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21 僕のための女の子(エドワード視点)

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 「さようなら」と言って、シャーロットが僕を置いて部屋を出ていく。


 こんな筈じゃない。     

 シャーロットが僕のことを捨てるなんて、ある筈がない。そんな事があってはいけない。


 何がいけなかったんだ、何が………。


 机に置かれた雑誌と婚約破棄の書類を見る。


 まだだ、まだ僕達の関係は終わってない。


 シャーロットにきちんと話せば、今までみたいに許してくれる筈だ。


 「仕方ないわね」と言って、困った様に笑って許してくれるシャーロットを思い出す。


「エドワード様。失礼いたします。昼食の準備が整いましたが、どうされますか?」 


 メイソンが呼びに来て、時間が経ったのを知る。

 もう昼になったのか……。

 考え込んでいたら時間が経っていたらしい。


 一人で考え事がしたいから放っておいてくれと自分の部屋に戻る。


 夜になると父上が帰って来たらしく、廊下から「旦那様!お待ち下さい!!」と言う声が聞こえてくる。


 話し声が近づいてくると、バンッと勢いよくドアが開く。


「エドワード。自分が何をしたのか分かっているのか」

「……父上。メイソンに一人にして欲しいと伝えた筈ですが……」


 ソファから気怠そうに起き上がると、父上がテーブルに紙を叩きつける。
 

「シャーロットからの手紙を読んだ」

「シャーロットから手紙がきたんですか!?」


 「何が書いてありましたか?」と父上を見ると、「婚約破棄をしたいと書いていた」と言う。

 期待していた内容ではなくて肩を落とす。


「雑誌の記事も見たが、これ程まで分別がないとは思わなかった。父としても、経済省としても、処分する事になるだろう。処分が決まるまで、部屋で大人しくしているように」
 

 そう言って父上が部屋を出ていくと、メイドが部屋に入ってくる。


「エドワード様。お手紙が届いております」


 手紙を受け取って宛名を見ると、笑みを深める。


 まだ僕達は終わりじゃない。諦められる筈がないだろう……。


「だって……君は僕のための女の子なんだから」



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