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第二章
第5話 七夕祭。(3)
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3.
同日昼休み。
透哉とホタルの姿が学長室にあった。
「で、なんの用だ?」
刺々しい口調で尋ねるのはソファに腰を据えた透哉。
休み時間に矢場に呼び出されたと思ったら今度は流耶。具体的な用事などない透哉だが、他人の都合で振り回されるのは好きではない。重なるときは重なる、世の中とはそう言うものだ。
その隣、先に来ていたホタルは透哉の不満の理由を察して苦笑いをしている。
不服そうな顔の透哉をよそにホタルは室内をぐるりと見渡し、野々乃の不在にそっと胸をなで下ろした。
昨日、ヤノストからの帰宅時に偶然得た野々乃もこちら側である事実。呼び出しを受けたときはもしやと思ったが、杞憂に終わった。
しかし、同時に自分たちとは異なる流耶との関与が浮き彫りになる。安心も束の間、新たに湧いた不安に表情を曇らせる。
気にならないと言えばウソになる。
が、今はそんなときではないし、そもそもそんなときは来ないのかもしれない。
そんなホタルをめざとく観察しているのは机の上に腰掛け、二人を悠然と眺める流耶。
(残念ながら野々乃は別件よ)
ホタルの胸中を見透かしつつ、教えないと言わんばかりに目を伏せ、不意に昨日の出来事を思い出しムッとした表情に変わる。
流耶の変化などつゆ知らず、透哉とホタルはソファに座ったまま待っている。
昼休みに入ってややあって有無を言わせずに呼び出された二人。
ホタルは自力で学長室を尋ねたが、透哉に関しては事情を無視して『白檻』で無理矢理引きずり出された。
透哉は丁度昼食を摂り始めたところだったため、蕎麦つゆで満たされた器と割り箸を持って食堂からの直行便である。
透哉としてはさっさと話を済ませて食堂に戻って続きを食べたい。
器の中には薬味のネギしか入っていないのだ。
「手短に頼む。そばがのびる」
「ふんっ」
透哉の要望に流耶はどこか拗ねたみたいに鼻を鳴らして応える。一方的に呼び出しておいてこの横柄さ。普通なら腹が立つし、文句の一つも言いたくなる。
しかし、流耶の様子に透哉は逆に毒気を抜かれる。
文句を言うと皮肉の応酬があるのが流耶の常だからである。
仕方がないので様子を見ながら薬味のネギを食べる。蕎麦つゆが絡んでうまい。
放っておけばじきに話し出すと踏んでいた透哉だが、一向にその気配はない。
口に運んだネギは既に十を超え、器の中が寂しくなってきた。
このままでは埒があかないので聞くことにした。正直なところ、無闇に藪を突く真似はしたくないが。
「珍しく機嫌が悪そうだな」
「本当は昨日の放課後に話すつもりだったのだけれど、誰かさんが私の誘いを断って家庭科室に行ってしまったの」
流耶は先程ぶり返した昨日の苛立ちをすんなりと口にすると視線を移した。
透哉が釣られて視線を向けると、ホタルが途端に居心地悪そうに目を背けた。
どうやら流耶の気分を害したのは自分ではないらしい。
しかし、透哉にはどうも話が見えない。
流耶が誘いを断られた程度でむくれるタイプとは思えないからだ。
そもそも、先日までは殺し合いを興じる間柄だった二人が、この学長室以外で接触している光景が想像できなかった。
いずれにせよ、いびられるのは自分ではないので、残り僅かなネギを食いながら傍観することにした。
直後、空耳かと疑いたくなる会話が二人の間で行われる。
「クッキーは上手に焼けたのかしら?」
「いえ、できませんでした」
流耶の口調が悪戯をした生徒をネチネチ叱る意地悪教師みたいだなと透哉は思ったが、着眼点はそこではない。
流耶の質問にホタルは肩身狭そうに斜め下を見ながら小声で、敬語で答えた。
あのホタルが、流耶に、である。
下級生である野々乃にさえ言葉遣いを指摘されるホタルが数多の事情から毛嫌いしている流耶に対して他でも見せない綺麗な言葉を使っている。
嵐の前の静けさみたいで、透哉としては薄気味悪い。
「何故かしら?」
「か、家庭科室が爆発したからです」
さっさと話を進めてこの気味の悪さを解消してほしいと願う透哉の期待を大きく裏切る、突然のパワーワードである。
当たり前だが家庭科室は爆発しないのだ。
ほんの数回の会話の間に理解できないことと突っ込みどころしかない。
「誰のせいかしらね?」
「私と野々乃です」
「……本当は?」
「私と私と私と私と私と私と私と、あと、少しだけ野々乃がやりました。ごめんなさい」
「よろしい」
なんだろう。やっぱり見間違いなんじゃねーの? と透哉は考え直す。
しかし、やっぱり目の前で起きていることは事実で、流耶が正当な理由でホタルを叱って、ホタルが流耶相手に敬語で謝っている。
二度と再現されることはないであろう光景に、傍観の肴が蕎麦つゆに浸かったネギだけだったのは惜しまれた。
「――それにしても何で学園祭の実行委員会になんて立候補したの?」
二人の間で話が一段落したらしく、流耶が今朝の透哉の珍事を取り上げた。この場に集結したメンバーには珍しい学校っぽい話題であるが、透哉としては変なものを見せられた直後なので胃のあたりが少しかゆい。
「なんでって……」
「そうだ、御波! お前は何を考えている!」
思わず言い淀んだ透哉に尋問から解放されたホタルがここぞとばかりに食いついて来た。気持ちは分かるが敬語のメッキがもう剥がれ落ちていて本当に反省しているか怪しくなってくる。
けれど、流れから自分にも敬語で話しかけてきたらどうしようと思っていた透哉としてはとても助かる。
一見して自分の気まずさを揉み消すために、都合のいい新しい話題に飛びついた風に見えるホタルだったが、動機はある。
ホームルームの時は透哉の立候補を邪推する余り真意を測れずにいた。加えて野々乃との『透哉を実行委員にする』と言う密約を果たせなかったことへの申し訳なさからも知る必要があった。
くしくも野々乃の願いは想定外の本人の意思で叶うこととなったのだが。
真横からずいっと詰め寄るホタルの圧力に透哉は思わず身を逸らせる。
「何って?」
「とぼけるな! 委員会の立候補についてだ!」
「当然七夕祭の成功に貢献するため……すまん俺が悪かった」
ゴミを見る目が優しく見えるほどに怪訝な目をしたホタルに透哉はウソを謝罪。
大人しく松風との約束とその経緯を話した。
ホタルは腕組みをして僅かに思案する。
「お前、実はすごくいいやつだったのか?」
「いや、悪人だろ。ただ利己的なだけだ。今も身内のために学園のルールにケンカを売ろうとしているんだからな」
「客観的にはそう見えるかもしれんが、私はお前の考えに賛成だ。犬の扱いには常々思うところがあるからな」
ホタルは以前松風が食堂を訪れた際に入室を剛田楓丸に拒まれたことを思い返していた。
動物の進入を禁止する食堂のルールは理解できる。
しかし、生徒である松風にもこれを適応し、遵守させることへ違和感とは違う見えない力を感じていた。
生徒と動物の両方の扱いを受ける矛盾。
当時は食欲に負けてみて見ぬふりをし、楓丸に排除されるまで放置していたので多少の負い目はある。
「しかし、よかったぞ。裏では御波が七夕祭をジャックするのではと憶測が飛び交っていたからな」
「半分当たってるだろ。犬の参加を目論んでいるんだから」
「む? まさかお前は七夕祭を動物園にするつもりなのか?」
「どんな想像の飛躍だ!」
変な方向に盛り上がる二人をよそに流耶は一人ため息を吐く。どうやら透哉が立候補した理由がつまらなかったらしい。
「それでそろそろ本題に入るけどいいかしら?」
そう切り出すと流耶は机上で足を組み直した。
薬味のネギを食い尽くし手持ち無沙汰になっていた透哉としてはよいタイミングである。
流耶にいびられてちょっぴりナーバスなホタルは透哉をいじって少し元気を回復し、今は応接用のソファにちょこんと腰掛けつつもしっかりと耳は向けている。
「次の土曜日、つまり明後日ね。二人は開いているかしら?」
「なんだ、デートの誘いか?」
「ええ、そうよ。ちょっと、旅行にでも行かない?」
透哉としては皮肉を言ったつもりだったが、あっさり肯定されてしまった。
「……お前、何を企んでいる?」
「御波、今朝の私と同じことを言っていないか?」
「気のせいだ。流耶、それで目的地は?」
「言い方が堅いわね。でも、意気込みはそのくらいの方がいいわ」
流耶は一拍置いて意味深に笑いながら、言う。
「十二学区に行ってみない?」
透哉は聞き慣れない言葉に首傾げ、
ホタルは知ったばかりの言葉に身構えた。
同日昼休み。
透哉とホタルの姿が学長室にあった。
「で、なんの用だ?」
刺々しい口調で尋ねるのはソファに腰を据えた透哉。
休み時間に矢場に呼び出されたと思ったら今度は流耶。具体的な用事などない透哉だが、他人の都合で振り回されるのは好きではない。重なるときは重なる、世の中とはそう言うものだ。
その隣、先に来ていたホタルは透哉の不満の理由を察して苦笑いをしている。
不服そうな顔の透哉をよそにホタルは室内をぐるりと見渡し、野々乃の不在にそっと胸をなで下ろした。
昨日、ヤノストからの帰宅時に偶然得た野々乃もこちら側である事実。呼び出しを受けたときはもしやと思ったが、杞憂に終わった。
しかし、同時に自分たちとは異なる流耶との関与が浮き彫りになる。安心も束の間、新たに湧いた不安に表情を曇らせる。
気にならないと言えばウソになる。
が、今はそんなときではないし、そもそもそんなときは来ないのかもしれない。
そんなホタルをめざとく観察しているのは机の上に腰掛け、二人を悠然と眺める流耶。
(残念ながら野々乃は別件よ)
ホタルの胸中を見透かしつつ、教えないと言わんばかりに目を伏せ、不意に昨日の出来事を思い出しムッとした表情に変わる。
流耶の変化などつゆ知らず、透哉とホタルはソファに座ったまま待っている。
昼休みに入ってややあって有無を言わせずに呼び出された二人。
ホタルは自力で学長室を尋ねたが、透哉に関しては事情を無視して『白檻』で無理矢理引きずり出された。
透哉は丁度昼食を摂り始めたところだったため、蕎麦つゆで満たされた器と割り箸を持って食堂からの直行便である。
透哉としてはさっさと話を済ませて食堂に戻って続きを食べたい。
器の中には薬味のネギしか入っていないのだ。
「手短に頼む。そばがのびる」
「ふんっ」
透哉の要望に流耶はどこか拗ねたみたいに鼻を鳴らして応える。一方的に呼び出しておいてこの横柄さ。普通なら腹が立つし、文句の一つも言いたくなる。
しかし、流耶の様子に透哉は逆に毒気を抜かれる。
文句を言うと皮肉の応酬があるのが流耶の常だからである。
仕方がないので様子を見ながら薬味のネギを食べる。蕎麦つゆが絡んでうまい。
放っておけばじきに話し出すと踏んでいた透哉だが、一向にその気配はない。
口に運んだネギは既に十を超え、器の中が寂しくなってきた。
このままでは埒があかないので聞くことにした。正直なところ、無闇に藪を突く真似はしたくないが。
「珍しく機嫌が悪そうだな」
「本当は昨日の放課後に話すつもりだったのだけれど、誰かさんが私の誘いを断って家庭科室に行ってしまったの」
流耶は先程ぶり返した昨日の苛立ちをすんなりと口にすると視線を移した。
透哉が釣られて視線を向けると、ホタルが途端に居心地悪そうに目を背けた。
どうやら流耶の気分を害したのは自分ではないらしい。
しかし、透哉にはどうも話が見えない。
流耶が誘いを断られた程度でむくれるタイプとは思えないからだ。
そもそも、先日までは殺し合いを興じる間柄だった二人が、この学長室以外で接触している光景が想像できなかった。
いずれにせよ、いびられるのは自分ではないので、残り僅かなネギを食いながら傍観することにした。
直後、空耳かと疑いたくなる会話が二人の間で行われる。
「クッキーは上手に焼けたのかしら?」
「いえ、できませんでした」
流耶の口調が悪戯をした生徒をネチネチ叱る意地悪教師みたいだなと透哉は思ったが、着眼点はそこではない。
流耶の質問にホタルは肩身狭そうに斜め下を見ながら小声で、敬語で答えた。
あのホタルが、流耶に、である。
下級生である野々乃にさえ言葉遣いを指摘されるホタルが数多の事情から毛嫌いしている流耶に対して他でも見せない綺麗な言葉を使っている。
嵐の前の静けさみたいで、透哉としては薄気味悪い。
「何故かしら?」
「か、家庭科室が爆発したからです」
さっさと話を進めてこの気味の悪さを解消してほしいと願う透哉の期待を大きく裏切る、突然のパワーワードである。
当たり前だが家庭科室は爆発しないのだ。
ほんの数回の会話の間に理解できないことと突っ込みどころしかない。
「誰のせいかしらね?」
「私と野々乃です」
「……本当は?」
「私と私と私と私と私と私と私と、あと、少しだけ野々乃がやりました。ごめんなさい」
「よろしい」
なんだろう。やっぱり見間違いなんじゃねーの? と透哉は考え直す。
しかし、やっぱり目の前で起きていることは事実で、流耶が正当な理由でホタルを叱って、ホタルが流耶相手に敬語で謝っている。
二度と再現されることはないであろう光景に、傍観の肴が蕎麦つゆに浸かったネギだけだったのは惜しまれた。
「――それにしても何で学園祭の実行委員会になんて立候補したの?」
二人の間で話が一段落したらしく、流耶が今朝の透哉の珍事を取り上げた。この場に集結したメンバーには珍しい学校っぽい話題であるが、透哉としては変なものを見せられた直後なので胃のあたりが少しかゆい。
「なんでって……」
「そうだ、御波! お前は何を考えている!」
思わず言い淀んだ透哉に尋問から解放されたホタルがここぞとばかりに食いついて来た。気持ちは分かるが敬語のメッキがもう剥がれ落ちていて本当に反省しているか怪しくなってくる。
けれど、流れから自分にも敬語で話しかけてきたらどうしようと思っていた透哉としてはとても助かる。
一見して自分の気まずさを揉み消すために、都合のいい新しい話題に飛びついた風に見えるホタルだったが、動機はある。
ホームルームの時は透哉の立候補を邪推する余り真意を測れずにいた。加えて野々乃との『透哉を実行委員にする』と言う密約を果たせなかったことへの申し訳なさからも知る必要があった。
くしくも野々乃の願いは想定外の本人の意思で叶うこととなったのだが。
真横からずいっと詰め寄るホタルの圧力に透哉は思わず身を逸らせる。
「何って?」
「とぼけるな! 委員会の立候補についてだ!」
「当然七夕祭の成功に貢献するため……すまん俺が悪かった」
ゴミを見る目が優しく見えるほどに怪訝な目をしたホタルに透哉はウソを謝罪。
大人しく松風との約束とその経緯を話した。
ホタルは腕組みをして僅かに思案する。
「お前、実はすごくいいやつだったのか?」
「いや、悪人だろ。ただ利己的なだけだ。今も身内のために学園のルールにケンカを売ろうとしているんだからな」
「客観的にはそう見えるかもしれんが、私はお前の考えに賛成だ。犬の扱いには常々思うところがあるからな」
ホタルは以前松風が食堂を訪れた際に入室を剛田楓丸に拒まれたことを思い返していた。
動物の進入を禁止する食堂のルールは理解できる。
しかし、生徒である松風にもこれを適応し、遵守させることへ違和感とは違う見えない力を感じていた。
生徒と動物の両方の扱いを受ける矛盾。
当時は食欲に負けてみて見ぬふりをし、楓丸に排除されるまで放置していたので多少の負い目はある。
「しかし、よかったぞ。裏では御波が七夕祭をジャックするのではと憶測が飛び交っていたからな」
「半分当たってるだろ。犬の参加を目論んでいるんだから」
「む? まさかお前は七夕祭を動物園にするつもりなのか?」
「どんな想像の飛躍だ!」
変な方向に盛り上がる二人をよそに流耶は一人ため息を吐く。どうやら透哉が立候補した理由がつまらなかったらしい。
「それでそろそろ本題に入るけどいいかしら?」
そう切り出すと流耶は机上で足を組み直した。
薬味のネギを食い尽くし手持ち無沙汰になっていた透哉としてはよいタイミングである。
流耶にいびられてちょっぴりナーバスなホタルは透哉をいじって少し元気を回復し、今は応接用のソファにちょこんと腰掛けつつもしっかりと耳は向けている。
「次の土曜日、つまり明後日ね。二人は開いているかしら?」
「なんだ、デートの誘いか?」
「ええ、そうよ。ちょっと、旅行にでも行かない?」
透哉としては皮肉を言ったつもりだったが、あっさり肯定されてしまった。
「……お前、何を企んでいる?」
「御波、今朝の私と同じことを言っていないか?」
「気のせいだ。流耶、それで目的地は?」
「言い方が堅いわね。でも、意気込みはそのくらいの方がいいわ」
流耶は一拍置いて意味深に笑いながら、言う。
「十二学区に行ってみない?」
透哉は聞き慣れない言葉に首傾げ、
ホタルは知ったばかりの言葉に身構えた。
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