9 / 444
第一章 婚約破棄
ノルディン帝国王子の困惑
しおりを挟む
「はいお疲れ様です」
ノルディン帝国からの留学生ボリスはパーティでは踊らずに席について食事を食べていた。
そこへ魔導電話の非常呼び出しがかかってくる。とりあえず色気より食い気を優先している15歳。ボリスはノルディン帝国の第14子だった。
アレクとは異母弟だ。もっとも母親は平民出だったが。
「緊急事態って僕今パーティの最中ですよ」
係官からの電話にボリスは少し反発する。
「俺だ」
そこにアレクが割り込んできた。
「皇太子殿下」
慌ててボリスは直立不動になる。
異母弟とはいえ赤い死神に逆らうとどうなるか判らない。
「そちらにドラフォードの皇太子がいるな」
「いますけど暗殺なんてできないですよ。」
「馬鹿もの。そんなところで大きな声を出すな。」
「申し訳ありません。」
直立不動で謝る
「暗殺なんてしなくていい。クリスティーナ嬢との接触を何としても止めろ。」
「えっ。そんなの無理ですよ」
「無理だと。お前は北極送りになりたいのか」
アレクはいきり立つ。
「えっそれだけは許してください。」
ボリスは慌てた。アレクなら本気でやりかねない。
でも北極って基地もないはずだ…・
という事は北極海の氷の中にいきなり飛ばされかねない。
「でも、既に今二人で踊っていますよ。」
「えっ、エドワードは何をしているの」
横からジャンヌが顔を出す。
「えっこれはジャンヌ王女殿下。お初にお目にかかります」
「挨拶はどうでもいいわ。エドは何をしているの」
画面の中のアレクを押しのける。
「皇太子殿下ですか。ピンクの髪の女の子と二人で仲良くしていらっしゃいますが。」
「あのバカ。許さん」
王女はいきなり画面から消えた。
「おい待て、ジャンヌ・・・」
アレクは慌てた。
「いいな!ボリス。私もすぐに行く。
それまでに何としてでもクリス嬢にとりいれ、いや無理ならドラフォードのドラ息子を邪魔しろ。
ワインを服にかけるなり何しても構わん。絶対に二人に仲良くさせるな。
失敗したら北極送りだと思え。」
画面がブチ切れた。
「えええ。そんなアレク兄さま、無茶言いすぎ。」
とりあえずボリスは赤ワインのグラスを持って立ち上がった。
「でもこんなのぶっかけたら下手したら国際問題なんですけど…・」
ノルディン帝国からの留学生ボリスはパーティでは踊らずに席について食事を食べていた。
そこへ魔導電話の非常呼び出しがかかってくる。とりあえず色気より食い気を優先している15歳。ボリスはノルディン帝国の第14子だった。
アレクとは異母弟だ。もっとも母親は平民出だったが。
「緊急事態って僕今パーティの最中ですよ」
係官からの電話にボリスは少し反発する。
「俺だ」
そこにアレクが割り込んできた。
「皇太子殿下」
慌ててボリスは直立不動になる。
異母弟とはいえ赤い死神に逆らうとどうなるか判らない。
「そちらにドラフォードの皇太子がいるな」
「いますけど暗殺なんてできないですよ。」
「馬鹿もの。そんなところで大きな声を出すな。」
「申し訳ありません。」
直立不動で謝る
「暗殺なんてしなくていい。クリスティーナ嬢との接触を何としても止めろ。」
「えっ。そんなの無理ですよ」
「無理だと。お前は北極送りになりたいのか」
アレクはいきり立つ。
「えっそれだけは許してください。」
ボリスは慌てた。アレクなら本気でやりかねない。
でも北極って基地もないはずだ…・
という事は北極海の氷の中にいきなり飛ばされかねない。
「でも、既に今二人で踊っていますよ。」
「えっ、エドワードは何をしているの」
横からジャンヌが顔を出す。
「えっこれはジャンヌ王女殿下。お初にお目にかかります」
「挨拶はどうでもいいわ。エドは何をしているの」
画面の中のアレクを押しのける。
「皇太子殿下ですか。ピンクの髪の女の子と二人で仲良くしていらっしゃいますが。」
「あのバカ。許さん」
王女はいきなり画面から消えた。
「おい待て、ジャンヌ・・・」
アレクは慌てた。
「いいな!ボリス。私もすぐに行く。
それまでに何としてでもクリス嬢にとりいれ、いや無理ならドラフォードのドラ息子を邪魔しろ。
ワインを服にかけるなり何しても構わん。絶対に二人に仲良くさせるな。
失敗したら北極送りだと思え。」
画面がブチ切れた。
「えええ。そんなアレク兄さま、無茶言いすぎ。」
とりあえずボリスは赤ワインのグラスを持って立ち上がった。
「でもこんなのぶっかけたら下手したら国際問題なんですけど…・」
41
お気に入りに追加
2,450
あなたにおすすめの小説
私と一緒にいることが苦痛だったと言われ、その日から夫は家に帰らなくなりました。
田太 優
恋愛
結婚して1年も経っていないというのに朝帰りを繰り返す夫。
結婚すれば変わってくれると信じていた私が間違っていた。
だからもう離婚を考えてもいいと思う。
夫に離婚の意思を告げたところ、返ってきたのは私を深く傷つける言葉だった。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
生まれたときから今日まで無かったことにしてください。
はゆりか
恋愛
産まれた時からこの国の王太子の婚約者でした。
物心がついた頃から毎日自宅での王妃教育。
週に一回王城にいき社交を学び人脈作り。
当たり前のように生活してしていき気づいた時には私は1人だった。
家族からも婚約者である王太子からも愛されていないわけではない。
でも、わたしがいなくてもなんら変わりのない。
家族の中心は姉だから。
決して虐げられているわけではないけどパーティーに着て行くドレスがなくても誰も気づかれないそんな境遇のわたしが本当の愛を知り溺愛されて行くストーリー。
…………
処女作品の為、色々問題があるかとおもいますが、温かく見守っていただけたらとおもいます。
本編完結。
番外編数話続きます。
続編(2章)
『婚約破棄されましたが、婚約解消された隣国王太子に恋しました』連載スタートしました。
そちらもよろしくお願いします。
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
これでも全属性持ちのチートですが、兄弟からお前など不要だと言われたので冒険者になります。
りまり
恋愛
私の名前はエルムと言います。
伯爵家の長女なのですが……家はかなり落ちぶれています。
それを私が持ち直すのに頑張り、贅沢できるまでになったのに私はいらないから出て行けと言われたので出ていきます。
でも知りませんよ。
私がいるからこの贅沢ができるんですからね!!!!!!
侯爵令嬢として婚約破棄を言い渡されたけど、実は私、他国の第2皇女ですよ!
みこと
恋愛
「オリヴィア!貴様はエマ・オルソン子爵令嬢に悪質な虐めをしていたな。そのような者は俺様の妃として相応しくない。よって貴様との婚約の破棄をここに宣言する!!」
王立貴族学園の創立記念パーティーの最中、壇上から声高らかに宣言したのは、エリアス・セデール。ここ、セデール王国の王太子殿下。
王太子の婚約者である私はカールソン侯爵家の長女である。今のところ
はあ、これからどうなることやら。
ゆるゆる設定ですどうかご容赦くださいm(_ _)m
あなたが捨てた私は、もう二度と拾えませんよ?
AK
恋愛
「お前とはもうやっていけない。婚約を破棄しよう」
私の婚約者は、あっさりと私を捨てて王女殿下と結ばれる道を選んだ。
ありもしない噂を信じ込んで、私を悪女だと勘違いして突き放した。
でもいいの。それがあなたの選んだ道なら、見る目がなかった私のせい。
私が国一番の天才魔導技師でも貴女は王女殿下を望んだのだから。
だからせめて、私と復縁を望むような真似はしないでくださいね?
わたしを追い出した人達が、今更何の御用ですか?
柚木ゆず
恋愛
ランファーズ子爵令嬢、エミリー。彼女は我が儘な妹マリオンとマリオンを溺愛する両親の理不尽な怒りを買い、お屋敷から追い出されてしまいました。
自分の思い通りになってマリオンは喜び、両親はそんなマリオンを見て嬉しそうにしていましたが――。
マリオン達は、まだ知りません。
それから僅か1か月後に、エミリーの追放を激しく後悔する羽目になることを。お屋敷に戻って来て欲しいと、エミリーに懇願しないといけなくなってしまうことを――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる