朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】

桜月真澄

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二 さて。

side咲桜29

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うん、と先輩は肯いた。

「施設出てから、中学出るまでは。匿ってもらったって言った方が正しいかも」

「連れ戻されたりしなかったんですか?」

「施設の人が来たけど、二宮さんや神宮が間に入ってくれた。そんで今でも結構頭あがんないわけ」

「流夜くんの相棒って誰なんですか?」

「それは――……俺が知りたい」

一気に先輩の声が冷えた。

「知らないんですか?」

「知らねー。つーか誰も教えてくんねー。宮寺は知ってる人間自体少ないって言うし」

「宮寺先生は知ってんですね……」

としたら、当然降渡さん吹雪さんは知っているだろう。

三人の間に秘密は意味なしと言っていたし。

「それって、降渡さんや吹雪さんじゃないんですか?」

「違うらしい。神宮が留学してっときに向こうで顔見知りになった、てとこまでは知ってるけど」

留学というと、中学のときのやつかな?

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