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囚われのエマ
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「嘘だろ!エマねぇーちゃん。今助けるからな!」
叫び声を聞いてあわててたどり着いたところ、スライムに襲われているエマを見つけた。
リアムは頭に力が登っているのだろう、剣を引き抜いてスライムに突進していった。
エマは全身をスライムに乗り込まれそうになりながらも、両手、両足をバタかせている。
かなり巨大なスライムだ。スイカ大のノーマルスライムなんて目じゃないでかさだ。
家に置いてあったバランスボールよりもでかそうだ。
もしやと、スキルを発動すると、
【スライムビッグ】
図鑑NO:004
スキル:吸収
スキル:擬態(砂、石、ミスリル鋼)
スキル:ポケット(中)
スキル:スライム食3th
幼スライムが成長した姿、ノーマル系スライムの成体。
潤沢な魔力を蓄えており、魔石を宿している時がある。
またスライムの特徴して派生があるために成体になるのは稀である。
案の定、新種だ!
エマちゃんにいいところを見せれて、なおかつ新種までGETできるとはさすが俺だぜ!とタイチは心の中でガッツポーズする。
よし、まずは状況の確認だ!
視界は良好とはいえない。
ランプの光は足元と少しその先を照らす程度で、エマの周りにある光の球は、その効力を失いつつあるようで、チカチカと明滅を繰り返している。
おかげでスライムに襲われているエマがまるでコマ送りようにしか見えない。
――――パアッ!
神官服の裾野が破け、スリットを広げているスカート部分からは、所々に穴があいた白いタイツとガードベルトによる絶対領域たる太ももが露わになっていた。
エマちゃんがガーターベルトだとっ?!
――――パアッ!
ついにエマは両手を抑えられてしまったようで釣り上げられるように、両腕が頭の上にクロスして持っていかれる!
なんて卑劣なスライムなんだ!
――――パアッ!
両腕により閉じられいていたのだろう、僅かな起伏が上下する胸元にスライムが殺到する!
けしからんぞ、スライム!! ゴクリっ、とタイチは唾をのみこんだ。
――――パアッ!
そんなエマを救おうとリアムが剣を振り上がている!
邪魔だ、見えないだろうが!
――――パアッ!
「うわぁああああ」
リアムがスライムに弾き飛ばされていた。
ナイスライムだ!
――――パアッ!
ついに柔肌へとスライムが侵入してしまったのか、神官服が内側からモコモコと形を変えて、
―――――ぶるっり、ぶるうるるるるるるるるっ!
「ひゃあん! ババババイブらめっ、やめ、スラオォオ、オ、オ、オ、オ」
突如としてスラオがマイリトルサンを揺らす。
ガクガクして思わず、膝をついてしまう。
「マジで、それはやめろとあれほど!どうしたスラオ」
股関部に張り付くスラオ本体……………本体と言うのが適切かは分からないが、スラオの心というか中心がそこにあるとタイチは感じていた。
嫌だけどな。
スラオが、じっーとこちらを見つめてくる……………気がする。
声が発せていたら、うぅうううと唸り声もあげていただろう。
別にこれはこちらを威嚇しているのではない。
ポチもよく、餌や泥水を前にして我慢に耐えようと唸り声をあげていたものだ。
スラオも食べたくてしょうがないのだろう。
「おいっ、なにやってんだよ! ただの変態じゃないっていうところを見せてみろよ!」
――――パアッ!
映し出される額に玉のような汗を拭きあがらせて、怒鳴る少年、リアムの顔が映し出される。
ふんっ、安い挑発だなとタイチは思ったが、
――――パアッ!
ついに顔全体を覆われてしまったエマが見えた。
あれじゃ、窒息してしまう!
「スラオ、スライムを喰え! エマは食べるなよ!!」
ぶるりっ、とスラオが歓喜に震えるとエマを飲み込んでいるビッグスライムへと飛びかかった。
――――パアッ!
スライムにのしかかる、スライム。
どちらも半透明であるがために、どこまでがスラオで、どこまでがビッグスライムか分からない。
「どいて、リアム。スラオがやる!」
「大丈夫なんだろうな!」
「ああっ、スライム同士の戦いでスラオは負けなしだ!」
「エマも食おうとしたら、俺が叩き切るからな!」
明滅する洞窟内で野郎同士怒鳴りあいながらも、スラオの戦いを見守る。
負けるはずがないはずだ。確かに相手もスライム食3thなんてスキルを持っていたが、こちらのスラオは極だ。
大きさなんてものともしないだろう。
「スパーク!」
線香花火のような火花の塊がスラオごとビッグスライムに当たる。
「おいっ、何知ってるんだ!」
「うるせー、早くしないとねぇーちゃんが死んじまうだろうが!」
「すぐぶち殺してやるからちょっと待ってろ!」
リアムに怒鳴りつつ、確かにとタイチは焦る。
えっーと人間が息を止めておけるのって何分だけ?1分?2分?
あんまり長いと後遺症が残るんだっけ?えーと今何分たった?
(スラオ、時間がない。早く喰らいつくすか、エマの顔のほうから頼む!!)
スライパシーで念を送ると、
股関部に振動が走り、それが起こった。
「ん?」
最初は変な違和感だった。
ぷちぷちぷち、と何かが剥がれていく感触、そして―――――スラオ本体が離れた!!
洞窟内の肌寒い風が下から吹き上げ、マイリトルサンを縮こませる。
だが、それは懐かしい感触だった。
アウの一件以降、頑なに股関部から離れようとしなかったスラオが離れたのだ!
「この、変態野郎!こ、こんな時になんで裸になってるんだ!」
ガキが何やらわめいているようだ。
お前にはまだわかるまい、気持ちぃ~これが解放されるということなのか。
タイチがつかの間の解放に浸っていると、
「……………ゲッホゲホゲホゲホ」
「エマねーちゃん!!」
どうやら、スラオがビッグスライムを食べつくしたようだ。
解放されたエマがえづいてる。
すると、暗闇を焼き払うかのような強烈な光。
「ああっ~何日ぶりだろ、ここに来るの」
もはや見慣れ始めた黄昏時に包まれた不思議空間。
そして―――――、
「ああっ、大きぃいの~」
この空間の支配者、陽光の如き金髪を振り乱し、スカイブルーの瞳は潤みをおびて、
「今まで子供ばかりだったけど、ようやく大人の大きぃいのが来たのぉ」
まさに女神のごとく美しい美少女ちゃんが力の波動を受け入れているのか、動ける部分だけを切なげに震わせている。
おっぱいこい、おっぱいこい、おっぱいこい、おっぱいこい、おっぱいこい、おっぱいこい!
タイチの祈りと共に美少女ちゃんの嬌声と全身を包む光が増していく。
臨界点に達した光とタイチの祈りが重なり、ばぁーんと封印具たる岩とともに弾けた。
―――――どこだ!
網膜が焼き切れても構わない!とタイチは強烈な光にも負けずに、瞳に大量の涙を流しながらも見続けた。
「はぁー、はぁー、はぁー、成体スライムはいいですね。ベッドにしてもいいんですよ」
瞳に涙をためながらも美少女ちゃんが微笑む。
今回の箇所は二の腕の下の一部だ!……………どうせなら、脇が良かった。
残念がると同時、きっとスベスベでつるつるの綺麗な脇なんだろうな~とタイチは妄想して鼻の下を伸ばす。
「奥に……………もう一体いますね」
「えっ?」
「私の神殿を離れたのですね。スライムがたくさん……………でも気配が違います」
「ご、ごめん」
タイチは反射的に謝ってしまったが、美少女ちゃんは顔を左右に振る。
「いえ、いいんですよ。新たなるスライムを求めるにはあそこだけで不十分です。なにせ151種もいるのですから、ではタイチ、良き旅を」
「えっえええ!もう終わり!!もっと話したいことが!」
美少女ちゃんが、ふっふふとイタズラぽく笑う。
「大丈夫ですよ。またすぐに会えますよ。その予感がします」
美少女ちゃんがウィンクをこちらに飛ばしてくるとともに、光の奔流がタイチは飲み込んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暗闇が支配する洞窟内に再びタイチの意識は戻ってきた。
「リアム、ありがとう。大丈夫そう、ライトオブイルミネート」
スライムから解放され、その手に錫杖が戻ったエマが再び呪文を唱えると、光の玉はちからを取り戻し、洞窟の闇を隅へと追いやる。
それと同時にエマの悲惨な状況が明るみに出た。
破れ、穴があいた神官服のせいで、可愛らしいおへそが見え隠れてしている。
その下に履かれた白いタイツは焦げたように黒んでおり、もう片方の足のほうは、ガーターのベルト部分が焼き切れてしまってタイツの片方が半脱ぎ状態で太股の大部分を露になってしまっている。
白い肌とともに爛れや赤くなっている部分もちょいちょいとあり、何やらどろりとした何かを塗り込んでいた。
あろうことかエマの肌を傷つけていたようだ!
全く服だけでいいものを、乙女の肌を傷つけるなんて、スライムの風上にも置けない奴だ!
スラオに食わして正解だったな!
「ふっ、大丈夫だったかい、エマ」
まぁいい。ここから本番だ!
さぁチョロインエマよ、俺に惚れるがいい!!
ピンチのヒロインの前に颯爽と現れて敵を倒して、やれやれしょうがないぜ!みたいな主人公をイメージしながらエマに声をかえた。
「すまないな、遅れてしまって」
リアムにマントを羽織わせてもらいながら、エマが顔を上げる。
「いえ、こちらこそ、助かり――――――きゃぁあああああああああああああああああああああああああ」
洞窟内にエマの悲鳴がこだまする。
「―――っ!おまえ、服を着ろ!服を!」
リアムに言われて、僕また何かしてしまいましたか?きょとん、と視線を落とすとマイリトルサンがヒャッハー久しぶりのシャバだぜぇーと揺れていた。
おっと、俺としたことがスラオが離れたまんまだったな。HAHAHAHAHAHAHA
(スラオ、カモン)
おいおいまた牢獄に戻るのかい?とマイリトルサンがスラオに包まれる。
(擬態:皮装備)
と念じれば立派な冒険者の装いだ。これでいいだろう。
「俺が来たからにはもう安心だぜ、エマ!」
「いやぁあああああああああああああ!!」
ビッと決めたものの、タイチの額にエマの錫杖がクリーンヒットしたのだった。
ふっ、俺もまだまだ詰が甘かったな。と思いながら、洞窟内に倒れたのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
スラオ保持スキル
・スライム喰極
・擬態(砂、石、皮装備、葉、ミスリル鋼)・形成(砂、石)限界+突破
・吸収
・ストーンバレット
・スライムポケット、ポケット(中)
スライム図鑑 6/151
美少女ちゃん封印解除まであと145種。
叫び声を聞いてあわててたどり着いたところ、スライムに襲われているエマを見つけた。
リアムは頭に力が登っているのだろう、剣を引き抜いてスライムに突進していった。
エマは全身をスライムに乗り込まれそうになりながらも、両手、両足をバタかせている。
かなり巨大なスライムだ。スイカ大のノーマルスライムなんて目じゃないでかさだ。
家に置いてあったバランスボールよりもでかそうだ。
もしやと、スキルを発動すると、
【スライムビッグ】
図鑑NO:004
スキル:吸収
スキル:擬態(砂、石、ミスリル鋼)
スキル:ポケット(中)
スキル:スライム食3th
幼スライムが成長した姿、ノーマル系スライムの成体。
潤沢な魔力を蓄えており、魔石を宿している時がある。
またスライムの特徴して派生があるために成体になるのは稀である。
案の定、新種だ!
エマちゃんにいいところを見せれて、なおかつ新種までGETできるとはさすが俺だぜ!とタイチは心の中でガッツポーズする。
よし、まずは状況の確認だ!
視界は良好とはいえない。
ランプの光は足元と少しその先を照らす程度で、エマの周りにある光の球は、その効力を失いつつあるようで、チカチカと明滅を繰り返している。
おかげでスライムに襲われているエマがまるでコマ送りようにしか見えない。
――――パアッ!
神官服の裾野が破け、スリットを広げているスカート部分からは、所々に穴があいた白いタイツとガードベルトによる絶対領域たる太ももが露わになっていた。
エマちゃんがガーターベルトだとっ?!
――――パアッ!
ついにエマは両手を抑えられてしまったようで釣り上げられるように、両腕が頭の上にクロスして持っていかれる!
なんて卑劣なスライムなんだ!
――――パアッ!
両腕により閉じられいていたのだろう、僅かな起伏が上下する胸元にスライムが殺到する!
けしからんぞ、スライム!! ゴクリっ、とタイチは唾をのみこんだ。
――――パアッ!
そんなエマを救おうとリアムが剣を振り上がている!
邪魔だ、見えないだろうが!
――――パアッ!
「うわぁああああ」
リアムがスライムに弾き飛ばされていた。
ナイスライムだ!
――――パアッ!
ついに柔肌へとスライムが侵入してしまったのか、神官服が内側からモコモコと形を変えて、
―――――ぶるっり、ぶるうるるるるるるるるっ!
「ひゃあん! ババババイブらめっ、やめ、スラオォオ、オ、オ、オ、オ」
突如としてスラオがマイリトルサンを揺らす。
ガクガクして思わず、膝をついてしまう。
「マジで、それはやめろとあれほど!どうしたスラオ」
股関部に張り付くスラオ本体……………本体と言うのが適切かは分からないが、スラオの心というか中心がそこにあるとタイチは感じていた。
嫌だけどな。
スラオが、じっーとこちらを見つめてくる……………気がする。
声が発せていたら、うぅうううと唸り声もあげていただろう。
別にこれはこちらを威嚇しているのではない。
ポチもよく、餌や泥水を前にして我慢に耐えようと唸り声をあげていたものだ。
スラオも食べたくてしょうがないのだろう。
「おいっ、なにやってんだよ! ただの変態じゃないっていうところを見せてみろよ!」
――――パアッ!
映し出される額に玉のような汗を拭きあがらせて、怒鳴る少年、リアムの顔が映し出される。
ふんっ、安い挑発だなとタイチは思ったが、
――――パアッ!
ついに顔全体を覆われてしまったエマが見えた。
あれじゃ、窒息してしまう!
「スラオ、スライムを喰え! エマは食べるなよ!!」
ぶるりっ、とスラオが歓喜に震えるとエマを飲み込んでいるビッグスライムへと飛びかかった。
――――パアッ!
スライムにのしかかる、スライム。
どちらも半透明であるがために、どこまでがスラオで、どこまでがビッグスライムか分からない。
「どいて、リアム。スラオがやる!」
「大丈夫なんだろうな!」
「ああっ、スライム同士の戦いでスラオは負けなしだ!」
「エマも食おうとしたら、俺が叩き切るからな!」
明滅する洞窟内で野郎同士怒鳴りあいながらも、スラオの戦いを見守る。
負けるはずがないはずだ。確かに相手もスライム食3thなんてスキルを持っていたが、こちらのスラオは極だ。
大きさなんてものともしないだろう。
「スパーク!」
線香花火のような火花の塊がスラオごとビッグスライムに当たる。
「おいっ、何知ってるんだ!」
「うるせー、早くしないとねぇーちゃんが死んじまうだろうが!」
「すぐぶち殺してやるからちょっと待ってろ!」
リアムに怒鳴りつつ、確かにとタイチは焦る。
えっーと人間が息を止めておけるのって何分だけ?1分?2分?
あんまり長いと後遺症が残るんだっけ?えーと今何分たった?
(スラオ、時間がない。早く喰らいつくすか、エマの顔のほうから頼む!!)
スライパシーで念を送ると、
股関部に振動が走り、それが起こった。
「ん?」
最初は変な違和感だった。
ぷちぷちぷち、と何かが剥がれていく感触、そして―――――スラオ本体が離れた!!
洞窟内の肌寒い風が下から吹き上げ、マイリトルサンを縮こませる。
だが、それは懐かしい感触だった。
アウの一件以降、頑なに股関部から離れようとしなかったスラオが離れたのだ!
「この、変態野郎!こ、こんな時になんで裸になってるんだ!」
ガキが何やらわめいているようだ。
お前にはまだわかるまい、気持ちぃ~これが解放されるということなのか。
タイチがつかの間の解放に浸っていると、
「……………ゲッホゲホゲホゲホ」
「エマねーちゃん!!」
どうやら、スラオがビッグスライムを食べつくしたようだ。
解放されたエマがえづいてる。
すると、暗闇を焼き払うかのような強烈な光。
「ああっ~何日ぶりだろ、ここに来るの」
もはや見慣れ始めた黄昏時に包まれた不思議空間。
そして―――――、
「ああっ、大きぃいの~」
この空間の支配者、陽光の如き金髪を振り乱し、スカイブルーの瞳は潤みをおびて、
「今まで子供ばかりだったけど、ようやく大人の大きぃいのが来たのぉ」
まさに女神のごとく美しい美少女ちゃんが力の波動を受け入れているのか、動ける部分だけを切なげに震わせている。
おっぱいこい、おっぱいこい、おっぱいこい、おっぱいこい、おっぱいこい、おっぱいこい!
タイチの祈りと共に美少女ちゃんの嬌声と全身を包む光が増していく。
臨界点に達した光とタイチの祈りが重なり、ばぁーんと封印具たる岩とともに弾けた。
―――――どこだ!
網膜が焼き切れても構わない!とタイチは強烈な光にも負けずに、瞳に大量の涙を流しながらも見続けた。
「はぁー、はぁー、はぁー、成体スライムはいいですね。ベッドにしてもいいんですよ」
瞳に涙をためながらも美少女ちゃんが微笑む。
今回の箇所は二の腕の下の一部だ!……………どうせなら、脇が良かった。
残念がると同時、きっとスベスベでつるつるの綺麗な脇なんだろうな~とタイチは妄想して鼻の下を伸ばす。
「奥に……………もう一体いますね」
「えっ?」
「私の神殿を離れたのですね。スライムがたくさん……………でも気配が違います」
「ご、ごめん」
タイチは反射的に謝ってしまったが、美少女ちゃんは顔を左右に振る。
「いえ、いいんですよ。新たなるスライムを求めるにはあそこだけで不十分です。なにせ151種もいるのですから、ではタイチ、良き旅を」
「えっえええ!もう終わり!!もっと話したいことが!」
美少女ちゃんが、ふっふふとイタズラぽく笑う。
「大丈夫ですよ。またすぐに会えますよ。その予感がします」
美少女ちゃんがウィンクをこちらに飛ばしてくるとともに、光の奔流がタイチは飲み込んだ。
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暗闇が支配する洞窟内に再びタイチの意識は戻ってきた。
「リアム、ありがとう。大丈夫そう、ライトオブイルミネート」
スライムから解放され、その手に錫杖が戻ったエマが再び呪文を唱えると、光の玉はちからを取り戻し、洞窟の闇を隅へと追いやる。
それと同時にエマの悲惨な状況が明るみに出た。
破れ、穴があいた神官服のせいで、可愛らしいおへそが見え隠れてしている。
その下に履かれた白いタイツは焦げたように黒んでおり、もう片方の足のほうは、ガーターのベルト部分が焼き切れてしまってタイツの片方が半脱ぎ状態で太股の大部分を露になってしまっている。
白い肌とともに爛れや赤くなっている部分もちょいちょいとあり、何やらどろりとした何かを塗り込んでいた。
あろうことかエマの肌を傷つけていたようだ!
全く服だけでいいものを、乙女の肌を傷つけるなんて、スライムの風上にも置けない奴だ!
スラオに食わして正解だったな!
「ふっ、大丈夫だったかい、エマ」
まぁいい。ここから本番だ!
さぁチョロインエマよ、俺に惚れるがいい!!
ピンチのヒロインの前に颯爽と現れて敵を倒して、やれやれしょうがないぜ!みたいな主人公をイメージしながらエマに声をかえた。
「すまないな、遅れてしまって」
リアムにマントを羽織わせてもらいながら、エマが顔を上げる。
「いえ、こちらこそ、助かり――――――きゃぁあああああああああああああああああああああああああ」
洞窟内にエマの悲鳴がこだまする。
「―――っ!おまえ、服を着ろ!服を!」
リアムに言われて、僕また何かしてしまいましたか?きょとん、と視線を落とすとマイリトルサンがヒャッハー久しぶりのシャバだぜぇーと揺れていた。
おっと、俺としたことがスラオが離れたまんまだったな。HAHAHAHAHAHAHA
(スラオ、カモン)
おいおいまた牢獄に戻るのかい?とマイリトルサンがスラオに包まれる。
(擬態:皮装備)
と念じれば立派な冒険者の装いだ。これでいいだろう。
「俺が来たからにはもう安心だぜ、エマ!」
「いやぁあああああああああああああ!!」
ビッと決めたものの、タイチの額にエマの錫杖がクリーンヒットしたのだった。
ふっ、俺もまだまだ詰が甘かったな。と思いながら、洞窟内に倒れたのだった。
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スラオ保持スキル
・スライム喰極
・擬態(砂、石、皮装備、葉、ミスリル鋼)・形成(砂、石)限界+突破
・吸収
・ストーンバレット
・スライムポケット、ポケット(中)
スライム図鑑 6/151
美少女ちゃん封印解除まであと145種。
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さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
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稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
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