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「まぁね、今回はちょっと度が過ぎたかなとは自分でも反省してる…。だけどあんた男でしょ! それぐらい受け入れなくてどうすんのよ! あれだけサキ~サキ~って私のこと追い掛け回してたくせに!」
サキさんはドヤ顔で自慢げに言った。

―ヒロキ…好きになったら、追い掛け回したりする人なんだね。けっこう情熱的なんだね。知らなかったな。私は…そんなことされたことないな。

 自分との差を思い知らされて悲しくなった。

「あんた、仕事何してんの?」
サキさんは、急に話を変えた。

「わ、私ですか? 私は…その…占い師をしています。」

「はぁ? 占い師? あんた、どこの大学出身なのよ?」
サキさんはあからさまに見下すような態度で私を質問攻めにした。

「…大学は…行ってないです。地元の高校を出てから占いの仕事をしています。」
高圧的にこういう質問をされて、なんだか自分が惨めな気分になってきた。

「どうせ資格とかも無いんでしょ? あのね、ハッキリ言っとくけど、あなたのような人じゃヒロキをサポートなんか出来ないの。ヒロキの仕事の事、なぁ~んにもわかんないでしょ?」
サキさんは私をからかうように言った。

「何さっきからタヌ子に失礼なこと言ってるんだよ! タヌ子は俺をめちゃくちゃ支えてくれてるよ! 仕事だって手伝ってくれて、どんだけ助かってるか! タヌ子がいると、本当に安らぐんだ。どれだけ癒されてるか!」
ヒロキが私をかばってくれた。嬉しくて目がウルウルしてきた。

「タヌ子~? 今、あんた、この子の事タヌ子って言った? ウケル! タヌキって事? ま、目が垂れてるとこが似てるかな? ポケーっとしてる感じだけど、まあけっこう顔は悪く無いんじゃない? 遊びの女だってのは分かったけど、あんまりそういう事続けると、この子にも悪いじゃない。さっさと荷物まとめさせて帰らせてあげなさいよ。」
サキさんはヒロキにそう言った。

「タヌ子は遊びの女なんかじゃないよ!」
ヒロキはサキさんに怒鳴った。

「じゃあ、何なのよ!」
サキさんはものすごい威圧感でヒロキに問い詰めた。

 ヒロキは少し考え込んでいた。

「何…って…それは…それは…。」
ヒロキは最後まで私の存在をハッキリさせようとしなかった。

「ほら! 単なる同居人って事でしょ!」
サキさんは勝ち誇った。

―もうダメだ。終わりだ。眩暈がする。吐き気がする。心臓がドクドクいって破裂しそう!

 苦しいよぅ…。
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