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第四章 Side B
3 エリーと大きな父
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夏真っ盛りのロンズデール領は美しい。エリーも大好きな景色だ。しかし、今回ばかりは気が重い。王太子妃、つまりは王太子からの依頼の件はもちろんのこと、ブラッドリーとの契約結婚については家族には伝えていないのだ。
どちらも間違ったことはしていない。していないと思っているが、隠し事があるというのは気が重い。王太子からの依頼についてはすぐに父と相談するようにと書状を預かっているが、それも気が重い。
勝手に危ない仕事を引き受けて、と心配をかけるだろう。
やがて、エリーを乗せた馬車はとある屋敷の前で止まった。綺麗に整えられた屋敷に目を見張る。
「まあ、あんなにぼろぼろだったのに…!」
「姉上!!」
走ってくるのは12歳になる末っ子のパトリックだ。エリーと同じ金髪に緑の目をした活発な少年で、この秋からは王立学園の中等部に通うことになっている。
パトリックはエリーに飛びつく寸前で止まった。
「姉上!おかえりなさい!」
「ただいま、リッキー。いい子にしてた?」
「僕はいつでもいい子です!」
パトリックはむうっとしたような顔をする。実はこの顔はエリーにそっくりなのだが、エリー本人は気づいていない。
「姉上がいない間も、僕がしっかり姉上の家庭菜園を守っておきました!夏の野菜が収穫できるので、一緒に収穫しましょう!」
「まあ!」
「キャシー姉上とベティ姉上は夏の間はフリーマントル辺境伯家に行儀見習いに出ていて、今はいないんです。」
「ええ、聞いてるわ。会えなくて残念だわ。」
下の妹二人は学園が休みの間は働きに出てくれている。
「お父様のところに連れて行ってくれる?」
「はい!父上は書斎に!」
ポピーに荷解きを任せ、パトリックとともに父の書斎に向かう。
「お父様、エリーです。」
「おお!エリー!よく帰ってきた!」
父は顔をあげるとデスクから立ち上がりエリーに歩み寄って抱きしめた。小柄なエリーからすると父はとても大きい。その腕にすっぽりと包まれてこの一年の間感じていなかった安らぎを得た。
鼻の奥がつんとしてくるのは気のせいではないのだろう。
「お父様、ただいま帰りました。」
「ああ。公爵家はどうだ?つらい目にはあっていないか?」
「はい。使用人たちはみんなよくしてくれています。」
ここで旦那様はとは言わないのはエリーが正直なためである。
「ああ、そうか。」
エリーと父は髪色は同じだが、目の色は全く違う。父の目がアンバーなのに対して、エリーは緑色だ。これは今は亡き母の目の色である。
「オルグレン公爵家からの援助で、落ち込んでいた産業をいくつか立て直すことができたんだ。王太子妃様がドレスのために絹をたくさん買ってくれてね。これもエリーのおかげだろう?」
「エスメラルダ様が?」
「エリーのドレスを見て気になったとか。」
王太子妃御用達のブランドになれれば、ロンズデール領の絹は巻き返せるだろう。
「しばらく滞在できるようだが、どうするんだ?以前の様に家の仕事はしなくてもいいぞ。」
「しばらく領地を回ろうかと思うの。」
「領地を?」
「リッキー、ちょっとお父様とお話があるから、退室してくれる?」
パトリックが退室した後、扉を閉めて父の机の上に王太子殿下からの書状を出す。父すぐにペーパーナイフを取り出し、中身を確認した。
そして、あきれたように顔をあげてエリーを見た。
「エリー。」
「すみません。」
「なぜ引き受ける前に相談しないんだ?ブラッドリー殿はいいと言ったのか?」
「旦那様の許可は得ています。」
父はそれを聞いて微妙な顔をした。
「それで、魔女の森の周辺に行きたいんだな?」
「まず、ジョーンズ家に行っておばあさまに話を聞きに行こうと思います。」
「ああ、シャルロット様だな。」
シャルロット・ジョーンズはエリーの祖母であり、魔女の息子であった祖父の妻であった人物だ。残念ながら祖父はエリーが幼いころに亡くなっているが、シャルロットはもうすぐ70歳を迎えるがまだまだ元気だ。
一族で最も魔女に詳しいのが彼女だろう。
エリーが難しい顔をしていると、父の手がぽんと頭に乗った。
「エリーは昔からアンに似て頑固だからな。仕方がない。私からシャルロット様に手紙を送っておこう。返事が来るまでゆっくりしていなさい。」
「はい。ありがとうございます。お父様。」
ーーーー
「姉上ー!!」
父の書斎を出て屋敷を歩いていると弟のパトリックが駆け寄ってきた。
「父上とのお話は終わったんですか?」
「ええ。」
「じゃあ、僕のエスパル語のお勉強相手になってくれませんか?僕も姉上みたいにエスパル語をマスターして翻訳の仕事をしたいんです!」
「たしかに、今、エスパル語の翻訳の仕事は増えているけれど…。王立学園での勉強の準備は大丈夫なの?」
「家庭教師の先生も、エスパル語の需要は今後も高まっていくから、勉強することに賛成なんです。でも先生もエスパル語は話せないので、姉上が来たら見てもらおうと思っていたんです。」
「私のエスパル語もほとんど独学だけれど…。」
「でも、姉上はエスパルの商人との会談にも同行できるほどエスパル語がお上手ですよね!」
パトリックは目をキラキラとさせながらエリーを見ている。久々の弟との時間を過ごしたい気持ちもある。
「じゃあ、お茶をしながらエスパル語の会話をしましょうか。」
「はい!」
エリーはふと自分の将来に思いをはせる。離縁されてオルグレン公爵家からの支援がなくなっても、ロンズデール家はなんとか領地をまわしていけるだろう。パトリックの王立学園への入学金も授業料も高等部を含めた六年分を支払い済みだ。
エリーの離縁がパトリックの将来に影響することはないだろう。
だが、出戻って家に居座ってしまえばパトリックと妹たちの縁談には差支えがでるかもしれない。私の悪評がロンズデール家に影響しに様に、私は家を出るべきだ。
となると、弟たちと仲良く過ごせる時間はもうあまりないのかもしれない。
「姉上?どうされました?」
「なんでもないわ!さあ行きましょうか!」
なるべく長く、家族とも時間を過ごしたい。エリーは優しい笑顔でパトリックの頭を撫でた。
どちらも間違ったことはしていない。していないと思っているが、隠し事があるというのは気が重い。王太子からの依頼についてはすぐに父と相談するようにと書状を預かっているが、それも気が重い。
勝手に危ない仕事を引き受けて、と心配をかけるだろう。
やがて、エリーを乗せた馬車はとある屋敷の前で止まった。綺麗に整えられた屋敷に目を見張る。
「まあ、あんなにぼろぼろだったのに…!」
「姉上!!」
走ってくるのは12歳になる末っ子のパトリックだ。エリーと同じ金髪に緑の目をした活発な少年で、この秋からは王立学園の中等部に通うことになっている。
パトリックはエリーに飛びつく寸前で止まった。
「姉上!おかえりなさい!」
「ただいま、リッキー。いい子にしてた?」
「僕はいつでもいい子です!」
パトリックはむうっとしたような顔をする。実はこの顔はエリーにそっくりなのだが、エリー本人は気づいていない。
「姉上がいない間も、僕がしっかり姉上の家庭菜園を守っておきました!夏の野菜が収穫できるので、一緒に収穫しましょう!」
「まあ!」
「キャシー姉上とベティ姉上は夏の間はフリーマントル辺境伯家に行儀見習いに出ていて、今はいないんです。」
「ええ、聞いてるわ。会えなくて残念だわ。」
下の妹二人は学園が休みの間は働きに出てくれている。
「お父様のところに連れて行ってくれる?」
「はい!父上は書斎に!」
ポピーに荷解きを任せ、パトリックとともに父の書斎に向かう。
「お父様、エリーです。」
「おお!エリー!よく帰ってきた!」
父は顔をあげるとデスクから立ち上がりエリーに歩み寄って抱きしめた。小柄なエリーからすると父はとても大きい。その腕にすっぽりと包まれてこの一年の間感じていなかった安らぎを得た。
鼻の奥がつんとしてくるのは気のせいではないのだろう。
「お父様、ただいま帰りました。」
「ああ。公爵家はどうだ?つらい目にはあっていないか?」
「はい。使用人たちはみんなよくしてくれています。」
ここで旦那様はとは言わないのはエリーが正直なためである。
「ああ、そうか。」
エリーと父は髪色は同じだが、目の色は全く違う。父の目がアンバーなのに対して、エリーは緑色だ。これは今は亡き母の目の色である。
「オルグレン公爵家からの援助で、落ち込んでいた産業をいくつか立て直すことができたんだ。王太子妃様がドレスのために絹をたくさん買ってくれてね。これもエリーのおかげだろう?」
「エスメラルダ様が?」
「エリーのドレスを見て気になったとか。」
王太子妃御用達のブランドになれれば、ロンズデール領の絹は巻き返せるだろう。
「しばらく滞在できるようだが、どうするんだ?以前の様に家の仕事はしなくてもいいぞ。」
「しばらく領地を回ろうかと思うの。」
「領地を?」
「リッキー、ちょっとお父様とお話があるから、退室してくれる?」
パトリックが退室した後、扉を閉めて父の机の上に王太子殿下からの書状を出す。父すぐにペーパーナイフを取り出し、中身を確認した。
そして、あきれたように顔をあげてエリーを見た。
「エリー。」
「すみません。」
「なぜ引き受ける前に相談しないんだ?ブラッドリー殿はいいと言ったのか?」
「旦那様の許可は得ています。」
父はそれを聞いて微妙な顔をした。
「それで、魔女の森の周辺に行きたいんだな?」
「まず、ジョーンズ家に行っておばあさまに話を聞きに行こうと思います。」
「ああ、シャルロット様だな。」
シャルロット・ジョーンズはエリーの祖母であり、魔女の息子であった祖父の妻であった人物だ。残念ながら祖父はエリーが幼いころに亡くなっているが、シャルロットはもうすぐ70歳を迎えるがまだまだ元気だ。
一族で最も魔女に詳しいのが彼女だろう。
エリーが難しい顔をしていると、父の手がぽんと頭に乗った。
「エリーは昔からアンに似て頑固だからな。仕方がない。私からシャルロット様に手紙を送っておこう。返事が来るまでゆっくりしていなさい。」
「はい。ありがとうございます。お父様。」
ーーーー
「姉上ー!!」
父の書斎を出て屋敷を歩いていると弟のパトリックが駆け寄ってきた。
「父上とのお話は終わったんですか?」
「ええ。」
「じゃあ、僕のエスパル語のお勉強相手になってくれませんか?僕も姉上みたいにエスパル語をマスターして翻訳の仕事をしたいんです!」
「たしかに、今、エスパル語の翻訳の仕事は増えているけれど…。王立学園での勉強の準備は大丈夫なの?」
「家庭教師の先生も、エスパル語の需要は今後も高まっていくから、勉強することに賛成なんです。でも先生もエスパル語は話せないので、姉上が来たら見てもらおうと思っていたんです。」
「私のエスパル語もほとんど独学だけれど…。」
「でも、姉上はエスパルの商人との会談にも同行できるほどエスパル語がお上手ですよね!」
パトリックは目をキラキラとさせながらエリーを見ている。久々の弟との時間を過ごしたい気持ちもある。
「じゃあ、お茶をしながらエスパル語の会話をしましょうか。」
「はい!」
エリーはふと自分の将来に思いをはせる。離縁されてオルグレン公爵家からの支援がなくなっても、ロンズデール家はなんとか領地をまわしていけるだろう。パトリックの王立学園への入学金も授業料も高等部を含めた六年分を支払い済みだ。
エリーの離縁がパトリックの将来に影響することはないだろう。
だが、出戻って家に居座ってしまえばパトリックと妹たちの縁談には差支えがでるかもしれない。私の悪評がロンズデール家に影響しに様に、私は家を出るべきだ。
となると、弟たちと仲良く過ごせる時間はもうあまりないのかもしれない。
「姉上?どうされました?」
「なんでもないわ!さあ行きましょうか!」
なるべく長く、家族とも時間を過ごしたい。エリーは優しい笑顔でパトリックの頭を撫でた。
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