上 下
6 / 9

第6話 王太子side

しおりを挟む
 王族として生まれたならば必ず義務が生じる。
 
 そんなことは分かっている。


 だが、


『キーロン様、そうではありません』

『違います。キーロン様』

『キーロン様――』


(もういい)

「俺は好きにする」

「それは……」

「命令だ」


 うんざりだ。

 小言を言う奴も出来の良い弟と比べる奴らも。

 ――王族だから。

 だから何だというんだ。

 俺だってちゃんとやってる。

 なのに何で弟だけが褒められる。



 そんな時だった。

 
『お初にお目にかけます。イザベラ・フォーンドットにございます。この度キーロン様の婚約者を拝命致しました。幾久しくよろしくお願いいたします』

 きちんとした挨拶だった。

 まだ俺と同じ年だというのに。

「ああ、分かった」

 ついいつも通りに返してしまった。

 特に含んだものはない。

 ただ完璧な礼儀作法をしているイザベラに、おされてなんかない。

 ちょっと口が滑っただけだ。

 それなのに、

『イザベラ様は素晴らしいですね。流石あのフォーンドット公爵家のご令嬢ですわ』

『それに比べて』

『あら、先を言ってはだめよ。不敬罪にされて辞めさせられますわ』

 
(またか)


 優秀な婚約者と出来の良い弟。

 どちらもうっとおしい以外の何者でもない。

 こんな環境で奮起することができる者がいたらなら見てみたいものだ。

 立太子して王太子となってからも、その意識は変わらず、恐らくずっとこのままなのだろう、と半ば諦めていた。




『えー、すごーい!!』

 これまで聞いたことのない声だった。

 明らかな称賛。

 そんなものはずっと出来の良い弟や婚約者が受けるものだと思っていた。

(俺が受けてもいいのか)

『すごーい、キーロン様っ!! やっぱり王太子は違うわっ!!』

(俺が王太子だからか)

 顔をしかめたのが分かったのだろう。

『……キーロン様は王太子って言われるの嫌なんですか?』

『そうだな。そこだけを見られてもな』

 そう答えたとたん、しまったと思った。
 
 王族たるもの、簡単に言質を取られるような言動をしてはならない。
 
 ずっと言われてきたことだった。

『じゃあ、言わない、です』

 たどたどしい敬語に俺は思わず吹き出した。

『何だ、それ』

『すみませんっ、あたしこういうの慣れてなくて』

 そういう顔がひどく魅力的に見えた。

『構わない。学園では皆平等なのだろう。敬語はなしだ』

『え、本当ですか?』

『ほら』

『……本当?』

『ああ』

『やったーっ!! あたしこういうの本当にうまく出来なくて。いっつもお父様に叱られてばかりで』

 そう告げて笑った顔に引き付けられた。

 
 マリアンヌと話しているととても気が楽になった。

 彼女だけは俺に苦言を呈しない。
 
 所作も成績もいまいちだったが、そんなところも魅力的に写った。

 
(このまま王城でも一緒に暮らせたらいいのに)

 ふと浮かんだ考え。
 
 それはとても良いことのように思えた。
 
 王城の執務室にはいつも書類が山ほど積まれていた。

(こんなに一度にできる訳がない)

 途中から開き直って自分の速度で片付けていると優秀な婚約者が現れた。

「お仕事中、失礼致します。木苺の焼菓子をお持ちしました」

 その焼菓子は嫌いではないが、どうしてお前が持ってくるんだ。

 かなり不満を感じながらも焼菓子に罪はないので味わっていると、

「あら、こちらはクエスタ領の通行税に関する陳情ですね」

「……」

「失礼致しました」

 クエスタは街道に近いため、人の行き来も多く賑わっているはずだ。

 それなのに何故減税を望むのかが全く分からない。

「クエスタでは昨年の不作の影響が払拭されてないようですわね。だからこのような陳情がされたのでしょう」

「は?」

「毎年の報告書が上がっているはずですが」

 それに目を通していれば分かっただろう、とでも言いたげな視線がうっとしい。

(黙っていればそれなりに見られるというのに)

 こういうところが可愛げがないのだ。

「そうか。なら任せる」

「……は?」

 珍しく呆けたような顔が見られた。

 そこに満足した俺は自分がどれだけとんでもないことを言っているのか気付いてなかった。

「聞こえなかったのか。お前に任せると言ったんだ」



 流石に全部は無理だが、こちらへ来ている際はできる限り書類仕事をさせた。

 ムッとすることに執務室にいる時間は短いのにこの俺よりも書類を裁くのが早い。

 そんな彼女を称賛する者はやはり多かった。


「聞きましたか。フォーンドット公爵家のご令嬢」

「ええ、何でも王太子殿下の執務を手伝われているとか」

「王太子妃の授業も終えてから来られるのでしょう。流石ですね」


 その後、それに比べて、と続くのが俺のことだ。


「王太子殿下にも困りましたね」

「全くです」

「執務を妃候補に手伝っていただくとは」



(うるさい)

 だったらお前らがやってみればいいんだ。





『……キーロンに相談があるんだけど』

 この頃になるとマリアンヌは俺のことを尊称なしで呼んでいた。

 苦い顔をする奴らもいたが、俺はこの方がずっと好きだった。

(誰も彼も王族ということだけで寄ってくる)

 そんな中でマリアンヌだけは違うと思っていた。

 そんなマリアンヌが困った顔をしている。

『どうしたんだ?』

 聞くと信じられない返答が来た。

 あのイザベラがマリアンヌに嫌がらせをしてくるというのだ。

(……は?)

 噴水に突き落とされたというが、それは犯罪じゃないかっ!!

『それであたし、あの人が怖くて』

『俺がいる』

 大丈夫だ、とマリアンヌに護衛を付けて帰らせる。

 
 俺は側近候補のマルクに相談した。

 こいつも親が宰相ということで大分苦労させられているらしいが、それでも上位の成績を保持している。

『言わせたい者には言わせておけばいいんです』

 俺はそこまで吹っ切れていない。
  
 それでも意外と話は合うのでマリアンヌのことを話してみた。

『……フォーンドット公爵令嬢がそこまでの方だったとは』

 マルクもマリアンヌとは何度か話をしたことがあったらしく、すんなり話は通った。

『分かりました。こちらの方でも調べておきます』


 結果はクロ。

 マリアンヌが言っていたことは全て事実だった。

『証人もいますし、ほぼ間違いないかと』

 まさか、という思いが強かった。

(あのイザベラが)

 品行方正と思われていたが、陰ではそんなことをしていたなど。

 俺はそんな下賤な輩と婚約をしていたのか。

 脳裏に婚約破棄、という言葉が浮かぶ。

(しかし)
 
 相手はフォーンドット公爵家。

 国内でも一二を争う名家だ。

 下手なことをすればもみ消されるだろう。

『では卒業パーティーの時はいかがでしょう?』
  
 衆目のもとなら言い逃れもできないだろう。
 
 言われてみればそうだ。
 
 父親が騎士団長のジャンも憤慨したように言う。

『そういうのって許せないな。こてんぱんにしてやろう』 

 味方が増えたことですっかり周りが見えなかったのだろう。

 俺はジャンも交えて作戦会議をした。





「イザベラ・フォーンドット公爵令嬢っ! 貴様との婚約を破棄するっ!」

 
 卒業パーティーで俺はそれまでの鬱憤を晴らすかのように宣言した。

 イザベラは往生際が悪かった。

 どれほど追い詰めても知らぬ存ぜぬの一点張り。

(やはりここで言うしかないのか)

 流石に国王である父上の前でこんな醜聞を見せる訳にはいかないので、他の公務が押しているのをちょうどいいことにして、父上達が会場入りする前に話を進めてしまおう。

「俺はマリアンヌ・ドロッティ男爵令嬢と婚姻を結ぶことにしたっ!!」

(よし、言い切った)

 会場がどよめきに包まれたようだが、これは想定していなかったか。

(だが、マリアンヌの長所が知れれば大丈夫だろう)
 
 俺は貴族なのに気取らないマリアンヌが好きだった。

 自分でもどうしようもないくらい彼女に惹かれていた。

(これが愛か)
 
 政略結婚は貴族や王族の義務だ。
 
 だが、それだけでは生きていけない。

(俺はあんな澄ました女と人生を送りたくない)
 
 どうせなら俺と同じ物を見て、隣りにいてくれる女性がいい。

「それは陛下もご存じのことでしょうか?」

 自分の想いに浸っていると無粋な声がした。

(まだそんなことを言うのか)

 無駄な足掻きだな。

 父上は最初は反対されるだろう。

 それでもマリアンヌを知ってくれればきっと分かってくれる。

(しかし、本当に動じないな)

 たった今、婚約を破棄したというのに。

 その態度が、お前は自分にとって大した存在ではない、と告げられているようでムッときた。

「そのようなことは今は関係ないっ!!」

(そうだ。ちょうどいい)

「父上には貴様がどれほどの悪女だったか報告しておいてやるっ!!」

 これでどうだ。

 貴様はそれだけのことをしたのだ。




「発言、よろしいでしょうか?」

「何だ?」

(この期に及んで何の真似だ?)

 自身の優位を信じて疑わなかった俺は思ってもない角度から攻撃を受けることになった。


(は? 王太子妃教育を一日たりとも休まず続けてきた? それがどうしたというんだ?)

 そんなもの、この俺の婚約者に選ばれたのだから当然だろう。

 

「では質問を変えましょう。『貴族』は何故平民よりずっとよい物を食べ、良い暮らしをしているのでしょうか?」

(何だそれは)

 貴族や王族であれば当たり前のことだ。

(俺は王族なのだから)

 頭の隅に何かが引っ掛かっているような気がしたが、俺はそのまま口に出してしまった。

「何を言っている? 貴族なら当たり前だろう」

(……? 何だ?)

 場の空気が一気に変わったような気がした。



「貴族が平民より良い暮らしをしているのは、国の民を守るため。この高価な服も食事も元々は国の民が懸命に働いて収めてくれた税金で賄っているのですから」

 正論だった。

 確かに最初の頃の授業でそのようなことを聞かされたような気がする。

『よろしいですか、キーロン様。貴方様が来ている服も口に入る食事も、全ては国の民が懸命に働いて収めてくれた税で作られております。そのことゆめゆめお忘れなきよう』


「それくらい知っている」

 そう答えたものの、動揺を隠せたか分からない。

 あの老師は大分前に辞めていたが、俺のことを侮らないいい教育者だったように思う。


 会場の雰囲気は何故かあの女の方に流れているような気がした。

 自分は王太子妃教育と学業で忙しいからマリアンヌを苛めている暇などない、などという戯言まで持ち出して。

(そう言えば俺の公務も手伝っていたよな)

 いや、そんなことはない。

 この女がマリアンヌを貶めたのだ。 

「そんなもの、他の者に指示を出せばいいだろう」

「私はそのようなことはしておりません」

 きっぱりと告げたあと周囲を見渡す。

「このフォーンドット公爵家としても気になるところですので、貴族会議に上げて欲しいですわね」

(何だと?)

 ――貴族会議。

 主だった貴族の長が集まり行われるそれは時として王を糾弾することもある。

(どこにそんな自信があるんだ)

「貴族会議だと? そんなことをすればどうなるか分かってるんだろうな?」

 どこまでも動じない女にだんだん腹が立ってきた。

(何でこんな女に振り回されなければならないんだ?)

「構いませんわよ。真実が明らかにされるのが楽しみですわ」

 そう言われた瞬間、俺は怒鳴っていた。

「ふざけたことを。衛兵っ!! この女を捕らえよっ!!」

 もう我慢できない。

 茶番は終わりだ。

 このふざけた女を自分の目に付かないところへ閉じ込めておきたかった。

(これでやっと落ち着ける)

 だが衛兵達にはこの命令は違って見えたのだろう。

 もしくは何か魔法でも使ったのか、衛兵達がイザベラを捕らえることはなかった。

「待てっ、イザベラッ!! まだ話は――」

「私は婚約破棄される身ですので、名を呼ぶのはご容赦ください」

 どこまでも馬鹿にした言葉が返ってきた。

 ぐっ、と握り込んだ拳が固くなる。

 その拳に触れる手があった。

(マリアンヌ……そんな目で見るな)
 
 心配ない、と目線で答えて前を向く。

 そこでは今にもあの女が会場を後にするところだった。

(させるかっ!!)

 その時どうしてそんなことをしたのか、自分でもよく分からない。


「大いなる風の眷族、ナージャよ。我に力を。――ウィンドエッジッ!!」



 これで、と思った。

(これであの女も悪かった、と謝罪してくるだろう)

 そうしてマリアンヌを王太子妃として迎えるのだ。

 
 だがそんな俺の思いは打ち砕かれることになる。

「ウィンドシールド」

 俺の渾身の攻撃は相殺され、あまつさえ、

「バリツ王国キーロン王太子、あなたは彼女――フォーンドット公爵令嬢と婚約を破棄した、ということでよろしいですね」

 あの女のように落ち着き払った物言いが気に入らない。

 気に入らないが、相手は第2王子とはいえ他国の王族である。

「ああ、そうだが」

「では、私が貰い受けてもよろしいですね」

(は?)

「いや、その女は――」

「……よろしいですね」

 その眼に込められたのは強烈な独占欲。

 立ち入ってはいけない。
 
 俺はここは引くことにした。

 なのにマリアンヌが絡んだ時は冷や冷やしたが、何とか二人が退場してくれてほっとした。





 その後入れ違いのように入場してきた父上達を別室に案内して大まかな事柄を説明すると、

「何ということを」

 何やら激しい感情を抑えているようだった。

(俺としては当たり前のことをしただけだが)

 やはり父上達にはイザベラは完璧な婚約者に見えるのだろう。

(あんな卑劣な手段を取る者が将来の王妃などとんでもない)

 父上達はつい先ほど到着されたばかりなので、俺が風魔法を使ったことはまだ話していない。

 それについてはおいおい話していくつもりだが、まずはイザベラについて報告しておこう。

「――という訳で残念ながらイザベラ・フォーンドット公爵令嬢は将来の王妃に相応しくないと思います」

「……それ以上言うことはないか」

「はい」

(……? どういうことだ?)

「申し訳ございません」

 俺が疑問に思っているうちに母上が謝り始めた。

「この子はいずれは性根を入れ替えてくれると思っていた私の過ちにございます。どうか寛大なご処分を」

「母上?」

 訳が分からなくなっていると父上が厳しい顔を向けた。

「このような席で独断で婚約破棄をするなど。しかもあの言いようではフォーンドット公爵家に喧嘩を売ったも同然」

「しかし父上――」

「おまけに攻撃魔法だと。お前は何をしたのか分かっているのか」

 攻撃魔法の件はまだ報告していない。
 
 ここに来るなり、俺がこの別室に案内させたのだから。

 今この場にいるのは父上と母上、そして俺と二人の侍従。

 マリアンヌは身分が低いため、まだ同席はできなかった。

 本人は来たがったようだが、流石にここは遠慮してもらった。

(誰が)
 
 一体誰が報告した?

 疑心暗鬼になっていると父上が呆れたように口を開いた。

「誰も告げ口などしておらぬ。ここまで言っても分からぬか」

「一体何を」

 ため息をついた父上に侍従の一人が恐れながら、と声を掛けた。

「恐れながら発言をよろしいでしょうか」

「構わぬ」

 普通は身分の低い者からこのような申し出は滅多にない。

 それでも言ってきたのはこの侍従が古参であることと、何かよほど言いたいことでもあるのだろう。

「それでは僭越ながら申し上げます。王太子殿下には例の小窓の件はご存じなかったようにございます」

(小窓?)

「そうだったな。うっかりしておった」

 全然うっかりとは思ってないような口調で父上が答えた。

「あの会場には、ごく一部の者なら会場内を覗くことができる小窓があったのだ」

(はい?)

「普通の貴族なら分からぬが、お前には以前王族史を学ばせた際に教授した、と聞いたがな」

「……」


(全部、見られていた)
 
 遅く来たのもこの会場内での皆の動向を見ておくため。

 社交辞令だけで世の中を渡っていくことはできない。

 知っていたはずなのに。


「一方的に断罪しただけでなく、攻撃魔法まで使うとは。フォーンドットに何と言ったものか」

「父上、ですがあれは」

「黙れ。もし万が一、フォーンドット公爵令嬢に責があったとしても、このような場での断罪など言語道断。……そうだな。最近、王太子としての重責に疲れてきたのだろう。北の離宮で静養するがよかろう」

 後のことは沙汰を待て、と続けられる。

 要するに切り捨てられたのだ。

 悪いのはあの女なのに、何故俺だけが。

 北の離宮は一時的な措置だろう。

 この様子では王太子どころか、もしかしたら王族ですらいられないかもしれない。

「父上」

「連れて行け」

「はっ」

 控えていた侍従が俺の腕を取り促す。

「待っ、……?」

(何だこの馬鹿力は)

 その侍従が古参というだけではなく、剣の腕前もかなりのもの、と分かったのは大分後のことだった。



 俺はマリアンヌに会うことなく北の離宮へ追いやられた。


 だが、


(こんなことで終わってたまるか。王太子は俺なんだ)


 公には王太子は静養中、ということになっていたが、フォーンドット公爵令嬢の件もあり、ほとんどの貴族達は事情を知っており、王太子派の貴族達は肩身の狭い思いをすることになる。


(力が、欲しい。あんな貴族共に――隣国にすら負けない力が)




 そして――。



「バルタザール。待っていたぞ」

「王太子殿下に取り立てて頂いた御恩、このバルタザール・ブラント。生涯忘れませぬ」

 もと商家であり、男爵として取り立てたブラント男爵が北の離宮を訪れて来た。

(この男でもいい、使えれば)


 
 その後、バルタザールの手引きで俺は王城の宝物庫に侵入し、目当てのものを手にした。

「これさえあれば」

 そう俺が呟く宝物庫の片隅でバルタザールが、

「これが……これさえあれば」  
 
 と、『何か』を手に俺とほとんど同じようなことを呟いていたことに。


 俺は気付かなかった。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢の私は、婚約破棄されて隣国で幸せになるはずだったのに!

Rohdea
恋愛
転生先は悪役令嬢でした。 ──ただし、ハッピーエンドを迎える悪役令嬢として! 伯爵令嬢、リュシエンヌは、王子の婚約者を決める夜会で有力候補を抑えて王子の婚約者となった。 金髪碧眼のThe王子様な彼の姿にずっと恋をしていたリュシエンヌは大喜び! しかし、その夜、屋敷で浮かれてすっ転んだ際に頭を打つ。 そうして思い出した記憶は、 この世界は前世で読んだ漫画の世界である事。 自分こそがその漫画の主人公で、婚約破棄を突きつけて来た王子と浮気相手のヒドインをざまぁしてハッピーエンドを迎える悪役令嬢だという事──…… 「ストーリー通りにいけば私は隣国の皇子に拾われてハッピーになるやつ!」 なのに、婚約者の王子が婚約破棄してくれない!? それどころか構ってくる? え? ヒドインは?? 隣国の皇子は──?? リュシエンヌは全力で物語に乗っかろうとしたのに、何故かストーリーは狂っていく……

モブですが、婚約者は私です。

伊月 慧
恋愛
 声高々に私の婚約者であられる王子様が婚約破棄を叫ぶ。隣に震える男爵令嬢を抱き寄せて。  婚約破棄されたのは同年代の令嬢をまとめる、アスラーナ。私の親友でもある。そんな彼女が目を丸めるのと同時に、私も目を丸めた。  待ってください。貴方の婚約者はアスラーナではなく、貴方がモブ認定している私です。 新しい風を吹かせてみたくなりました。 なんかよく有りそうな感じの話で申し訳ございません。

信じないだろうが、愛しているのはお前だけだと貴方は言う

jun
恋愛
相思相愛の婚約者と後半年で結婚という時、彼の浮気発覚。そして浮気相手が妊娠…。 婚約は破棄され、私は今日もいきつけの店で一人静かにお酒を飲む。 少し離れた席で、似たような酒の飲み方をする男。 そのうち話すようになり、徐々に距離が縮まる二人。 しかし、男には家庭があった…。 2024/02/03 短編から長編に変更しました。

前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています

矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜 ――『偽聖女を処刑しろっ!』 民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。 何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。 人々の歓声に包まれながら私は処刑された。 そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。 ――持たなければ、失うこともない。 だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。 『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』 基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。 ※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)

妹のように思っているからといって、それは彼女のことを優先する理由にはなりませんよね?

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルリアは、婚約者の行動に辟易としていた。 彼は実の妹がいるにも関わらず、他家のある令嬢を心の妹として、その人物のことばかりを優先していたのだ。 その異常な行動に、アルリアは彼との婚約を破棄することを決めた。 いつでも心の妹を優先する彼と婚約しても、家の利益にならないと考えたのだ。 それを伝えると、婚約者は怒り始めた。あくまでも妹のように思っているだけで、男女の関係ではないというのだ。 「妹のように思っているからといって、それは彼女のことを優先する理由にはなりませんよね?」 アルリアはそう言って、婚約者と別れた。 そしてその後、婚約者はその歪な関係の報いを受けることになった。彼と心の妹との間には、様々な思惑が隠れていたのだ。 ※登場人物の名前を途中から間違えていました。メレティアではなく、レメティアが正しい名前です。混乱させてしまい、誠に申し訳ありません。(2024/08/10) ※登場人物の名前を途中から間違えていました。モルダン子爵ではなく、ボルダン子爵が正しい名前です。混乱させてしまい、誠に申し訳ありません。(2024/08/14)

美しく優秀な次女がいるのなら、私は必要ありませんよね? 〜家を捨てた私は本当の姿に戻り、追いかけてきた皇子と街で暮らす〜

夜野ヒカリ
恋愛
アスラート帝国のカトル公爵家の長女リーナは、プラチナブロンドに青銀の瞳の美しく聡明な少女だったが、 母親と妹からの命令で、カツラを被り、肌を汚して生活していた。 そうしなければ暴力を振るわれたためである。 しかし、母親と妹はリーナの本当の姿も、自分たちが強制したことも忘れて、リーナを“醜い無能”と罵った。 自分の扱いに耐えられなくなったリーナは、ある決意をした。 ───── 「お父様、今日より私は、カトルの姓を捨て、平民として生きたく思います」 リーナの18歳の誕生日、リーナは父親である公爵にそう切り出す。 ───── リーナが公爵家を出た時、公爵家の財政管理、領地管理、他家との関係の保持─── ほとんどの仕事はリーナがしていたのだが…………。 貴族としての身分を捨て、街の食堂で働き始めたリーナはそこで幸せになれるのか!? 密かなにリーナに想いを寄せていて、リーナを追いかけて街に下りた皇子との恋の行方は!? 話、設定、登場人物の口調etc. 色々とブレブレですが、ご容赦くださいm(__)m 本編は最後まで執筆、公開予約済みです。本編完結後、のんびりと番外編を更新していく予定です! 3/18 : Hotランキング 60位→30位→15位→10位→6位 3/19~21 : Hotランキング1位 ありがとうございます!!

婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた

cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。 お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。 婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。 過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。 ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。 婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。 明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。 「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。 そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。 茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。 幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。 「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

今さら、私に構わないでください

ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。 彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。 愛し合う二人の前では私は悪役。 幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。 しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……? タイトル変更しました。

処理中です...