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48.ショタっ娘とスローライフ(19)
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「さ、駐車はこれでよしと。あとは向こうにある、エレベーターからアーケード商店街に出れば、街ブラデートの始まりだよ」
「うん! 何があるのか楽しみだねー」
ミオが助手席のドアを閉め、伸びをしながら、まだ見ぬアーケード商店街に期待を寄せる。
現在の時刻は午前十時ちょっと。今日のデートのお楽しみである、お子様ランチを食べに行くにはまだ早い。
なので、アーケード商店街の入り口に出た俺たちは、まず、店開きが済んだところに目をつけ、気になるお店には、片っ端から立ち寄っていく事にした。
「こんな時間から、商店街を歩くのはいつ以来かなぁ。まだお客さんもまばらだし、活気づくのはお昼ごろかな」
「みんなもご飯を食べに来るの?」
「それもあるし、ここにしか売ってないものを買いに寄ったりするんだろうね」
「んー? ここにしか売ってないもの?」
まだ商店街の全貌を把握していないミオは、俺が言ったモノの正体を推測しきれないのか、首をひねったまま、その場で動きを止めてしまった。
「ま、それはおいおい分かるさ。とりあえずは、あそこの本屋から覗いてみるとしようか」
「うん。プリティクッキーの漫画があるといいなー」
今しがたミオが口にした名前は、毎週日曜日の午前中に放映している、主に女児向けだが、いわゆる大きなお友達にも人気の高いアニメ『魔法少女プリティクッキー』の事である。
里子として我が家に迎え入れた後、初めてアニメを見たミオがカルチャーショックを受け、のめり込むきっかけになったのが本作だ。
プリティクッキーは題名が示す通り、お菓子をテーマにしているため、作中によく出るクッキーをそのまま商品化したり、タイアップが頻繁に企画されたりと、なかなか注目されやすい。
で、そんな注目されやすい魔法少女プリティクッキーは、アニメコミックという、アニメのワンカットに吹き出しや効果音を足して、さも漫画であるようなコマ割りがなされている本として売り出され、全国の書店に並んでいるのだ。
ミオが欲しいのは、その最新刊。自分のお小遣いをコツコツと貯めて、一巻から買い揃えてきたものの、先日発売された第七巻だけは、あまりの人気のため売り切れており、まだ入手できていなかったのである。
そんなもどかしい状況だからこそ、アーケード商店街の書店を目にしたミオは、真っ先に、プリティクッキーの最新刊が置かれているか否かが気になったのだろう。
「うん! 何があるのか楽しみだねー」
ミオが助手席のドアを閉め、伸びをしながら、まだ見ぬアーケード商店街に期待を寄せる。
現在の時刻は午前十時ちょっと。今日のデートのお楽しみである、お子様ランチを食べに行くにはまだ早い。
なので、アーケード商店街の入り口に出た俺たちは、まず、店開きが済んだところに目をつけ、気になるお店には、片っ端から立ち寄っていく事にした。
「こんな時間から、商店街を歩くのはいつ以来かなぁ。まだお客さんもまばらだし、活気づくのはお昼ごろかな」
「みんなもご飯を食べに来るの?」
「それもあるし、ここにしか売ってないものを買いに寄ったりするんだろうね」
「んー? ここにしか売ってないもの?」
まだ商店街の全貌を把握していないミオは、俺が言ったモノの正体を推測しきれないのか、首をひねったまま、その場で動きを止めてしまった。
「ま、それはおいおい分かるさ。とりあえずは、あそこの本屋から覗いてみるとしようか」
「うん。プリティクッキーの漫画があるといいなー」
今しがたミオが口にした名前は、毎週日曜日の午前中に放映している、主に女児向けだが、いわゆる大きなお友達にも人気の高いアニメ『魔法少女プリティクッキー』の事である。
里子として我が家に迎え入れた後、初めてアニメを見たミオがカルチャーショックを受け、のめり込むきっかけになったのが本作だ。
プリティクッキーは題名が示す通り、お菓子をテーマにしているため、作中によく出るクッキーをそのまま商品化したり、タイアップが頻繁に企画されたりと、なかなか注目されやすい。
で、そんな注目されやすい魔法少女プリティクッキーは、アニメコミックという、アニメのワンカットに吹き出しや効果音を足して、さも漫画であるようなコマ割りがなされている本として売り出され、全国の書店に並んでいるのだ。
ミオが欲しいのは、その最新刊。自分のお小遣いをコツコツと貯めて、一巻から買い揃えてきたものの、先日発売された第七巻だけは、あまりの人気のため売り切れており、まだ入手できていなかったのである。
そんなもどかしい状況だからこそ、アーケード商店街の書店を目にしたミオは、真っ先に、プリティクッキーの最新刊が置かれているか否かが気になったのだろう。
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