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3 男を惹きつけてやまないミステリアスな女。なってやろうじゃないか! ミステリアスラビュリンス大暴走の私が行きつく先は…
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しおりを挟む「お前、ほんとに婚活してたの?」
浩太は持ってきていたスーツケースを開けながら私に聞いてきた。
「いや、それは…(ナビに)どうしてもしろって言われたから…。」
「…で? いいヤツいたの?」
「いないよ! それに見たでしょ? 最後のやつはトドメだった!」
「…俺が煮え切らない態度だったからな…。」
「浩太、ごめんなさい。私、間違ってた。」
「お互い様だよ。」
私はお盆にコーヒーカップを二つのせてソファの前のテーブルに持って行った。
テーブルに置いて横を振り返った瞬間、顔にモフっとした物を押し付けられた。
「え! これ、シュタイフ社のテディーベアじゃん!」
熊好きの私だが、欲しくても高くて買えなかったシュタイフ社様のテディーベアがそこにあった。
「お土産。」
「ありがとー! わー、めちゃくちゃ嬉しい! どうしよう!」
「ついでにこれも…」
浩太は私の手を取って、小さな箱をその上に置いた。
開けてみると、指輪が入っていた。
「これ…って…」
浩太は私の前に正座した。
そしてまっすぐ私の目を見て言った。
「僕と結婚してください。」
「ええええええ~! いや、ええええ~! 嘘でしょ? え、ほんとに? ウッソー! だって浩太、私と別れたかったんじゃないの?」
浩太は下を向いて溜息をついた。
「…確かに距離は置こうって言ったよ。一度自分を見つめ直したかったんだ。穂香にもそんな時間があった方がいいと思ったのは事実だよ。ちょうどドイツに出張だったし、いい機会かなと思った。実は俺、会社からドイツ駐在を打診されてるんだ。」
「そうなの? そんなの聞いてない!」
「だから、少し距離置いて、穂香との結婚の事、考えたかったんだよ。向こうに行くとなると穂香はついてきてくれるのか、会社はどうするのか、とかいろいろあるでしょ? それに…」
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