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なんか怒ってる?

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 コンラッドと入れ替わるようにして、レオンがやってきて、彼の口からも『今日からここに住み込みで護衛をする』と報告を受けた。
「――あの、レオン様」
「はい、なんでしょうか?」
「その……、宜しいのですか?」
 彼の本来の任は、第一王子の護衛のはずだ。いくら他にも護衛騎士たちがいるとはいえ、シャーロットの護衛などして良いのか気になった。
「コンラッド様より許しは得ています。それに、あんなことがあったのです。あなたをここに一人では置いておけません。学園長殿にも了承を得ています」
「そうですか……」
 言いながらも、シャーロットは野菜の皮を手で剥いている。
 今、ふたりで昼食を作っているところだ。レオンは隣で、シャーロットが剥いた野菜を切ってくれている。
(なんだか……新婚さんみたい……)
 恋人同士の甘い時間をすっ飛ばして、いきなり新婚。貴族社会ではこれが当たり前のことではあるが、現代日本の感覚も持ち合わせているシャーロットにしてみれば、なんだかむず痒い感覚に陥ってしまう。
「シャーロット嬢も、お身体の具合はどうですか? どこか痛むところは?」
「いえ、あの……、昨晩は、ありがとうございます……」
 湯殿でのことを思い出すと、羞恥で顔が真っ赤になってしまう。それを赤い髪で誤魔化そうとすると、そっと隣から手が伸びてきた。
「その手で髪に触れては、せっかくの美しい髪が汚れてしまいますよ」
 顔を隠そうとしたのに、その逆で髪を耳にかけられてしまう。その手慣れた仕草に、シャーロットはさらに頬を紅潮させた。
「シャーロット嬢?」
 間近にレオンの顔が迫ってきて、昨晩その唇にキスをされたときの記憶が鮮明によみがえった。
「あ、あの!」
 ぷいっ、とそっぽを向きつつ、横目でレオンを流し見る。
「その……、もう、ロティ―とは、呼んでくださらないのですか……?」
 湯殿で、彼は確かにシャーロットの身体に触れながら、何度も愛称で呼んでくれた。それなのに、もう呼んでくれないのだろうか、と拗ねた表情をすると、彼はふわりと微笑み、大きな手でシャーロットの頬を撫でた。
「その名を呼ぶときは、あなたにご褒美をあげるときです。今は、その名ではお呼びできません」
「…………」
 ご褒美、というのであれば、昨晩はちゃんと彼に軟膏を塗らせたことへの「ご褒美」ということだろうか?
 なんだか、解せない。
「今日のお勉強の際、ちゃんとできたらご褒美を差し上げます。それではダメですか?」
 腰にくる低音で囁かれては、言うことを聞くしかない。
「できなかったときは、ちゃんと罰ゲームもありますので、気を緩めないようにしてくださいね」
 意地悪な言葉を残して、彼は切った野菜たちを鍋へと移し始めた。
(罰ゲーム? それって……、まさか……)
 罰ゲームは、レオンがシャーロットの身体に触れること、だ。レオンに限っていかがわしいことはしないだろうが、コンラッドは言っていた。
『あいつも男だ』
 そう、レオンは騎士である前に、男である。
 そしてこの世界はシャーロットには優しくないものの、エッチなトラブルが頻繁に生じる世界でもある。
(私に優しくないエッチなシチュエーションって、何……?)
 シャーロットのその疑問は、この後すぐに判明することになった。






「――これも違いますね。私の話を聞いていましたか?」
「…………すみません」
 昼食を終え、シャーロットは謹慎塔の中にある来賓室のような場所で勉強をしていたのだが、やはり彼の声が良すぎて全く集中できず、小テストにはほぼペケがついてしまった。
 だがそれは、レオンの声が良いからだけではない。彼らの体勢に問題があるのだ。
「どうして覚えられないのですか? こんなに近くで説明しているのに」
「なっ! だって……!」
 シャーロットは背中から耳元に落とされる声に、ビクッと身体を震わせた。
 いま、シャーロットはソファに座るレオンの膝の上にちょこんと腰を下ろし、真上から彼の説明を聞かされているのだ。
 こんなの、集中できるわけがない。
 こうなってしまった原因は、授業を始めたばかりの頃に彼の声に聞き惚れてしまい、全く話を聞いていなかったシャーロットに非があるものの、この体勢のまま授業を受けるなんて、ご褒美でもあり拷問でもある。
「あ、あの、もう、降ろして、ください……」
「これは罰ゲームです。ご辛抱ください」
「きっ、緊張して、頭に全く入ってきません」
「それは困りましたね。しっかり覚えてくださらないと」
 なんだか、今日のレオンは少し意地悪だ。どこかタガが外れたようにも感じるが、それは気のせいではないだろう。
「あの、レオン様」
「はい」
「何か、怒って……いらっしゃいますか?」
「…………何故そう思われるのです?」
「あの、少し、意地悪……と言いますか……」
 ぎゅっと膝の上で両手を握りしめていると、ペンを走らせていたレオンの大きなそれが、そっと重なった。
「意地悪ですか?」
「だって、こんな体勢で授業だなんて……」
 この体勢で授業を受けること一刻。ずっと聞きたかったことを、シャーロットはとうとう口にしていた。
「そうですね。意地悪をしていることは認めます」
「授業を真面目に受けていなかったことは謝罪します。私が悪いです。だから――」
「そのことではありませんよ」
 レオンの顔が、シャーロットの肩口に寄せられる。熱い息遣いを感じ、ひくっと喉が鳴った。
「昨晩、何故コンラッド様に触られて、魔法を使わなかったのです」
「それは……、相手は王族ですし……」
「ここを触られたのに、身分を気にしたと?」
 するっ、とレオンの手が、シャーロットの制服のスカートの中に入る。ビクッと身体を震わせると、下着越しに敏感な場所を指で突かれた。
「確かにここに軟禁されるきっかけでもあり、王族に魔法を行使しては今度こそどうなるかわかりません。ですが……」
 つつ……、と割れ目を撫でられ、声が出そうになり、シャーロットは自分の口を手で押さえた。
「あなたは少しずつ、魔力の制御を覚えてきています。怪我を負わせないよう、あの方を退かせることも、できたはずです」
「んんっ……!」
 ツプ、と下着の上から指で蜜壺の入り口を狙って突かれる。敏感な場所をやんわりと弄られ、そこは徐々に濡れてきてしまった。
「今回のテストの成績は今日やった中でも最低ですね。この程度の罰ゲームではダメだったようです」
 すっ、と指が抜かれ、ホッと息を漏らす。
「もう少し深く、あなたに触れさせていただきましょう」
「ふぇ……?」
 口を押えたままなので、変な声が出てしまう。
「それにこんなに濡れていては、せっかく塗った薬も流れ出てしまうというもの。もう一度、傷口に薬を塗りましょう」
 甘く、熱っぽい声で耳元に意地悪な囁きを落とされ、シャーロットはビクビクと身体を痙攣させてしまった。
(うそ……、私、今のでイッ……)
 サッ、とスカートを両手で押さえるが、その手はあっさりとレオンに捕らえられてしまう。
「れ、レオ……!」
 彼はシャーロットの足を開かせると、いつの間にか大きな丸い容器を手にしていた。蓋は空いており、中は軟膏だとわかる。
「新しいものは持ってきてあります。昨晩、お渡ししたものはすべて使ってしまいましたので」
 言いながら彼は蓋が開いた容器をテーブルの上に置き、その中の軟膏を指で掬い上げた。
 その指をシャーロットに見せつけるようにし、そして徐々にスカートの中へと潜り込ませていく。
「やっ! そんな……!」
 レオンは器用に薬がついていない指でシャーロットの下着をずらすと、蜜壺の中に軟膏の付いた指を挿れていく。
「ひっ、あぁ!」
 入口をぐるりと撫でられ、内壁のヒダ、一枚一枚を撫であげられる。昨晩もされているとはいえ、今はショックで何もわからないときではない。
 彼の太い指を中に感じるだけで、キュッと彼のそれを締め付けてしまった。
「力を抜いてください。傷を癒そうとしているのに、これでは逆にあなたを傷つけてしまう」
 冷静な声で叱られると、自分がおかしいのかと錯覚しそうになる。
 くっ、と内壁の中で指を折られ、シャーロットはまたビクビクと身体を震わせ、前のめりに倒れそうになったが、掴まれた手を引き上げられ、変な体勢で拘束されてしまった。
「ぁ、あぁあ!」
「シャーロット嬢、このまま授業をしましょう。次、ちゃんとできたら、ご褒美をあげますから」
 カリカリ、と内壁を指で軽く擦られ、シャーロットはさらに身もだえる。
「む、りぃ……!」
「無理ではありません。さぁ、始めましょう」
「やぁ……! せめ、て、おわって、からぁ!」
 結局、本当にレオンはシャーロットの中に指を挿れたまま、授業を再開させた。当然のことながら、膝の上に乗るだけよりもよっぽど彼の説明など聞いていられない。
「ぁ、ぁあ……、も、だめぇ……」
 内壁にはたっぷりと薬が塗られた。
 だが、なかなか本当に触れてほしい場所には触ってもらえず、身体の熱が身体中を駆け巡っている。
 蜜壺からはボタボタと愛液が滴り落ちていて、ソファには淫らな大きなシミが広がっている。
 もう何度目かわからない小テストは、ペンを握らされたものの、何も書けずに時間切れになってしまった。
 指を根元まで咥えさせられ、覚えてもいないことを書くなんて無茶ぶりだ。
「ゼロ点ですか。これはいけませんね……」
 言いながらも彼は、内壁を弄り続けている。
「ぁんっ! ぁ……!」
 快楽による生理的な涙で瞳を揺らしながら、シャーロットはレオンを振り返る。
「も……、むり……」
 視界が滲んで彼の顔が良く見えないが、そう訴えた途端、中に挿れられた指がグッと奥を突いた。
「ひぁあぁ!」
 ずっと外されていた奥を何度も突かれる。
 ぐちゅぐちゅと愛液が淫猥な水音を立てながら、シャーロットを追い詰めていく。
「ぁ、そこ、そこぉ……!」
 激しい抽挿にシャーロットは無意識にその動きに合わせて腰を振ってしまう。
「ぁぁぁあ! も、イ……ッ!!!」
 グリッ、と奥を一番強く抉られた途端、蜜壺からブシャッと愛液が吹き出した。
 絶頂を迎えてぐったりしていると、ゆっくりと指が引き抜かれていき、その感覚にも感じて甘い声が零れてしまう。
 酸素を求めて肩で息をしていると、脱力した身体をレオンに背後から抱きしめられた。
「ロティー……。次、何か遭ったら、すぐに私を呼んでください。今度こそ、あなたを守りますから」
 どこか苦しそうなその囁きを聞きながら、シャーロットは意識を手放した。
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