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本編
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「お話中ごめんなさいね。紹介したい方がいるの、というよりしてほしいとお願いされてしまって」
困ったものね、というようにわたくしが笑い零し、こちらはわたくしの親類とミヒャエルを紹介しました。
わたくしのお父様のお付きでこちらに来ている事を紡げば令嬢方はまぁと色めき立ちます。
ミヒャエルは見た目はよい殿方ですし、他国のというのも彼女たちには魅力的でもあるのでしょう。それにわたくしのお父様のお付き、というのもある程度の地位がないとできないものですから。
ええ、皆様は他国のお買い得物件、のように思われたのでしょう。実際は、この人は未来の王でもあるのですが。
「一曲、お願いしてもよろしいですか?」
「はい」
ミヒャエルはまっすぐ、セレンファーレさんに手を差し出しました。
セレンファーレさんも喜んでとその手を取ります。
二人が話の輪から離れていくと残念と零しつつ皆様興味津々といったご様子。
「ふふ、素敵な人と惚れてしまったそうよ」
「まぁ、ロマンチックですね」
「皆様も意中の殿方と踊られては?」
「そうしたいのですが……今宵は皆様、ヴァンヘルの方達とつなぎを作られるのにお忙しい様子で」
つなぎを作ることができるかどうかはわかりませんけどもと令嬢のお一人が苦笑交じりに零されました。
確かに、今日は殿方たちはお忙しそうです。ダンスを踊っている方達は暇な方か、どうしてもお誘いを断れなかった方か。
わたくしは皆様のお相手をしつつ、夜会が滞りなく進むように色々な差配を。ディートリヒ様はあちらでのお相手がありますから、これが今日のわたくしのお役目。
そして無事、終わりを迎える事となりました。
ヴァンヘルの皆様が夜会を出られ、別室で煙草とお酒を嗜むことに。そちらには国王様、ディートリヒ様と、それからヴァンヘルの皆様がお誘いした方達のみのご招待となりました。
それを受けられたのは数人の方達。顔ぶれを見ると納得の、といった方達。
そこに、なぜかお父様が入っているというのがわたくしとしては何かあるとしか思えませんでした。
これから長い時間になるのではなくて、と思う顔ぶれ。彼らとご一緒に来られた女性の方達は先に帰ることもできますが、別室にお茶とお菓子を用意しましたからそちらで待つこともできるように準備はしていました。皆様、そちらで待たれるとのこと。これは泊まれるようにもした方が良さそうだとすぐさま手配も。
今日の夜会の主役はヴァンヘルの皆様ですから、貴族の方達の見送りもそこそこに。
わたくしも移動された皆様に挨拶をと集われているお部屋に顔を出しました。王妃様は、彼らがこちらに来るときに挨拶をされているそうですが、わたくしはまだなのです。
しないわけには参りませんから。
「皆様、これからのお時間の方が楽しそうですわね」
「ええ。私が声をかけた皆さんのためにあなたが色々と差配していただいていると聞いた。感謝を」
「お気になさらないでくださいませ。それでは、わたくしは挨拶をしに来ただけですので……国王陛下、お先に失礼いたします」
ああと国王陛下は頷かれます。わたくしはディートリヒ様を見て、それではと笑みを。
ディートリヒ様も頷かれ、わたくしが立ち去ろうとした時、そうだとサレンドル様が零されました。
「セレンファーレ姫に伝言を頼めるかな。明日、落ち着いて話がしたい、と」
「わかりましたわ」
「貴女の父上である公爵の、連れの方とご一緒に」
「……ええ、彼にもお伝えしておきますわ」
お父様は、ああやはりというように片眉をあげられました。表情を少し崩すだけで終わったのはさすがと言いますか。いいえ、これからこの場で問われる事になるのでしょうけど。
頑張ってくださいませと思いつつ、ちらりとディートリヒ様を見るとなんとなくこうなることは想像してらしたのか、笑っていらっしゃいました。
それから退室し、わたくしが向かうのは王妃様とセレンファーレさん、そしてレオノラ嬢のいるお部屋。そこにはミヒャエルもいるはずです。
王妃様はミヒャエルに会いたいと仰ってましたし、セレンファーレさんも紹介したいと思っているでしょうから。
セレンファーレさんには護衛として犬達の誰かがついていますし、今、わたくしの傍にも一人。
部屋を出ればすぐに近づいて、わたくしの護衛をしてくれます。
「ハインツ、何もない?」
「何もない、大丈夫」
こっちだと彼に導かれ、わたくしは三人がいる場所へ。その部屋の前にはジークとフェイルが立ち、近づくものを追い払っていました。
「二人とも、ありがとう。三人で交代して休んで来たら?」
「必要ないかな。それになんだか、このあたりをうろうろする人間が多いし」
「ここ、結構奥の方よ?」
「見たことある顔の者が多いが、それでも少し用心したい」
わたくしは貴方たちに任せるわと警備について口を出さないことにしました。
わたくしよりも犬達のほうがよくわかっていますし。
彼らにこちらは気にせず楽しんでくると良いと言われ、わたくしは前室へ入り、そして奥へと向かいました。
そちらでは和やかなお茶会が行われており、雰囲気は良さそうでした。
「わたくしも混ぜてくださる?」
「お疲れ様、私のかわりに色々してくれてありがとう」
「いいえ。夜会の仕切りはディートリヒ様でしたから、わたくしがお手伝いするのは当然の事ですわ」
そういった会話を労ってくださる王妃様としているとミヒャエルがふと笑い零しました。
なんですか、その笑いはと視線向ければ感心しているのだと言います。
「本当に王太子妃だな、と」
「失礼な……」
それからしばらく、とりとめのない話をして、わたくしはセレンファーレさんとミヒャエルに明日、サレンドル様が話をしたいと仰っていることを伝えました。
王妃様はそういう話がふられるのをわかっていたのでしょう。何も仰いません。
「サレンドル様はお話上手ですから、ミヒャエルは頑張ってくださいまし」
そうだろうな、とミヒャエルは茶化さず、まっすぐ受け止めました。
大丈夫だと強がることもなく、ただ淡々と受け止めているような。
セレンファーレさんは少し心配そうな顔をされますが、それには笑って心配するなとミヒャエルは言います。
サレンドル様はおそらく、血縁であるセレンファーレさんの相手がどのような人間なのかを見ようとしているのでしょう。
きっと二人が結ばれることに異は唱えません。唱えても利になる事がないからです。国力が落ちている今、リヒテールの次の王たるミヒャエルとの関係をどう構築すべきか。それを見定めるための場だとわたくしは思っています。
それはミヒャエルもなんとなく、察してはいるはずです。
ミヒャエルはわたくし、そして王妃様に感謝していると、突然礼を言いました。
それはセレンファーレさんとの事に手を貸してくれ、そして認めてくれたことに対して。
レオノラ嬢には、良い友で良かったと笑いかけています。
「セレンファーレは娘のようなものですから……大事にしてくださいね」
「はい」
王妃様は優しく、微笑まれます。
セレンファーレさんがリヒテールのあの学園で、どんな目にあったのか。それももちろんご存知でしょうに。あれは隠しきれることではありませんから。
セレンファーレさんが許しているからこそ、王妃様も受け止めていらっしゃるのでしょう。
二人は、周囲から認められて幸せになる事がきっとできるのです。
そして互いも幸せにしあえるのでしょう。
それは、なんて素敵なことなのかしらとふと、思いました。
わたくしはそうでは、ありませんから。
そこでふと、ディートリヒ様とわたくしが、この二人のようであったらどうなのかと思ってしまったのです。
二人のように、幸せに寄り添えるのか、と。
幸せに寄り添う。それはなんだか違うような、そんな気がしました。
けれどそうあることにどこか眩しい、憧れのようなものをわたくしは抱いてしまったのです。
そうあれたらいいなと思ったのをかき消すように否定する。
だってありえませんもの。
わたくしがあの方を、セレンファーレさんがミヒャエルを想うのと同じような気持ちを抱くことは無いと思うのですから。
困ったものね、というようにわたくしが笑い零し、こちらはわたくしの親類とミヒャエルを紹介しました。
わたくしのお父様のお付きでこちらに来ている事を紡げば令嬢方はまぁと色めき立ちます。
ミヒャエルは見た目はよい殿方ですし、他国のというのも彼女たちには魅力的でもあるのでしょう。それにわたくしのお父様のお付き、というのもある程度の地位がないとできないものですから。
ええ、皆様は他国のお買い得物件、のように思われたのでしょう。実際は、この人は未来の王でもあるのですが。
「一曲、お願いしてもよろしいですか?」
「はい」
ミヒャエルはまっすぐ、セレンファーレさんに手を差し出しました。
セレンファーレさんも喜んでとその手を取ります。
二人が話の輪から離れていくと残念と零しつつ皆様興味津々といったご様子。
「ふふ、素敵な人と惚れてしまったそうよ」
「まぁ、ロマンチックですね」
「皆様も意中の殿方と踊られては?」
「そうしたいのですが……今宵は皆様、ヴァンヘルの方達とつなぎを作られるのにお忙しい様子で」
つなぎを作ることができるかどうかはわかりませんけどもと令嬢のお一人が苦笑交じりに零されました。
確かに、今日は殿方たちはお忙しそうです。ダンスを踊っている方達は暇な方か、どうしてもお誘いを断れなかった方か。
わたくしは皆様のお相手をしつつ、夜会が滞りなく進むように色々な差配を。ディートリヒ様はあちらでのお相手がありますから、これが今日のわたくしのお役目。
そして無事、終わりを迎える事となりました。
ヴァンヘルの皆様が夜会を出られ、別室で煙草とお酒を嗜むことに。そちらには国王様、ディートリヒ様と、それからヴァンヘルの皆様がお誘いした方達のみのご招待となりました。
それを受けられたのは数人の方達。顔ぶれを見ると納得の、といった方達。
そこに、なぜかお父様が入っているというのがわたくしとしては何かあるとしか思えませんでした。
これから長い時間になるのではなくて、と思う顔ぶれ。彼らとご一緒に来られた女性の方達は先に帰ることもできますが、別室にお茶とお菓子を用意しましたからそちらで待つこともできるように準備はしていました。皆様、そちらで待たれるとのこと。これは泊まれるようにもした方が良さそうだとすぐさま手配も。
今日の夜会の主役はヴァンヘルの皆様ですから、貴族の方達の見送りもそこそこに。
わたくしも移動された皆様に挨拶をと集われているお部屋に顔を出しました。王妃様は、彼らがこちらに来るときに挨拶をされているそうですが、わたくしはまだなのです。
しないわけには参りませんから。
「皆様、これからのお時間の方が楽しそうですわね」
「ええ。私が声をかけた皆さんのためにあなたが色々と差配していただいていると聞いた。感謝を」
「お気になさらないでくださいませ。それでは、わたくしは挨拶をしに来ただけですので……国王陛下、お先に失礼いたします」
ああと国王陛下は頷かれます。わたくしはディートリヒ様を見て、それではと笑みを。
ディートリヒ様も頷かれ、わたくしが立ち去ろうとした時、そうだとサレンドル様が零されました。
「セレンファーレ姫に伝言を頼めるかな。明日、落ち着いて話がしたい、と」
「わかりましたわ」
「貴女の父上である公爵の、連れの方とご一緒に」
「……ええ、彼にもお伝えしておきますわ」
お父様は、ああやはりというように片眉をあげられました。表情を少し崩すだけで終わったのはさすがと言いますか。いいえ、これからこの場で問われる事になるのでしょうけど。
頑張ってくださいませと思いつつ、ちらりとディートリヒ様を見るとなんとなくこうなることは想像してらしたのか、笑っていらっしゃいました。
それから退室し、わたくしが向かうのは王妃様とセレンファーレさん、そしてレオノラ嬢のいるお部屋。そこにはミヒャエルもいるはずです。
王妃様はミヒャエルに会いたいと仰ってましたし、セレンファーレさんも紹介したいと思っているでしょうから。
セレンファーレさんには護衛として犬達の誰かがついていますし、今、わたくしの傍にも一人。
部屋を出ればすぐに近づいて、わたくしの護衛をしてくれます。
「ハインツ、何もない?」
「何もない、大丈夫」
こっちだと彼に導かれ、わたくしは三人がいる場所へ。その部屋の前にはジークとフェイルが立ち、近づくものを追い払っていました。
「二人とも、ありがとう。三人で交代して休んで来たら?」
「必要ないかな。それになんだか、このあたりをうろうろする人間が多いし」
「ここ、結構奥の方よ?」
「見たことある顔の者が多いが、それでも少し用心したい」
わたくしは貴方たちに任せるわと警備について口を出さないことにしました。
わたくしよりも犬達のほうがよくわかっていますし。
彼らにこちらは気にせず楽しんでくると良いと言われ、わたくしは前室へ入り、そして奥へと向かいました。
そちらでは和やかなお茶会が行われており、雰囲気は良さそうでした。
「わたくしも混ぜてくださる?」
「お疲れ様、私のかわりに色々してくれてありがとう」
「いいえ。夜会の仕切りはディートリヒ様でしたから、わたくしがお手伝いするのは当然の事ですわ」
そういった会話を労ってくださる王妃様としているとミヒャエルがふと笑い零しました。
なんですか、その笑いはと視線向ければ感心しているのだと言います。
「本当に王太子妃だな、と」
「失礼な……」
それからしばらく、とりとめのない話をして、わたくしはセレンファーレさんとミヒャエルに明日、サレンドル様が話をしたいと仰っていることを伝えました。
王妃様はそういう話がふられるのをわかっていたのでしょう。何も仰いません。
「サレンドル様はお話上手ですから、ミヒャエルは頑張ってくださいまし」
そうだろうな、とミヒャエルは茶化さず、まっすぐ受け止めました。
大丈夫だと強がることもなく、ただ淡々と受け止めているような。
セレンファーレさんは少し心配そうな顔をされますが、それには笑って心配するなとミヒャエルは言います。
サレンドル様はおそらく、血縁であるセレンファーレさんの相手がどのような人間なのかを見ようとしているのでしょう。
きっと二人が結ばれることに異は唱えません。唱えても利になる事がないからです。国力が落ちている今、リヒテールの次の王たるミヒャエルとの関係をどう構築すべきか。それを見定めるための場だとわたくしは思っています。
それはミヒャエルもなんとなく、察してはいるはずです。
ミヒャエルはわたくし、そして王妃様に感謝していると、突然礼を言いました。
それはセレンファーレさんとの事に手を貸してくれ、そして認めてくれたことに対して。
レオノラ嬢には、良い友で良かったと笑いかけています。
「セレンファーレは娘のようなものですから……大事にしてくださいね」
「はい」
王妃様は優しく、微笑まれます。
セレンファーレさんがリヒテールのあの学園で、どんな目にあったのか。それももちろんご存知でしょうに。あれは隠しきれることではありませんから。
セレンファーレさんが許しているからこそ、王妃様も受け止めていらっしゃるのでしょう。
二人は、周囲から認められて幸せになる事がきっとできるのです。
そして互いも幸せにしあえるのでしょう。
それは、なんて素敵なことなのかしらとふと、思いました。
わたくしはそうでは、ありませんから。
そこでふと、ディートリヒ様とわたくしが、この二人のようであったらどうなのかと思ってしまったのです。
二人のように、幸せに寄り添えるのか、と。
幸せに寄り添う。それはなんだか違うような、そんな気がしました。
けれどそうあることにどこか眩しい、憧れのようなものをわたくしは抱いてしまったのです。
そうあれたらいいなと思ったのをかき消すように否定する。
だってありえませんもの。
わたくしがあの方を、セレンファーレさんがミヒャエルを想うのと同じような気持ちを抱くことは無いと思うのですから。
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