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第一章
約束
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「なんだそいつは。礼儀がなってないな」
うん。
ベルがそれを言うの? みたいな顔になるのは仕方ない。はじめましての時のことを棚上げですね!
学校から歩いてすぐのかわいいカフェ。女の子たちの中で並んでいてくれたベルは私たちがきて心底、ほっとした様子だった。まぁ、並んでるとき、浮いてたよ!
ベルだから並ばずに入れろとか言うのかなと最初は思ってたんだけど、こういう我慢はできるらしい。多分ジゼルちゃんの教育。
到着してしばらくするとご案内。
席は壁で仕切られ、個室のようになっていた。天井とかはつながってるけど、なるほどこれは良い感じ。装飾もピンクと白でかわいい。
大体の女の子はこういうの好きよ。私も好き。
そして紅茶も色んなのがあって選べるし、ケーキも美味しい。なんだここは人気出るに決まってる。
で、話をもとにもどして。
ベルにさっきの事を話すと憤る。なってない、と。
ベル曰く、あの時のことは反省したがしかし。あれは自分が公爵家であるという事もあって大きくでれるのだという。
もし、自分が男爵家などであればああいうことはしないだろうと。
本当かー!? って思ったのは内緒。
「目上の者を敬うことは、貴族社会において必須だと思う。それがないのは……問題だろう」
「ベルがまともなことを……」
「ちなみに俺が、テオがこうして言うのを許しているのは、友人だと思っているのと周囲に目がないからだからな!」
わかってますよ、とテオは言う。ベルはふんと鼻ならして、公式の場での線引きができるから付き合っていられるんだと言う。お前が言うか、と何度も思ってしまうのは仕方ない。だって初対面以下略。
そしてそうだ、と改めて私たちを見た。
「学園に入れば、僕はレティのことをレティお嬢様と呼びます。従者として動きますから何も言わないでくださいね」
「えっ、従者モードするの」
「しないと一緒にいられませんよ」
私としてはいつものテオであってほしいのだけど。
「そんなわけで、二人にもそういう態度になります。いいですか?」
「……わかった」
「そうですね……その方が私も良いと思います」
ベルはしぶしぶ。ジゼルちゃんはそれに賛成する。
私も、わかってはいるのだ。
いつも通りな感じで過ごしていたら私ではなくテオに視線もいってしまうだろうし。
「人目がないところではいつも通りよね」
「それは、はい。いつも通りです、レティ」
「……ならいいわ。うん、私も我慢する」
テオにじゃれたりテオに怒られたり。
そういうのしないように、ないようにする。
わかってくれてよかったですとテオは笑むけれど私としてはやっぱりちょっとこう。
心の中にしこりがあった。
「ところで、テオ。お前、寮か?」
「そうですね。レティの家に部屋はありますが、あちらで世話になるのも…………まさか」
「そうだ! 俺の同室にはテオの名前をかいておいたぞ!!」
「う、わ……もう提出したとか………うわ」
テオはまじかよーみたいな顔をして。そして誰でもにしたのは間違いだったなと零す。
うん、これは一緒の部屋だね。
なんだその顔は、とベルは言う。そうか、毎日これでベルと一緒かー!
めんどそうだなと思ったのは内緒だ。ベルはうちとけて良い子ではあるんだけど、なんかこう。
ずれているというか……時々おかしなことを言うというか。
がんばれテオ!
「ということはレティも寮ですか?」
「うん。王都の家はお父様たちあんまりいないし。お兄様も寮だったし……」
「では私も寮にしましょう。レティの名前を書いても?」
「うん! 喜んで! 私も書くわ、約束ね!」
わぁい! ジゼルちゃんと同室楽しみです!!
うん。
ベルがそれを言うの? みたいな顔になるのは仕方ない。はじめましての時のことを棚上げですね!
学校から歩いてすぐのかわいいカフェ。女の子たちの中で並んでいてくれたベルは私たちがきて心底、ほっとした様子だった。まぁ、並んでるとき、浮いてたよ!
ベルだから並ばずに入れろとか言うのかなと最初は思ってたんだけど、こういう我慢はできるらしい。多分ジゼルちゃんの教育。
到着してしばらくするとご案内。
席は壁で仕切られ、個室のようになっていた。天井とかはつながってるけど、なるほどこれは良い感じ。装飾もピンクと白でかわいい。
大体の女の子はこういうの好きよ。私も好き。
そして紅茶も色んなのがあって選べるし、ケーキも美味しい。なんだここは人気出るに決まってる。
で、話をもとにもどして。
ベルにさっきの事を話すと憤る。なってない、と。
ベル曰く、あの時のことは反省したがしかし。あれは自分が公爵家であるという事もあって大きくでれるのだという。
もし、自分が男爵家などであればああいうことはしないだろうと。
本当かー!? って思ったのは内緒。
「目上の者を敬うことは、貴族社会において必須だと思う。それがないのは……問題だろう」
「ベルがまともなことを……」
「ちなみに俺が、テオがこうして言うのを許しているのは、友人だと思っているのと周囲に目がないからだからな!」
わかってますよ、とテオは言う。ベルはふんと鼻ならして、公式の場での線引きができるから付き合っていられるんだと言う。お前が言うか、と何度も思ってしまうのは仕方ない。だって初対面以下略。
そしてそうだ、と改めて私たちを見た。
「学園に入れば、僕はレティのことをレティお嬢様と呼びます。従者として動きますから何も言わないでくださいね」
「えっ、従者モードするの」
「しないと一緒にいられませんよ」
私としてはいつものテオであってほしいのだけど。
「そんなわけで、二人にもそういう態度になります。いいですか?」
「……わかった」
「そうですね……その方が私も良いと思います」
ベルはしぶしぶ。ジゼルちゃんはそれに賛成する。
私も、わかってはいるのだ。
いつも通りな感じで過ごしていたら私ではなくテオに視線もいってしまうだろうし。
「人目がないところではいつも通りよね」
「それは、はい。いつも通りです、レティ」
「……ならいいわ。うん、私も我慢する」
テオにじゃれたりテオに怒られたり。
そういうのしないように、ないようにする。
わかってくれてよかったですとテオは笑むけれど私としてはやっぱりちょっとこう。
心の中にしこりがあった。
「ところで、テオ。お前、寮か?」
「そうですね。レティの家に部屋はありますが、あちらで世話になるのも…………まさか」
「そうだ! 俺の同室にはテオの名前をかいておいたぞ!!」
「う、わ……もう提出したとか………うわ」
テオはまじかよーみたいな顔をして。そして誰でもにしたのは間違いだったなと零す。
うん、これは一緒の部屋だね。
なんだその顔は、とベルは言う。そうか、毎日これでベルと一緒かー!
めんどそうだなと思ったのは内緒だ。ベルはうちとけて良い子ではあるんだけど、なんかこう。
ずれているというか……時々おかしなことを言うというか。
がんばれテオ!
「ということはレティも寮ですか?」
「うん。王都の家はお父様たちあんまりいないし。お兄様も寮だったし……」
「では私も寮にしましょう。レティの名前を書いても?」
「うん! 喜んで! 私も書くわ、約束ね!」
わぁい! ジゼルちゃんと同室楽しみです!!
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