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5.謝罪
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自分、前世ではごく普通に生活していたハズなんですが、何かおかしな業でもひろってたっ!?
ええい、こうなったら、もうこれしかないっ!!
「この度は大変申し訳ありませんでしたっ!!」
目の前には驚いたのか静止画のようになっている女子生徒が二人。
場所はとある空き教室。
うっかり目撃者でも作ったら、大変だものね。
あいにく土下座の文化はこちらにはないので、出来る限り頭を下げておく。
「ブランシュ公爵令嬢様には大変なご不快をかけてしまい――」
とこれまでのことを一気に謝罪した。
「……貴女、一体どういうつもりですの?」
反応を返したのはカタリナ嬢と一緒にいた女子生徒。
確か彼女はクリスタ・ツェルツ侯爵令嬢。
このフリント王国でも五指に入る規模の領地の持ち主――ツェルツ侯爵の三女で、第二王子ホープ王子の婚約者でもあります。
(うわぁ。やっぱり怒ってるよ)
まあ当たり前なんだけどね。
このホープ王子、あたし達と同じ学年なんだよね。
所謂妾腹、ってのね。
でもあちらはきちんと側室として認められている方が産んだのだから、あたしとは大違いなのに。
この娘ったら、気軽に話しかけて――。
「大体何なんですの、貴女。カタリナ様があれほど忠告されてくれたというのに、それを悉く無視した挙句、今更になって――」
もうお察しかもしれませんが、このホープ王子も所謂『攻略対象』ってので。
(何で攻略しちゃってるんでしょうね。この娘)
軽く死んだ目になっていると、
「クリスタ、もうそのくらいになさって」
静観していたカタリナ嬢が口を開いた。
(うわぁ、その口調も所作もすごいサマになってる。ただ)
何故かメッチャ漂う悪役感(なんでや)。
カタリナ嬢は、
「クリスタの言うことも一理ありますが、ご自分のなさったことに気付かれたのなら、もうよろしいですわ」
「カタリナ様っ!」
ですが、とカタリナ様が続けた。
「貴女がこうしてここへいらしたのには、他にも理由があるのではありません?」
(カタリナ様、優しい!! でもって賢いっ!!)
自分としても話が早く進むのは助かるので早速飛びつかせていただきます。
何故って時間がないので。
『断罪イベント』となる卒業パーティーまであとひと月を切ってますからね。
「多大なるご厚情、ありがとうございます。時間が勿体ないので無作法になりますが早速お耳にお入れしたことが――」
と言って一気に話しました。
アルフォート殿下があたしを何故かこのまま花嫁、ゆくゆくは王妃にしたがっていること。
そしてカタリナ嬢とは卒業パーティーで婚約解消、断罪しようと目論んでいること。
ええい、こうなったら、もうこれしかないっ!!
「この度は大変申し訳ありませんでしたっ!!」
目の前には驚いたのか静止画のようになっている女子生徒が二人。
場所はとある空き教室。
うっかり目撃者でも作ったら、大変だものね。
あいにく土下座の文化はこちらにはないので、出来る限り頭を下げておく。
「ブランシュ公爵令嬢様には大変なご不快をかけてしまい――」
とこれまでのことを一気に謝罪した。
「……貴女、一体どういうつもりですの?」
反応を返したのはカタリナ嬢と一緒にいた女子生徒。
確か彼女はクリスタ・ツェルツ侯爵令嬢。
このフリント王国でも五指に入る規模の領地の持ち主――ツェルツ侯爵の三女で、第二王子ホープ王子の婚約者でもあります。
(うわぁ。やっぱり怒ってるよ)
まあ当たり前なんだけどね。
このホープ王子、あたし達と同じ学年なんだよね。
所謂妾腹、ってのね。
でもあちらはきちんと側室として認められている方が産んだのだから、あたしとは大違いなのに。
この娘ったら、気軽に話しかけて――。
「大体何なんですの、貴女。カタリナ様があれほど忠告されてくれたというのに、それを悉く無視した挙句、今更になって――」
もうお察しかもしれませんが、このホープ王子も所謂『攻略対象』ってので。
(何で攻略しちゃってるんでしょうね。この娘)
軽く死んだ目になっていると、
「クリスタ、もうそのくらいになさって」
静観していたカタリナ嬢が口を開いた。
(うわぁ、その口調も所作もすごいサマになってる。ただ)
何故かメッチャ漂う悪役感(なんでや)。
カタリナ嬢は、
「クリスタの言うことも一理ありますが、ご自分のなさったことに気付かれたのなら、もうよろしいですわ」
「カタリナ様っ!」
ですが、とカタリナ様が続けた。
「貴女がこうしてここへいらしたのには、他にも理由があるのではありません?」
(カタリナ様、優しい!! でもって賢いっ!!)
自分としても話が早く進むのは助かるので早速飛びつかせていただきます。
何故って時間がないので。
『断罪イベント』となる卒業パーティーまであとひと月を切ってますからね。
「多大なるご厚情、ありがとうございます。時間が勿体ないので無作法になりますが早速お耳にお入れしたことが――」
と言って一気に話しました。
アルフォート殿下があたしを何故かこのまま花嫁、ゆくゆくは王妃にしたがっていること。
そしてカタリナ嬢とは卒業パーティーで婚約解消、断罪しようと目論んでいること。
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