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side流夜16
しおりを挟む「流夜くんには私程度では、相手務まりませんよ。流夜くんに敵うのは、彼の弟くらいのものですから」
箏子さんは、今度は俺を睨んだ。
「いつから、こんなこと考えていたのです」
「考えたのは、朝間先生から連絡をもらってからです。正直、俺みたいな部外者が関わらないところで、箏子さんの咲桜に対する誤解が解ければ、程度には思っていましたが」
「………」
箏子さんは、やはり押し黙った。悔しさが臨界点という顔だ。
「俺の考えは、有言実行した方が早いかと。この通り、咲桜のこととなれば俺が惜しむものはありません。今日、咲桜と結婚するために教職辞めることも厭(いと)いません。箏子さんがまだ何か言いたいことがあると言うなら――本当にさらいますよ?」
箏子さんは口の端を引きつらせた。俺が本気で言っているとわかっているようだ。
「それで、あの……くもいさん? って、『雲居降渡』くんですよね?」
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