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4 愛する妻、可愛い子供たち、パパは頑張るよ~! あれ? 僕は何がしたかったんだっけ? 自分を見失いそうになっていた僕の前に現れたのは…
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しおりを挟むしょうがなく僕は車を発進させた。
ナビを無視して家まで帰ればいいだけの話だ。
車を走らせてしばらくすると、周りがだんだん白い靄に包まれてきた。
視界がかなり悪い。
普段ならこの辺りは眩しいくらいの街灯りのはずなのに、それは次第に無くなり、いつの間にか真っ暗になった。
どうしたんだろう?
もしかして停電?
そうこうしているうちに靄が消えた。
ライトに照らされている前方の景色を見て、僕が愕然としてしまった。
…ここ…ドコ?
帰り道の高層マンションや商店街、ファッションビル、コンビニ、それらが一切無く、ひたすら大きな平屋の屋敷が並んでいる。
「300メートル先ヲ 右折シテ下サイ。」
ナビの言われるがままに狭い路地に入った。
僕は不安で手が震えてきた。
ナビは大きな屋敷の中へ誘導した。
「目的地 到着デス。運転オ疲レ様デシタ。」
「ちょ、ちょっと待ってよ! ここ俺んちじゃないだろ? どこなんだよ、ここ!」
ナビは何も言わず、画面も消えてしまった。
「あぁぁぁぁ、もうっ!」
とりあえず車から出た。
状況を把握しなければ。
外へ出ると、見たことも無い夜空が広がっていた。
手を伸ばせば星に手が届きそうな気がした。
「モォォォォウ。」
隣で大きな鳴き声がして腰を抜かした。
目を凝らして見ると、牛だった。
そこは牛舎で、牛が何頭かいるようだった。
何で牛がいんだよ。
もしかして俺、いつの間にか田舎の方へ来ちゃったのかな…。
「誰じゃ! そこへおるのは!」
建物の方から誰かやって来た。
やべっ!
どうしよう!
俺、不法侵入してるよな…。
その時、車のライトが光った。
何で?
俺、確かエンジン切ったはずなのに!
ライトは僕を後ろから照らした。
「ひえぇぇぇぇぇ~。も、物の怪じゃ~! 誰か、誰か~!」
さっき出てきた女の人の悲鳴が聞こえた。
ポカッ!
いきなり棒のような物で頭を叩かれた。
僕は気を失った。
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