転生令嬢はやんちゃする

ナギ

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第四章

魔道具いろいろ

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 お兄様との約束をきっちり守っている私偉い。
 ということで、ここしばらくは静かに過ごしている。夜も快眠で元気いっぱい!
 そんな感じで、研究やらもいろいろはかどっていた。
 学校の勉強ももちろんしてるんだけど、王城の魔導師さんたちの所に遊びにきている。
 ちなみに魔道具の開発中なのだけど、いわゆる電子レンジみたいなものだ。
「えー、それって効率悪くないですか?」
「どう悪いのか詳しく」
「うーんと……その魔術だとこの箱の壁を温める、それから中の空気、温めたいものって感じじゃないです? そうじゃなくてはこの箱の壁が熱を発するというか……」
「なるほど……この箱ごと温めるのではなく、中だけか……」
 そうそうそうです、と私は頷く。箱まであっためちゃうのは、なんか危ないじゃないですか、と。
 あとこの箱の中で卵温めるのは危険だと思うのだけどー!!
 と、魔導師さんたちはたくさんいるのでお顔はなかなか、すべて覚えられないのだけど。
 私はまざって楽しくやっている。
 魔道具は便利だ。魔法、魔術が使えればこんなの作る必要はないんだけど、使えない人の方が多い。
 こういった道具があれば生活が楽になるかなーとか。そういう発想が魔道具作りには大事なのだという。ここにはそういうことをずーっと考えてる先輩たちがたくさんいて、楽しい。
 そして、やっぱり、電話欲しい!
「や、今日も来てたんだね。そうだ、ちょっとこっちに来て欲しいんだけど……」
 と、顔見知りになったおねーさんに呼ばれた。名前はメリアさん。どこぞの男爵家のお嬢さんらしいのだが、お嫁に行く気配はないらしい。
 研究大好き! って感じなのはよくわかる。
 で、メリアというおねーさんが見せてくれたのは魔石色々だ。そこにはそれぞれ、色々な魔術が込められているとう。
「こっちは閃光、こっちは氷結で……」
「え、これは何のための?」
「護身用に。投げれば一発ズドンだよ」
「ん?」
「え、だって。君、ファンテールに行くんだろう?」
「え?」
「え? 行くんだろう?」
 いや、何故それをご存じなのか! という所なんですが。
 そう思っていると、ああわけわんないかと彼女は笑う。
「トリスタン君のね、あの大がかりな魔術を少し手伝ったんだよ。先輩のよしみでね」
「ああ、なるほど……え、でも私は行くとは」
「うーん、あれはどう考えても一人仕様じゃないからね。連れて行くなら、君でしょう?」
 簡単な推理と勘、と笑う。それにあの魔術が成り立って、もっとコストが抑えられたら実用に足るよねーと笑う。
 これはいい実験になる、とおっそろしいことをおっしゃる。
 ええええ、怖いじゃないー!!
 そんな私の考えを読み取ってか、大丈夫大丈夫と大丈夫じゃない感じでおっしゃるもので。
「いや、本当に大丈夫だと思うよ。方向定める系の魔術はトリスタン君上手だし。近距離、中距離くらいならやってのけたし。問題はファンテールにたどり着くまでの魔力を補えるかだけど」
 その辺はたくさんの魔石を準備したからねとメリアさんは言う。
 まじかー! お金かけてでもやる気なのがすごい。というかそのお金はどこから? という素朴な疑問。
 うぅん、気づかなかったことにしよ。
「まぁそんなわけで、投げれば閃光どーんとか使いやすいと思うし。何かあった時に相手を無力化するのにきくと思うよ」
「それ魔術紡いだ方が」
「魔術使えない場合もあるかもしれないよ」
 そんな状況ないと思うんだけど。でもいいから、と持たせてもらったのでありがたくもらっておくことにした。
 お礼はのちのち、考えよう。
「ま、移動陣なんてやろうって思う魔術師は変態ばっかりだからねー」
「え? 変態?」
「ちょっと頭がおかしいともいうね。失敗したら死ぬじゃない? しないけど」
 メリアさんは恐ろしいことをさらっという!
 失敗したら死ぬ? 瞬く私に、空間に体の一部を置き去りとか、そういう事故がおこればね、と言う。
「ああ、不安にさせてごめんね。でも今回は大丈夫だよ、まず行う転移は身体防御、身体強化、そういったことからはじまり」
 と、それから私はお兄様たちがつくったものがどういうものか説明を受けた。
 ものすごーく長かったけど、とっても安全仕様というのはわかった。
 これでもか、というほどに防衛策をしているというか。これで死んだらどこに落ち度があったのかというレベル。
 説明してもらって、これは安全だなと思った。
 なら、私はお兄様を信じて一緒に行くだけ、という結論。
 その日は迫っているから、その日の為に私もできることをいろいろやった。
 いろいろやらかしつつ、やった。
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