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「いい方に来てもらってよかったわ。ところで岩田さん、ご結婚は?」

「独身です。」

「…そう!」

また嫌な予感がした。

「よかったらうちのミー」

「あああああああああああ!」

反射的に大声を出してしまった。

まったくおふくろ何考えてんだか! 

勘弁してくれよ。

彼女をチラと見た。

オフクロが何を言いたかったか気づいてないようだ。

よかった。

話をそらそう!

「よかったら何でしょうか?」

彼女は食いついてきた。

勘弁してくれよ。

「あのね、よかったらうちのミー君と」

「あああああああああああああああ!」

俺は叫びながら母親の背中を押して玄関の方へ連れて行った。

「もう、何なのよ、ミー君! 私は岩田さんと話があるんだから!」

「お母さま~! 何ですかぁ~!」

後ろから彼女が追っかけてきた!

「もう母さん、頼むから帰って!」

俺は急いで母親に靴を履かせた。

そして玄関の外へ出してドアを閉め、急いで施錠した。

「もう~! ミーく~ん! 開けなさいってばー! ママに言うことが聞けないの~!」

母親は玄関の外でギャーギャー喚き散らしている。

合鍵を渡さなくて本当に良かった。

何度か俺の鍵をこっそり盗まれ合鍵を作られそうになった事がある。

我が母親ながら、本当に油断も隙もあったもんじゃない。



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