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しおりを挟む月曜日
今日から我が事務所初の事務員、岩田麗子が出社してくる予定だ。
といってもお試し事務員なわけで、本人はお試しキャンペーン中タダ働きでいいと言っていたが、後腐れないようちゃんとバイト代はキッチリ払って辞めてもらうつもりだけど…。
「服装とか…決まり事みたいな事はありますか?」
「…そうだな…とりあえず掃除とかしてもらいたから、動きやすい恰好でいいよ。お客さんにお茶出しもしてもらいたいから、あんまり変な恰好だと困るけど…」
「わかりました!」
カフェで彼女は仕事をするにあたっての必要事項などを一生懸命メモしていた。
字はキレイだった。
宛名書きなんかも頼めそうだな…。
彼女の希望する勤務時間を聞いた。
朝は何時でもかまわないが、出来れば夕方5時には帰らせてもらいたいと言っていた。
だったら10時から4時でどうかと聞いた。
彼女はそれを承諾した。
事務員としては少し短い時間かもしれないが、あまり長い時間他人と一緒にいるのは苦痛なので、そうさせてもらった。
ピンポーン
チャイムが鳴った。
「今日からよろしくお願いします!」
大荷物を抱えた岩田麗子が満面の笑みで立っていた。
白のボウタイブラウスにベージュのパンツをはいて、髪は下ろしていた。
初対面が絵にかいたようなリクルートスタイルで、しかも鼻水垂らしながらの号泣だったので全く気付かなかったけど…岩田麗子はけっこうマシというか…意外と可愛いな…と思った。
「よろしく」と言ったら、ニッカーと笑った。
…う~ん、やっぱり何だか慣れない…。
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