217 / 243
与太話
ちょっと不安でもあって
しおりを挟む
本当にくだらない与太話
なんというか、私たちは。
婚約して、それから結構時間もたって、結婚の日取りをそろそろきめようか、という段階ではあるのだけど。
実は。
キスより先をしてない。
いや、本当に。
うん。
この前ジゼルちゃんとお茶をした時に、その……結婚前だけどもう、初体験しちゃったという話を聞いて。
えっ、本当に? ベルこの野郎手が早いなちょっと、ほんと、ベル許さない! と思ったのは私。
でもその話を聞いてからじわじわと、そう、その。
あれって、気付いてしまった。
だって、キスは、するけど。
その時もテオはしれーっとしてるから。まったく表情がかわらないってわけじゃ、ないのよ?
嬉しそうな顔はするのよ?
でも本当に、キスしたね、幸せ。
そこで終わってその先が、ない、というか。べっ、べつにえええええ、えっちしたいわ、わけじゃないのよ?
そうじゃないのよ?
生まれる前の、記憶があるからそれがどういうものかもわかってる。
わかってるんだけど、テオそういう欲がなさそうすぎて!
私はそういう対象としてちゃんと見られているんだろうか、と思ってしまう。
だ、だって胸もあんまり育たなごにょごにょ。
そんなこんなで、数日ほどもだもだしている。それをテオも気付いているんだけど聞いてこない。
聞いてきてよ!
そしたらばーっと勢いで言いきっちゃえるかもしれないじゃない!
私は求められても、みたいと思っちゃってるんだから。
で、そんな気持ちの表れで、テオにつんつんしてしまっている。
おはようと言われて、おはよとさっと返すだけ。
話していて、なんだかこうちょっと、顔近くなってキスするかなーってなってもふいっと逃げたり。
うわああああ、私子供みたいー! 自分で自分に呆れてる。
呆れてるの!
そして、テオの方がどういうことなのって、言ってきた!
「なんで俺から逃げてるの? 何かした? 心当たりがないから言ってくれるとどうにかしやすいんだけど」
「えっ、あのっ、テオは、別に何も……」
「じゃあなんで? 俺の事嫌いになった?」
「なってない!」
そこは全力で否定しとく。
だ、だって。だってぇ。
これ、好きすぎてみたいなそういう感じ、だし。うっわ、恥ずかしい!
「最近そわそわしてたのが俺を避けるようになったのと関係ある?」
「うっ、あ……あります……」
そして、私は勘弁して。
思ってたことを吐きだした。
「え、キスだけじゃ不満ってこと?」
「ぎゃー! そんな、そんなことっ」
「そんなこと?」
「いっ、言わせないでよー! やだー!」
「俺だって言われないとわかんないことはあるよ、レティ」
むっとした声で言われて、私は黙る。
うう、何よテオのくせに。
「ちゃ、ちゃんと好かれてるか私も不安になるの!」
「なんで? 俺はちゃんと好きだって言ってるし態度でも示してるよ」
「わ、わかってるわよ! でも、でもその」
キスだけで満足、はして、してるけど。してるけどもっと、ちょっと、こう。
切羽詰まってるとこがみてみたうわあああああああ私なに思ってるのうわあああああああ!!!
「……レティ」
「うう、なによぉ……テオのばかばかばか」
「何か思う事あるとすぐにばかっていうよね。本当にばかなのはレティだよ」
「な、なんでー」
テオは、はぁとため息つく。なにその溜息!
「……俺の方こそ、我慢してるんだけど」
「は?」
「……ここ、どこ?」
「わたしのいえ」
「そう。俺は居候みたいな、もので……その」
やったらばれるだろ、と。
テオは目線を外しながら言った。
やったらばれる? なにが?
え?
と、思ってるうちに色々理解して。
わーっと、私の頭の中は沸騰する。
「わかった?」
「あっ、はい」
そう、ばれる。
お父様とお母様に、ばれる。
そ、そういえばジゼルちゃんも、ベルと遠出してそれでみたいな話だったわ。
そ、そう。そうね、そうね。
ばれる、わね。ばれる。はずかしい。ばれるはずかしい。
「皆に生暖かい目で見られていいなら、俺はいつでも」
「ぎゃー! だめ!」
「でも、レティもキスより先したいんだよね?」
「えっ」
「したいんだよね?」
「……う、うん」
「よし、じゃあ。旅行しよう、旅行」
ということで。
あれよあれよという間にテオは準備を整えてしまい。
出発の時にはお母様に、任せておけば大丈夫よとそっと耳打ちされてごふっとなったのは、わたしです!!
だいたいこういうのお見通し案件。
婚前旅行といえば! みたいな流れ。
テオからしたら、本当にレティ、何いってんのだったわけです。
レティはひえええええうわああああああなんですけど。
なんというか、私たちは。
婚約して、それから結構時間もたって、結婚の日取りをそろそろきめようか、という段階ではあるのだけど。
実は。
キスより先をしてない。
いや、本当に。
うん。
この前ジゼルちゃんとお茶をした時に、その……結婚前だけどもう、初体験しちゃったという話を聞いて。
えっ、本当に? ベルこの野郎手が早いなちょっと、ほんと、ベル許さない! と思ったのは私。
でもその話を聞いてからじわじわと、そう、その。
あれって、気付いてしまった。
だって、キスは、するけど。
その時もテオはしれーっとしてるから。まったく表情がかわらないってわけじゃ、ないのよ?
嬉しそうな顔はするのよ?
でも本当に、キスしたね、幸せ。
そこで終わってその先が、ない、というか。べっ、べつにえええええ、えっちしたいわ、わけじゃないのよ?
そうじゃないのよ?
生まれる前の、記憶があるからそれがどういうものかもわかってる。
わかってるんだけど、テオそういう欲がなさそうすぎて!
私はそういう対象としてちゃんと見られているんだろうか、と思ってしまう。
だ、だって胸もあんまり育たなごにょごにょ。
そんなこんなで、数日ほどもだもだしている。それをテオも気付いているんだけど聞いてこない。
聞いてきてよ!
そしたらばーっと勢いで言いきっちゃえるかもしれないじゃない!
私は求められても、みたいと思っちゃってるんだから。
で、そんな気持ちの表れで、テオにつんつんしてしまっている。
おはようと言われて、おはよとさっと返すだけ。
話していて、なんだかこうちょっと、顔近くなってキスするかなーってなってもふいっと逃げたり。
うわああああ、私子供みたいー! 自分で自分に呆れてる。
呆れてるの!
そして、テオの方がどういうことなのって、言ってきた!
「なんで俺から逃げてるの? 何かした? 心当たりがないから言ってくれるとどうにかしやすいんだけど」
「えっ、あのっ、テオは、別に何も……」
「じゃあなんで? 俺の事嫌いになった?」
「なってない!」
そこは全力で否定しとく。
だ、だって。だってぇ。
これ、好きすぎてみたいなそういう感じ、だし。うっわ、恥ずかしい!
「最近そわそわしてたのが俺を避けるようになったのと関係ある?」
「うっ、あ……あります……」
そして、私は勘弁して。
思ってたことを吐きだした。
「え、キスだけじゃ不満ってこと?」
「ぎゃー! そんな、そんなことっ」
「そんなこと?」
「いっ、言わせないでよー! やだー!」
「俺だって言われないとわかんないことはあるよ、レティ」
むっとした声で言われて、私は黙る。
うう、何よテオのくせに。
「ちゃ、ちゃんと好かれてるか私も不安になるの!」
「なんで? 俺はちゃんと好きだって言ってるし態度でも示してるよ」
「わ、わかってるわよ! でも、でもその」
キスだけで満足、はして、してるけど。してるけどもっと、ちょっと、こう。
切羽詰まってるとこがみてみたうわあああああああ私なに思ってるのうわあああああああ!!!
「……レティ」
「うう、なによぉ……テオのばかばかばか」
「何か思う事あるとすぐにばかっていうよね。本当にばかなのはレティだよ」
「な、なんでー」
テオは、はぁとため息つく。なにその溜息!
「……俺の方こそ、我慢してるんだけど」
「は?」
「……ここ、どこ?」
「わたしのいえ」
「そう。俺は居候みたいな、もので……その」
やったらばれるだろ、と。
テオは目線を外しながら言った。
やったらばれる? なにが?
え?
と、思ってるうちに色々理解して。
わーっと、私の頭の中は沸騰する。
「わかった?」
「あっ、はい」
そう、ばれる。
お父様とお母様に、ばれる。
そ、そういえばジゼルちゃんも、ベルと遠出してそれでみたいな話だったわ。
そ、そう。そうね、そうね。
ばれる、わね。ばれる。はずかしい。ばれるはずかしい。
「皆に生暖かい目で見られていいなら、俺はいつでも」
「ぎゃー! だめ!」
「でも、レティもキスより先したいんだよね?」
「えっ」
「したいんだよね?」
「……う、うん」
「よし、じゃあ。旅行しよう、旅行」
ということで。
あれよあれよという間にテオは準備を整えてしまい。
出発の時にはお母様に、任せておけば大丈夫よとそっと耳打ちされてごふっとなったのは、わたしです!!
だいたいこういうのお見通し案件。
婚前旅行といえば! みたいな流れ。
テオからしたら、本当にレティ、何いってんのだったわけです。
レティはひえええええうわああああああなんですけど。
10
お気に入りに追加
3,165
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも、私男性恐怖症なんですけど…。
三木猫
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公の美鈴。どうせ転生するなら悪役令嬢とかライバルに転生したかったのにっ!!男性が怖い私に乙女ゲームの世界、しかもヒロインってどう言う事よっ!?
テンプレ設定から始まる美鈴のヒロイン人生。どうなることやら…?
※本編ストーリー、他キャラルート共に全て完結致しました。
本作を読むにあたり、まず本編をお読みの上で小話をお読み下さい。小話はあくまで日常話なので読まずとも支障はありません。お暇な時にどうぞ。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる