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彼の
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しおりを挟む「ごめんな、香奈子。本当なら六年前に言うべきだったんだ。」
愛しい香奈子の首筋に顔を埋めて、深く香奈子の香りを吸い込む。
「ちゃんと伝えるべきだった。もっとしっかりと香奈子と話し合って、向き合ってから向こうに行くべきだった。すまない。…あの時はおまえを自由にすることが正しいと思ってたんだ。会えない距離に潰されるくらいなら一度 手放してでも、確実におまえを手に入れたいって思った…。 ごめんな…。」
「…みなと…」
首を横に振りながら、泣きじゃくる香奈子は途切れ途切れに話す。
「あ、謝らないで…。湊だけじゃ、ない…私も一緒…なの…。遠距離…する…自信がなか、たの…でも、着いて行く、勇気もなかった…何も、なにも持たない…空っぽの、わたし、じゃ…きっとあなたに甘えて…いろいろなこと、を、あなたのせいにして…私、…ダメになってた、と思うの。だから、いいの…。」
「…ごめん。」
「もう謝らないで。きっとあの時の、選択が正解で、今の私たちの正解 なのよ…」
強く抱きしめた。
強くつよく。
香奈子
満たされた心で抱きしめ合いながら、見つめ合い、触れ合うだけのキスをくりかえした。
「はっ…ぁん…やっ、み、みなと……まって…ぅん…。」
シーツの波間で快楽に溺れる香奈子はすごく綺麗だ。
薄闇の中、時折揺らめくキャンドルの光に照らされて、白い身体が淫靡に陰影を作りだしている。快楽に身悶える香奈子は美しすぎて芸術品のようだと思った。
香奈子の裸体を下から見上げながら、隠された蕾を舐めしゃぶる。「っひっ」と息を吸った香奈子はもう何度 絶頂を味わったのか。香奈子のそこはぐっしょりと濡れていて、俺の指をきゅうきゅう締め付けながら咥えこんでいる。
香奈子のいいところを強めに擦り続ければ
「っやぁ!ダメっみ、みなとっい、やぁぁっ」
悲鳴のような甲高い声で鳴いて、またイッたらしい。
這い上がって香奈子この顔を覗き込み、汗で張り付いた髪を梳いてやる。
突っ張った体を優しく抱きしめて、いまだ荒い呼吸を繰り返す香奈子にくちづけた。
薄く唇を合わせながら香奈子を見つめた。
「香奈子…もう…このまま入れていい?…」
香奈子の潤んだ瞳が揺れている。
「…きて、湊…」
そう言って幸せそうに微笑む香奈子に
たまらず一気に奥に突き入れた。
「あぁぁっ!」
「っは、くっ 香奈子っ」
温かい。
やわい襞が俺を包み込む。奥に奥に誘い込む。体が震えるほど気持ちいい。
「香奈子、悪い…苦しくないか?」
持っていかれないように必死に取り繕ってなんとか口に出せば、蕩けた顔で微笑んだ香奈子は俺の頬を両手で掴んで唇にキスをして言った。
「大丈夫だから…。今日くらいあなたの好きにして」
完全に理性をぶっちぎった。
もう我を忘れて腰を振りたくる。
香奈子の脚を腕に引っ掛けて、思い切り広げて押さえつけて、打ちつけた。
俺のモノが香奈子の蜜口をグチュグチュと出入りする様を目にすれば、もう何も考えられなかった。
「…きゃああっ!あっああぁっ!…はぁぁぁん…いいっみな…と、ぁあっ」
ひっきりなしに聴こえる香奈子の喘ぎ声も俺の官能を刺激するばかりだ。
たまらない
もっと体を倒して香奈子の胸が俺の体に擦れるようにのしかかり、さらにはお互いの荒い呼吸の合間に唇を貪った。
香奈子の爪が腕に、首筋に食い込むがそれすら快感に繋がる。
「…み、なと…」
獣のように繋がって
そのまま香奈子の中に六年分の欲を吐き出した。
「あ、やあっ、なか…ぅん……」
中を収縮させながら香奈子も絶頂に顎を反らせていて、その喉元にくちづけた。
荒い呼吸を整えながら、香奈子の髪を梳く。
ああ 綺麗だ香奈子
やっと呼吸が落ち着いて
「だからさっき このままいいか? って聞いたろ?」
香奈子の中にいまだ己の屹立を埋めながらニヤリと笑う。
腕に囲った香奈子を見下ろしながら囁いた。
「香奈子。結婚しよう。」
快楽に潤んでいた香奈子の目が驚きで見開かれ、それから一気に涙が溢れてきた。
「…うん…」
香奈子が頷くと涙は筋を作って両側に流れていく。
「 愛してるよ。」
「私も…愛してるわ、湊」
抱き合いながら、繋がったまま、甘いキスを繰り返した。
しばらくは優しいキスをしていたが、
香奈子の中がヒクヒクと、蠢いている。もちろん、俺の分身が一度でおさまるはずもなく。
まだ中に入ったままの状態で、そのまま腰を揺すってやると香奈子の腰も揺れだした。
香奈子の中は最高に気持ちいい。
ちゅっちゅと軽いリップ音に混じって、グチュグチュと湿った音が響く。わざと音が鳴るように腰をグラインドさせて香奈子の蜜口に擦り付けこねまわす。
柔らかい乳房を両手で揉みしだけば、俺の腕にすがりつく香奈子の手に力がこもる。わざと
尖りには触れないように周りに手を這わせる。
「っふっ、かな、足りない?」
ニヤリといやらしい笑い方をしてるのは自覚しているが、どうしようもない。
香奈子は赤くなりながら素直に頷くと目を背けた。
「ここ?」
そう言いながら硬く尖った二つの蕾をゆびで弾いた。
両方摘んでやれば、
「んあっ」
と、胸を突き出して悶える香奈子。ゆるく突き上げながらキスをして、耳元で囁いた。
「今夜は寝れないよ。覚悟はいいか?」
きゅうっと中が収縮して、締め付けた。
「たまんねー」
そのまま、一晩中香奈子の中に己の杭を埋め、啼かせて…文字通り抱き潰した…。
明け方
気を失うように眠った香奈子の柔らかい体を抱きしめて
俺も幸せな気持ちで眠りに落ちた。
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