終末学園の生存者

おゆP

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第二章

第13話 雪だるま懐柔戦線。(2)

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2.
 透哉が教室を去ると、豪々吾はしばらく無言で焼きそばパンの断面を眺めていた。
 その目の奥に映るものは後悔や迷い、あるいは葛藤のような何か。豪快さと派手さが先行する豪々吾からは想像も付かない悲観的な感情だ。

「大丈夫? 七奈君……顔色悪いけど?」
「ああ、ちょっと自分にムカついただけだから気にすんな」

 気遣って声をかけてきた女子生徒に答えると、うつろだった目に熱が宿った。
 豪々吾は不機嫌そうに焼きそばパンを囓った。

(んだろうな……なんか嫌な予感がすんぞ?)

 貫雪砕地に関わりたくないから、どうしようと迷ってしまった。
 止めるか自分もついて行くべきだったかと後悔をしていた。
 今からでも追いかけるかどうか、下らない葛藤をしてしまった。

(実行委員の話に首を突っ込むのは野暮ってもんか? だがよう、ブラザーがそんな用事だけでわざわざ来るか?)

 透哉の思惑は別としても、やはり見過ごすわけにはいかない。
 豪々吾は焼きそばパンの残りを乱暴に口に突っ込み飲み込むと、教室を出て廊下で助走した後、開いた窓から外に飛び出した。
 生暖かい外気に身を躍らせると体は直ちに落下を始める。全身に風を受けながら豪々吾は目を見開き、全身に魔力を充足させる。
 豪々吾は空中で姿勢を反転、足の裏に魔力を集中。大爆発を発生させて得た推進力で重力に逆らって強引に真上に飛び上がる。

(予感的中かぁ?)

 顎をしゃくるように上空を仰ぎ見て、爆弾を連続で発破させたような音と共に見えない階段を上るように中空を駆け上がる。
 目指すは屋上。

「垂直跳びは苦手なんだがよぉ、そんなこと言ってらんねーよなぁ!!」

 猛々しい咆哮しながら校舎上部を覆う靄の中に飛び込んだ。
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