転生令嬢はやんちゃする

ナギ

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第一章

保護者、お兄様

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 保護者、お兄様。怖い。
 と、いうのは私とテオ、二人の意見。
 保護者と一緒にきてね、の日に学園まで行くとわかりやすいところでお兄様が待っていた。
 殿下付きで。
 やだもう帰りたい、あのそば行きたくない。
 そんな私の気持ちを無視して、我が家の優秀な執事は私たちをお兄様へと引き渡した。
 預けたとか、託したではない。
 引き渡したがしっくりくる。
「久しぶりだな、元気か?」
 そりゃもうとっても。殿下に挨拶をしてお兄様を見るとなんだ、という表情で。
「お兄様、聞いてません」
「言ってないから聞いてないのは当たり前だ。別にいいだろう、こいつがいるくらい」
 こ、このひと……殿下に、一国の王子にむけてこいつとか。
 すごい精神だわ……わぁ、さすがお兄様。
「テオ、わたしかえりたい」
「僕もですね」
 しかし逃げられるわけもない。
 お兄様と一緒、というより殿下と一緒なので周囲からの視線はすごいし、殿下が挨拶を受けるたびに立ち止まる。
 どうにかして、説明の行われる講堂にたどり着いた。
 空いてる席にすわって、私たちは説明を聞く。それは事前に知っていたことのおさらいだった。
 まず生活面。
 学園内の寮に入ることができる。もちろん自宅通学も可能。
 寮に入る場合、二人一部屋となるので希望があれば言う事、と。まぁ良家のー、みたいな人多いから事前にあわせられるならってことかしら。
 希望が無ければ適当にいれられるらしい。それは地位もなにも関係なく、だ。
 なおお兄様はそれで殿下と同室になったらしい。いやそれはさすがに学園がそうしましたよね。
 そして問題児同士が仲良く……みたいな気配を感じている。
 ジゼルちゃんが寮ならジゼルちゃんと一緒がいいなぁー。
 で、他にも色々あるけどそれは両親向け。
 そして学業面。
 最低限の知識については試験でクリアしているので大丈夫。
 そこから、自分の適性やらなにやらをみて、後々に科を分けていくらしい。
 科はたくさんあるけど今は気にすることではないっぽい。
 マナーとかダンスとか。そのあたりも授業であるのねー。ふむふむ。
 しかし私が一番気になったのは、学園内では家の格などによる贔屓、差別などを教師はしないということ。
 教師は、しない。
 では生徒は……ということね。どこでもそういうのは、やっぱりあるわけだ。
 私は持ち上げられる側だ。だから一層、行動には気を付けないといけないんだろうけど。
 だけど。
 私そこまで考えられるタイプじゃないのよね!
 あとはかっとなると手とかでちゃうかもしれないし。うん、行動には気を付けておこう。
 そして説明会の後は、採寸。
 何の!? って思ったけど制服のだ。そういうの既製品でこのサイズって感じじゃないの? と思ったんだけど一人ずつオーダーメイド。
 女子はスカートタイプとパンツタイプ。もちろん私はパンツタイプを選ぶ。
 どう考えても動きやすいのこっちじゃない!
 採寸、その他にもいろいろ終わって一息。
 するとお兄様が茶くらいは飲ませてやろうとおっしゃった。
「ケーキもつけてやろうか?」
「お兄様が優しい怖いどうしよう」
「レティ……」
「はははっ! お前、びびられてるんだな」
 うるさいとお兄様は殿下の手を払いのける。
 お互いに遠慮とか、なんか変な下心みたいなものはないんだなと思った。
 私は、テオはもちろんそうだけどジゼルちゃんとベルも、変な計算せずに付き合える相手だ。
 多分、これからもずっとそう。そういう相手がいるのはありがたいことだなと思う。
 お兄様にもそういう相手がいてよかったと思う。思うのだけど、その相手が殿下というのはどうよと、ちょっと思うのだ。
 この組み合わせ将来的に怖いんじゃない? と思わずにいられない組み合わせ。
 そういえば殿下は第二王子だから兄がいるのだけど、他国に留学しているのだったか。
 なんか、その人もやばそうな気配がする。
 そう性格がちょっとひねくれてる的な感じで。猫かぶりは何人もいらないのよ! と思うけど私も多少は猫かぶりちゃん。テオもそういうの上手。
 でもこれは、貴族社会で生きていくには必要かなぁと思うことでも、ある。
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