182 / 243
第五章
ジゼルちゃんからのお小言
しおりを挟む
勝手をした分はあれそれ償わないといけないという事で。
お兄様はお父様にずーっとついて回ることをしばらく義務付けられたとか。
しばらくデジレ様の所にいくのも禁止らしいけど。お兄様は余裕で夜、抜け出してますよお父様。
告げ口しないけど!
そんな黙っててあげてる兄想いの私はというと、お母様と楽しいマナーのお勉強です。
楽しいマナー教室です。
嘘です、全然楽しくありません。
というか! 今更! って本当に思ったんだけど、お辞儀の角度とかミリ単位で言われて。
ええええ、ここまで誰もしませんよね!? っていう!!
顎の角度、とか指先は、とか。そこまで見られるとは思ってなかった。
そしてどうにかこうにか、お母様から及第点を頂くことができたので、ジゼルちゃんとの面会が許された。
及第点を貰うまで? 一週間かかりました……ほんと、お母様スパルタ、ウッ。
という涙の一週間の話はまた別として。
ジ、ジゼルちゃんー!!
我が家に遊びに来てくれたジゼルちゃんは、私をみるなりまずぎゅっと抱きしめてくれた。
私も久しぶりのジゼルちゃんー! と抱き締めかえす。あっ、お胸の感触久しぶり!
「もう、レティ! 心配したのよ!」
「無事に帰ってきました! あ、お土産あるのよ」
「レティ……いえ、あなたから手紙が来て無事なことに喜んで開いたら……あなたのお父様宛のもので、絶句しましたのよ」
「私もそれを帰ってきてから知って、世界が終わったと、思ったのよ……」
ちなみに。
手紙を間違えたのはお兄様のせいだ。お兄様が私がよそ見してる間に手紙をみて、置き場所をすっと逆にした。ような、記憶があるとか言ったので。
ちょ、え、お兄様のせいか! と思ったけど私も確認しなかったし。でも九割方お兄様が悪い。
「何にせよ、無事で良かったわ。本当に……心配したんだから」
「え、ちょっ、ジゼルちゃん!?」
「ごめんなさい、安心したら……涙が」
ぼろっと零れ落ちた大粒。ジゼルちゃんは本当に私を心配してくれてた。
ごめんね、それからありがとう。そんな気持ちでいっぱい。
ジゼルちゃんが泣き止んで、それから私は何があったのかを話した。ガブさんをお助けして式典までは、色んな話が出回ってるらしい。
何が正しいか、とか色々尾ひれもついているらしく。
「殿下とデジレ様に呼ばれて、お話は聞きましたが……レティ、色々とごまかし切れないことをしてしまったようですよ」
「え?」
「まず今の自分の立場をわかってます?」
立場? なにそれ、と私は首を傾げる。
するとジゼルちゃんはばしばしと瞬いて、わかってないのねと冷えるような声を落とした。
そしていいですか、と私を座らせ、そして自分は対面に座り。目の前にあるテーブルをぺしぺしと叩いた。
「まず、レティとトリスタン様が行った転移。これが大問題です」
「あっ、はい」
「膨大な魔力は必要になりますが、仕込みがあればここからファンテールまでいけるのです。その魔術的価値、商業的価値はわかってますか?」
「えーっと、なんとなく。便利になるなぁ、くらいで」
「もう! 確かに便利に、というのはあります。けれどそれを、補助があったとしても行えるものは少ない……というより、あなたとトリスタン様だけなのです」
「そうなの?」
「ええ。再びできるかどうかは……できます? できません?」
できると思うけど、と私の声は小さくなる。だってジゼルちゃんの勢い怖いー!
私の答えに、それは絶対に誰にも言ってはいけませんよと言って話続ける。
「いいですか。トリスタン様はわかっておられるようですが、レティはまったくわかって無いようなので私のいう事をちゃんと聞いて理解してくださいね」
「はい」
「あなた達にはファンテール王族を助けたという名誉という価値。それから、長距離転移という魔術的な可能性の価値、それを実現する魔力量という価値があるのです。他にもありますが特にこの三つは重いのです。あちらでの治癒は奇跡、ということで……それを行おうと思うものはそんなにいませんがゼロではありません。貴方の魔術知識、魔力などを欲しいと、よこしまなことを考える貴族はいるんですよ」
「あ……」
「今、こうして御家で謹慎のようなことになっているのも、そういった事から守る為です。トリスタン様は、すでにデジレ様とのことが決まっていることを皆様ご存じですから手は出せません」
すると、手が出せるのはとジゼルちゃんは私を見る。
「手が出しやすいのは、私ってこと?」
「ええ、そうです。勝手に街にふらーっと一人で遊びに行って捕まって。そのまま既成事実でなんてことにならないように守られているの、わかりました?」
「……とってもよく、わかりました」
ジゼルちゃんに言われて、気付くことがたくさんある。
私はここに帰ってきたら今まで通りだと思ってた。思ってたけど、実際はそうじゃない。
それにまったく気付いてなくて、お母様のマナーやだーとか思ってそろそろ抜け出そうかなと。実はちょっと思ってた!
でも、うん。これ聞くとそれはできなくなってしまった。
「夜会でも、公爵夫妻はお嬢様はと問いかけられるばかりですよ。それから縁談もたくさん送られているはずです。茶会の誘いやレティに会いたいというのもあると思いますが」
「えっ、それはまったく知らないかも!」
「……ということは、公爵様がすべてお断りしているのだと思います。だって、レティは私への手紙にテオ君との事書いてたでしょう?」
「書いたわね……」
つまりはその気持ちを、お父様が組んでくれているってことだと思う。
お、お父様ー! ありがとう、お父様ー!
「何にせよ、少し落ち着くまではレティは学園にも来ない方が良いでしょうし、街を一人で歩いたりしない。変な誘いには乗らない、いいです?」
「はい!」
それ、お返事だけにしないでくださいねとジゼルちゃんは言う。
う、うん。気を付ける。ジゼルちゃん本当に私をよくわかってるぅ。
こくこくと頷く私をみて、ジゼルちゃんはふわりと表情緩めた。
「それじゃあ、お話聞かせてくださいな。テオ君と何か進展ありました?」
「えっ、そこ!?」
「これ以外に何を聞くというのか……式典の後のお話をしてくださいな」
ジゼルちゃんはわくわくといった風で。
私はファンテールの民族衣装着せてもらったとか、テオの友達に会った事とか。
それから海辺の街で一緒に過ごしたり、プレゼント貰った事を話した。
どんなのを、と問われたので見せてあげたらテオ君なかなかやりますねとジゼルちゃんは零す。
ベルはこういうの、気が利かないのよね。あとセンスがいまいちと。
ベ、ベルー! がんばってベルー!
で、私はジゼルちゃんにお土産を渡した。パールの髪飾り!
ジゼルちゃんは好きなデザイン、ありがとうと笑って受け取ってくれた。
久しぶりに会ってお話して、それはとっても楽しい時間で。
ジゼルちゃんはそのまま我が家にお泊りして、夜も遅くまで二人で話をした。
お兄様はお父様にずーっとついて回ることをしばらく義務付けられたとか。
しばらくデジレ様の所にいくのも禁止らしいけど。お兄様は余裕で夜、抜け出してますよお父様。
告げ口しないけど!
そんな黙っててあげてる兄想いの私はというと、お母様と楽しいマナーのお勉強です。
楽しいマナー教室です。
嘘です、全然楽しくありません。
というか! 今更! って本当に思ったんだけど、お辞儀の角度とかミリ単位で言われて。
ええええ、ここまで誰もしませんよね!? っていう!!
顎の角度、とか指先は、とか。そこまで見られるとは思ってなかった。
そしてどうにかこうにか、お母様から及第点を頂くことができたので、ジゼルちゃんとの面会が許された。
及第点を貰うまで? 一週間かかりました……ほんと、お母様スパルタ、ウッ。
という涙の一週間の話はまた別として。
ジ、ジゼルちゃんー!!
我が家に遊びに来てくれたジゼルちゃんは、私をみるなりまずぎゅっと抱きしめてくれた。
私も久しぶりのジゼルちゃんー! と抱き締めかえす。あっ、お胸の感触久しぶり!
「もう、レティ! 心配したのよ!」
「無事に帰ってきました! あ、お土産あるのよ」
「レティ……いえ、あなたから手紙が来て無事なことに喜んで開いたら……あなたのお父様宛のもので、絶句しましたのよ」
「私もそれを帰ってきてから知って、世界が終わったと、思ったのよ……」
ちなみに。
手紙を間違えたのはお兄様のせいだ。お兄様が私がよそ見してる間に手紙をみて、置き場所をすっと逆にした。ような、記憶があるとか言ったので。
ちょ、え、お兄様のせいか! と思ったけど私も確認しなかったし。でも九割方お兄様が悪い。
「何にせよ、無事で良かったわ。本当に……心配したんだから」
「え、ちょっ、ジゼルちゃん!?」
「ごめんなさい、安心したら……涙が」
ぼろっと零れ落ちた大粒。ジゼルちゃんは本当に私を心配してくれてた。
ごめんね、それからありがとう。そんな気持ちでいっぱい。
ジゼルちゃんが泣き止んで、それから私は何があったのかを話した。ガブさんをお助けして式典までは、色んな話が出回ってるらしい。
何が正しいか、とか色々尾ひれもついているらしく。
「殿下とデジレ様に呼ばれて、お話は聞きましたが……レティ、色々とごまかし切れないことをしてしまったようですよ」
「え?」
「まず今の自分の立場をわかってます?」
立場? なにそれ、と私は首を傾げる。
するとジゼルちゃんはばしばしと瞬いて、わかってないのねと冷えるような声を落とした。
そしていいですか、と私を座らせ、そして自分は対面に座り。目の前にあるテーブルをぺしぺしと叩いた。
「まず、レティとトリスタン様が行った転移。これが大問題です」
「あっ、はい」
「膨大な魔力は必要になりますが、仕込みがあればここからファンテールまでいけるのです。その魔術的価値、商業的価値はわかってますか?」
「えーっと、なんとなく。便利になるなぁ、くらいで」
「もう! 確かに便利に、というのはあります。けれどそれを、補助があったとしても行えるものは少ない……というより、あなたとトリスタン様だけなのです」
「そうなの?」
「ええ。再びできるかどうかは……できます? できません?」
できると思うけど、と私の声は小さくなる。だってジゼルちゃんの勢い怖いー!
私の答えに、それは絶対に誰にも言ってはいけませんよと言って話続ける。
「いいですか。トリスタン様はわかっておられるようですが、レティはまったくわかって無いようなので私のいう事をちゃんと聞いて理解してくださいね」
「はい」
「あなた達にはファンテール王族を助けたという名誉という価値。それから、長距離転移という魔術的な可能性の価値、それを実現する魔力量という価値があるのです。他にもありますが特にこの三つは重いのです。あちらでの治癒は奇跡、ということで……それを行おうと思うものはそんなにいませんがゼロではありません。貴方の魔術知識、魔力などを欲しいと、よこしまなことを考える貴族はいるんですよ」
「あ……」
「今、こうして御家で謹慎のようなことになっているのも、そういった事から守る為です。トリスタン様は、すでにデジレ様とのことが決まっていることを皆様ご存じですから手は出せません」
すると、手が出せるのはとジゼルちゃんは私を見る。
「手が出しやすいのは、私ってこと?」
「ええ、そうです。勝手に街にふらーっと一人で遊びに行って捕まって。そのまま既成事実でなんてことにならないように守られているの、わかりました?」
「……とってもよく、わかりました」
ジゼルちゃんに言われて、気付くことがたくさんある。
私はここに帰ってきたら今まで通りだと思ってた。思ってたけど、実際はそうじゃない。
それにまったく気付いてなくて、お母様のマナーやだーとか思ってそろそろ抜け出そうかなと。実はちょっと思ってた!
でも、うん。これ聞くとそれはできなくなってしまった。
「夜会でも、公爵夫妻はお嬢様はと問いかけられるばかりですよ。それから縁談もたくさん送られているはずです。茶会の誘いやレティに会いたいというのもあると思いますが」
「えっ、それはまったく知らないかも!」
「……ということは、公爵様がすべてお断りしているのだと思います。だって、レティは私への手紙にテオ君との事書いてたでしょう?」
「書いたわね……」
つまりはその気持ちを、お父様が組んでくれているってことだと思う。
お、お父様ー! ありがとう、お父様ー!
「何にせよ、少し落ち着くまではレティは学園にも来ない方が良いでしょうし、街を一人で歩いたりしない。変な誘いには乗らない、いいです?」
「はい!」
それ、お返事だけにしないでくださいねとジゼルちゃんは言う。
う、うん。気を付ける。ジゼルちゃん本当に私をよくわかってるぅ。
こくこくと頷く私をみて、ジゼルちゃんはふわりと表情緩めた。
「それじゃあ、お話聞かせてくださいな。テオ君と何か進展ありました?」
「えっ、そこ!?」
「これ以外に何を聞くというのか……式典の後のお話をしてくださいな」
ジゼルちゃんはわくわくといった風で。
私はファンテールの民族衣装着せてもらったとか、テオの友達に会った事とか。
それから海辺の街で一緒に過ごしたり、プレゼント貰った事を話した。
どんなのを、と問われたので見せてあげたらテオ君なかなかやりますねとジゼルちゃんは零す。
ベルはこういうの、気が利かないのよね。あとセンスがいまいちと。
ベ、ベルー! がんばってベルー!
で、私はジゼルちゃんにお土産を渡した。パールの髪飾り!
ジゼルちゃんは好きなデザイン、ありがとうと笑って受け取ってくれた。
久しぶりに会ってお話して、それはとっても楽しい時間で。
ジゼルちゃんはそのまま我が家にお泊りして、夜も遅くまで二人で話をした。
10
お気に入りに追加
3,165
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!

乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも、私男性恐怖症なんですけど…。
三木猫
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公の美鈴。どうせ転生するなら悪役令嬢とかライバルに転生したかったのにっ!!男性が怖い私に乙女ゲームの世界、しかもヒロインってどう言う事よっ!?
テンプレ設定から始まる美鈴のヒロイン人生。どうなることやら…?
※本編ストーリー、他キャラルート共に全て完結致しました。
本作を読むにあたり、まず本編をお読みの上で小話をお読み下さい。小話はあくまで日常話なので読まずとも支障はありません。お暇な時にどうぞ。
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!

婚約破棄なんてどうでもいい脇役だし。この肉うめぇ
ゼロ
恋愛
婚約破棄を傍観する主人公の話。傍観出来てないが。
42話の“私の婚約者”を“俺の婚約者”に変更いたしました。
43話のセオの発言に一部追加しました。
40話のメイド長の名前をメリアに直します。
ご迷惑おかけしてすみません。
牢屋と思い出、順番間違え間違えて公開にしていたので一旦さげます。代わりに明日公開する予定だった101話を公開させてもらいます。ご迷惑をおかけしてすいませんでした。
説明1と2を追加しました。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

ある王国の王室の物語
朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。
顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。
それから
「承知しました」とだけ言った。
ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。
それからバウンドケーキに手を伸ばした。
カクヨムで公開したものに手を入れたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる