」
その電話にはシャーロットが出てきた。
「今、オーウェン様とご一緒?」
「はい、代わります」
そう言えば電話の電源を切っていたなとオーウェンは悪い予感がする。
「オーウェン!お前まだ赤い死神のところに行っていないそうじゃないか」
いきなり国王のドアップがうつる。
「父上。ノルディンの皇太子殿下に赤い死神など失礼ではありませんか?」
日頃口の悪い自分を差し置いて注意する。
「何を誤魔化しいてる。今もノルディンの大使が・・・・」
オーウェンは画面を横に向ける。
「これはこれは国王陛下。赤い死神です」
ぼそっとアレクが言う。
どいつもこいつも死神扱いかよ。とアレクは少し不機嫌だった。
「殿下何故そちらに。今もうちの皇太子がまだ来ないと貴国の大使殿から怒りの連絡があったのですが」
そう言えば何も言わずに出てきたことをアレクは思い出した。
元々皇太子が来るまでは連絡し続けるように命じていたような気がする。
「いやいや、いらっしゃらないのでこちらから出向いたら、偶々出会ったので、同行させていただいただけです。
うちの大使には連絡がいっていなかったようで、ご迷惑をおかけして申し訳ない」
うーん、これでは謝るしかないか。と諦めてアレクは言う。
「いやいや、こちらこそ、失礼なことを言って申し訳ありません。
皇太子殿下は我が息子とは結構親しくして頂いているみたいですな。
感謝の言葉もありません。
もし、明日もいらっしゃるのであればよければ明日の王宮のパーティに御出席いただけるとありがたいのですが」
「私がそのような場に出させていただいて宜しのですか?」
「貴国の大使殿もお呼びしておりますからな。
まあ、国内の集まりですが、ノルディンの皇太子殿がご参加いただければこれに勝る喜びはございませんな」
「承りました。万難排して参加させていただきます。」
「その後ろにいる私の姪も是非ともお連れ頂くとありがたい」
逃げようとしたジャンヌがびくっとした。
「善処いたしましょう」
「オーウェン。後はうまくやってくれ」
というとあっさりと国王は画面から消えた。
「明日は、何があるの?」
ウィルが聞く。
「夏の始まりのお祝いで、王宮でパーティをやるの。
クリスとかウィルも参加するって聞いているけど」
「えっそうなの。」とたんに嫌そうにウィルが言う。
「えええ、何で私がそんな堅苦しいパーティーに出ないといけないの」
その横でジャンヌが叫ぶ。
「仕方がないんじゃない。ついでに君の母上から逃げてきたこと適当に誤魔化してもらうように、おば上に頼んでみたら。」
アレクが言う。
「えっジャンはまた逃げてきたんですか?」
「ウイル何他人ごと宜しく言っているのよ。
帰ったら第一魔導師団勤務よ」
「えっ今でもそうですよ」
不思議そうにウィルは言う。
「王都勤務になるのよ」
「別に僕は姉上の側にいられるなら問題ないですけど」
「あなた、今もシスコンなんだ。」
ガーネットが突っ込む。
「ガーはそういうけどね。今回のとばっちりが姉上に来ないとも限らないからね。
それは防がないと」
当然だという感じでウィルが言う。
「まあ、ウィル、何かあればそれが王弟でも私が黙っていない」
胸を張ってジャンヌが言う。
「流石お姉さま。すごいです」
ガーネットは恍惚と化してジャンヌを眺める。
「うーん、絶対にクリスには必要ないと思うんだけどな」
ただ一人アレクだけが納得していなかったが。
その一方オーウェンは3ヶ月の短期留学が終わった後で、もうクリスの横に立てない。
父との約束は3カ月だけだった。
それ以上は許さないと本気で言われていた。
「どうかしたの。オウ?」
唇をかむオーウェンを見てクリスが言う。
「いや、僕も君を守りたいと思っただけだ」
「オウにはあの場で助けてもらった。
私の代わりに言いたいこと言ってもらえた。
本当に感謝しているの。」
瞳をのぞき込まれて、言われる。
「オホン」
その後ろでアレクが咳をする。
「我々の前でイチャイチャするのはやめてもらいたいですな」
「もうアレク、せっかく良いところだったのに」
ガーネットが残念そうに言う。
「えっイチャイチャなんて。お礼を言っただけです」
クリスは赤くなった。
「そう、紳士として行動しただけだ」
ガーネットがそのオーウェンの側による。小さい声で
「お兄様。そんな控えめで知りませんわよ。他の男に取られても」
「はん!お前らが邪魔してくれたんだろ」
4人は明後日の方を見る。
「それより、オーウェン。明日のドレス何とかして」
「はんっそんなのマーマレードに取りに帰れよ」
「そんな体力無いでしょ」
「ウィル、お願いがあるんだけど」
ガーネットが言う。
「嫌だ」
ウイルが瞬殺した。
「聞いてくれてもいいでしょ!」
怒ってガーネットがウィルをぶつ。
「そもそもあなた昔私と約束したから断る選択肢は無いのよ」
ガーネットは言い切る。
「えっなんか約束したっけ?」
ウィルは昔の事をそんなに覚えていなかった。
「デビュタントのエスコートしてくれるって約束してくれたじゃない。」
「えっそんなこと言ったっけ?」
「ウイル、確かにそれは約束してたぞ」
ジャンヌが横でいう。
「後でそれって食えるの。って聞いてきたから食えないって答えたら泣いていたけどな」
ジャンヌが笑って言う。
「でも、姉様が。」
「本当にウィルはシスコンね。
クリスなら大丈夫。お兄様がエスコートするから」
「えっオウが。でも、いろいろあるんじゃないのか?
皇太子だし、皇太子がエスコートするといろいろ大変なんじゃ」
ウィルは躊躇する。
「あなたね。私もいろいろあるのよ。
それをウイルにって言っているんだからいいでしょ!」
むっとしてガーネットは言う。
私も王女なんだから人気はあるのよ。
と独り思う。
「それに、アレクはジャンをエスコートするし無理でしょう。
そうしたらお兄様しか残らないじゃない。」
なんか余り者みたいだが、よく言ったガーネットとオーウェンは妹のアシストに感謝した。
「えっそんなオウにエスコートしてもらうなんて」
クリスは慌てた。
流石に大国のパーティーでその皇太子にエスコートしてもらうのはクリスも躊躇した。
そこにオーウェンが跪く。
「クリス姫。是非とも私にエスコートさせてください!」
真摯に声をあげる。
周りの人通りがあるのでみんな見て行く。
クリスは真っ赤になりながら。
「あなたのお父様が認めて頂けるなら」
「やった!」
思わず、らしくなくオーウェンはガッツポーズした。
国王にはもともと話しているし、反対はされないはずだ。
「いいぞ兄ちゃん」
「ヒューヒュー」
周りのみんなが声援を挙げる。
ガーネットらもキャーキャー言う中。
それを呆然とアレクは見ていた。
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