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本編
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昼食でのことを引きずるのはよろしくないのですが、わたくしの気持ちは荒れていました。
いえ、荒れているというよりも凪いでいる。静かすぎて、気持ち悪いような。
暗雲立ち込め、いつ雨が降り始めるかというような、そんな心持ちでした。
こんなのでは何もできないとわたくしは部屋に引きこもることにしました。
ひとりにしてね、用事があれば呼ぶわとツェリにも犬達にもお願いし、部屋の灯りを緩めて、長椅子に身を横たえ瞳を伏せる。やわらかなクッションの感触に小さく笑みがこぼれました。
そこにあるのは静寂だけ。
無為に過ごす時間がわたくしの心を落ち着かせてゆくのです。
子を、と言われることの忌避感は簡単にぬぐえるものではなく。
王家に平民の血をいれる。そのなんと恐ろしい事。
わたくしは貴族のお父様の血と、平民のお母様の血とが流れています。お母様はお父様に身籠ったことを話さず姿を隠しました。しばらくして、見つかってしまいましたけれど。
その時には、お母様は体を壊していてわたくしの世話なんてできる状態ではなかったのです。
お義母様は、我が子らは大人となり、一人立ちし時間があったので引き取ったわたくしを育ててくださいました。育てる、ということを楽しんでらしたように思えます。
わたくしはお母様に、貴族の作法など最低限のことは教わっておりました。きっとお母様は、いつかわたくしが引き取られることを見越していたのでしょう。
お義母様とお母様は、主人と侍女ではあったものの仲は良かったと聞きましたし。
血は繋がらなくともお義母様はわたくしを嫌な顔をせず受け入れてくださいました。わたくしはお母様もお義母様も好きなのです。
けれどお母様は、わたくしが引き取られて安堵したのか、何かの糸がぷつりと切れてその後すぐに亡くなってしまいましたが。
そのお母様と、わたくしは約束しているのです。貴族、王家に対しわたくしの血を本流に残すようなことをしないと。それはとても恐ろしい事なのよと、わたくしは言い聞かせられたのです。
わたくしにとってそれは、幼いころのお母様の絶対の言いつけ。
成長して、お母様の言葉は絶対ではないのだと知る機会もありました。それは古風な考え方なのだと。
それでも、わたくしにとってお母様の言いつけを破ることは恐ろしいことに他ならないのです。
「側妃をとってくださればいいのに」
ディートリヒ様がわたくしを王太子妃にしたのは、わたくしにこの国で何かしらの思惑と関わるものがなかったから。
それからわたくしが愛情を求めない女で便利だったからだと知っています。どうぞ、お好きな方ができたらわたくしの事など気にせず側妃として迎えてあげてください。正妃としてのわずらわしいことは全て受けてさしあげますからと、わたくしは申し上げたのです。
その時にお前が一番難儀な女だなと仰られたのですが、どちらかというと便利な女ではないでしょうか。
だって、自分に寵がないことをよろしくてよと笑って、他の女の所に行くのを見送って差し上げるのですから。そして側妃の方は表に出ることもなく、ただ愛を囁かれていればいいだけになるのですよ。
その方がディートリヒ様に愛されたいだけの方でしたら、とても幸せな事になるのでしょうし。
わたくしはころりと体の向きを変え、クッションの一つをぎゅっと抱きしめました。
考えるのも億劫になって、いつの間にか微睡の中。うとうとして夢と現の間にいるのはとても穏やかなものでした。
このまま眠ってしまえるかしら、と。
そう思った頃、何か音がしたような気がして。けれど、瞼を持ち上げる気も起きません。
どうしようかしらと思う間に人が近づいてくる気配がありました。
この部屋に入れるのはひとりだけ。おそらくディートリヒ様でしょう。
「アーデルハイト……寝ているのか。珍しい」
ああ、やっぱりその声は、と思う。けれど覚醒する気が起きなくてわたくしは寝ているふりをすることにしました。
実際、意識ははっきりとしていないので反応せずにこのまま、眠ってしまえと思ったのです。
近くに来る気配、わたくしを覗きこんで、ふと笑われたような気がします。
「気を抜いているときは穏やかな顔をしているな」
俺の前ではそのような顔はしないくせに、とどこか拗ねたような声色。
ディートリヒ様はわたくしの傍らに座られたようで。余計、今すぐに起きるという事ができなくなってしまいました。
わたくしの頭がある、枕代わりのクッションの傍。
ぱらりと紙が捲られる音が聞こえるので書類でも読んでいるのでしょう。
どうすれば、良いのかしら。
しばらくじっとしていれば、この空気にも慣れてきて。
わたくしの意識はまた眠りに沈みかけていました。
そんな時に、するりと。
わたくしの頭を撫で、それから髪で遊び。
耳の縁をするりとなぞり、頬をたどり離れていったのは指先。
今のは、何なのでしょう。
何もなかったかのようにまた、紙を捲る音。
ディートリヒ様の気まぐれでしょうか、戯れでしょうか。
わたくしは深く考えるのをやめることにしました。
考えても答えは出ないでしょうから。
隣にディートリヒ様がいらっしゃる。それは別に嫌ではないのです。
わたくしはこの方を嫌いではないのです。
「……俺は間違えていないだろうか」
突然の言葉。
そんなこと、わたくしにはわかりかねます。そもそも何を、なのかがわかりませんし。
「壊さないように大事にできているか。しかし……問うても答えはないがな、はは。王太子、ディートリヒという名は、重いなぁ」
ああ、ご自分への問いかけでしたのね。これは何も聞かなかったが一番良いのでしょう。
わたくしから何がです? なんて聞くことなんてありませんし。
それにしても、こんな言葉を。
わたくしの傍で零すなんて、ディートリヒ様はなんて、弱い。
そういうものは誰もいないところで零すものでしょう。
弱味、なのですから。
わたくしなら、言葉にする前にすべて心のうちに沈めてしまいますわ。
このまま眠っているふりを続けるとこれ以上の弱味を見せられそうです。
わたくしは少し動いて、そしてゆっくりと瞳を開けました。
「気持ちよさそうに寝ていたな。良い夢でもみたか?」
「……夢、なんて……それより、いつからそこにおいででしたの?」
さぁ、と笑われます。もちろんわたくしは知っていますけれど。あえてそう問いかけたのです。
起き上がりながら笑みを向ければ、ディートリヒ様は口端を上げ、大丈夫そうだなとわたくしに投げかけました。
「何が、です?」
「お前が塞いでいるとツェリから聞いてな」
「そんなことは、なくてよ?」
「持ち直しただけだろう?」
「……意地悪ですわ。気づいても、知っていてもそういうことは、言わないのが礼儀ですのに」
ディートリヒ様は悪いなと、そうは思っていない声色で言うのです。これもいつもの事ですが。
「何か言われたか?」
「わたくしのことを心配なさるのね」
「夫だからな」
「そうでしたわね……」
夫なら、当たり前のこと。
わたくしはただ、お二人にあなたとの子を楽しみにしてると言われただけですのよと告げました。
ディートリヒ様はそうかとただ頷いて、では薬を飲むのをやめろと仰ったのです。
薬。
それは月の物を止めるためのもの。それをわたくしはずっと口にしているのです。
「は? やめませんわ。わたくしは身籠るつもりはありませんもの」
「いつまでもこのままではいけないだろう」
「……一度、これについてはお話をしないといけませんわね」
わたくしは、引くつもりはありません。
ディートリヒ様もそれはわかっていらっしゃるのでしょう。何が嫌なのだと、わたくしに投げました。
「わたくしの子がディートリヒ様の次、王位継承権の二位になることです」
「俺の子だ。そうならなければおかしい」
「でしたら、側妃を召し上げてその方にお願いしてくださいまし」
その方の後でしたらよろしくてよと、わたくしは妥協点を告げます。
ディートリヒ様は、そんなことはしないとすぐに返しました。
わたくしたちは、この話については折り合いのつくところがないのです。
わたくしが折れるか、ディートリヒ様が折れるか。
わたくしはもちろん、折れるつもりはないのです。
いえ、荒れているというよりも凪いでいる。静かすぎて、気持ち悪いような。
暗雲立ち込め、いつ雨が降り始めるかというような、そんな心持ちでした。
こんなのでは何もできないとわたくしは部屋に引きこもることにしました。
ひとりにしてね、用事があれば呼ぶわとツェリにも犬達にもお願いし、部屋の灯りを緩めて、長椅子に身を横たえ瞳を伏せる。やわらかなクッションの感触に小さく笑みがこぼれました。
そこにあるのは静寂だけ。
無為に過ごす時間がわたくしの心を落ち着かせてゆくのです。
子を、と言われることの忌避感は簡単にぬぐえるものではなく。
王家に平民の血をいれる。そのなんと恐ろしい事。
わたくしは貴族のお父様の血と、平民のお母様の血とが流れています。お母様はお父様に身籠ったことを話さず姿を隠しました。しばらくして、見つかってしまいましたけれど。
その時には、お母様は体を壊していてわたくしの世話なんてできる状態ではなかったのです。
お義母様は、我が子らは大人となり、一人立ちし時間があったので引き取ったわたくしを育ててくださいました。育てる、ということを楽しんでらしたように思えます。
わたくしはお母様に、貴族の作法など最低限のことは教わっておりました。きっとお母様は、いつかわたくしが引き取られることを見越していたのでしょう。
お義母様とお母様は、主人と侍女ではあったものの仲は良かったと聞きましたし。
血は繋がらなくともお義母様はわたくしを嫌な顔をせず受け入れてくださいました。わたくしはお母様もお義母様も好きなのです。
けれどお母様は、わたくしが引き取られて安堵したのか、何かの糸がぷつりと切れてその後すぐに亡くなってしまいましたが。
そのお母様と、わたくしは約束しているのです。貴族、王家に対しわたくしの血を本流に残すようなことをしないと。それはとても恐ろしい事なのよと、わたくしは言い聞かせられたのです。
わたくしにとってそれは、幼いころのお母様の絶対の言いつけ。
成長して、お母様の言葉は絶対ではないのだと知る機会もありました。それは古風な考え方なのだと。
それでも、わたくしにとってお母様の言いつけを破ることは恐ろしいことに他ならないのです。
「側妃をとってくださればいいのに」
ディートリヒ様がわたくしを王太子妃にしたのは、わたくしにこの国で何かしらの思惑と関わるものがなかったから。
それからわたくしが愛情を求めない女で便利だったからだと知っています。どうぞ、お好きな方ができたらわたくしの事など気にせず側妃として迎えてあげてください。正妃としてのわずらわしいことは全て受けてさしあげますからと、わたくしは申し上げたのです。
その時にお前が一番難儀な女だなと仰られたのですが、どちらかというと便利な女ではないでしょうか。
だって、自分に寵がないことをよろしくてよと笑って、他の女の所に行くのを見送って差し上げるのですから。そして側妃の方は表に出ることもなく、ただ愛を囁かれていればいいだけになるのですよ。
その方がディートリヒ様に愛されたいだけの方でしたら、とても幸せな事になるのでしょうし。
わたくしはころりと体の向きを変え、クッションの一つをぎゅっと抱きしめました。
考えるのも億劫になって、いつの間にか微睡の中。うとうとして夢と現の間にいるのはとても穏やかなものでした。
このまま眠ってしまえるかしら、と。
そう思った頃、何か音がしたような気がして。けれど、瞼を持ち上げる気も起きません。
どうしようかしらと思う間に人が近づいてくる気配がありました。
この部屋に入れるのはひとりだけ。おそらくディートリヒ様でしょう。
「アーデルハイト……寝ているのか。珍しい」
ああ、やっぱりその声は、と思う。けれど覚醒する気が起きなくてわたくしは寝ているふりをすることにしました。
実際、意識ははっきりとしていないので反応せずにこのまま、眠ってしまえと思ったのです。
近くに来る気配、わたくしを覗きこんで、ふと笑われたような気がします。
「気を抜いているときは穏やかな顔をしているな」
俺の前ではそのような顔はしないくせに、とどこか拗ねたような声色。
ディートリヒ様はわたくしの傍らに座られたようで。余計、今すぐに起きるという事ができなくなってしまいました。
わたくしの頭がある、枕代わりのクッションの傍。
ぱらりと紙が捲られる音が聞こえるので書類でも読んでいるのでしょう。
どうすれば、良いのかしら。
しばらくじっとしていれば、この空気にも慣れてきて。
わたくしの意識はまた眠りに沈みかけていました。
そんな時に、するりと。
わたくしの頭を撫で、それから髪で遊び。
耳の縁をするりとなぞり、頬をたどり離れていったのは指先。
今のは、何なのでしょう。
何もなかったかのようにまた、紙を捲る音。
ディートリヒ様の気まぐれでしょうか、戯れでしょうか。
わたくしは深く考えるのをやめることにしました。
考えても答えは出ないでしょうから。
隣にディートリヒ様がいらっしゃる。それは別に嫌ではないのです。
わたくしはこの方を嫌いではないのです。
「……俺は間違えていないだろうか」
突然の言葉。
そんなこと、わたくしにはわかりかねます。そもそも何を、なのかがわかりませんし。
「壊さないように大事にできているか。しかし……問うても答えはないがな、はは。王太子、ディートリヒという名は、重いなぁ」
ああ、ご自分への問いかけでしたのね。これは何も聞かなかったが一番良いのでしょう。
わたくしから何がです? なんて聞くことなんてありませんし。
それにしても、こんな言葉を。
わたくしの傍で零すなんて、ディートリヒ様はなんて、弱い。
そういうものは誰もいないところで零すものでしょう。
弱味、なのですから。
わたくしなら、言葉にする前にすべて心のうちに沈めてしまいますわ。
このまま眠っているふりを続けるとこれ以上の弱味を見せられそうです。
わたくしは少し動いて、そしてゆっくりと瞳を開けました。
「気持ちよさそうに寝ていたな。良い夢でもみたか?」
「……夢、なんて……それより、いつからそこにおいででしたの?」
さぁ、と笑われます。もちろんわたくしは知っていますけれど。あえてそう問いかけたのです。
起き上がりながら笑みを向ければ、ディートリヒ様は口端を上げ、大丈夫そうだなとわたくしに投げかけました。
「何が、です?」
「お前が塞いでいるとツェリから聞いてな」
「そんなことは、なくてよ?」
「持ち直しただけだろう?」
「……意地悪ですわ。気づいても、知っていてもそういうことは、言わないのが礼儀ですのに」
ディートリヒ様は悪いなと、そうは思っていない声色で言うのです。これもいつもの事ですが。
「何か言われたか?」
「わたくしのことを心配なさるのね」
「夫だからな」
「そうでしたわね……」
夫なら、当たり前のこと。
わたくしはただ、お二人にあなたとの子を楽しみにしてると言われただけですのよと告げました。
ディートリヒ様はそうかとただ頷いて、では薬を飲むのをやめろと仰ったのです。
薬。
それは月の物を止めるためのもの。それをわたくしはずっと口にしているのです。
「は? やめませんわ。わたくしは身籠るつもりはありませんもの」
「いつまでもこのままではいけないだろう」
「……一度、これについてはお話をしないといけませんわね」
わたくしは、引くつもりはありません。
ディートリヒ様もそれはわかっていらっしゃるのでしょう。何が嫌なのだと、わたくしに投げました。
「わたくしの子がディートリヒ様の次、王位継承権の二位になることです」
「俺の子だ。そうならなければおかしい」
「でしたら、側妃を召し上げてその方にお願いしてくださいまし」
その方の後でしたらよろしくてよと、わたくしは妥協点を告げます。
ディートリヒ様は、そんなことはしないとすぐに返しました。
わたくしたちは、この話については折り合いのつくところがないのです。
わたくしが折れるか、ディートリヒ様が折れるか。
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