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24.初めての海水浴(6)
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「じゃあその辺をちょっと泳いでみるから、ミオはそこで見ててな。浮き輪は離しちゃダメだぞ」
「はーい。お兄ちゃん頑張ってぇ」
ショタっ娘の黄色い声援を背中に受けた俺は、その場に足をつけて、深く息を吸い込んだ。
そして砂地を蹴り出し、体を水平にして水面に浮かせ、両手を前に突き出す。
まずは顔を水中に浸けたまま、バタ足で前に進み、水をかき分けながら、ここぞというタイミングで息継ぎをしてみせた。
クロールで息継ぎをする時は、水面に顔を浸けている間に息を吐き切る。
次に、水をかき分けた右手を大きく上げると同時に、体勢が水面に対して腹ばいになるため、自然と顔が水中から露出する。
このタイミングで大きく息を吸い込み、右手が水中に付いたら体勢もまた水平に戻るため、再度息を吐き出す体勢に持っていけるのだ。
スクールや利き腕によって泳法が細かく異なるのだろうが、俺が習ったクロールはそういうやり方だった。
そのスクール直伝のクロールを駆使し、ミオの横を行ったり来たりして、俺も一応泳げるんだぞ、という最低限の証明はできたと思う。
ただ、やっぱり長年のブランクというものはごまかせないもので、少しぎこちない泳ぎ方になってしまい、あまり速く前に進めなかった。
まぁ、足がつって溺れなかっただけマシか。
「ふぅー、ふぅー……どうだった? かっこよくはなかったけど、一応、泳げただろ?」
久しぶりの水泳で思いっきり息が上がってしまった俺は、肩で呼吸をしながらミオに問いかける。
「うん! お兄ちゃんのクロール、すごくかっこよかったよ!」
「え。ほんとに?」
「ほんとだよー。一生懸命泳いでるお兄ちゃんを見てて、ボク、ずっと胸がドキドキしてたの」
ほんのりと頬が染まったミオは、右手を胸に当て、鼓動の高鳴りを感じ取りながら、ゆっくりと俺の顔を見上げた。
「ボクのためにありがとう、お兄ちゃん。大好きだよ」
くぅー、かわいい。
ミオは言うまでもなく男の子なんだけど、そんな事すらも忘れさせるほどキュートで愛らしいので、「好きだ」と言われる度に、思わずにやけてしまう俺がいる。
ミオほど中性的、いや、女の子寄りなショタっ娘にときめいてしまうと、もはや俺がショタコンなのかロリコンなのかも分からなくなるな。
*
――ミオの海での初泳ぎに始まり、俺のクロールを披露した後。
俺たちは、海辺で水遊びをしたり、手を使った水鉄砲の撃ち方などをミオに教えたりして、二人っきりの楽しい時間を過ごした。
そういう楽しい時はすぐに過ぎていくもので、ふと砂浜の方へ振り返って時計塔を見ると、時刻はもう、午前十時半過ぎを回っていたのである。
もう少し経てば正午が訪れるから、遊びに熱中しながらも、頭の中では昼食の時間を意識しておく必要がある頃に差し掛かってきたのだ。
という事で、そろそろ海から上がって、お昼ご飯の時間までは砂浜でのんびりしようかという話になり、今度は二人で砂遊びをする事にした。
ミオは砂のお城を作りたいようで、かき集めた砂を山のように盛り、海水を含ませ、長方形に整えていく。
お城というより、平屋建ての一軒家?
で、その一軒家にはトンネルがいるとの事で、深く掘り下げたトンネルに海水を流し込んで、謎の水路を作っていく。
これはどういう仕組みのお城なのか分からないが、建物となる部分はキッチリ成形されているので、この子には物をまっすぐ、直角に仕立て上げる才能があるんだなと思った。
「はーい。お兄ちゃん頑張ってぇ」
ショタっ娘の黄色い声援を背中に受けた俺は、その場に足をつけて、深く息を吸い込んだ。
そして砂地を蹴り出し、体を水平にして水面に浮かせ、両手を前に突き出す。
まずは顔を水中に浸けたまま、バタ足で前に進み、水をかき分けながら、ここぞというタイミングで息継ぎをしてみせた。
クロールで息継ぎをする時は、水面に顔を浸けている間に息を吐き切る。
次に、水をかき分けた右手を大きく上げると同時に、体勢が水面に対して腹ばいになるため、自然と顔が水中から露出する。
このタイミングで大きく息を吸い込み、右手が水中に付いたら体勢もまた水平に戻るため、再度息を吐き出す体勢に持っていけるのだ。
スクールや利き腕によって泳法が細かく異なるのだろうが、俺が習ったクロールはそういうやり方だった。
そのスクール直伝のクロールを駆使し、ミオの横を行ったり来たりして、俺も一応泳げるんだぞ、という最低限の証明はできたと思う。
ただ、やっぱり長年のブランクというものはごまかせないもので、少しぎこちない泳ぎ方になってしまい、あまり速く前に進めなかった。
まぁ、足がつって溺れなかっただけマシか。
「ふぅー、ふぅー……どうだった? かっこよくはなかったけど、一応、泳げただろ?」
久しぶりの水泳で思いっきり息が上がってしまった俺は、肩で呼吸をしながらミオに問いかける。
「うん! お兄ちゃんのクロール、すごくかっこよかったよ!」
「え。ほんとに?」
「ほんとだよー。一生懸命泳いでるお兄ちゃんを見てて、ボク、ずっと胸がドキドキしてたの」
ほんのりと頬が染まったミオは、右手を胸に当て、鼓動の高鳴りを感じ取りながら、ゆっくりと俺の顔を見上げた。
「ボクのためにありがとう、お兄ちゃん。大好きだよ」
くぅー、かわいい。
ミオは言うまでもなく男の子なんだけど、そんな事すらも忘れさせるほどキュートで愛らしいので、「好きだ」と言われる度に、思わずにやけてしまう俺がいる。
ミオほど中性的、いや、女の子寄りなショタっ娘にときめいてしまうと、もはや俺がショタコンなのかロリコンなのかも分からなくなるな。
*
――ミオの海での初泳ぎに始まり、俺のクロールを披露した後。
俺たちは、海辺で水遊びをしたり、手を使った水鉄砲の撃ち方などをミオに教えたりして、二人っきりの楽しい時間を過ごした。
そういう楽しい時はすぐに過ぎていくもので、ふと砂浜の方へ振り返って時計塔を見ると、時刻はもう、午前十時半過ぎを回っていたのである。
もう少し経てば正午が訪れるから、遊びに熱中しながらも、頭の中では昼食の時間を意識しておく必要がある頃に差し掛かってきたのだ。
という事で、そろそろ海から上がって、お昼ご飯の時間までは砂浜でのんびりしようかという話になり、今度は二人で砂遊びをする事にした。
ミオは砂のお城を作りたいようで、かき集めた砂を山のように盛り、海水を含ませ、長方形に整えていく。
お城というより、平屋建ての一軒家?
で、その一軒家にはトンネルがいるとの事で、深く掘り下げたトンネルに海水を流し込んで、謎の水路を作っていく。
これはどういう仕組みのお城なのか分からないが、建物となる部分はキッチリ成形されているので、この子には物をまっすぐ、直角に仕立て上げる才能があるんだなと思った。
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