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鳥籠編【塩期間編】(読まなくても問題ありません)
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アーデルハイトが国を発ったと連絡を受ける。ああ、もうすぐかと他人事のように思えてしまう。
結婚など、煩わしいものだと思っていた。
何のしがらみもない相手など国内にはいない。自分の娘をと勧められるのにも辟易していた。
その中で見つけた女は、問題はあるものの俺にとっては都合が良かった。
俺の傍らに数日後には立つ。そうなれば何か、変わるだろうか。少なくとも、周囲は浮足立つだろう。
城内は女主人が増えることをどうみているのかといえば、期待もあれば不安もありといったところか。
どんな女が来るのかと興味もある様子。
そして、その日がくる。
街中は一段と立派な馬車が走るのを見て、沿道から人々が手を振っているらしい。
それなら、正面で迎えるのは俺の仕事か。
もうすぐ到着するというのを聞いて、迎えに出る。それから、侍従に陛下達のもとへ連絡をと告げた。
今は夕方近く。旅の疲れもあるだろうが、挨拶は必要だろうし、それをするのは俺の仕事なのだから。
遠くから馬車が城門を通り入ってくる。そして、馬車から降りてきた女は疲れた顔をしつつも、綺麗に笑って見せた。
「まぁ、わざわざお迎えくださったのですね」
「ああ、妻となる者を迎えずにどうする」
にこやかに笑い合って、手を差し出されたのだからそれをとり口付る。
「疲れただろうが、これから付き合ってくれ」
「ええ、ディートリヒ様のお願いとあれば」
こちらへとエスコートする。
初めての城は珍しいのだろう。微かに視線は動いて周囲を探っていた。
が、どこに向かうかまでは見当もつかないだろう。
「……どちらに向かわれているのです?」
「秘密だ」
そう答えると、アーデルハイトは少しだけ眉根を寄せて見せた。
何か嫌な予感がするとでも思っているのだろう。
「あとでお前の部屋にも案内しよう。一日しか使わないがな」
「一日?」
「明日には式だからな。そうなれば私と一緒の部屋だ」
「明日? 式は、明日でしたの?」
「ああ。言ってなかったか?」
言っていないわと小さな声で返しつつも、笑顔だ。
それは周囲からの視線を受けてのものだろう。気になったのだろう、貴族達がこちらの様子を窺っている。
絵姿は出回っていたが、本当に絵のままの姿なのかを見に来たと言うところだろう。
しかし、それらの視線もすぐになくなる。貴族達の立ち入り禁止区域に入ったからだ。
そしてある部屋の前で止まり、ここだと告げる。
「ねぇ、この先にはどちらさまがいらっしゃいますの?」
「陛下達だ。公式なものではなく、先の顔合わせ程度だが」
気を抜くなよと笑いかければ、ああやっぱりというような顔を一瞬浮かべ。
問題ないとアーデルハイトは気丈に笑って見せた。
それでこそ俺が選んだ女というものだろう。
訪いを告げ、部屋へと足を踏み入れる。公式なものではないが、それでも緊張はするだろう。
「遅くなりました。やっとお二人に紹介できます。明日、私の妃になるアーデルハイトです」
「お初にお目にかかります。アーデルハイトと申します」
そつなく挨拶をこなし。陛下達と和やかに挨拶を行い、明日の事もあるだろうと気を使われ退室。
すると明らかにほっとしたような顔をする。
「お前でも緊張したのか?」
「大国の陛下に失礼があってはなりませんので」
「大国の王太子には失礼ばかりだがな」
「ディートリヒ様には、よろしいのよ。だって夫になるのでしょう?」
「そうだったな」
夫になる相手がそれくらい許容してくださらないと、とアーデルハイトは笑う。
ああ、そういうところは相変わらずなのだな。しばし会わなかったが変わっていない。
マリッジブルーとやらもまったく無さそうだ。
「お前の犬達とも会わせてやろう」
「あら、気が利きますのね」
近くの者に呼んでくるように言いつける。場所はアーデルハイトが今日使う部屋で良いだろう。
一番上等な客室に案内すればすぐさま茶の用意が成される。
「旅は疲れたか?」
「疲れない旅などありませんわ。ずっと座っているだけでしたし、身体ががちがちですのよ」
そう言いながらも元気な様子だ。
茶を飲み、少し菓子を食べと初めての場所ではないような振る舞い。その所作のひとつひとつは誰も文句のつけようがないだろう。
しばらくして、連れてきたと声をかけられる。部屋に入れと三人を通した瞬間、アーデルハイトは嬉しそうに笑みを零していた。
そしてアーデルハイトは俺を見る。それは話しても良いのかと、そういう確認だろう。
好きにしろと頷いてやれば三人の名を呼んでいる。
「元気だったのは知っていたけれど、男っぷりがあがったのではない? わたくしと離れている間、悪い事はしなかったのね」
「アーデのために頑張っていた。多少は地固めはできている」
「そうそう、俺達も頑張ったよ」
「ほどほどに」
親しげに話をして、明日は一番近くで守ると言っている。
そういえば近衛に配し、実力など何も問題なかったのでアーデルハイト付きにするのだったか。
明日の事もあると話もそこそに三人は辞し、残ったのは俺とアーデルハイトの二人だ。
「……ディートリヒ様もお仕事があるのでしたら、わたくしの事など気にせずどうぞ部屋をでてくださってよろしいのですよ?」
「強く望んで嫁にとる女が来たと言うのに、すぐさま別れてははてと思われるだろう」
「まぁ。わたくしの事を口実にさぼってらっしゃるのね」
「そもそも仕事はすでに終わらせている。お前を迎えるためにな」
ああ言えばこう言うとでも思っているのだろう。
アーデルハイトはそうですのと零し、わたくしは一人になりたいのですがと言い始める。
「何故だ? 俺といるのは嫌か?」
「わたくしは疲れているのです。それにこれ以上、ディートリヒ様とお話していると腹が立って余計疲れそうなのですもの」
「それはお前に余裕がないからだろう」
「ではあなたは、女性に対して思いやりがないのです。余裕がないように見えるのでしたら、優しくしてくださる?」
「そう言われると困るな。切り返しが上手くなってきた」
「ディートリヒ様に鍛えられてしまいましたもの」
わかりましたら早く出て行ってくださると部屋を追い出される。
まぁ、別にかまわないのだが。侍女達にアーデルハイトの世話をするように申し付けた。
旅で身体がどうこうといっていたのだから、マッサージでもしてもらえばいい。
急ぎ足で来た式はもう明日だ。嫌だとあがいてもどうにもならないところまできているのはわかっているのだろう。
明日はどんな悪態をついてみせるのかそれが少し楽しみでもあった。
結婚など、煩わしいものだと思っていた。
何のしがらみもない相手など国内にはいない。自分の娘をと勧められるのにも辟易していた。
その中で見つけた女は、問題はあるものの俺にとっては都合が良かった。
俺の傍らに数日後には立つ。そうなれば何か、変わるだろうか。少なくとも、周囲は浮足立つだろう。
城内は女主人が増えることをどうみているのかといえば、期待もあれば不安もありといったところか。
どんな女が来るのかと興味もある様子。
そして、その日がくる。
街中は一段と立派な馬車が走るのを見て、沿道から人々が手を振っているらしい。
それなら、正面で迎えるのは俺の仕事か。
もうすぐ到着するというのを聞いて、迎えに出る。それから、侍従に陛下達のもとへ連絡をと告げた。
今は夕方近く。旅の疲れもあるだろうが、挨拶は必要だろうし、それをするのは俺の仕事なのだから。
遠くから馬車が城門を通り入ってくる。そして、馬車から降りてきた女は疲れた顔をしつつも、綺麗に笑って見せた。
「まぁ、わざわざお迎えくださったのですね」
「ああ、妻となる者を迎えずにどうする」
にこやかに笑い合って、手を差し出されたのだからそれをとり口付る。
「疲れただろうが、これから付き合ってくれ」
「ええ、ディートリヒ様のお願いとあれば」
こちらへとエスコートする。
初めての城は珍しいのだろう。微かに視線は動いて周囲を探っていた。
が、どこに向かうかまでは見当もつかないだろう。
「……どちらに向かわれているのです?」
「秘密だ」
そう答えると、アーデルハイトは少しだけ眉根を寄せて見せた。
何か嫌な予感がするとでも思っているのだろう。
「あとでお前の部屋にも案内しよう。一日しか使わないがな」
「一日?」
「明日には式だからな。そうなれば私と一緒の部屋だ」
「明日? 式は、明日でしたの?」
「ああ。言ってなかったか?」
言っていないわと小さな声で返しつつも、笑顔だ。
それは周囲からの視線を受けてのものだろう。気になったのだろう、貴族達がこちらの様子を窺っている。
絵姿は出回っていたが、本当に絵のままの姿なのかを見に来たと言うところだろう。
しかし、それらの視線もすぐになくなる。貴族達の立ち入り禁止区域に入ったからだ。
そしてある部屋の前で止まり、ここだと告げる。
「ねぇ、この先にはどちらさまがいらっしゃいますの?」
「陛下達だ。公式なものではなく、先の顔合わせ程度だが」
気を抜くなよと笑いかければ、ああやっぱりというような顔を一瞬浮かべ。
問題ないとアーデルハイトは気丈に笑って見せた。
それでこそ俺が選んだ女というものだろう。
訪いを告げ、部屋へと足を踏み入れる。公式なものではないが、それでも緊張はするだろう。
「遅くなりました。やっとお二人に紹介できます。明日、私の妃になるアーデルハイトです」
「お初にお目にかかります。アーデルハイトと申します」
そつなく挨拶をこなし。陛下達と和やかに挨拶を行い、明日の事もあるだろうと気を使われ退室。
すると明らかにほっとしたような顔をする。
「お前でも緊張したのか?」
「大国の陛下に失礼があってはなりませんので」
「大国の王太子には失礼ばかりだがな」
「ディートリヒ様には、よろしいのよ。だって夫になるのでしょう?」
「そうだったな」
夫になる相手がそれくらい許容してくださらないと、とアーデルハイトは笑う。
ああ、そういうところは相変わらずなのだな。しばし会わなかったが変わっていない。
マリッジブルーとやらもまったく無さそうだ。
「お前の犬達とも会わせてやろう」
「あら、気が利きますのね」
近くの者に呼んでくるように言いつける。場所はアーデルハイトが今日使う部屋で良いだろう。
一番上等な客室に案内すればすぐさま茶の用意が成される。
「旅は疲れたか?」
「疲れない旅などありませんわ。ずっと座っているだけでしたし、身体ががちがちですのよ」
そう言いながらも元気な様子だ。
茶を飲み、少し菓子を食べと初めての場所ではないような振る舞い。その所作のひとつひとつは誰も文句のつけようがないだろう。
しばらくして、連れてきたと声をかけられる。部屋に入れと三人を通した瞬間、アーデルハイトは嬉しそうに笑みを零していた。
そしてアーデルハイトは俺を見る。それは話しても良いのかと、そういう確認だろう。
好きにしろと頷いてやれば三人の名を呼んでいる。
「元気だったのは知っていたけれど、男っぷりがあがったのではない? わたくしと離れている間、悪い事はしなかったのね」
「アーデのために頑張っていた。多少は地固めはできている」
「そうそう、俺達も頑張ったよ」
「ほどほどに」
親しげに話をして、明日は一番近くで守ると言っている。
そういえば近衛に配し、実力など何も問題なかったのでアーデルハイト付きにするのだったか。
明日の事もあると話もそこそに三人は辞し、残ったのは俺とアーデルハイトの二人だ。
「……ディートリヒ様もお仕事があるのでしたら、わたくしの事など気にせずどうぞ部屋をでてくださってよろしいのですよ?」
「強く望んで嫁にとる女が来たと言うのに、すぐさま別れてははてと思われるだろう」
「まぁ。わたくしの事を口実にさぼってらっしゃるのね」
「そもそも仕事はすでに終わらせている。お前を迎えるためにな」
ああ言えばこう言うとでも思っているのだろう。
アーデルハイトはそうですのと零し、わたくしは一人になりたいのですがと言い始める。
「何故だ? 俺といるのは嫌か?」
「わたくしは疲れているのです。それにこれ以上、ディートリヒ様とお話していると腹が立って余計疲れそうなのですもの」
「それはお前に余裕がないからだろう」
「ではあなたは、女性に対して思いやりがないのです。余裕がないように見えるのでしたら、優しくしてくださる?」
「そう言われると困るな。切り返しが上手くなってきた」
「ディートリヒ様に鍛えられてしまいましたもの」
わかりましたら早く出て行ってくださると部屋を追い出される。
まぁ、別にかまわないのだが。侍女達にアーデルハイトの世話をするように申し付けた。
旅で身体がどうこうといっていたのだから、マッサージでもしてもらえばいい。
急ぎ足で来た式はもう明日だ。嫌だとあがいてもどうにもならないところまできているのはわかっているのだろう。
明日はどんな悪態をついてみせるのかそれが少し楽しみでもあった。
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