41 / 243
第二章
混ぜるななんとやら
しおりを挟む
ことのおこりは!
殿下が『王都の平和のため、国のため、俺のために暗躍する使い走りが欲しい』と言ったことで。
まずここからつっこみたい。王都と国はわかる。けど、俺のために暗躍とか、なにそれ。漫画読みすぎじゃない? とか思ったけどそも、この世界に漫画なかった。殿下、まずどうしてそんなことを思った。
そして、お前がなれとお兄様に言って。お兄様は何言ってるとなって。
そうね、そこの突っ込みはそれでいいと思う。何言ってるんだって。
でもそこから、使い走れるやつを探そう。からの、私。
はい。ここ。ここ一番おかしい。バカなこと言うのやめろとか、そういう方向が私は正しいと思う。
悪ノリ、絶対、ダメ。これ悪ノリじゃなくて本気臭しかないけど。
そしてガブさんはそれを横で聞いてたのでまるっと知っているとか。
うん。とめて。とめてください……どうしてとめなかった!
面白がってたんですよね!
と、脳内でわーっとひとりで私はさわぎたてて。
「いや、そういうこと好きそうでできそうなやつを探そうと思ってたら、できそうなのがそばに転がってるだろ? 使うしかないだろ……」
「まァ、俺もそう思うだろうな」
「妹への扱いに対して、物申したいです」
「だろ? で、一人じゃちょっと危なっかしいと思ってたらしっかりしたのがついてる」
「僕ですか……」
「バランスがいい」
「そう。それで面白そうだなと思って、俺も色々と意見を言ってなァ」
ガブさんもか! 見てただけじゃないじゃない!
や、やだなんていうか。
お兄様と殿下とガブさんって悪巧みしそうというか……こういう相談させてはいけないタイプの……組み合わせのような気がしてきた。
混ぜるな危険。これだ……わぁ。
結局。
きな臭い事件を見つけてくる殿下。殿下、とりあえずあの、あなた殿下なのでちょっと自重……とここに本人いないから言ってもだけど。
それを聞いて調査をするガブさん。ガブさん、ガブさんも国から狙われてますよね。何してるんですか。
私、何してるって言いすぎかも。
その調査をもとに実働の作戦を立てるお兄様。お兄様が最終段階なのやばくない?
そして、お兄様に無茶ぶりをされる私。完全にテオは巻き込まれた系。
多分こういうことなんだと、思う。そしてやだって逃げられない気配わぁい!
「あの、勝手に組み込まれていますが、お兄様」
「うん?」
「私は拒否」
「できるわけ」
「ないですよねー……うう、テオ。諦めて付き合って」
「うん、こうなりますよね……」
よしよしとお兄様は笑って頷いている。
でもこれだけは言っておかなくては!
「でも、それどうにもならないでしょう? みたいなものには手はだしませんからね! 絶対!!」
「はいはい」
ああああ、これ絶対適当な返事ー!
この! 兄は!
「国をよくしたいと思ってのことだからなァ、つきあってやりな」
「レティ、僕もこれは危ないと思えば反対するから」
「そもそも処理できない話は回さない」
本当に? と向ける視線に悠然と笑って。
うん。本当に、どうにもならないようなことはきっと、言ってこない。
けど、どうにかなりそうな可能性がある、どうにもならなさそうな事はやれと言ってくると思う。
我ながら面倒な兄を持ったな、と思う。
本当に。面倒な。
けど、だ。
今までより距離は近い。親しみ? 親しみでいいのかな……まぁ仮に親しみにする。
親しみが今までよりも、ある。
それは良いことかな、とちょっとは思うのでした。
殿下が『王都の平和のため、国のため、俺のために暗躍する使い走りが欲しい』と言ったことで。
まずここからつっこみたい。王都と国はわかる。けど、俺のために暗躍とか、なにそれ。漫画読みすぎじゃない? とか思ったけどそも、この世界に漫画なかった。殿下、まずどうしてそんなことを思った。
そして、お前がなれとお兄様に言って。お兄様は何言ってるとなって。
そうね、そこの突っ込みはそれでいいと思う。何言ってるんだって。
でもそこから、使い走れるやつを探そう。からの、私。
はい。ここ。ここ一番おかしい。バカなこと言うのやめろとか、そういう方向が私は正しいと思う。
悪ノリ、絶対、ダメ。これ悪ノリじゃなくて本気臭しかないけど。
そしてガブさんはそれを横で聞いてたのでまるっと知っているとか。
うん。とめて。とめてください……どうしてとめなかった!
面白がってたんですよね!
と、脳内でわーっとひとりで私はさわぎたてて。
「いや、そういうこと好きそうでできそうなやつを探そうと思ってたら、できそうなのがそばに転がってるだろ? 使うしかないだろ……」
「まァ、俺もそう思うだろうな」
「妹への扱いに対して、物申したいです」
「だろ? で、一人じゃちょっと危なっかしいと思ってたらしっかりしたのがついてる」
「僕ですか……」
「バランスがいい」
「そう。それで面白そうだなと思って、俺も色々と意見を言ってなァ」
ガブさんもか! 見てただけじゃないじゃない!
や、やだなんていうか。
お兄様と殿下とガブさんって悪巧みしそうというか……こういう相談させてはいけないタイプの……組み合わせのような気がしてきた。
混ぜるな危険。これだ……わぁ。
結局。
きな臭い事件を見つけてくる殿下。殿下、とりあえずあの、あなた殿下なのでちょっと自重……とここに本人いないから言ってもだけど。
それを聞いて調査をするガブさん。ガブさん、ガブさんも国から狙われてますよね。何してるんですか。
私、何してるって言いすぎかも。
その調査をもとに実働の作戦を立てるお兄様。お兄様が最終段階なのやばくない?
そして、お兄様に無茶ぶりをされる私。完全にテオは巻き込まれた系。
多分こういうことなんだと、思う。そしてやだって逃げられない気配わぁい!
「あの、勝手に組み込まれていますが、お兄様」
「うん?」
「私は拒否」
「できるわけ」
「ないですよねー……うう、テオ。諦めて付き合って」
「うん、こうなりますよね……」
よしよしとお兄様は笑って頷いている。
でもこれだけは言っておかなくては!
「でも、それどうにもならないでしょう? みたいなものには手はだしませんからね! 絶対!!」
「はいはい」
ああああ、これ絶対適当な返事ー!
この! 兄は!
「国をよくしたいと思ってのことだからなァ、つきあってやりな」
「レティ、僕もこれは危ないと思えば反対するから」
「そもそも処理できない話は回さない」
本当に? と向ける視線に悠然と笑って。
うん。本当に、どうにもならないようなことはきっと、言ってこない。
けど、どうにかなりそうな可能性がある、どうにもならなさそうな事はやれと言ってくると思う。
我ながら面倒な兄を持ったな、と思う。
本当に。面倒な。
けど、だ。
今までより距離は近い。親しみ? 親しみでいいのかな……まぁ仮に親しみにする。
親しみが今までよりも、ある。
それは良いことかな、とちょっとは思うのでした。
11
お気に入りに追加
3,169
あなたにおすすめの小説
【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました
かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中!
そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……?
可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです!
そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!?
イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!!
毎日17時と19時に更新します。
全12話完結+番外編
「小説家になろう」でも掲載しています。
【完結】名前もない悪役令嬢の従姉妹は、愛されエキストラでした
犬野きらり
恋愛
アーシャ・ドミルトンは、引越してきた屋敷の中で、初めて紹介された従姉妹の言動に思わず呟く『悪役令嬢みたい』と。
思い出したこの世界は、最終回まで私自身がアシスタントの1人として仕事をしていた漫画だった。自分自身の名前には全く覚えが無い。でも悪役令嬢の周りの人間は消えていく…はず。日に日に忘れる記憶を暗記して、物語のストーリー通りに進むのかと思いきや何故かちょこちょこと私、運良く!?偶然!?現場に居合わす。
何故、私いるのかしら?従姉妹ってだけなんだけど!悪役令嬢の取り巻きには絶対になりません。出来れば関わりたくはないけど、未来を知っているとついつい手を出して、余計なお喋りもしてしまう。気づけば私の周りは、主要キャラばかりになっているかも。何か変?は、私が変えてしまったストーリーだけど…
当て馬失恋した私ですが気がついたら護衛騎士に溺愛されてました。
ぷり
恋愛
ミルティア=アシュリードは、伯爵家の末娘で14歳の少女。幼い頃、彼女は王都の祭りで迷子になった時、貧民街の少年ジョエルに助けられる。その後、彼は彼女の護衛となり、ミルティアのそばで仕えるようになる。ただし、このジョエルはとても口が悪く、ナマイキな護衛になっていった。
一方、ミルティアはずっと、幼馴染のレイブン=ファルストン、18歳の辺境伯令息に恋をしていた。そして、15歳の誕生日が近づく頃、伯爵である父に願い、婚約をかなえてもらう。
デビュタントの日、レイブンにエスコートしてもらい、ミルティアは人生最高の社交界デビューを迎えるはずだったが、姉とレイブンの関係に気づいてしまう……。
※残酷な描写ありは保険です。
※完結済作品の投稿です。
性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~
黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※
すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる