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side咲桜17

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「………運命」

「そういう言い方が苦手だったら、他の呼び方でいいんです。なんでもいいんですよ。自分が決めたものだったら。自分の命は自分だけのものではないですけど、主導権――命を導けるのは自分です」

「………」

「『私たち』の影響って言うのはたぶん、『自分が納得出来るものだったら背理でもなんでもいい』っていうとこだと思います」

「………」

「背徳だろうが非道徳だろうが、多少正しくなくても、捕まらない程度ならいいんですよ」

『………』

きょ、極論すぎないか……? あっけらかんと言う尊さんは、顔と言葉が合っていない。

「『私たち』はそういう風に生きることを決めました。それだけですよ」

そう言って尊さんは優しく微笑んだ。

言葉の内容とかけ離れているほど穏やかに。

正しくない生き方。清々しいほど濁った生き方。

義の心の父のもとで生きていた私には、遠い生き方かもしれなかった。

でもその生き方を――恋う人たちは、していた……。

その先で、流夜くんは――――。

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