悪辣同士お似合いでしょう?

ナギ

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掌編

独占欲

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突然かきたくなるだけのいちゃこらえっち。
18歳未満の方は回れ右でお願いします。
それしかないのでそういうの別に言い方も回れ右でお願いします。











 二人きりになった途端、なんだあれはとリヒトが言う。
 あれは? とわたくしが聞き返せばちっと舌打ちをして、わたくしの左手を乱暴に掴みあげた。
「痛いのですけれど」
「わざとだ」
「そうですの。それで、なんだあれはとは、何ですの?」
 問えば、先程の事だと言う。
 先程? 先程何か、あったかしら。リヒトが怒る様な事はわたくしは何もしていないはずなのだけれど。
 そう思っていると、わかっていないのだなと呟く。
 ひやりと、背筋に嫌な物が走った。これは、何かお怒りなのだけれどわたくしは覚えのない事、というやつでは。
「わたくし、あなたの妃としてなにか問題のある事、いたしました?」
「俺の妃としては、問題ない。が、俺のアーデルハイトとしては大問題だ」
「仰ってる意味がよくわからないのですけれど」
「あんなに簡単に、さわらせるな」
 さわらせるな?
 え、それはもしかして、挨拶で手をとられた程度で、さわらせるな、なの?
「ええと……そんなことを申されましたら、わたくし誰からも挨拶を受けれませんけれど?」
「問題ない」
「あるでしょう……」
「手を取られて挨拶はいい。そのあと、ずっとあの大使が手を握っていたままだっただろう。いやらしく、指でその手の端を撫でてもいた」
「よく見てますのね」
 呆れるわ。わたくし、そんなことまったく思い至らなかったのですけれど。
 わたくしは何とも思っていなくても、リヒトにとってはそうではない。そういう事はまだ他にもある。
 どうしたら拗ねるのをやめてくれるかしら。
「もう、わたくしが……さわられて嬉しいのはあなただけよ。だからこれくらいで拗ねないで」
「拗ねてなど……だが、アーデルハイトは俺にさわられて嬉しいのだな?」
「ええ、そうね」
「そうか」
 あっ。
 今ものすごく、良い笑顔を浮かべた。浮かべてしまった。
 わたくし知ってるわ。この顔をする時は、わたくしはたいてい――抱き潰される。
 明日の予定は全部キャンセルね。さして急ぐものは無かったし……まぁ、良いかしら。
 そう思ってしまえるほどには、わたくしもリヒトを愛しているのだと思う。たまには好きにさせて……いえ、駄目よ。
 いつもこの、たまには好きにさせてあげてもで痛い目をみるのはわたくしだわ。
 しかしそう思っても、寝台に誘われて口付てしまえばぽろっと頭から零れ落ちてしまう――考えて、抵抗させてくれないほどに高められてしまうのだから。
 もう仕方ない、というか。受け入れるのがわたくしの愛情、ということにしておくのです。
 どちらともなく、と言う様に。服を脱がせ合って寝台に縺れ込む。
 舌を絡めあわせて、わたくしの口の端から唾液が零れた。それをリヒトが舐めとりながら乳房の先を指先で転がす。
 じわじわと広がる快感はやがて下腹をむず痒くさせてくる。そちらを触って欲しいのにそうしてくれなくて、身体のラインをなぞるばかり。
 その節くれだった指先で、秘裂の先を暴いて、触れて、かき回して欲しいのにそうしてくれないのは意地悪の内。
 直接的な快楽が欲しいと思ってしまう。
「ね、リヒト……お願い、さわって?」
「さわっているだろう?」
「……こっち」
 その手を掴んで触れて欲しい場所に導けば、仕方ないというように笑って触れてくれる。
 下着の上から秘裂をゆるゆるとなぞって少しずつそれが強くなる。
「もう濡れてるな。欲しいのか?」
「ん、いれてくれるの?」
「ねだってくれるならな」
 ほしいと、抱き着いて囁けばわたくしの下着を脱がせて片足を持ち上げる。
 大きく開かれて恥ずかしいと思うのは少しだけ。この人には全部見せているのだから、今更とも思う。
「このまま挿れたらキツそうだな」
 俺はそれでもいいがと笑いながらするりとわたくしの下腹を撫でていく。
 そして指が探るように掻き分けて、わたくしの内側を擦りあげる。指が増やされてきつくなるたびに声が上がって。
 ゆるゆるとしつこいほどに責め立てられるその場所はわたくしの良い所。
「あ、あああっ、リヒト、そこ、すきぃ」
「知ってる」
 きゅうきゅうと自然と締め付けてしまう。
 もっと強く、奥を穿って欲しい。そう思いながらリヒトを見上げると口端を上げて。
「んぁ、ああっ」
 一層強い刺激、今まで違う感覚に体が震える。隘路で指先を折り曲げて動かしてくる。
「や、やだっ、あんっ、ふぁ、あ」
「アーデルハイト」
「ひぁ、あ、あっ、りひと、りひと」
 頭が、おかしくなってしまいそう。快楽に追いやられてまともに考えられないけれど、気持ち良いのと、リヒトが好きだという気持ち。幸せなのはわかる。
 だからもっとそれが欲しくて、浸されたくて、感じたくて。
 指じゃもうだめ。リヒトの屹立で激しく突き上げてわけがわからなくして欲しい。
 わたくしの中で気持ち良くなって、幸せになってほしい。そんな、欲張りなことを思ってしまう。
「欲しいと、強請れ」
「やぁ、はずかしっ」
「恥ずかしくない。強請れ」
 笑い含んだ声を耳元に落とされる。
 じわじわと弄られるだけ。びくびくと身体は震えるばかり。くちゅくちゅと、卑猥な水音だけがよく聞こえる。
 わたくしの意識をとろとろに溶かして、抵抗させてなんてくれない。
「あっ、りひと、ちょうだい、なか、きて」
「ああ」
「ん……っ、あ、あ」
 わたくしの秘唇に熱があたる。硬いものがそこを擦って、そして隘路を押しひらく。
 ゆっくり、それはわたくしを暴いて、わたくしのうちにいることを主張する。
「ひぁ、りひと、大き……」
「お前を愛でるのに昂らずにいられるか」
 笑って、身を寄せて口付けて。身体をくっつけて融けあえそう。
 汗ばむ肌が熱いのに冷たい。
 リヒトが近くなった分、その肉杭は深くなる。
 奥を突き上げられて、わたくしの声は声にならない。声になる前に、また快楽に追いやられてしまうから。
「お前の中はいつも熱くて気持ちいい」
「ほん、と? あ、ぁ、ふっ」
「思いのままに突き上げてやりたくなるな。そんなにうっとりされると」
 その言葉に、下腹がきゅうと一層の熱を帯びるような感覚。そこだけ、わたくしのものでないような、違和感と共にある快感。
 思いのままに突き上げられたら、わたくしはきっと正気を保てない。
 名前を、耳元で囁かれるとなにもかもどうでもよくなる。
 自然と流れた涙で視界は歪んでいた。
「アーデルハイト、どうされたい?」
「ひゃ、わ、わかってる、くせに!」
 意識がもたない。くらくらする、ふわふわする。
 頭の中が弾けそうな、そんな感覚がくるのに達させてくれない。
 力の入らない足をどうにか動かして、わたくしはリヒトの腰に絡ませる。
「積極的だな」
「だって、もっと、ほしい」
 仕方ないと笑って。ええ、とても、ひどく、いじわるな。そんな笑顔で。
 わたくしの腰を掴むとリヒトは突き上げてくる。
 それが心地よくて、自分でどうにもできないようなものであって。好きにされてるという実感。
 その顔を見れば情欲に塗れた雄の顔をしている。今、この人はわたくしだけのものなのだと思えて、ひどい喜びが込み上げてくる。
 この人はわたくしのもので、わたくしもこの人のもの。
 それはとても、喜ばしい。
 最奥を何度も突かれその度に意識が飛びそうになる。なんとかこらえているのに、こらえなくて良いのだと言う様に責めたてられる。
 視界が真っ白に染まって、身体がびくびくと震える。膣は収斂してリヒト自身の熱を、その存在を一層わたくしに感じさせてくる。
 力が抜けて、視界も溶けていくのに耳元でまだだと恐ろしく甘い響きがあった。
「まだ俺は満たされていない」
「あ……」
「あ?」
 あいしてるわと紡ごうとしたのに声にならなくて口付でふさがれた。
 先程よりも強く腰を抱かれ熱を感じるばかり。声も枯れそうになるほど喘がされる中でリヒトがその顔歪めるのが見えた。
 あ、と思った時にはわたくしの中で爆ぜる熱がある。
 この人を受け止めていると思えるそれは、わたくしにとっては幸せなもの。
 そのまま身を引かず、わたくしを抱きしめて口付をして、まだ求めようとしてくれている。その動きにわたくしはまた声を零すばかり。
 ふと視線が合えば、リヒトは意地悪するように笑ってみせて。
「いつもより近いな」
「な、にが?」
「子宮。降りてきている、孕む気だな、お前は」
 恥ずかしげもなく、何を言うのと昔なら思ったのでしょうけれど。
 今はそうねと笑うようになってしまった。
 あなたとの子はいくらだって欲しいわ。でもわたくしの身体にも限界はあるのだから、そこは上手にしなきゃいけない所だとは思う。
「リヒト、ね、もう一度」
「いいのか?」
「ええ、したいわ」
 甘えるようにわたくしから強請る事なんてあまりない。
 リヒトは嬉しそうにその表情蕩かせて、ああと頷いてくれた。
 きっと一度では終わらないというのはわかっているのだけれど、わたくしはこの人に甘い。
 甘いのだから、好きにされるしかないのです。困った――いえ、幸せなことに。






\(^ω^)/いつもの!
なんかストレス値がたまるとこういうものかきはじめるんですよね。
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