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だから、空気読んでってば!

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「やっとくっついたか。まったく……。お前たちは俺に感謝するべきだと思うが?」
 午後の授業が終わった頃、コンラッドがいつものように予告もなく謹慎塔にやってきて、我が物顔で客間のソファに座っている。
 せっかく両想いになって幸せな時間を過ごしていたというのに、やはりこの腹黒鬼畜変態王子は空気が読めないようだ。
「感謝してほしいのであれば、訪問する時期というのを考えてからにしていただきたいものですわねぇ?」
 シャーロットは彼の前にあるソファに腰かけ、額に青筋を立たせている。
「なんだ? 真っ最中に来てしまったか? それはすまなかったな」
「そう思うなら、気遣いを見せたらどうですの!」
「気なら遣ってやっただろう。昨日のことを忘れたか?」
 一体どこまで計算していたのか、確かに昨日のコンラッドとの訪問があったからこそ、崖を転げ落ちるような猛スピードでやっと想いが通じたわけだが、この男の全く反省の色を見せない態度に腹が立つ。
「そうでしたわ! 殿下! どうしてあの媚薬の使い方を教えてくださらなかったのです! あと一歩で私は……!」
「なんだ、お前が飲んだのか。まぁ正しい使い方がわからない方が、レオンも必死になるだろうと思ったからな。現に、良かっただろう?」
 確かに良かった。
 コンラッドがこの謹慎塔に訪れる前まで、昨晩から数えて三度目の閨に挑んでいたのだが、やはり一番よかったのは、最初に長期戦を強いられたあのときだろう。
 思い出しただけで顔が赤くなり、シャーロットはぷいっと顔をそむけた。
 そんな彼女に何を思ったのか、にやっ、と綺麗な顔を歪めて笑うコンラッドだったが、すぐに表情を引き締め、一枚の紙を差し出してくる。
「お前の退学手続きの書類だが、本当に退学する気か?」
 そういえば、とシャーロットは差し出された書面を見つめる。昨日は感情に任せて、退学手続きをしてもらうよう、学園長に直談判していたことを思い出した。
 原作通りの道を選ぶのであれば、卒業まで何があるのかわからないので、ここで学園から去っておいた方が良いのかもしれない。
 だが正直、シャーロットは迷っていた。
(もう少し、レオン様と一緒にいたいしなぁ……)
 レオンはコンラッドの護衛の任があるので、シャーロットが先に学園を出てしまうと、彼の領地で帰りを待つことになるのだろう。
 だがもう少し一緒にいたい。
 コンラッドが学園を卒業したところで、レオンはその後王宮に戻り、領地に戻る手続きをしなくてはならず、帰りがいつになるのかは予測もつかないのだ。
 王都で待っていても良いが、シャーロットには先立つものがない。侯爵家に戻れないシャーロットは無一文だ。
 レオンに言えば用立ててもらえるだろうが、まだ正式な婚約もしていないのにそれは気が引ける。仕事をしようにも、侯爵家の令嬢とはいえ、紹介状もなく職には就けないだろう。
「おい、そんなに考え込むなら、一言、『取り下げたい』と言ったらどうだ?」
 呆れ顔のコンラッドは、書面を両手に持つとそれを一気にビリッと破り捨てた。
「ちょっと! 殿下!!」
「まぁ、『取り下げたい』などという言葉は矜持の高いお前の口から引き出せるなど、思っていないがな」
 ソファの背もたれから背中を浮かせたコンラッドは、真っすぐにシャーロットをその双眸で捉えた。
「仮に学園から去る気が変わっていなくとも、お前にはまだこの学園に居てもらう必要がある」
「――何をお考えなのです」
 真剣なその眼差しに、小さく喉が鳴る。
 居住まいを正してその瞳と対峙すると、コンラッドは違う紙をシャーロットへ差し出した。
「これは……」
 豪華な飾りがついたその紙は婚約解消の書類だった。
「お前も晴れてレオンを手に入れた。ならば、最終的にはコレが必要だろう」
 そうだ。
 悪役令嬢の末路と言えば、婚約破棄である。
 原作では学園と侯爵家から追い出され、すぐに死を迎えたシャーロットは、その事実をもって自動的に婚約破棄されていた。
 そのため婚約を解消するために書面が必要だとは思わなかった。
(離婚届……みたいなものかな?)
 まじまじとその紙を見つめていると、それは二人の間を仕切るテーブルの上に置かれる。
「お前には、卒業式に俺と共に婚約破棄の宣言をしてもらう」
「宣言?」
「そうだ。俺たちの婚約は公のものだからな。卒業式には卒業生の親族もやってくる。わざわざ場を設けるより、手軽で良いだろう」
「なら、殿下だけいらっしゃればよろしいではありませんの」
「そうすれば、理由を追及されるだろう。お互い、そこを突かれるのは痛い話ではないか?」
 根本はコンラッドの浮気から始まったことだが、その浮気を阻止できなかったシャーロットを非難する者はいるだろう。さらには卒業間近のこの時期に、謹慎塔にまで入れられたのだ。シャーロットの方に問題があった、と言われかねない。
「俺はこの学園を卒業すると共に立太子することが確定した。お前もレオンに嫁ぐことは確定だろう。ならば、円満に婚約を破談にすることは、お互いにとって重要なことのはずだ。お前も貴族の噂話の醜悪さは知っているだろう」
「確かに、そうですわね……」
 レオンは貴族の噂話など気にしないかもしれないが、シャーロットはそうではない。
 自分のせいでレオンまで悪く言われるのは我慢ならなかった。
「よって、お互いに想い人ができたから婚約を破棄するということを、公に宣言しようと思う」
「それで、何とかなるものですの?」
「我が王家とお前の家が婚姻がなくとも今後も良い関係が続く、ということを伝えられれば大した問題にはならない。政略結婚の本質は利益だからな」
「それはそうですが……」
「レオンは伯爵家の出だが、王宮内では魔道騎士の称号を持った騎士団のトップだ。王家にとっても重要な人材であり、俺に姉か妹がいればレオンに嫁がせていただろう。そのくらいの人材だ」
 内心、彼に女きょうだいがいなくてよかった、と本気で安堵しつつ、シャーロットはなるほど、と顎に指をかける。
「お前の家のことだが、レオンにお前が嫁げば貴族間でも一目を置かれることだろう。俺との婚姻と同等のメリットがあるだろうな。それにレオンは前妻を失ってから、前妻のために結婚はしないと言い切り縁談を断り続けていた男だ。あいつの地位を欲する貴族も多い中、お前の名を上げれば誰も文句は言わない」
 これは金を積んでも振り向かない難攻不落の男が第一王子から奪い取った令嬢として、シャーロットも傷つかずに済む、ということでもある。
「この塔に入っていたことも、レオンとの逢瀬のためにわざと入った、ということにすればいい。女が自分の未来を投げ出して男に身を捧げることなどよくある話だろう」
 コンラッドのシナリオでは、シャーロットはずっとレオンを慕っており、卒業間近になって絶望し、わざとコンラッドを傷つけて謹慎塔に入りレオンと距離を置こうとしたが、レオンもシャーロットを慕っており彼の方から護衛の任に付き、想い合う二人はこの場所で愛を確かめた、ということにするらしい。
(どこの夢物語だよ……。あ、この世界ってそう言うことも良く起こるのか)
 女は男のために身を捧げがち。
 男も女のために任を離れがち。
 それで本当に世界は回るの? と疑問になるようなことではあるが、ティーンズラブの世界ではこれが当たり前であり、むしろ美談とされるのだ。そしてモブたちもそれをすんなりと受け入れてしまう、というご都合主義な世界なのである。
「それで上手くいくのであれば、異論はありませんわ」
 この世界のことは、この世界の住人に任せた方が高確率でうまくいくだろう。シャーロットもこの世界の住人ではあるが、前世の記憶があるせいで二つの価値観があり、何が最善なのか判断がつかない。
 それにコンラッドに任せれば間違いないはずだ。
 なぜならば彼は、この世界の『ヒーロー』なのだから。
「そういえば、今日は『ご友人』はいらっしゃいませんのね」
「マリアなら置いてきた。お前と話をするなら、連れてこない方が良いだろう」
「あら、ご存じでしたの? それとも、最近お気づきに?」
「嫌味を言うな。俺だって好きでマリアをこんなカビ臭いところに連れてきていたわけじゃない」
「私にあなた方の仲の良さを見せつけるためだけに連れてきていたのでしょう?」
「それもあるが、本人の希望だ」
「はい?」
「マリアは、お前を見習いたいそうだ。だからしつこく昼食を共にと」
「あれはあなたからのお誘いではなかった、ということですの?」
「彼女の案に乗ったには乗ったが、別に昼食でなくても良いだろう、とは思っていたぞ」
 マリアンヌはコンラッドほど身軽ではない。彼女が自由にできる時間は限られているのだ。それこそコンラッドの力を借りなければ何もできず、謹慎塔にすら来られないのである。
「ですが、私を見習いたいとは……。本当に彼女がそんなことを?」
「あぁ。マリアはお前が目標らしい」
 マリアンヌには嫌われていると思っていたが、むしろ目標にされていたとは驚きだ。
(原作では、そんなこと描かれてなかったのに……)
 だが彼女はひとりで王太子妃として成長を遂げる。それは彼女が誰かをリスペクトしていたからに他ならないのだろう。その『誰か』がシャーロットだったのだ。
「お前は今更マリアに良い感情を抱けないかもしれないが、後ろ盾とは言わずとも、教えられることは教えてやってほしい」
「――それは命令ですの?」
「そう聞こえるか?」
 命令というよりも、お願い、だった。
 いつもは傲慢なコンラッドらしからぬ態度に、シャーロットは何とも言い難い表情になってしまう。
「――何か変なモノでも食されましたの?」
「こちらが下手したてに出ればその物言いか?」
「あら、本物の殿下でしたのね。てっきり、殿下の皮を被った誰かなのかと思いましたわ」
 ふふっと笑うと、コンラッドも小さく喉の奥で笑った。
 このやり取りも、いつの間にかいつもの光景になっている。婚約者としての時間は長いのに、こんな言い合いができるようになったのはこの謹慎塔に入ってからだ。
「――今後、私とレオン様のことを邪魔しない、というのであれば、考えなくもありません」
 後ろ盾ではなく、ちょっと教えるだけであれば、まだ精神的に楽だろう。むしろ、今まで通りと言える。シャーロットはマリアンヌをいびってきたが、大半は貴族としての礼儀や仕来しきたりについて、彼女が無知過ぎたため、上級生として注意していたという側面もある。他の虐めまがいのことは、シャーロットの取り巻きたちが勝手にしたことだ。
 それらはシャーロットの知らないところで行われており、気づいたときにはもう遅かったのだが、彼らの出方次第では、彼女たちにお灸を据えるというオプションもつけようと、密かに心に決めた。
「話は終わった。それで、どうする」
「はい? 何がでしょう?」
「もうこの謹慎塔に滞在する理由はないだろう。あと半月の期限はあるが、寮に戻っても良いのだぞ」
 これはコンラッドの今世紀最大の譲歩ではないだろうか。彼を傷つけたが故に入れられた謹慎塔だが、また温情をかけてくれるようである。
「では課題はどうなるのです?」
「あんなもの、お前とレオンを引き合わせるための口実だ。二人して馬鹿真面目だからな。課題なりなんなりがなければ、今のように親しくはならなかっただろう」
 確かにその通りだった。
 シャーロットとコンラッドは同級生であり、当然レオンは入学の日から就いている。密かにレオンに想いを寄せていたシャーロットは、ただ想いを胸に秘めるだけで声を掛けようとともしなかったのだ。そんな二人が何かしら交流を持てるようにするためには『必然』が必要になる。
 例えば教師と生徒のような、そんな関係が。
「――つまり、私たちはあなたの手のひらの上で転がされていたと?」
「人聞きが悪いな。勝手に転がったのはお前たちの方だ」
 結局は、結果よければすべて良し、であるのだが、解せない。
(まさか腹黒鬼畜変態王子がキューピットだっただなんて……。どんだけどす黒い天使なんだか……。いや、それじゃあただの悪魔か)
 悪魔に誑かされた。
 そう言った方がしっくりくるだろう。
 シャーロットは気を取り直し、窓の方へと視線を向けた。
「私はもう少しここに居ようと思っておりますわ。あなたの言うシナリオ通り、ここで、許される限り逢瀬を全うします」
 寮に戻れば、レオンとの時間は極端に減ってしまう。寮は男女に分かれており、異性は立ち入り禁止なのだ。コンラッドのような地位がある男であれば、マリアンヌを連れ込むことも容易いのだが、シャーロットはその限りではない。
 王族と貴族は、そこが決定的に違うのだ。
「ならばこちらも、婚約者殿の機嫌を損なわないよう、戻ってきても快適な環境を提供できるよう、準備をしておくとするか」
 スッと立ち上がり、コンラッドはヒラヒラと背中越しに手を振って部屋を出ていく。
 それと入れ違いになるようにして、レオンが入ってきた。ずっと、部屋の前で見張りをしてくれていたのだ。
「お話は済みましたか?」
「はい」
「少し妬けますね」
「え?」
 ソファの背もたれ越しに、大きな腕がシャーロットの胸元に回された。
「コンラッド様とのお話は楽しかったようだ。とても、嬉しそうなお顔をしておられる」
「嬉しいのは、殿下と話したことではなく、まだレオン様とこうしていられることがわかったからですわ」
 すりっと彼の腕に頬を摺り寄せると、顎に指を掛けられ、啄むようなキスが降ってくる。
 あと二週間。
 たっぷりと二人きりの時間を堪能しよう。
 そう思っていたのだが、シャーロットはこの時、あることをすっかり忘れていた。
 この後起こる、重大な事件のことを。
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