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6 残滓
side黎17
しおりを挟む真紅が話すことに頭がついていかない。
ぼけらんとしてしまった俺の胸倉を摑んで、真紅が頬に口づけて来た。
「言いに行くから、絶対に生きて。死ぬことに諦めないで。……私のこと、ほしいって思ってくれてるんなら、そう思ってて」
呆気に取られる俺に言い放ってから、手を放した真紅は一気に顔を真赤にさせた。
「そ、そういうことだから! 簡単に言うと私、影小路に入るから! それじゃ!」
そのまま、すぐ近くのアパートに駆け込んでいった。
…………。
真紅が触れた頬を押さえる。
「……行動が全然読めねえ……」
俺、近い将来婿にもらわれるらしい。
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