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side咲桜1
しおりを挟む「咲桜」
「ん? どうしたの?」
「―――………」
「流夜くん?」
華取の家のリビングで、夕飯の準備に取り掛かった私に呼びかけて、でも何か言いたげに視線をさまよわせている流夜くん。
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行きたい気持ちはある。あそこなら確実に二人きりになれる。でも。
まだ、考えている途中だ。中途半端な関係は嫌だ。
お互い納得した形で――傍にいられる道を、選びたい。少なくとも私はそう思っていた。
流夜くんと美流子さんが実の姉弟ではなかった。
それは、流夜くん自身も生家のある町に訪れて、戸籍で確認をとってきた。
美流子さんは養子とされていた。
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でも、もっと大きな……問題は、転がったままだ。
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